がちゃのメモ帳

Jリーグをメインに、いろいろな感想を残していきます

2024 J1第1節 東京ヴェルディvs横浜F・マリノス メモ

www.jleague.jp

スタメン

ACLから中3日のマリノス。120分出場したマテウスはベンチスタートに。

 

流れ

雨が降る中でのゲーム。

ヴェルディはCKでインスイングキッカーをチョイス。山田楓と見木。

ヴェルディは高い位置からハイプレスを掛ける。マリノスは簡単に蹴らず、足元でつなぐ。

2分、エウベルが突破してシュートもブロック。→木村を背後に走らせてポープが出てくるもクリアできずにポープのファウル。ポープには警告が提示。

3分、ポープのレッドカードチェック。エリア外で手に当たったところをどう判断するか。長いチェックの末、原判定通りFKで再開。

6分、ヴェルディ先制、1-0。山田楓が直接FKを決めた。完璧なキック。

ヴェルディは自陣守備で染野も戻って人数をかける。木村は右寄りで待機しておいて、トランジション時の陣地回復要員。マリノスACLでも左サイド裏を突かれていたこともあり、ヴェルディもそこを狙っているか。

立ち上がりはヴェルディぺース。一度引いたらしっかりと4-4-2を組んで全員で守る。

マリノスの保持とヴェルディのミドルブロック。

12分、エウベルが外に張って、渡邊がインサイドから縦に出ていく。

ヴェルディは2トップでアンカーをプロテクトし、SHがサイドへのチェックに行った流れでCBにもけん制をかける。

マリノスはサイドに預けてWGを経由して前に行こうとしているが、ヴェルディのプレスバックが早い。

15分、マリノスの敵陣保持。ヴェルディが人数をかけて守っているので、なかなか打開の手段がみつからない。CBがアタッキングサードの入り口くらいの高さで待機する。

20分、染野がPA内まで抜け出して連続切り返しからシュートもポープがブロック。決定機もマリノスが2点目は決めさせず。

ヴェルディはプレスを受けても簡単には蹴らず。極力つないで自分たちの時間も作ろうとする。ただ、基本的にはマリノスがボールを持つ展開。

25分、染野が深くまでプレスバックを欠けて右で奪取。左で入った翁長へ届け、陣地を押し上げる。

25分、マリノスがロングカウンター。エウベルが運んで水沼に渡すもギリギリでブロックが間に合う。ヴェルディは後方が手薄なところで危険なロストだった。

28分、山田楓のFKを谷口が合わせるもバー直撃。結果的にオフサイド

29分、山田楓の前向きのカットからラストパスで木村に預けてシュートもポープが触って上島がクリア。決定機。

マリノスとしては、ヴェルディが低い位置でもつないでくるところ、比較的シンプルにゴール前に入れてくるところでトランジションを起こし、攻め切れるかどうかがポイントになりそうか。

マリノスがビルドアップでロストし、ヴェルディが前向きで奪ってカウンターに出ていくという流れを繰り返している。マリノスはビルドアップの起点を作れず、

35分、エドゥアルドからのフィードで水沼が右で受けてクロスまで。近くではなく、遠くへ飛ばすことで前進。

36分、渡辺が右のポケットに入り込み、深さを作る。

37分、水沼がCBにアタックし、SB位置に下りてきた齋藤には松原がスライドして対応。

37分、ヴェルディスローインから縦に一気に運び、山田楓が仕掛けからシュートまで。ポープがファインセーブ。

38分、ヴェルディの波状攻撃。左からのクロスを折り返すもシュートは枠外。

ヴェルディは両CBが積極的に運んでくる。多少リスクがあっても保持の質を高めようとする。

41分、渡辺がプレスを掛けてそのまま最深部まで追ってスイッチを入れる。

ヴェルディは相手のサイドでのパス回しにFWが戻ってきてふたをする。マリノスはボールホルダーが1つのパスコースしかないような状況に追い込まれる。

44分、山根が背後へ抜け出して折り返すもヴェルディ守備陣もついて行ってブロック。

48分、ロペスが強引に稲見から奪い取ってそのままシュートまで。マテウスが処理。

 

ヴェルディがFKを決めて先制し、その後もミドルブロックからのカウンターでチャンスを作った。マリノスは自陣から保持して攻撃を移行しようとするが、前に入れたタイミングでボールを奪われてカウンターを受けるという流れが頻発。連戦の影響もあってか、トランジションでも優位に立ち切れず、相手に保持される時間もそれなりにあった。ヴェルディは自陣での守備となると2トップもしっかり戻して強固な組織を作り上げるため、マリノスはセット攻撃になると打開がかなり難しい。そもそも陣地を押し上げるフェーズへ移行するのも簡単にいかなかった。

ヴェルディは2トップの染野と木村ですら自陣深くまで戻って、ボールの出所を絶対につぶす意識。それで前残りの選手がいなくなってもOK。奪ってから切り替えで上回ってスペースを突けば前進できるという考え方で、実際に押し返しもできていた。

 

 

後半

マリノスは渡辺と喜田を横並びにして4-2-3-1気味に修正。山根がトップ下。

48分、トランジションからエドゥアルドが長い距離を運んでパス。一気に陣地を押し上げて敵陣保持に。ただ、シュートまでは持ち込めず。

50分、ポープの縦パスをうまく渡辺がうけてプレス回避。システムを変えた効果が少しずつ出ている。

51分、アンカーにマークへついた見木が奪い取ってカウンター。染野が遠めから狙うもポープの守備範囲。喜田は前を向いて局面打開を狙ったが、捕まった。

52分、喜田が下りて3-1ビルド。水沼がスペースへボールを送り、ロペスが飛び込むがヴェルディ守備陣が粘る。

53分、ルーズボール回収からヴェルディの波状攻撃。左からのクロスを受けた山田楓が狙い、こぼれ球をシュートも枠外。

55分、マリノス交代

水沼、喜田→マテウス、宮市

それぞれ両WGに入り、エウベルが2トップ気味に移動。

57分、宮市が背後に抜け出してクロス。ロペスが飛び込むも合わず。再び右で作ってマテウスが強いパスを入れるも合わず。マリノスが少しずつゴールへ近づいている。

59分、ヴェルディ交代

山田楓、齋藤→山見、河村

60分、セットプレーの流れから河村がいきなりシュート。角度のないところからだったが、まず1本というところだろうか。

61分、マリノスがバイタルで受けてから右に送ってマテウスのマイナスの折り返し。渡辺が合わせて宮市が詰め、ネットを揺らすがオフサイド

63分、ロペスがバイタルで受けて右へ送り、松原が間に流し込むボールを送るも、詰め切れず。GKとDFのちょうど間の狭いところを綺麗に通したが、併せる側が間に合わず。

マリノスがゴールへ一気に近づく。ヴェルディは人数をかけてボールホルダーの縦と横は切れているが、斜めのパスコースの選手に対して迎撃がワンテンポ遅れており、そこから一気にスピードアップを許す流れが続く。ボールホルダーに人数をかけているぶん、そこを抜けられると、後ろのスペースを突かれやすい。

一時はマリノスが一気にペースを引き寄せたが、ヴェルディがプレスの強度を上げ直し、流れを引き戻す。

71分、ヴェルディ交代

木村→山田剛

マリノス交代

渡辺、エウベル→ナムテヒ、天野

山根がアンカーになり、ナムテヒと天野がIH。

75分、山田剛に警告。笛が鳴ったあとに大きくけり出して遅延行為に。

左は宮市になってから背後へ抜ける動きがかなり増えた。

ヴェルディが選手交代あたりから守備のエンジンを入れ直し、自陣での守備にもほころびが出なくなってきた。

80分、自陣トランジションから染野がワンタッチですらして山見がスペースへ抜け出す。翁長の追い越しで中野スペースを空けてシュートまで。枠外。

80分、マリノス交代

山根→植中

植中が最前線で2トップ気味に入り、天野が中盤の底で作りに関与しながら押し上げたら自由に動く。中盤にフィルターは存在せず、トランジションから密集を抜け出されると一気にゴール前までいかれるような設計。

85分、上島に警告。リスタートを遅らせてカウンターの芽をつんだところの遅延行為。

86分、ナムテヒが右ポケットに入って折り返し、ファーで受けた渡邊がダイレクトで入れたクロスが河村の手に当たり、PK。ヴェルディは守れていたが、個人のエラーが出てしまった。

88分、マリノス同点、1-1。PKをロペスが決めた。マテウスもギリギリまで我慢してボールの方向には飛んだが、ロペスの蹴ったコースが上回った。

追いつかれたヴェルディは守り切るのではなく、前からのプレスを強めて勝ち越し点を狙いに行っている。

90分、ヴェルディの選手がPA内で倒されるもノーファウル。

91分、稲見が足を攣る。

92分、マリノス逆転、1-2。右で持ったマテウスが中へ渡し、松原が左足でコントロールショットを決め切った。ゴラッソ。その前のところで翁長が倒されたところのファウルを主張するが、ゴールは認められた。

96分、翁長のロングスローを谷口が合わせるも力なくポープのもとへ

停滞する時間が長かったマリノスが終盤に2点を一気に取って逆転に成功。

 

後半からシステムを変えて、前半の良くない流れからの抜け出しを狙う。ボランチが2枚になったことでピックアップできるシーンがいくらかでき、前半よりは流れが好転。敵陣の深くに入ってゴールへ近づくシーンを増やしたが、得点は生まれず。ヴェルディも苦しい時間ができたが、長くは続けさせず、しっかりと押し返してペースを引き戻す。マリノスは選手交代で守備的な選手を下げて攻撃的な選手を投入。フォーメーションのバランスは度外視でなりふり構わずゴールへ向かう。それが奏功してか、アディショナルタイム前にPKを獲得。ロペスが決めて同点に追いつくと、その後に松原がゴラッソを決めて逆転に成功。

ヴェルディは危険なシーンはそこまで多くなく、ペースを握っていた時間も多かっただけに、最後で逆転を許したのはショックが大きいはず。ただ、早い時間に先制し、守備から主導権を握っていく展開に持ち込めたのはポジティブだろう。あとは無失点に抑える、もしくは追加点を取って突き放す、のどちらかは達成できなければならなかった。

マリノスは90分を通してうまくいっていた時間はかなり少なかった印象だが、最後に押し切ってしまう勝負強さはさすが。ただ、安定して前進し、陣地を押し上げる時間をもっと増やさないと難しい試合が増えるだろう。

 

個人的MOM

アンデルソン ロペス&松原 健

90分トータルで見ればそこまで良いパフォーマンスとは言えなかったと思うが、得点を取って勝ったことがすべて。ACLに続き、緊張感が最大まで高まっている場面でのPK成功、そして2回と打てないゴラッソで勝点3をつかみ取った。

ヴェルディは染野が深い位置に戻ってのプレスバックや、トランジションでの起点として躍動。昨季のエースは今年もチームを牽引してくれそう。最後は失点に絡んでしまったものの、翁長のタイトなマークとトランジションでの駆け上がりも目立っていた。

 

トピックス

Jリーグ初年度の開幕戦と同じカードで、同じスコア、スコアの推移まで一緒という不思議な巡り合わせのゲームに。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 城福 浩監督 ]
勝たせられなかったのは私の責任だというふうに思います。いま持てる力を選手は出してくれたと思う。ゲームの内容からしても、シュートの本数からしても、オンターゲットの数からしても、今日勝たせられなかった一番は自分の采配、2つ目は決定力ですね。やはり2点目を決められなければ、痛い目に遭うということをわれわれは今日の試合で学ばなければならない。

--試合内容をどう振り返るか。
多少の横浜FM対策はしたけれど、われわれが何か特別な布陣を敷いたというわけではなくて、昨季やってきたことをブラッシュアップするというチーム作りの中で、選手がそこに向かっていく準備をしてくれたので、ここまでやってきたことをしっかり出してくれたと思います。

だからこそ、ある程度出せた手ごたえがあった中で勝点がゼロというのは、やはりJ1の厳しさを痛感していますし、内容が悪くない中で勝点が取れない試合が続くと自信の喪失にもなってくる。私はそういう経験もしている。「内容が悪くなかった」という一言でまとめたくはないです。必ず逆転されたことに原因はある。われわれに足りなかったものがあって、それをしっかり突き詰める1週間にしたいと思います。

--今後、どのような試合を展開していきたいか。
繰り返しになるかもしれないけれど、このチームは非常に若いチームなので、成長というのがキーワードになる。今日の試合で何を学ぶかだと思います。今日見せたサッカーを第2節にはさらにブラッシュアップしていく。第3節にはもっと強いチームになっていくことが大事だと思うので、今日見せたものを継続しながら、課題を克服していくというのを見せるリーグになるのかなと思う。

そのキックオフだった今日の試合は、われわれは「よくやった」と言われるために試合をやっているわけではない。勝点3を取るためにやっているので、応援に来てくれるお客さんに対して、サポーターに対して、本当に申し訳なかったと思います。われわれも悔しいですが、おそらくヴェルディのサポーターも「よくやった」というものを見に来ているわけではないと思います。この悔しさを共有して、次にぶつけたい。

その1試合の積み重ねの38試合が結果になると思うので、今日の試合がどうというわけではなく、われわれの成長を見せたいと強く思う試合でした。

 

[ ハリー キューウェル監督 ]
何から喋ればいいのでしょうか(笑)。開幕カードが注目される“ナショナルダービー”でした。相手は昇格してきたチーム。簡単な試合にはならないと思っていましたが、それが現実となりました。この悪天候もあり、自分たちのサッカーを見せることができませんでしたし、正直ベストの状態でもありませんでした。ただ4日前に別のコンペティションで120分間の試合をし、コンディションが難しい中、選手たちは最後の最後まであきらめない素晴らしい姿勢を持って戦いました。思い描いていた内容ではありませんが、彼らのあきらめない姿勢には感銘を受けています。それが結果につながったと思います。

--前半途中にシステムを変更し、後半の早い段階から交代カードを切り、トップ下にエウベル選手を配置するなど、ハリー キューウェル監督のカラーが随所に出ました。どのような考えの下、采配を振るったのでしょうか。
正直、秘密にしておきたいです(笑)。東京Vは素晴らしいチームでした。正直オープニングゲームで力が入り、相手はホームという状況下、コンパクトかつアグレッシブさもありました。前半は自分たちが難しい状況にしてしまった。練習でやっていないことをやってもうまくいきません。前半は少しの変化を加えましたが、大きく変わったとは思いません。

後半、交代した選手が違いを見せてくれました。彼らにはチームの底上げを求めています。ヤン マテウス、宮市(亮)が入ったことで前に向かう姿勢がより出て、チャンスも前半より多く作りました。自分たちがやるべきことをやり、結果がついてきていました。

--先日のACLで退場した松原 健選手が決勝ゴールを決めました。彼の評価をお願いします。
1人の選手だけのことを長く話すつもりはありません。自分はチーム全体を見ていますし、1人だけを見ていません。練習から自分が日々伝えているのは「シンプルに前方向に進もう」ということです。前半はシンプルさが出なかった一方、後半はよりシンプルさが出て、松原もうまくプレーし、彼の強さも出ていました。危険なエリアにボールを運ぶことで、そこに彼が出ていく場面も増えました。

一方、4点、5点を取ることは簡単ではありません。自分たちのやるべきサッカーをした上で、そのような得点が生まれるのです。それを選手一人ひとりが頭に入れて、やっていくことが大事だと思っています。今日は最後まであきらめない姿勢が何かを起こすことを証明した試合となりました。