スタメン
流れ
長崎は4-1ビルド。秋野が3トップのゲート裏に立つ。
横浜FCは3トップが中央3レーンを消しながら、シャドーがCBまでアタックに行ってWBが連動してSBまで出ていく。
長崎は左サイドの米田と笠柳という個人の推進力がある選手を使って縦に進み、クロスを狙う。エジガルに背負ってもらい、ポイントを作る。
3トップで2CBとアンカーをケアする横浜FCに対し、ジェズスが左脇に下りてきてサポート。
米田と笠柳の外→内ワンツーでマークを外しにかかる。
横浜FCは奪ったらまずは縦優先。保持の局面を作り出すというよりも早く攻め切る、それができなくても敵陣まで運んでそこから敵陣保持に入るというアプローチ。
長崎はCB→SBでパススピードを上げて届けることでシャドーのアタックとWBの縦スライドが間に合わないタイミングを作ってサイドからの運び出しを図る。
長崎は非保持時、ジェズスが2トップ気味に押し上がり、加藤がボランチ気味になる可変4-4-2セット。
21分、長崎のロングフィードを中央ではね返して回収した伊藤がそのままミドルまで。原田が好セーブ。横浜FCが最初に際どいチャンスを作る。
横浜FCは自陣セット時、WBが大外に出ていったあとにCBとのゲートがかなり広がり、チャンネルが広く空く。モヨがパス交換からそこへの飛び出しを図る。
長崎はショートパスでの前進をベースにしつつ、原田からのロングボールで増山と福森の空中戦を作り出すプレーも。ただ、福森も五分で競れており、そこまでの優位性は出ていない。
長崎は非保持セット4-4-2でそこまで奪いには出ていかない。横浜FCは後ろで回しながら左→右でサイドチェンジを狙う形が何度か見られる。
32分、横浜FCが前向きのカットから山根がクロスを入れ、ファーで小川が合わせるも枠外。枠へ飛ばせれば1点ものの決定機。横浜FCが高い位置での奪取から際どいチャンスを作れている。
長崎は浮き球へ前に送ったボールをはね返されてそのままカウンターを受けるシーンが目立つ。横浜FCは広がった長崎の陣形の中で起点を作り、はね返しから一気に高い位置のポイントを作る。
36分、長崎先制、1-0。クロス攻撃の二次攻撃からモヨのクロスをファーでエジガルが合わせてゲット。サイドからのクロスにゴール前の人数を増やし、目線をマーカーに引きつけさせて、奥でエジガルが押し込む形。
39分、エジガルとジェズスのパス交換から相手最終ラインを引きつけて笠柳がサイドのスペースでラインブレイク。最後はジェズスのミドルまで。うまく疑似カウンターの局面を作り出した。
41分、長崎が再び疑似カウンターから増山が抜け出して折り返しにエジガルと笠柳が飛び込む。横浜FCは最終ラインが受け手に飛び込んでいくが外されて後ろに広大なスペースが生まれている。
44分、加藤が左チャンネルを抜けてクロス。横浜FCはWB-CBのゲートがかなり広い。人が入ってきたらマークしてついていくような守り方。
基本的には長崎が保持して横浜FCがセットして受ける構図。長崎は4-1ビルドベースにエジガルが中央の縦パスコースを作って前線のポイントを作る形や、左サイドの縦関係から深い位置を取ってのクロスなどがメインパターン。横浜FCは1トップがアンカーをケアしながらシャドーがCBにアタックに出ていき、WBが連動してSBを捕まえに来る守り方。30分頃まではこう着状態の中で横浜FCが前向きの奪取から一気にシュートまでという形を作り、際どいチャンスを作ったものの、徐々に長崎が保持から相手のマークをうまく外して疑似カウンターからサイドのスペースをガンガン突くような展開に。連続クロス攻撃から先手も取り、両WGの馬力と中央のパワーを生かした攻撃ができていた。
後半
横浜FC交代
中村、小川→村田、カプリーニ
左WBに村田が入り、山根が右WBに移る。
立ち上がりから攻め立てる横浜FC。元々マンツーマン気味にプレスで出ていっていたが、より早く捕まえる意識になった印象。横浜FCの保持に対して長崎は4-4-2セットで奪いにいく寄りもミドルゾーンを固める守り方。3バックが脇から運んでくるのはある程度放置しながら、受け手へのマークを強める。
増山が2トップ脇からの前進をけん制するように少し前に出た背中に村田が入って、そこから前進していく。シンプルに福森から送るパターンと、井上を経由してレイオフで渡すパターン。
長崎はセットしてビルドアップを始めると強いマンツーマンでストレスを受けるので、横浜FCがセットし切る前に個人で運んで敵陣保持から始める狙いを見せる。
横浜FCがマンツーマンで突っ込んでくることと、長崎がそれを突破してゴールまで一気に向かおうとしているので、ゲームスピードがかなり上がり、オープン気味の展開に。
横浜FCの前向き矢印がかなり強いため、長崎はIHやエジガルのクッションを入れながら3人目の動きで背後を取る狙い。横浜FCは一度前向きで出ていったら、背後への動きには対応が遅れる。
横浜FCは撤退したらシャドーも下ろして5-4セット。プレス時もシャドーにCBへ突っ込ませるのではなく、3トップの役割を微調整した?髙橋も状況をみながらCBへアタックへ行くようになっている。スイッチが入ったときのプレス構造は同じ。カプリーニと髙橋がCBアタックとアンカーケアの両タスクという感じ。長崎はプレスでハメにこられたら右寄りへのロングボールを入れる。
62分、長崎交代
笠柳→松澤
70分、長崎交代
エジガル、ジェズス→フアンマ、澤田
71分、横浜FC交代
井上→中野
中野はベースポジションボランチのまま。
72分、長崎が奪ってから縦に速く攻めて増山→澤田で右45度からシュートもポスト直撃。ビッグチャンス。
長崎は全体がコンパクトに、中央へ絞って守るため、WBは大外で時間をもらいやすい。
74分、ンドカに警告。ンドカは累積警告4枚目で次節出場停止。
長崎はSHが外を気にすると、開いたゲートの奥にカプリーニが潜ってくる。若干バイタルが間延びしている感じもあり、外からの前進をケアするか、インサイドの起点をケアするかが迷いどころ。システム的に対応が難しい場所。
村田に預けてモヨとの1対1に持ち込ませる形が多い。中野がマイナスでサポート。増山はハーフスペース待機でカットイン対応に備える。
79分、カプリーニに警告。
中野がマイナスサポートをしながら平行に入って行ってハーフスペースで受けることでボランチとシャドーの役割を両方こなすイメージ。伊藤はあまりサポートに寄ってこず、ゴール前エリアで待機しながら、ポケット進入も狙う。
81分、横浜FC交代
伊藤→櫻川
横浜FCはボールを持てれば大外のWBかインサイドのシャドーを経由して敵陣までの進入はフリーパス状態なので、あとはどうやって最後のところをこじ開けるか。長崎は高い位置で押し返せず、トランジションでも落ち着かせるポイントを作れないので、ゴール前ではね返して我慢する時間。
85分、横浜FC交代
ユーリ→和田
フアンマが強度を上げてチェイスし、ボールを奪ってスローインを獲得したところから長崎が敵陣保持に持ち込んで落ち着く時間を作る。
89分、長崎交代
加藤、秋野→瀬畠、山田
長崎は1点を守り抜くプレー選択。敵陣セットプレーでゴールへ向かわず、基本的にはサイドで時間を使う。
櫻川が入ってターゲットタイプが増えているので、シンプルにロングボールを入れて前進し、クロス攻撃でゴール前に圧力を掛ける。
横浜FCがパワープレー気味に前に出ていくが、長崎がはね返して逃げ切り成功。
後半立ち上がりからギアを上げてマンツープレスの強度を高めてきた横浜FC。長崎は自陣ビルドアップでショートパスからの前進にリスクがかかるようになり、ロングボールを前に送ることが増えるも、横浜FCが競り勝って回収に成功。そのまま前向きの矢印を強めて主導権を握った。また、長崎はそこまで奪いにいく守備ではないので、横浜FCは保持でも時間をもらえ、大外に張るWBへ速く届けて、SBと1対1を作る、もしくはSHが戻ってきたら保持ラインを上げて攻める攻撃に移行。長崎は苦しい立ち上がりになったが、降りる選手をクッション役に使いながら前向きの選手を作って3人目の動きから背後を狙う。横浜FCは前向きが強くなっているゆえに背後への動きにはリアクションが遅れ、疑似カウンターを食らうようになった。10分~15分くらい経過すると、横浜FCのプレス強度が若干落ち、より長崎が保持で形を出せるように。ただ、横浜FCも選手交代を駆使しながら攻撃のパワーを高め、左WBの村田へ送って起点を作るとともに、仕掛けからのクロスでゴールを目指す。長崎は中央に寄せたブロック形成でWBにはスライドが遅れやすく、そこからの前進を許す。また、SHが外を警戒すればシャドーにバイタルで受けられるという悩ましい状況。その流れで自陣で受ける時間は増えたが、最後のところは踏ん張り、効果的なシュートは許さずに逃げ切った。横浜FCは中野をボランチに入れて攻撃におけるダブルタスクを任せることにより、シャドーを1枚ゴール前での仕事に集中させるという攻撃的なシフトを敷いたのは面白かったが、押し切るまでは至らず。