がちゃのメモ帳

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2023 J1リーグ第7節 横浜F・マリノスvs横浜FC メモ

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スタメン

横浜FM

小池龍が負傷離脱中、松原が欠場、前節先発の特別指定選手・吉田が不在ということで、右SBに山根が入る。前節途中から右SBで出場済。

エドゥアルドと西村が体調不良の疑いで欠場。角田がメンバー復帰し、杉本がベンチ入り。

 

横浜FC

中村→和田の先発入れ替えのみで、18人のメンバーは同じ。

ミネイロ、永井、ガブリエウが負傷離脱中。ユーリも欠場が続く。

 

流れ

1分、マリノスが1stシュート。右サイドで水沼が早めにクロスを入れ、エウベル→喜田でシュートまで。

2分、マリノスが左サイドのコンビからプレスをはがしてマルコス→水沼でチャンスメイク。

3分、横浜FCのビルドアップ。左SBの和田がボランチの位置に潜り込んでくる。使われなかったが、和田起用の特徴が出たような動き。

横浜FCは4-4-2ベースの守備ブロック。2トップがボランチを消しながらCBにもけん制をかける。CBにプレッシャーへ出るというよりはCB→ボランチのパスが通らないことを優先しているように見える。

5分、マリノスが左で作って右へ展開し、水沼の落としを山根がファーサイドに流し込んだが、VARチェックの結果、オフサイドに。ただ、マリノスは左で作ってから右へ展開する攻撃が連続で決まっている。

7分、畠中の縦パスを降りてきたロペスが受けてスピードアップ。

横浜FCはキックオフ直後にCKを獲得したが、それ以降は受ける時間が続く。

8分、横浜FCのビルドアップ。林が中に運んでからボランチにつけてワンタッチで裏狙い。角田が対応したが、2CBのみで後方のリスク管理をしているマリノスの守備に対しての狙いどころは悪くない。あとは2CBを越えられるかどうか。

12分、横浜FCが珍しく前からプレスを強めたが、畠中→下りるロペスでプレス回避して前進するマリノス横浜FCはなかなか奪うフェーズに持ち込ませてもらえず、苦しい時間。

14分、横浜FCトランジションから坂本のシュートまで。トランジションのイレギュラーが発生すると、マリノスはバイタルが空きがちになる。横浜FCはそこをうまく活用できるかどうかがゴールまでスピード感を持って進めるかのカギ。

16分、セカンドボールを回収できた横浜FCがコンビネーションから中央突破を図るが、狭められてとおらず。ただ、少しずつ保持の位置を高められるシーンができてきた。

17分、右からのクロスに小川航が合わせるも枠へ飛ばせず。若干ブラインド気味だったが、フリーで打てたので悔やまれるミスショット。

18分、喜田が和田からボールを奪い、カウンター。水沼がアーリーでファーへクロスを送るも通らず。水沼からは徹底してアーリークロスが飛んでくる。横浜FCは保持時に和田をインサイドに入れる形が何度か見られる。チームとしての共有なのか個人の判断なのか。

20分、横浜FCのカウンター。カプリーニが中盤で粘ってから近藤へパスを出し、そのまま仕掛けからシュートまで。

横浜FCのチャンスパターンはロングカウンターがメイン。保持できたときにはプレスに出てくる背後を狙う攻撃。

23分、横浜FCがビルドアップから押し上げて攻撃。最後は近藤のクロスまで。和田の個人戦術が効いて前進できた。三田がボールに近づきながら左右に振っていくのもアクセントになっている。

26分、横浜FC2トップが前に出てこないため、角田から運んで外のエウベルにつけて前進。マリノスボランチへのマークがきつければ、そこを経由しないでどう前進するかの判断がスムーズ。

28分、カプリーニが個人でマークを外し、右へ展開。再び近藤が仕掛けてシュートも一森の正面。横浜FCはカプリーニが時間を作れるかどうかが生命線になってきている。

30分、横浜FCがうまくプレスを外して右からのクロスまで。徐々にピンチの数を減らしながら攻撃に転じる回数を増やしている横浜FC。ただ、マリノスも隙あらばゴールを目指してくるスタイルで、1つのロストから危険なシーンを招きかねない緊張感はある。

35分、山根がアーリー気味にゴール前へパスを入れ、ロペスの落としからマルコスのシュートまで。マリノスは引かれる前にゴール前のスペースを使いたいという意識が見える。

37分、カウンターの打ち合い。横浜FCトランジションから縦に速く攻めるのがゴールへ近づく生命線であり、マリノスはもともとのスタイルでどんどん縦に進んでくるので、トランジションが連続するとオープンになりやすい。

39分、横浜FCトランジションからカプリーニが起点になって右からのクロス小川航が頭に当てるもきれいにミートし切れず。横浜FCは右の近藤のプレーの質が問われている流れ。

41-42分、マリノスがFKの流れから波状攻撃。ンドカのゴールカバーから最後は市川が処理。

44分、マリノスの自陣ビルドに対し、横浜FCがハイプレス。山根の個人スキルやロペスへの縦パスで回避できたが、横浜FCが切り替えて押し返し、ルーズボールからFK獲得。渡辺に警告。

 

マリノスが早い時間にネットを揺らすも、オフサイドの判定で幻に。横浜FCは相手をリスペクトしながらカウンターや背後狙いの保持でゴールへ迫る狙い。序盤は出てこずに守備に重心を置く横浜FCに対し、マリノスが左で作ってから右に開放する攻撃で連続でチャンスを作る。ボランチをケアされる中でもCBからロペスへの縦パスや運んでから外へつけるパスで前進するなど、ビルドアップも安定。ただ、中盤からは横浜FCも慣れから守備が落ち着き始め、カウンターに転じる回数を増やす。カプリーニが個人でキープし、右の近藤へ開放してからシュートやクロスまで。ただ、最後の質はなかなか伴わず、ゴールまでにはいたらなかった。シュート数は横浜FCのほうが多く、マリノスも押されていたという印象ではなかったものの、時間の経過とともに横浜FCのほうがうまく回り出したように感じた。

 

 

後半

マリノス交代

渡辺→藤田

渡辺はカードトラブルのリスク管理も考慮されたか。

45分、1stプレーでエウベルのシュートまで。

46分、マリノス先制、1-0。藤田の縦パスはカットされたが、そこから高い位置でのカウンタープレスに切り替え、ロペスとのワンツーで抜けたマルコスがうまく流し込んだ。横浜FCはカットした和田が一瞬パスの出しどころを迷ったところが致命傷に。冷静な和田だからこそ招いたピンチだったと言えるかもしれない。

失点後からは横浜FCが攻勢を強める。前からの圧力の強度が高まった。前半よりもリスクを許容しているバランスに。

51分、山根のパスに喜田が前へ抜け出してPA内へ入り込むもンドカがうまく対応して蓋。

52分、近藤がグラウンダーでゴール前に送るも中が間に合わず。マリノス守備陣が誰も触れないような面白いボールだったが、味方にも合わず。

53分、マリノスのハイプレスを左サイドで剥がす横浜FC。小川航が左に流れて深さは作れたが、ゴールには向かえず。

55分、エウベルに警告。トランジションで自陣から運び出した近藤を後ろから倒してカウンター阻止。

横浜FCがビルドアップでもカウンターでもうまく敵陣まで入り込む術を見せられている。

56分、井上のスルーパスに小川航が抜け出しかけるも一森が飛び出してカバー。

58分、縦パスを前向きで奪ったところから横浜FCがカウンター。最後はカプリーニのミドル。

藤田が相手ボランチを引きつけるような立ち位置を取り、その1つ前にマルコスがポイントを作る。横浜FCボランチが前に出ないと藤田を捕まえられず、前に出ればマルコスに受けられるという難しい状況。

61分、マリノス追加点、2-0。敵陣でテンポよくパスをつなぎ、右の密集地帯を抜けてから左のエウベルへ。縦への仕掛けから折り返してロペスが押し込んだ。マリノスらしいスピード感のあるパス回しからサイドアタッカーを生かした崩し。

63分、横浜FC交代

カプリーニ、坂本→長谷川、新井

64分、角田が運んでからそのまま前へ進出し、ワンツー気味で抜け出してシュートまで。

65分、CKの流れから山根のミドル、エウベルの仕掛けからのシュートと続けてゴールへ迫るも、横浜FC守備陣も体を張ってブロック。

66分、トランジションから長谷川が運び出して小川航へのスルーパスも一森が飛び出してカバー。

67分、マリノス追加点、3-0。マルコスからの展開で水沼が受けて折り返し。エウベルがダイレクトで打つと相手にディフレクトしてゴールへ吸いこまれた。横浜FCもチャンスを作れているが、決め切れないでいるうちに厳しい点差がついてしまった。

72分、横浜FCが疑似カウンターから新井のシュートまで。横浜FCはビルドアップではがすところはできているが、ゴールへ迫る迫力がもう1つ足りない印象。

73分、マリノス追加点、4-0。自陣でのトランジションから水沼が背後へ抜け出して、エウベルへラストパス。GKとの1対1を落ち着いて制した。横浜FCはンドカが最後方の責任を全て負うような形になっており、さすがに厳しかった。

74分、マリノス交代

エウベル、水沼、マルコス→上島、井上、マテウス

上島が右SBに入り、山根がトップ下に移る。

横浜FC交代

井上、近藤→中村、山下

中村が右SBに入り、林が左SB、和田がボランチに移る。

79分、トランジションから井上が抜け出して折り返し。中で合わせに行ったが、横浜FCもギリギリでブロック。

80分、右で持った山下がゴールへ向かってそのままシュートまで。一森がセーブ。

80分、マリノス交代

喜田→杉本

杉本が前線に入り、山根がボランチへ。

82分、山下が右を突破しようとしたところでマテウスが倒すもノーファウル。山下は不満げなリアクション。

83分、横浜FC交代

和田→ヒアン

ヒアンが前線に入り、長谷川がボランチ気味のポジションに。

85分、右の山下へ開放してポケットへ入る中村へ送り、シュートも一森がセーブ。横浜FCは選手を入れ替えた右サイドが活性化している。

86分、自陣ビルドアップからスピードアップして長谷川→ヒアン?とつなぐも1stタッチが流れる。

88分、ロペスのコントロールショットは市川が好セーブ。ゴール前までは迎えるがチャンスの質が上がってこない横浜FCと、一度のチャンスの質を高めていくマリノスという対比。

89分、マリノス追加点、5-0。マテウスの左からのクロスをファーでロペスが合わせ、うまく山なりになったボールがファーサイドへ吸い込まれた。市川も触ったがかき出せず。

90分、山下に警告。詳細は不明。→アドバンテージを取った際のファウルが対象だった模様。

91分、敵陣でのコンビネーションから三田のミドルも一森の正面。

5点リードの状況でも、「どんどん前へ行け」というようなジェスチャーを見せるマスカット監督。

 

前半は横浜FCがプランを遂行して徐々に自分たちの土俵へ持ち込むことができていたが、後半早々に失点し、点を取りに行くためにバランスを変える。そのかじ取りも悪くはなかったが、2点目を奪われると一気に苦しくなり、ゴールへ向かえば背後を突かれるリスクが大きく出てしまい、大量失点を喫した。前半からの流れで言えば、大差がつくような内容ではなかったように感じるが、要所で決め切れるマリノスと前半で決め切れなかった横浜FCの細部の差が、どんどん大きく広がってしまった印象。未勝利の横浜FCにとってはダメージが大きい敗戦。

 

個人的MOM

★マルコス ジュニオール

らしい守備から先制点を奪取。あのワンプレーがこの試合の行方を決めたと言っても過言ではない。西村が万全ではない中、巡ってきたチャンスで結果を残すあたりがさすが。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ケヴィン マスカット監督 ]
多くの人から注目が高く、気持ちも高ぶっていた試合で、大事にしているメンタルが重要でした。5-0の結果はハードワークした結果です。しかし、前半は敵陣でボールを失ってしまい、相手に渡してしまって、攻守の切り替えが多い前半でした。そこを修正し、後半はコントロールして相手ゴールに向かい、素晴らしい結果で終わりました。

--右SBで先発し、3つのポジションをこなした山根 陸選手の評価をお願いします。
彼にとって特別な夜になりました。そして、大きな責任がのしかかる試合でした。水曜日にも90分プレーした中で急な対応でもあれだけのプレーをしてくれました。いまSBはいろいろな選手が関わっていますが、彼は特別な選手です。彼は吸収早く成長していますし、チームメートも彼を認めています。彼はアカデミーで育ち、トップチームに昇格したので、アカデミーの方々も喜ばしいことではないでしょうか。彼にとって、とても良い試合になりました。

--ハーフタイムに渡辺 皓太選手に代えて、藤田 譲瑠チマ選手を投入した意図を教えてください。
渡辺は今季素晴らしいスタートを切り、高い基準でプレーしてくれていました。正直に言いますと、先ほども話しましたが、ボールを失う機会が多く、彼もその失った1人でした。前半終了直前にイエローカードをもらったこともあり、後半フレッシュな選手を入れました。

藤田も水曜日に良いプレーをしてくれました。山根にしろ、ヤン(マテウス)にしろ、井上(健太)にしろ、誰が出ても違いを出せます。チーム内のポジション争いも激しいですし、どれだけ一人ひとりがスタンダードを続けていけるか。それが理由になります。

 

[ 四方田 修平監督 ]
大敗してしまって非常に悔しく思いますし、多くの横浜FCサポーターが集まって背中を押してくれましたが、応えられずに申し訳ない気持ちです。ただ、選手たちは前半は素晴らしいサッカーをしてくれましたし、後半に先に失点したことで後半に前がかりに返しに行く姿勢が、良い部分もたくさん出たものの、相手のカウンターを生む結果にもつながり、最後には相手の強力な外国籍選手の個の力を抑え切れずに失点を重ねる展開になってしまいました。

ただ、あともう一歩でしたし、そこを変えられるように、下を向かずに気持ちを切らさずにやり続けた中で必ず勝利が見えてくると思っているので、選手と1つになってやっていければと思っていますし、そこが一番大事なところだと感じています。

--点を取られたあとに崩れてしまう。ハーフタイムに失点することも想定されていたと思いますが、選手たちにどのような声かけを?
前半の良かった部分を継続すること。ただ、後半に相手は強度を上げてくると思っていたので、そこは行くところまで行くというところと、交代カードも含めて対応していく。その中で必ず勝ち切れるチャンスが来ると思っていたので、切らさずに強度をさらに上げていこうと話をしていました。ただ予想外に、立ち上がりに失点してしまったのは少し残念です。