青赤人の戦術探検記

FC東京を中心に自分なりの分析をします!

J1リーグ第29節 ヴィッセル神戸vsFC東京 プレビュー

がちゃです。

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 神戸戦の予習。

参考試合は27節・川崎戦と28節・広島戦の2試合。

 

前節のスタメン

 

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神戸

夏の補強でGK飯倉、DFフェルマーレン、酒井を獲得し、そこから現在のフォーメーションとメンバーが固定化された印象。

やや不安があったポジションを的確に埋めたことで完成度の高いチームに近づいた。

 

しかしながら、今節はCB大﨑が出場停止で不在。大﨑のところに代わりの選手を入れるのか、フォーメーション自体を代えるのか、という点は試合開始前の注目ポイントになるだろう。

 

 

FC東京

直近2試合は全く同じメンバー。

前節は大森がメンバー外となったが、今節の復帰はあるか。

ここ3試合で得点はわずかに1と攻撃での停滞感がある。ベンチ入りも含め、メンバーを入れ替えて活性化を図る可能性も?

 

神戸簡易分析

 

神戸が今節どのようなフォーメーションを組んでくるかが不明であるため、あくまで前節までの傾向。

 

ボール保持 

 

ビルドアップ

 基本形は3バック+サンペールの4人がメインで、そこにGK飯倉やWB酒井がサポートに入るパターンも交える。

 

 相手がプレスに出てこず、後ろで固めているような場合は無理に前に出さない。相手が出てくるのを待つように持って、バックラインでパス交換を行う。

CB3枚は自分のところにマークがついてないと感じればドリブルで運び、縦パスをうかがう。そのとき、自分にマークが動いてきたら、代わりにマークが外れた選手を探して預ける。もし、全員にタイトなマーカーがいるようであればどこかにスペースがあるはずなので、そこに届ける。

 

どのようなパターンを持っているかというよりも、チームとしてのフレームが固まっているようなイメージを持った。

 

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※イメージ
 

 

 

ここからはFC東京が使用するシステム[4-4-2]との噛み合い方をベースに考えていく。

 

 神戸のディフェンスラインにどうアタックするか。

 

①後方でのボール回しを邪魔しにいく場合

27節では川崎が[4-2-3-1]のシステムで前から人を当てていくような守り方をしていた。

 

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※イメージ

 

GK飯倉以外には明確に誰がどこにプレスをかけるかがはっきりしている。

川崎のスタイルも関係しているだろうが、ダンクレー、大﨑、フェルマーレンとどこからでも攻撃を組み立てられる3バックを自由にさせないための守り方と言えるだろう。

 

この守り方だとボールホルダーの余裕を削ることはできるが、代わりにスペースを与えてしまうデメリットは生じる。

 

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※イメージ 

 

 下りるWBを捕まえるのはSBの仕事。しかし、そこについていくと背後にスペースが生まれる。

 

そしてその背後にいるのはビジャと古橋だ。

彼らはスピードと俊敏性の両方を持ち合わせ、スペースで受けられてしまうと2人でゴールに迫れる。

 

仮に27節川崎式の守り方をするならば、ここのケアは避けて通れない道になるだろう。

 

 

 

②後ろで構える場合

 

おそらく2トップで真ん中のサンペールを消しながら3バックの前進をけん制する形になると考えられる。

そうなると相手の3バック+サンペールの4人を2トップで見なければいけない。数的不利が生まれることで左右のCBに時間の余裕を与えてしまう。

 

その左右のCBはおそらくダンクレーとフェルマーレン。ダンクレーは前に運んで配球、フェルマーレンは一発で正確なサイドチェンジができる選手だ。

 

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※イメージ

 

後ろで構えれば危険なスペースを空けることは少なくなるが、そのぶん守備のスライドやマークの受け渡しなどのストレスはかなり増えるのではないかと思う。

 

 

 

結局のところ、どちらにもメリットとデメリットが混在するということ。

 

どのような試合運びをしたいのかによって、どちらを選ぶのかが決まる。

 

 

ボール非保持

 

[5-3-2]セットがベース。

2トップ(特に古橋)が頑張って制限して外に追い出してから、WBが縦にスライドして道を塞ぐ。

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※イメージ

 

広島はWBが大外の高い位置に張る戦い方であるため、WB同士がマッチアップすることで左右の3バックが比較的フリーで運ぶことができていた。

このパターンができるとすれば、味方が相手のマーカーを引きつけて背後にスペースを作り出す動きをうまく使いたい。

 

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※イメージ
 

 

 また、広島は大外を起点にしてハーフスペースに飛び込む動きを多用していた。

これは広島の得意パターンで、23節に味スタで戦ったときもその形から失点している。

 

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※23節の失点場面

→ハーフスペースに走るシャドウに大外のWBからパスが出る流れ

 

FC東京戦ではWB柏が大外から中に入ってシュートする形だったが、28節神戸戦ではCH稲垣(もしくはシャドウの川辺)がエリア内に入ってくる形が非常に多く見られた。(15節・湘南戦でもこのパターンで得点している)

 

そして神戸戦ではこれがかなり効いていた。実際に2得点を挙げており、その他、ゴールに至らなかっただけの決定機も多くあった。

 

 

端的に言うとここは神戸の弱点

ペナルティーエリア内の深い場所からマイナスの折り返しには対応が遅れがち

 

これは中盤にサンペールとイニエスタを起用していることが理由として挙げられる。

彼らのストロングは守備ではない。そのため、埋めるべきスペースを埋めきれないシーンがどうしても出てくる。広島はその隙を何度もついたことで、多くの決定機を演出していた。

 

 

フォーメーションも選手の特徴も広島とは大きく異なる東京。

同じことができるか、楽しみにしたい。

 

展望

 

 前項でも触れているが、まずは神戸がどのようなフォーメーションや選手起用をしてくるのか。

3バックのままであれば、大﨑の代わりに入る選手はビルドアップスキルに劣るため、放置できる。4バックになれば、単純に最終ラインの枚数が減り、被カウンターへの人数的な保険が少なくなる。

 

東京視点だと、3バックであれば神戸のビルドアップからの脅威は薄れるが、カウンターを打ちづらくなる。4バックであればその逆だ。

神戸のメンバー選考によって、東京の攻撃に求められるスピード感も変わるかもしれない。

 

 

次に東京がどこで点を取りに行くのか。

ここ3試合はセットプレーによる1得点のみと流れの中からゴールが生まれていない。

決定力を上げることが最重要課題ではあるものの、アプローチを変えるタイミングも必要なのかもしれない。

リーグ前半戦ではロングカウンターが猛威を振るっていたが、ここ最近では得点につながったのが名古屋戦以外記憶にない。

 

昨季は今季よりもショートカウンターからの得点が多かったはず。相手のポゼッションスタイルを慌てさせるという意味でも、ハイプレスを仕掛ける時間があっても面白いのかもしれない。

 

 

 

 これまでは引き分け上等な「引き込んでカウンター戦法」で勝点を拾えればokなところもある程度はあった。しかし、首位から陥落したいま、1ポイントずつ拾い集めている場合ではない。求められるのは+3。そのためにリスクを負ったチャレンジを見せてほしい。

 

 

 

 

 

J1リーグ第28節 サガン鳥栖vsFC東京 レビュー

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プレビューはこちら。

brgacha.hatenablog.com

 

今回はプレビューの内容からも引っ張っているので、こちらを先に読んで頂ければと思う。 

 

 

スタメン

 

 

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東京は前節から変更なし。

大森がメンバー外。

 

鳥栖は4カ所変更。

小野→豊田、金森→福田、松岡→パク・ジョンス、原→三丸。

 

 

前半

 

キックオフ直後から鳥栖はハイテンションで入ってくる。

金崎と豊田という前線からのチェイスを続けられる2人の2トップ起用ということでガンガン追いかけて、立ち上がりからの勢いで押し切ってしまおうという狙いだったか。

 

鳥栖左サイドの配置ズレ

10分を過ぎると鳥栖も少し落ち着いて、ゲームスピードが落ちる。12分には自陣セットプレーの流れからビルドアップ開始。

ここで見せたのが左サイドの配置移動だ。

 

まずCH原川がCBの脇に下りてきて3バック化。三丸が大外の高い位置を取り、クエンカが内に絞る。

 

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※配置移動

  

 

この段階で三田は①原川へ寄せる、②クエンカへのコースを切る、③三丸へ寄せる準備をする、の3つの選択肢がある。

 

最初に説明すると、GK高丘から豊田へロングボールを蹴ってきそうな雰囲気があったので、ラインは低くなっており、ボールホルダーとの距離が空いていた。そのため、①は効果的なプレスにならず難しい。

②か③になるが、中央のほうが危険度が高いため、おそらく②を優先したと思われる。

 

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そうすると大外にいるSB三丸への対応は間に合わないので、室屋が外につり出されることに。

こうなったときに鳥栖が狙うのは室屋の背後。ただし、それは東京もわかっているのでCHとSHがカバーする。

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室屋の背後は対応されるが、2人をそこへ引き寄せたことで三丸の近辺にはスペースが生まれ、そこへ戻してからクロス、という流れだった。

 

 

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エリア内には豊田というJ1でも屈指のエアバトラーがいるので、多少アバウトでもクロスを入れてどうにかしようという狙いだったはず。

 

12分では守備構造のカバーをうまく利用されて、クロスを許したが、それ以降は三田が原川を捕まえるように連動できており、同じ失敗は繰り返さなかった。ここは素晴らしい対応だったと思う。

 

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上記のようなクロスも含めて、鳥栖の攻撃は豊田の強さを生かしてチャンスを作り出したいという意図が多く見られた。

 

また、この左サイドアタックはクエンカと三丸がお互いに内外を使い分けてマークを混乱させようという狙いも前半から見ることができた。

 

 

東京保持での狙い

ここはプレビューで触れた形が2点。まだ見ていない方は先にプレビューを読んで頂きたい。

鳥栖中盤の選手間がやや広く、縦パスを打ち込みやすい&その縦パスにCBが前に出て対応するので、少ないタッチ数で外して裏を狙うというのが1つ。

 

クエンカの守備対応が気まぐれなので、そこをつついていくのが2つ目。

 

この2つについて前半から実践されているシーンがあった。

 

29:50頃のシーン。

髙萩が鳥栖のDF-MFライン間に入り込むというひと工夫が足されている形だったが、2トップの連係でまさに狙い通りの流れでCBの裏を取ることに成功した。

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※プレビュー時の図

人や場所こそ少し違っていたものの、まさにプレビューで触れていたとおりの形だった。

 

 

次に45:25あたりのシーン。

これも鳥栖の守備陣形全体がやや崩れ気味だったこともあるが、クエンカがSBのような位置で守備に参加していた。室屋が大外から内側を取るように走った動きにフリーでボールを持っていた橋本から浮き球パス。クエンカはついて行けずに折り返しを許す、というシーンだった。

 

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※プレビュー時の図

 

これも配置などは異なるが、狙った形でチャンスを作れていた。

 

 

 前半まとめ

 

 得点こそ奪えなかったものの、この攻め方ができれば崩せるのではないか、という予想をしていた形が再現されて、ゴール前まで迫ることはできていた。

決定機というほど大チャンスはなかったが、東京なりに鳥栖の守備陣をうまく攻略できていた印象だ。

 

守備面でも一度失敗したことをすぐに修正(一度目がリスタートの流れだったのでうまくいかなかっただけかもしれないが)したことは非常にポジティブ。

渡辺が豊田との競り合い、金崎とのバトルで引けを取らなかったことも、相手の攻撃を抑えるうえでかなり効いていた部分だと思う。 

 

 

後半

 

後半も前半と同じようにクエンカのところの守備強度がやや低め。

47:20頃、室屋が攻撃参加したところにクエンカがうまく寄せきれずにクロスを許し、その流れからCKを獲得。

CKで三田が蹴ったボールは誰も触ることなくそのままゴールに吸い込まれて先制に成功。

 

ここ2試合で得点が取れていなかった東京としてはどんな形であれ先制点を取れたことは非常に大きく、3ポイント獲得のために無理をして点を取りに行く必要がなくなった。

 

 

その後は重心を低くしつつも、ボールを持つときは持つ、スペースがあれば縦に速く攻める、と使い分けながらのゲームコントロールを狙う。

東京2トップが得意なSB裏流れで相手のCBと1対1を作り出し、突破力の質の高さを生かしてゴール前に迫る形も増えていく。

 

 

不安な右サイド守備

先制点を取って、こちらのペースに引き込む!という流れが東京の必勝パターンだが、この試合では右サイド守備が不安定で、自陣撤退が良い選択と言えるかは怪しい状態。

得点を取って結果を出した右SHの三田だが、室屋とのマークの受け渡しがぎこちなく、どこに守備基準を置いているのかが見えにくかった。

三田の部分で基準がはっきりしないことによって、室屋の対応も少し遅れる。鳥栖は左サイドはクエンカと三丸コンビでストロングになっており、後手を踏めばクロスを許すというのは必然であった。

 

 

ただ、室屋が個人守備のところでクエンカとも対等にやれていて、60:30頃の1対1を止めたところなどは素晴らしかった。

右サイドの不安定なところは室屋の個人守備と髙萩のスペース管理、渡辺の広いカバーエリアによってもっていた気がする。

それぞれ、ほかの選手では同じことができない部分だろう。

 

 

 活性化する鳥栖の右サイド

 57分、鳥栖に選手交代。

福田→アン・ヨンウ

そのまま右サイドに入る。

 

今季好調のドリブラーが入ったことで、鳥栖の左サイドだけでなく、右サイドも蓋をする必要が出る。

 

交代後、早速ヨンウを使う仕掛けを見せた。

 

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ヨンウvsジェソクのマッチアップ。東が内側のドリブルコースを消そうとするが、SB金井が外を回ることで東はそちらのカバーへ行かざるを得なくなる。

そうするとカットインコースが空いてシュートを許した。

 

 

東京としては豊田と金崎が中で待っているので極力クロスは入れさせたくない。そうなると守備のカギを握るのはSBとSHの連係。

東京CBも跳ね返し耐性はあるので、後ろからの放り込みはある程度許容しながら、深いところからのクロスは許さないという守備が必要になる。

 

上図のように一度目こそカットインからのシュートを許してしまったが、それ以降はSH東とSBオ・ジェソクがうまく連係して、ヨンウの左足を切ることに成功していた。

 

これも同じ失敗をせずに対応できた良い点だったと思う。

 

 

各チーム交代策

 

65分に鳥栖は原川を下げて小野、78分にジョンスを下げて金森を投入。

とにかく点を取るために攻撃的な選手を送り込み、中盤を守る人がいなくなる。

DFラインの選手は自陣を守るとして、その前の守備者は「皆さんのご厚意にお任せします」というような感覚だった。

 

そうなろうが、鳥栖の目的は得点を取ること、というわけでサイドからのクロスでどうにかしようとする。

 

東京の右サイドは相変わらず不安なままだが、この展開で喉から手が出るほど欲しい大森はいない。なぜ今日に限っていないんだ。

ベンチの椅子の下にでも隠れていたならよかったが、探してもそこに大森の姿はなかった。

左サイドは72分の交代で一応申し訳程度の手を打っていた。

 

永井→ナ・サンホ

 

東をトップ下に移し、サンホを左SHへ。

この手もフレッシュな選手に対応させたいということだけである。

 

また、79分には疲労の見えていたディエゴを下げてジャエルを投入。正直、この流れでジャエルの投入は意外だった。セットプレー守備での高さを考えたのだろうか。

 

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東京は上図のメンバーでサイドに蓋をしながら守り切る、あわよくば追加点を取るという進め方に。

鳥栖はなりふり構わず攻める。

 

 

決壊する東京左サイド

86分、東京は最も恐れていた形から失点を喫する。

東京の左サイドでヨンウに持たれて、左足の内巻きクロスを許した流れからだった。

 

正直、許せない失点だった。

 

 

問題はサイドに蓋ができなかったこと。 

 

 

この失点については少し前の時間の流れからなぞっていく。

右の室屋が難しい対応を強いられながらもクエンカとのバトルを制していた一方で、左のジェソクはヨンウへの対応に手を焼いており、1対1で塞ぐのはやや厳しい状態となっていた。

ここは少し予想外だったが、1人で対応できない以上、SHがサポートに入るしかない。

つまり途中投入されたサンホの守備的な役割は非常に重要だった。

 

しかしながら、失点シーンとその1分前に高橋祐治のヘディングを許したシーン、いずれもサンホがちゃんとポジションを取れなかったことでクロスを許した。

 

あまり個人を責めたくはないが、健太東京の守備を基準に考えるとこれは完全な怠慢である。

本人が点を取りたい気持ちなどはよくわかるが、なんのために投入されたのかがまるで理解できないプレーぶりだった。

 

失点シーンは森重が痛んで、中の人数が減っていた側面があるとはいえ、サイドでクロスの出所を潰しておけば中央の手薄さが晒されなかったはず。

本当に致命的な守備意識のエラーだった。

 

 

 

その後は両者がオープンな状態で殴り合う展開に。

終了間際にはすったもんだがあったが、ここではそれについて触れないことにする。

 

 

鳥栖2-1FC東京

 

 

感想・まとめ

 

個人的な意見だと、この試合は今季の中でワーストゲームだった。

 

もっと何もできずに負けた試合もあった中でなぜワーストかというと、擁護できない失点で勝ち点を落としているからだ。

 

これまで負けた試合はひたすらに完敗だったか、自分たちの決定力に泣かされたかのどちらかであった。しかし、この試合の失点はやり方次第で防げたし、勝てたと思っている。

(ちなみにアウェイ浦和戦の失点は東京守備構造の問題と相手のつなぎが完璧だったことから仕方ないと考えている) 

 

「防げた失点」という部分がポイント。失点の理由がゴラッソや守備構造の弱点を突かれた、個人レベルのミス等であれば、それはどこかで体を張る、誰かが頑張って止める、しか言えない。それに関しては各々が成長する以外に改善が難しい。

 

今回はフレッシュな選手の戻りの遅れ。疲れは言い訳にできない。

 

確かに大森がいないことで対応策は少なかった。だが、少ないなら少ないなりにもがいても良かったのではないかと思う。

例えば、岡崎を投入して5バックにすればSBはサイドの守備に集中できるし、前線に田川を入れてひたすら走らせれば、放り込みもある程度抑止できたのではないかと思う。

SHとしてベンチ入りしたであろう内田が選択肢にもなってなさそうなのが一番切なかったが。

 

 

 

 

個人的な意見は上のツイートで変わらないが、ジャエルを入れたことに加え、サンホが守備で必要最低限のタスクをこなせないのであれば、彼らが2点目を取れなかったことを課題に挙げるというのは間違っていないかもしれない。 

 

 

 

 

改めて、ここまでの東京の戦いを振り返ってほしい。

とにかく何でもいいから先制点を取って、相手を自陣に引き込んでペースを握るという展開を作ることが必勝パターンだったはずだ。(逆転した試合もあったけどそれは例外)

 

 この大事なリーグ終盤戦でこの必勝パターンがあっけなく崩れたのはかなりのショックがあった。

 

 松本戦で得点が奪えなかったことやこの試合で2点目を取れなかったことを嘆くより、この試合で1失点を喫したことのほうがよっぽど不安視すべき点だと思っている。

 

 

 

とはいえ、もう終わったことを悔やみ続けても仕方ない。

同じことを繰り返さないように願うばかりである。

 

 

散々ネガティブなことを吐き出したが、まだシーズンは終わっちゃいない。 

強い東京を思い出して立ち上がれ。

 

 

J1リーグ第28節 サガン鳥栖vsFC東京 プレビュー

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 アウェイ8連戦も前節・松本戦で折り返し。巻き返しの後半4試合に入っていく。

 

初戦の相手は鳥栖。そんな鳥栖の予習をしていこう。

参考試合は26節・G大阪戦と27節・浦和戦の2試合。

 

前節のスタメン

 

 

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鳥栖

2トップに流動的なポジショニングをする選手を置き、サイドで起点を作りながらワイドの選手もゴール前で絡んでくるシステム。

基本フォーメーションは[4-4-2]を用いるが、試合途中でシステム変更を行うことも。

 

FC東京

シーズン開始からメンバーは固定化。

今節も右SH以外は同じ人選だと思われる。

 

 

 

鳥栖簡易分析

 

ボール保持

 

ビルドアップ

 

2CBと2CHの4人を中心にしたボックスビルドアップがベース。そこにSBがサポートに入りながらパスを回す。

SBが高い位置まで上がるときには、SHは内側へポジションを移す。ただし、これは(左)SBが三丸か金井かという選手起用によって差が出る部分ではある。

 

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鳥栖ボール保持配置イメージ

 

 

★サイドで起点づくり

基本的には簡単に蹴っ飛ばさず、後方からつないでいくが、前方のスペースを効率的に使えそうであればロングボールも入れていく。2トップが相手SB裏に流れて、起点を作るのは金崎の得意な形。

 

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※イメージ

 

★中距離砲台の高丘

相手のプレスが強く、前方へのパスが難しい場合にはバックパスをためらわず、GKの高丘をビルドアップに組み込む。

GK高丘には足元の技術があり、少しプレスが来たくらいでは慌てない。そしてキックの質も高く、安易に前から追いかけるとミドルレンジの浮き球パスをフリーになった中盤や大外に届けてくる非常に厄介な仕様。

 

 

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※イメージ 

 

 

GK高丘を使ってくるビルドアップは厄介だが、CB2人のビルドアップ能力はそこまで高くないように思うので、そこを慌てさせるような守り方をしたい。

 

 

チャンスメイクパターン

 

★両サイドを封鎖せよ!

鳥栖の中で最も強烈なのが、両サイドに位置するアタッカーだ。

前節・浦和戦は金森が右SHに起用されたが、これまで右アン・ヨンウ、左クエンカのドリブラーが両翼を務めることが多かった。

このドリブラー2人は対面のDF1枚くらいであれば何事もなく突破してくる。彼らのカットインからのクロスやシュートによって少ない人数の攻撃でも完結できる構造だ。

 

ここに対しては複数人で対応してシャットアウトしたい。使用システムこそ違うが、広島戦の両WBのように徹底した対応が理想。

 

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※広島戦時の守備対応イメージ

 

 

★潤滑油の小野に注意!

一部前述したが、2トップがサイドに流れて起点を作ったところから、SHが内側でフィニッシャーになるパターンも使う。2トップとSHが近い距離でのスイッチを駆使して、マーカーを剥がしシュートまで、という形は何度か見られた。

特に小野は前線の潤滑油的存在になっており、彼がいると各所の連係がうまく取れている印象だ。

 

 小野がスタメンかどうかは微妙なところだが、彼は途中から入ってくるとチームの流れを変えられる選手なので注意したい。

 

 

 

 

ボール非保持

 

[4-4-2]ベース。

そこまで中央を狭めないので、フォーメーションこそ東京と同じだが、守り方は異なる。

 

★中盤の穴を狙え!

最終ラインはやや高めに設定。前から積極的に奪いに行くほどの守備は多くない印象だが、裏のスペースを使われないようにプレスを掛けていく。

まず、2トップが中央への縦パスを消す立ち位置を取りながら相手CBへ寄せていく。2トップの守備対象が相手CBへ移ると2トップ間で受けようとする相手選手へはCHが1枚前に出て対応。

 

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セット時

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プレス時

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CH出張後

 

CHが1枚前に出てきたときには、上図の中盤に生まれているスペースをうまく使えるかがポイントになりそう。

 

 

★CBをつり出せ!

全体的に選手の間がやや広め。その間を通されたときは後ろの選手が迎撃して捕まえる仕組み。

逆に言えば、CB等が自分のポジションを捨てて人を捕まえに来たところをワンタッチで外すことができれば、最終ラインには穴ができた状態となる。

 

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CBをつり出してから一つ横を経由してから裏抜け!という狙い。

ここまで簡単にはいかないだろうが、90分で1回でもこの形を作って決めきることができたら最高である。

 

 

 

また、中盤の選手に帰陣意識が高くないときが見られ、DFが一対一で競り勝てないとかなり後手を踏む印象がある。

27節・浦和戦の先制点はDFが空中戦の競り合いに連続で負けたことであっさり中央でフリーを作られていた。

 

 

 

★クエンカのところのトレードオフ

 最後に今節で最も肝になるかもしれないポイント。

 

それはクエンカがいる鳥栖の左サイド。

 

クエンカは独力で何かを起こせるクオリティーのある選手。鳥栖としてはそのクエンカを極力攻撃に専念させたい。

 

というわけで、クエンカに対してはある一定基準で攻め残りを許容しているように見えた。

自陣深くまでは守備に戻らずポジティブトランジション(守→攻の切り替え)に備える。

この攻め残りによって、鳥栖左サイドの守備はSBの個人守備と左CHのカバー能力に依存しがちになる。そのかわり、奪ってしまえばクエンカが高い位置に置いた状態で攻撃をスタートできるため、カウンターの威力は増す。

 

クエンカ自身は守備タスクが軽減されてることもあり、チームがボールを奪った際の切り替え速度はかなり速く、そこの意識は徹底されているようだった。

 

 

 鳥栖がキン・ミョンヒ体制になってから、やや大味な試合が多くなっているのは、こういったリスクを受け入れて得点の確率を高めている影響があるのかもしれない。

 

 

東京はリスクを承知で得点を取りに行くのであれば、鳥栖の右サイドをつつくような攻撃をしていきたい。

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 クエンカが戻らない深さまで攻め込めば数的優位を作り出しやすい。

 

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右SHを内側に入れることで大外の室屋を浮かせる。

 

 

個人の考えだと、この2つの形を作れたら面白いかなと思う。

 

 

展望

 

どちらも引き分けをよしとせず、欲しいのは勝点3。

27節・松本戦の後半にもあったが、お互いにリスクをかけて攻めに転じる時間ができることが予想される。

 

鳥栖が押し切るか、東京がひっくり返すか

鳥栖は前線に速い選手を揃えているため、カウンターを打てるだけのパワーはある。しかしながら、メンバーの編成を見ると攻撃を受け続けるには少し強度が足りない人選なのかなとも思う。

そういう面もあり、鳥栖がボールを握りたがる展開を予想する。

そうなると非保持型の東京としては好都合にも思えるが、鳥栖の保持パワーもなかなかなので、どっちが先に仕留められるかという試合になるかもしれない。

 

 

★序盤勝負に持ち込む

また、ここ数試合の鳥栖は前半に崩れて、後半に立て直す(勢いづかせる)傾向。

これは立ち上がりが不安定という反面、流れを変える手段を持っているとも捉えることができる。

スタメンは当日にならないと分からないが、鳥栖には小野・豊田という戦術的にもメンタル的にも流れを大きく変えることができる選手がいる影響があるだろう。

対して、東京のここ数試合を見ると、残念ながら途中から入ってきた選手が流れを変えているとは言いづらく、終盤での1点勝負になると分が悪いかもしれない。

 

東京としては立ち上がりが不安定な鳥栖を前半で刺し切って、後半は試合を殺しながらチャンスをうかがうような展開が理想だろう。

 

 

★最後はメンタル!

鳥栖のホーム直近2試合は後半にかなり勢いづく戦いを見せている。

戦術もあるだろうが、おそらくホームの雰囲気が後押ししている部分も大きいのではないかと思う。

 

終盤になって雰囲気にのみ込まれないようにメンタルを制御することも、この試合における重要なテーマになるかもしれない。

 

 

 

 

 

J1リーグ第27節 松本山雅FCvsFC東京 レビュー

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プレビューはこちら。

 

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 27節松本戦を振り返っていく。

 

スタメン

 

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松本

まずフォーメーションをおなじみの3-4-2-1(5-4-1)から3-1-4-2(5-3-2)へ変更。

また、前節から4人を入れ替えた。

阪野→永井龍、中美→町田、パウリーニョ→杉本、田中→岩上

セットプレーのキッカーかつ、ロングスローも投げられる岩上が第4節以来のスタメン。前線には相手DFを背負って仕事ができる阪野ではなく、スピードがあって裏抜けが期待できる永井龍。そして、中盤には杉本と町田というボールを持てるタイプの選手を起用してきた。

 

 

東京

基本的にはいつも通り。

一箇所のみの変更で、右SHには4試合連続でスタメンに名を連ねていた大森ではなく、三田が入る。

 

前半

松本のフォーメーションは?戦い方は?

まず開始後に注目されたのは松本のフォーメーション。この記事ではスタメンの項でネタバレしているが、試合開始まで[3-4-2-1]でも[3-1-4-2]のどちらも考えられるメンバーだった。

結果は前述している通り[3-1-4-2]。普段使っていない形なので、奇襲的なことをやってくる可能性も考えられた。

対[4-4-2]で考えると、ビルドアップ時には相手は人を当てづらく、プレス時には相手に人を当てやすいという、対FC東京で相性の良いシステムと言える。

 

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※[3-1-4-2]だとプレス時に前から人を当てやすい

 

松本のメンバーにボールプレーヤーが多いことと、[3-1-4-2]を採用してきたことから「自分たちがボールを持ち、相手からボールを取り上げに行く」ような戦い方をしてくると予想したが、思ったほどプレスはかけてこず、ボールを持たれることは許容していた。

東京の選手もキックオフ後に松本のフォーメーションを察知し、前からプレスをかけてくると思ったのか、開始後5分くらいは後方で数的優位を作るために橋本が一列下りて3バック化することもあった。しかし、「そんなに前から来ないな」と気づき、その後は比較的やらなくなっていた。

 

 

 

松本の守備基準は以下のとおり。

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2トップ+3センターでまずは中央を固めて縦パスをけん制。

こうなるとシステムの噛み合わせ上、浮きやすくなるSBへボールが出やすくなる。そこに出てきたら3センター全体がスライドしてSBへチェックに行く。

この段階ではWBは極力前に出ないようにし、ボールサイドに人が密集するような陣形になる。

 

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※東京CBからSBへパスが出たときのスライド

 

 

東京が狙うべきポイント

 

①逆サイドのスペース

こうしてボールサイドに人が集まってくると別の場所にスペースができる。

こうなったときにどう攻めるだろうか。

あえてプレッシャーが強い密集に突っ込み、そこを掻い潜ればチャンスが作れるというやり方もあるが、東京は無理にリスクをかけず、スペースがある場所にボールを送る。上図で言うと右SB室屋のところに広大なスペースがあることがわかるだろう。

 

オ・ジェソクよりも攻撃的な室屋のサイドを使いたいということで、一度左SBジェソクのほうにパスをつける。そうすると松本の選手、特に中盤より前の「中盤固め部隊」5人がボールサイドに寄ってくる。寄せたらもうこっちのもん、ということで森重から室屋へ正確なフィードが飛ぶ。

前半の東京はこの形を軸にしてゴールへ迫ろうという狙いだった。

 

相手の出方が読みにくい中、開始5分程度で松本守備システムの弱みを見つけて、それを突けていたことは非常にポジティブだったと思う。加えて森重のフィードはさすがであった。

 

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※イメージ

 

こうなっても左WB高橋は三田のマークを捨てずに室屋は杉本のスライドが間に合うまで放置に近い状態に。杉本がくるまでの余裕がある時間で何かできればもっとゴール前でのシーンを増やせたと思うが、ここからの攻撃は髙萩の「変態パスセンス」に頼ることが多く、チームとしての工夫やアイデアは乏しかった印象。

 

室屋から相手がイヤがるようなクロスをガンガン送れたら、松本も対応に困ったかもしれないが、ここの精度もなかなか上がってこなかった。

 

 

そして、東京2トップお得意のWB(SB)裏流れによる仕掛けも左CB水本には通用せず。1試合を通じて安定した守備を見せていた水本をいかに機能させないかがこの試合における課題になる雰囲気。

 

6分のシーンでは三田が水本を引き出し、横からのパスをスルーしてから抜け出しを狙った。水本を無力化するパスワークでこれが唯一面白い狙いだった。

 

 

バイタルエリア

意地でも中盤のスライドでなんとかしようとしてくる松本。サイドに杉本と町田が出ていくのは仕組みとして設計されていたが、もう一つ徹底されていたのは3センターの真ん中に入る藤田が中盤をふらつきながらサポートに来る東京の選手(主にディエゴや髙萩)を潰すこと。

サイドへ出されたときに中盤中央を経由されないよう、スペースを守るより、人を絶対に捕まえる仕事をこなすことが多かった。

 

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※イメージ

 

これによって東京は中盤で息苦しくなり、ロストから被カウンターというシーンも何度かあった。松本はこの形からカウンターで得点を取ることが攻撃の1stプランだったと思う。

 

苦しんだ部分もあったが、裏を返せばDFラインの前のスペース、つまりバイタルエリアは空きやすくなる。

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※イメージ

 

藤田が出てきたときに、このバイタルエリアをどう使うか、ということも攻撃における1つのポイントだったと思うが、ここも活用できたことは少なかったように思う。

おそらくここで一番能力を発揮できそうなのがディエゴなのだが、彼はサイドに、中盤に、と動きすぎていて、一番いてほしいエリアにいない時間が長かった。東京のボール保持が彼の圧倒的キープ力に頼っていることが悪い方向に出てしまったかもしれない。

 

 

相手の弱点を見つけてそこを突くことはできたが、最深部まで入り込むことはできなかった。

 

 

 

松本の徹底した裏狙い

松本のボール保持について。

 プレビューでも触れたが、パスを回しながらフリーで前を向けたときに裏を狙う。

この試合ではスピードのある永井龍が起用されたことで彼を走らせる回数が多かった。

 

この部分に対しては、おそらく試合前のスカウティングで予想できていたはずで、東京のCBコンビもラインコントロールしながら、ついて行く守備で冷静に対応できていたと思う。

 

 

 前半まとめ

 ボール非保持にストロングがあるチーム同士の対戦ということで、お互いにボールを持って何かができる空気感は薄かった。そうなるとある程度トランジション(攻守の切り替え)でのチャンスを増やす必要が出てくるが、前半はそこで上回ったのは松本。ボール扱いがうまいセルジーニョを中心に東京はプレスを外されて、自陣まで必死に戻るというシーンを作られていた。

 

また、お堅い展開ではセットプレーも大事な要素となる。中盤がちびっこ編成になっている松本に対して、単純に大きさという優位性を持っていた東京だが、セットプレーが脅威になっていたシーンは少なかった。前半に関してはボール保持での停滞感よりも、セットプレーからの得点に可能性を感じにくかったことが辛い点だったと思う。

 

 

後半

 

疲弊するまで我慢、そして中盤のバトルで勝て!

両チーム、選手交代は無し。

展開も前半と大きくは変わらず、「松本の3センターがいつ疲れてくるか」という点が最初のポイントになる。

55分頃からはその影響も出てきてか、オープンな流れが増えて、両チームともにゴール前まで迫るシーンが多くなる。

 

プレビューの展望で触れた「カウンターを狙いに来たところをひっくり返す」ことに近い部分で、相手のカウンターを潰すためにDFが人を捕まえに出てくるところの攻防で勝ったほうがチャンスを作れるようになっていた。

東京はディエゴ・オリヴェイラという“重戦車”がいることで最前線まで届けることさえできればバトルには勝てる。そこから「戦術ディエゴ」によってゴール前まで突っ込む。

 

おそらくこの展開を是とした東京はリスク覚悟でセカンドボールや相手カウンターの起点を潰すことにエネルギーを使っていた。そこで優位に立てばチャンスになるし、負ければピンチを招く。

東京の選手がときには無謀気味に突っ込んで中盤にスペースができる、というシーンが何度かあったが、このリスクを背負いながらプレーしをしていた結果だと思う。

 

70分頃になると松本3センターの疲労が目に見えてきて、東京が敵陣深い位置まで進入できる時間が増える。

東京は70分にナ・サンホ、75分に田川、85分にジャエルと攻撃的な選手を次々に投入したが、最後まで松本ゴールを割ることができなかった。

 

 

 

松本0-0東京 

 

感想・まとめ

長谷川健太監督率いるFC東京は元々ボール保持に力を入れたチーム作りではないので、徹底的に試合を殺しに来る松本相手に苦労することは予想できた。

もちろんボール保持でも力を見せつけて得点できれば最高だ。だが、勝つことができなかった要因として、そこの停滞感を嘆くよりも、ほかの部分に焦点を当てるべきではないかと個人的には思う。(もちろんボール保持も少しは修正してほしいが)

 

それがどこかというと、セットプレーとオープンな展開になった時間帯での攻撃の2つ。

別にボールを保持して相手の陣形を崩すことにこだわらなくても得点を取るチャンスはあった。永井謙佑が裏に抜け出してシュートを打ったシーン、ディエゴが独力で突破してチャンスメークしたシーン。確かに決定機は少なかったが、あれを決めきっていれば勝っていた可能性は高い。

今年、東京が勝てていたのはその少ないチャンスを決めきっていたからという部分が大きい。逆に言えば決めきれなければ勝ち切れない。

 

 

8節アウェイ広島戦のディエゴ、21節ホームセレッソ戦の永井、22節ホーム仙台戦の永井のPK獲得

 あえて久保建英がいなかった試合を挙げたが、これらの勝利を収めた試合の先制点はいずれも相手を崩して取ったわけではない。いずれも塩試合に持ち込まれたが、決めるべきところを決めたから勝てた試合だ。

 

 

現状、守備は安定しているので、勝点3を積むにはこの部分を突き詰めていくしかないと思う。

 いまの守備力を維持したまま、マリノスや神戸のようなボール保持をすることなど(少なくとも残りの試合で行うのは)不可能だからだ。

 

 

ここまで53の勝点をどうやって取ってきたのかを考え、それを信じて戦い続けてほしいと思う。

 

 

J1リーグ第27節 松本山雅FCvsFC東京 プレビュー

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第27節・松本山雅FC戦の予習を行っていく。

参考は25節・松本vs大分と26節・神戸vs松本の2試合。

 

 

前節スタメン

 

 

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松本

 スタメンはほぼ固定状態。主にシャドウに入るセルジーニョの相方が少し入れ替わる傾向。

神戸戦に限り、セルジーニョがトップ、阪野がシャドウという配置だったが、おそらく神戸対策だと思われる。

杉本と町田のボールを持てるタイプの選手2人が途中から出てくるパターンが定番化。

 

FC東京

 シーズン序盤からメンバーは固定気味。

直近数試合は右SHに大森が起用され続けているが、今節は相手が比較的守備的な松本ということもあり、三田やナ・サンホがスタートから出てくる可能性も。

 

 

松本の簡易分析

 

ボール保持

 

ビルドアップ

 前回対戦時よりも後方でつなぐ意識が強くなってきたように感じる。

WBも低い位置でビルドアップに参加させながら、まずはCHにフリーで持たせることを目指す。それに成功したら前線の選手(主に永井龍や阪野が多い?)を裏のスペースに走らせる。

 

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※イメージ

 

また、サイドで持ったWBからのクロスに突っ込んで行くパターンもやや減った印象。松本のイメージとしては意外と言えるかもしれないが、中央に入ってシュートを狙ってくるケースが増えた気がする。

特に左WBに入る高橋がカットインなどで内側に入ってきたところから、逆足のシュートを狙うシーンが多く見られるようになった。

 24節・浦和戦でその形からゴールを決めて、良い感触が残っているのか、右足シュート以外にもコンディションの良さはうかがえる。元々縦の突破にも強みがある選手で注意すべき存在になるかもしれない。

 

 

チャンスメイクパターン

最も注意すべきはセットプレー。

総得点の約半数はセットプレーから生まれている。

(※参考ーfootballlab https://www.football-lab.jp/mats/


前節・鹿島戦ではCKからの失点を喫しているだけにセットプレーには注意したい。


 

ほかはシンプルな裏抜け。夏に前田大然が移籍したことで、対面の相手をぶち抜くよりも裏に抜け出して相手DFを置き去りにする形を狙う。

 

松本の最多得点者はCB飯田とFW永井龍の2得点(前田とレアンドロペレイラは移籍したため除外)。

参考数が少ないものの、薄っすらと攻撃の傾向が見える。

 

 

ボール非保持

 

 基本セットは5-4-1(5-2-3)。

25節・大分戦と26節・神戸戦では守り方が異なっていた。両チームともにJ1の中では比較的個性的なボール保持を行うため、それぞれに対策をうっていた可能性は考えられる。

 

まず大分戦。

5-4-1ブロックをベースに中央を固めたところからサイドへアプローチ。CHが1枚下りて4バック化する大分に対して、CBの位置にいる2人はほぼ無視。SB化した三竿と岩田(現在は負傷離脱中)に出たらシャドウがチェックに出ていく。

最後方の小林と鈴木をフリーにさせる代わりに自分たちのゴール前では絶対に人を余らせるような守り方に見えた。

 

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※イメージ

 

 

続いて神戸戦。

大分とは異なり、後方では純粋に3バック(+GK)でパスを回す神戸に対しては5-2-3をベースとし、前3枚を神戸の3バックにそのままぶつけるイメージ。

ただし、アンカーに入っていたサンペールへのコースは消すことを意識しながらのプレスとなっていたため、前の3人で神戸の4人(GKは含めない)を見るような守り方。

 

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※イメージ

 

後ろの2人を放置していた大分戦と違って、前からがっちり人についていくので、後方がマンツーマン気味になる。

神戸戦ではその部分を狙われてビジャの先制点を許していた。

 

 

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※イメージ

 

この2つを踏まえた上で東京に対してはどうしてくるか、という予想をすると、おそらく大分対応型になることが考えられる。CBを放置して、後ろの厚みを確保するパターン。

とはいえ、配球センスも持ち合わせている森重を完全にフリーとするのは是としないはずなので、ここはなんらかの対応をする可能性はある。

相方の渡辺については完全に放置するかもしれない。それくらい割りきってくるのが松本である。

 

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※イメージ 

 

 

また、どちらの試合でもどう対応するのか困っている印象を受けた部分はシャドウとWBの間にマーカー以外の選手が潜り込んできたとき。

神戸戦では1試合を通じて(主にIH古橋に)そこを突かれて、プレスがかからない状態となっていた。

 

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※イメージ

 

東京と神戸はシステムが異なるため、同じ手段を使うには思い切った配置移動が必要になりそうだが、松本のプレスが強まったときには1つの手札として持っておきたいところ。

 

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※イメージ  

 

展望

 ボール非保持型である東京が珍しくボールを持ち、松本は相手に持たせておいて、奪ってから縦に速い攻撃を狙う。

そんなゲームが予想される。

 

これらの予想から、東京はボール保持で生き、セットプレーのキッカーにもなる三田を右SHに、松本はスピードがあって裏抜けができる永井龍をシャドウに起用するかもしれない。

 

 

前節・鹿島戦の後半では東京が相手DF陣を崩してゴールに迫る場面を何度も作り、どこか期待を感じさせる内容に映った。

しかし、松本相手に同じことができるかと言えばそうではないとも感じる。当たり前ではあるが、鹿島と松本ではシステムも守り方も違うからである。

鹿島は(おそらく色々な要素が重なって)CHが中央からいなくなる現象が続き、東京がそこを使えている展開だったが、松本戦で同じことが起こることは考えづらい。

ボールを持っても、得点の可能性のあるシュートまで持ち込むのが難しい状況になりそうだ。

 

 

こうなると、一番チャンスが作れそうなのは松本が全体のバランスを崩したとき。

ボールを奪ってカウンターを狙いにきたところだ。

カウンターではシャドウやWBが切り替えのスピードで相手を上回ることによってチャンスを作ろうとする。そうすると奪った瞬間は前に出る。

そこをすぐにこちらが奪い返してしまえば、切り替えの意識が高い選手ほど、後ろに戻るのが遅れる。松本の意識の高さを逆手に取ろうという狙い。

事実、前回対戦の先制点はこの流れから久保→永井と繋いだところから生まれた。

球際で紙一重の勝負になるかもしれないが、この部分で勝てなければ勝点3を得ることは難しくなる。失敗すれば失点の確率は非常に高まるが、展開次第では得点を奪うためにそういうリスクをかけることも必要になる。

 

 

ロースコアに持ち込んでくる傾向がある松本に対して、どこでリスクをかけるのか、もしくは取るべきところできっちり取り切るか。

首位をキープするためにも引き分けが許されない一戦をものにするためにどこで勝負を仕掛けるのかは見どころになる。

 

J1リーグ第26節 鹿島アントラーズvsFC東京 レビュー

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スタメン

 

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鹿島は前節・清水戦からメンバーを5人変更。

レオ・シルバはリーグ戦8試合ぶりの先発。

 

 

東京はおなじみのメンバー。橋本が日本代表への招集、そして2試合でフル出場をしていたが、そのままスタメン起用となった。

 

前半

入りの良さとスコア変動のギャップ

鹿島のキックオフでスタートした直後、東京は東が素早く圧力をかけてボールを奪取。そこから一気に敵陣まで押し込むという流れで、この大一番において素晴らしい入り方だった。

後半開始からスイッチを入れて強めの圧力をかけていくことはよくあった東京だが、この試合では前半からそれが見られた。というよりも、いつもとは明らかに様子が違うと感じた。この重要な試合において、「熱量を見せずして戦うことなど不可能」といった気概が最初のワンプレーに表れていたように思う。

 

 

しかし、そこから鹿島ボールになるとCKを与えて、ブエノにゴールを許す。開始2分でまさかのビハインドを背負う展開となった。

入りが良かったのは東京だったが、スコアを先に動かしたのは鹿島、というどこか納得できないモヤモヤ感の残る出だしに。


ブエノのヘディングは上手く行き過ぎた感はあったが、マーカーである渡辺がブエノを外してしまい、フリーに近い状態でヘディングを許したことは痛恨だった。これが大卒ルーキーの渡辺にとっては”高い授業料”というやつだろう。こういう試合でこういうことを経験して強くなっていくのである。

 

 

 

スペースへ急げ!

 勢いよく入った東京も失点後の様子を見ると、特別ハイプレスを仕掛けていくようなことはなかったが、ボール非保持において明らかな狙いがあったように思う。

いつものことと言えばそうだが、「スペースがあるうちに素早く戦術永井」だ。

永井は左にいることが多く、主に対峙するのはブエノ。ブエノも身体能力オバケ系の選手ではあるが、スペースを手にした永井に物理攻撃は効かない。種族値だか努力値だかなんだか知らないが、とにかく”すばやさ”で上回って先制攻撃するしかない。それができなければ永井による”はかいこうせん”の餌食となる。

 

話が少しそれたが、とにかく[4-4-2]同士のシステムで噛み合う中、各所のバトルで勝って回収したボールを素早く永井に届けるのが非保持における一番の狙いだった。

3:40あたりのシーンでは競り合いのこぼれを髙萩がすぐに永井へ送り、ブエノを交わすところまで行けていた。(小泉のカバーによりロスト)

 

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※イメージ

 

鹿島はビルドアップ時にSBが大外の幅取り役で比較的高い位置へ行くため、後方のスペースは生まれやすく、そこを狙おうということだろう。 

また、ボール保持においても東京のSHに鹿島のSBがついてきたら、すかさずその背後に永井orディエゴが入り込む徹底ぶりであった。

 

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※イメージ

 

鹿島の右サイドを狙え!

東京のボール保持は左の方がうまくパスが循環する。これはボールを持てる森重と間で顔を出すのが上手い東が左サイドにいることが影響しているだろう。

ということで攻略したいのは鹿島の右サイド。セルジーニョと小泉のところだ。

 

前半を見た感じだとセルジーニョは守備時の立ち位置取りがそこまで上手ではないかな?と感じた。東京左SBのジェソクに背中側を取られたり、プレスも強くかからなかったりと、ここから穴を広げられそうな雰囲気はかなりあったと思う。逆に左サイドはSHの白崎が深い位置まで戻ることもあり、崩せるシーンは少なかった。

攻撃面で優れるセルジーニョを前目に残したいというチームの考えがあった可能性もあるが、それによってCHの2枚(レオ・シルバと三竿)は右サイドのサポートでスライドを強いられてバイタルを空けてしまうシーンが多々あった。

 

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※23:30頃のシーン

 

23分頃と27分頃のシーンはまさに2CHがいなくなっていたことでチャンスになりかけた。

それでもなんとか中央を死守していたのはさすがだと思うが、明らかにCHの右サイド介護は鹿島の問題となっていた部分だろう。

 

 

右サイドの番犬

この試合では鹿島のビルドアップに対して髙萩が前に出て繋ぎをけん制しに行くことがよく見られた。

 

そうなると中盤の中央エリアが空いてしまうのだが、髙萩が出ていったときには大森が少し内に絞ってスペースを埋める役割を果たす。中央のパスコースは消して、外は許容する、くらいの感覚だったと思う。

 

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※イメージ

 

このように中央に穴をあけないように動く大森だが、彼には確実に遂行すべき仕事が与えられていた。試合を見ていた方なら、感じていたと思うが、「(鹿島左SBの)小池から時間を奪うこと」である。

逆サイドからの展開などで小池との距離がある場合でもちゃんと詰めに行く。小池を購入したらもれなく大森もついてくるサービス。

 

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※イメージ

 

鹿島の中盤にいる選手は東京のDF-MFライン間でプレーするのがうまいため、鹿島CHにプレッシャーがかかりずらい&外が空いてしまう状態になったが、東京右サイドに問題が発生しなかったのは大森の貢献のおかげとも言える。 

 

 

 前半まとめ

開始直後の失点が試合を難しくしたことは間違いないが、その後は落ち着いた試合運びができていたのではないかと思う。

ボール保持が悪くなかっただけにもう少し決定機らしいシーンを作りたいところではあったが、鹿島にボールを持たれる中でゲームのバランスを崩さずにチャンスを伺えたのは評価できる部分だろう。

 

 東京CBが伊藤に対して競り勝てず、こぼれを回収されるところは上手くいっていなかったが、逆にそこを上回ることができれば東京が支配するゲームにできそうな雰囲気もあった。

 

後半

 後半頭から鹿島が交代カードを切る。

 

白崎→名古

 

そのままSHの位置に入る。

詳細は不明だが、もしかすると白崎に軽い負傷があったのかもしれない。

 

 

 ずっと俺のターン

 後半開始後も東京がボールを持ち、攻め立てる。ボール保持はやや苦手な東京だが、ここでは相手の守備を崩してゴールに迫るシーンを何度も作ることができていた。

 前半と異なり、ハイボールの対応で鹿島を上回る回数が増えたことで回収率が上がったように見えた。

  

鹿島は元々うまい選手が揃うチームでシンプルに繋ぐことには長けているが、この日は疲労の影響もあってか、ボールを回収したあとに繋げずロストという展開が多かった。

それも影響してか、東京は「ずっと俺のターン!ドロー!」状態となり敵陣でプレーができた。決定機までいけなかった前半とは違い、シュートが枠内に行っていれば…、というシーンも多かったが、東京のダイレクトアタックは失敗に終わる。

 

東京のチャンスメイクパターンとしては永井がスペースで受けて対面の選手をぶち抜くことと、CHを右サイドにつり出して空いた中央を利用するパターンが多く、前半と特に変わっていなかったように思う。回収力が高まったことに比例してチャンスも増えたのかもしれない。

 

 手を打ち始める両軍

得点の雰囲気が出ていた東京は主に守備で奮闘していた大森を下げて韓国代表で得点を取って帰ってきたナ・サンホを投入。カットイン型のサンホを左へ置き、東を右へスライド。

鹿島は伊藤に代えて上田。前がかりになる東京の背後を不気味に狙い続ける。

 

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76分、投入後から裏を狙い続けていた上田に背後を取られるとCKを与える。

そのCKは跳ね返すが、その流れからゴラッソ製造マシーンのセルジーニョミドルシュートを決められて2点差に。

東京は2トップと両SHの計4人が守備に戻らず、6人で対応していた。鹿島は上手な立ち位置取りで東京DFが常に1人で2人を相手にしなければならないような状態になり、セルジーニョに時間を与えて詰みとなった。

点を取りに行っていたからこその前残りだったはずで、この選択を取った以上、この失点はミスというよりも受け入れなければならないものだったと思う。

 

 

この直後に失点前から準備していたジャエルと田川を投入。2トップをまるまる入れ替える。

鹿島は三竿が痛んで負傷交代。チョン・スンヒョンを入れて下図のように配置を変更。

 

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かゆいところに手が届かない

 

70分頃までは鹿島ゴールを脅かすことができていた東京だが、選手交代を行ったあたりからどこか閉塞感が出た。

これは鹿島がSBをステイさせることが多くなり、SBの背後を使いにくくなったこと、さらには身体能力オバケのブエノがSBに回ってきた影響もあるだろう。

 

また、サンホが内側に入っていくことでSBのジェソクは浮きやすくなってクロスをあげる回数が増えるが、彼はクロッサーではない。加えてジャエルがボールサイドに寄ってサポートに来るので、ターゲットは田川と東。全体的にかゆいところに手が届かない配置になっている気がした。

 

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※イメージ

 

完全に結果論だが、押し込んでセットプレーを取ることはできる展開だったので、東→三田という手もありだったのかなと思う。セットプレーでの東のキックはうまくいっていなかった。

あとは小川を入れてクロスの質で勝負出来たら…とも思った。いない人のことを言っても仕方ないのだが。

 

 

CKからジャエルが惜しいシーンを作ったが、ゴールをこじ開けることができず終了のホイッスル。

勝点を得るチャンスはありながらも完敗となった。

 

鹿島2-0東京

 

 

感想・まとめ

 

苦手を打ち破れず

鹿島が取った2得点はブエノのヘディングとセルジーニョの左足ミドルだった。これは彼らがそれぞれ最も得意とするプレーと言っていいだろう。

対して東京の決定機では東のGKとの1対1、そしてディエゴのヘディングが印象に残っている。これは彼らがそれぞれ苦手なプレーと言っていいだろう。

得意な形から2得点取れた鹿島。苦手という壁を打ち破れなかった東京。この大一番で鹿島をアウェイで叩くには、自分たちの課題と戦っているようではいけなかったということなのかもしれない。

 

 札幌戦では渡辺、名古屋戦では髙萩に今季リーグ戦初ゴールが生まれ、各個人で一つ成長した姿を見せたことで勝点を拾った。

この試合においても、勝点を持ち帰るには東とディエゴの成長が必要だったのだろう。

 その成長が見えれば間違いなくこの試合の勝者に、もっと言えば今季の首位に相応しいチームだったと思う。しかし、それが達成できなければ今回のような結果となる。まだまだ足りないチームだということを教えてもらったのだ。

 

 

J1リーグ第26節 鹿島アントラーズvsFC東京 プレビュー

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今回から諸事情によりスタメン予想及びメンバー情報(怪我人等)の項を無くし、前節までのスタメンをベースにした情報に変更します。

 

 

 

前節のスタメン

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※追記

町田→犬飼でした。失礼しました。 

 

 

鹿島は(おそらく)天皇杯の栃木戦から遠藤をトップ下(フリーマン)に置く4-4-1-1に近いシステムを試し始めている。ACLルヴァンカップで日程が詰まっているため、スンテと小池、ブエノ以外はメンバーを入れ替えて戦っている印象がある。

 

東京は右SHの人選が少し変わる程度で基本的には固定メンバー。

 

 

 

 

鹿島簡易分析

 

基本システムは伝統の4-4-2。最近はフリーマンの遠藤とFWタイプの選手(伊藤か上田)をセットにした4-4-1-1気味のシステムも使用しているが、2列目タイプの土居とセルジーニョのコンビで前線が流動的に動くシステムを多用していた。 

 

 

ボール保持

ビルドアップ

前節25節がFC東京と同じ4-4-2のシステムを用いる清水戦だったので、そこを参考に説明する。

 

2CBと2CHの4枚が軸となり、ほかの選手は適宜サポートを行う。

仮に三竿&名古コンビだと仮定すると三竿が相手2トップの間、もしくは最終ラインに下り、名古は中盤にとどまる。

三竿がCBのサポート、名古が前線との中継役といったイメージだろうか。

これは守備でバランスを取れる三竿を後ろ、より前線に絡んでいける名古を前目に置きたいという意図から、この前後配置になっていると考えられる。

 

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※イメージ①

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※イメージ②

 

 

両SBは大外のレーン担当でSHは内に絞ったポジションを取ることが多い。

 

2トップは土居・セルジーニョの場合、相手SB裏に走りこんで深さを作り、中にはSHが飛び込んできてフィニッシュ。

遠藤がフリーマンに入るパターンでは伊藤(上田)が中央で最終ラインと駆け引きしながら相手陣形全体を下げて、遠藤・両SHらがDF-MFライン間で受けることを狙う。

 

 

 

得意な攻撃

やはりポジトラ(守→攻の切り替え)での縦に速い攻撃は完成度が高い。

まず外に起点を作ってから、中に預けて逆サイドに展開、というカウンターの流れをスピードを落とさずに行うことができる。中盤より前にボールキープに長ける、推進力がある、展開力がある三拍子そろった選手が多く集まっていることでこれが可能になっているのだろう。

さらに前線の選手はアシスト役・フィニッシュ役どちらにもなれるタイプが多い。流れの中で一番スムーズにプレーが運ぶように、それぞれが役割を変えることができる。今の鹿島が強い理由の一つとして、この“誰でも点が取れる”ことは確実に挙げられる点だと思う。

 

カウンターを打たれそうになったら、まずサイドで起点を作らせないようにすることが重要になるだろう。とはいえ、起点になるのはキープ力がある選手。状況によってはカードも覚悟して潰す必要が出てくるはずだ。

 

 

 

ボール非保持

4-4-2セットがベース。

前線から噛み合っていればそのままプレスに出ていき、数的不利(対3バックなど)になっていれば一度構えたところからSHを押し出してスイッチを入れる。

 

 

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※守備基準イメージ

 

図が少しごちゃついたが、鹿島の守備基準は上図のようなイメージ。

2トップは背中のCHを意識しながらCBの前進を抑止、横に開いた相手CB(or下りたCH)へはSHが前に出て対応。この時にSBは自分のマークを捨てて、一つ前にいる選手を捕まえに行く。

 

この項の冒頭で“SHを押し出してスイッチを入れる”、と書いたが、鹿島の守備バランスでカギを握るのはおそらくSHだと思われる。

SHが前に出ていくタイミングを間違えると東京のSBは簡単に空いてしまいプレスは空転しやすく、そこから傷口は広がる。鹿島のSHが東京のSBを監視するのか、それともCB(or下りたCH)に出ていくのかという判断は鹿島の非保持における超重要ポイントとなるだろう。

 

(これは完全に個人的な感覚だが)この出ていく・出ていかないの判断が最も優れているのは白崎。単純に献身的なタイプということもあるが、周りの状況を確認して最適なポジションを選択するセンスが非常に優れているように感じた。CHのポジションにスペースができていると見たら、そこを埋めに行くような動きも見せており、気の利く選手なのだと思う。

SHのポジションに誰が入るかは試合前の注目ポイントになりそうだ。

 

 

前からプレスに行ったときはマークがずれるが、後方は基本的にマンマークの傾向が強い。 対面の選手には絶対負けないことが前提になっている守り方とも言えるかもしれない。

24節のガンバ戦の2失点なんかはすごくわかりやすく、スペースに蹴りだされたボールに対して、DFがマーカーを捕まえきれずにゴールまで行かれてしまったという2点だった。

東京も前線には強力なキャラクターを揃えているため、裏のスペースでバトルをガンガン仕掛けていく展開にするのがファーストプランになりそうだ。

そうなると東京のFWが勝つか、鹿島のCBが勝つか、というわかりやすい勝負になるだろう。

 

 

 

 

展望

順位を見たときにどう考えても普通とはテンションが異なる試合になることは間違いない。お互い[4-4-2]のシステムを使うチーム同士、マークもわかりやすく、各所で1対1が発生する中でどちらがそこの勝負、いわゆるデュエルを制するかが最も重要なポイントになるだろう。

しかしながら、8月はリーグ5連戦(+天皇杯)に加え、直近ではお互いにルヴァンカップを2試合消化しており、選手の疲労度は高いとみられる。

東京は日本代表の遠征に永井と橋本、韓国代表にナ・サンホを送っており、彼らのスタメン入りは不透明だ。

逆に鹿島は今節の直後にACLを控えているため、そこでの選手起用も考えながらの戦いとなる。

この天王山において、お互いに選手起用をよく考えなければならない難しい状況だ。

 

東京は交代カードの使い方、鹿島は最初のメンバー選考が重要になるはず。

 

 

あらためて状況を整理すると勝点で4ポイント上に立っているのは東京。是が非でも勝ちたいのは鹿島の方だろう。

もちろん東京も勝ちたい試合ではあるが、引き分けでも悪くない結果だと言える。

となると0-0をよしとしない鹿島がどこで仕掛けてくるのか、そして鹿島が前がかりになったときにそれをひっくり返してチャンスをものにできる力を東京が残せているのか、という攻防になることが予想される。

 

 

これまで戦術が云々とか言っておいてではあるが、この試合は単純に気持ちで上回れるか、という部分がかなり大きなウエイトを占めると思う。

この試合の勝敗で優勝が決まるわけではないが、両チームともにそのくらいの熱量を持ったぶつかり合いを見せてほしいところだ。