青赤人の戦術探検記

FC東京を中心に自分なりの分析をします!

2020 J1リーグ第11節 サンフレッチェ広島vsFC東京 ~「最後の1プレーまでは予定通り」~

 

セレッソ戦から守備のバランスを整え、2試合で4ポイントを獲得。西日本勢3連戦の3戦目となる広島戦を振り返る。

 

 

スタメン

 

f:id:brgacha:20200820000046p:plain

 

前節からの変更箇所

 

広島

 

ハイネル→茶島

レアンドロペレイラドウグラスヴィエイラ

 

FC東京

 

 室屋→中村帆高

※室屋は移籍のため、実質変更なし

 

前半

 

まず試合開始直後の注目ポイントは「対3バックにおける守備」。

[4-5-1]とも言えることシステムを敷いてからはセレッソ、名古屋ともに[4-4-2]ベースのチームが相手であり、3バックとは初対戦だった。

 

開始直後の配置を見てみると、前節・名古屋戦から大きくは変わっていない。ただ、ディエゴとレアンドロの役割が少し前寄りになっていた。

表現が少し難しいが、これまでの[4-1-4-1]というよりもディエゴとレアンドロが少し内に入った[4-3-2-1]に近かったと思う。

このブラジリアンアタッカー二人は、名古屋戦で見せた「サイドでの守備」というよりもどちらかというとCBへアタックする位置取り。こうなるとサイドにはSBしかいないため、相手のWBへはSBが縦にスライドして出ていくことになる。

 

f:id:brgacha:20200820000126p:plain

セット時の基本的な守備基準

f:id:brgacha:20200820000222p:plain

WB柏にはSB中村帆が出ていく

 

 

となればSBは従来のポジションからいなくなるため、広島は定番のパターンである「シャドーのハーフスペース縦抜け」を狙いやすくなる。特に左シャドーの森島はこの動きが秀逸。そして当然そこを狙ってくるわけだが、東京も無策ではない。基本的にはIHのシルバがついて行って対応する(逆サイドは安部がCHを捕まえて髙萩がシャドーについて行くことが多かった)。

 

 

f:id:brgacha:20200820000150p:plain

SB裏はシルバがカバー

 

SBを積極的に前に出すため多少リスキーな守備ではあるが、構造として問題はない。一方で気になるのはカバーリングが間に合わなかった場合。仕組みは整理されているが、元のポジションを捨ててカバーする選手が多く出てくるので、カバーが間に合わないとどうしても後手を踏む。加えて、(当然ではあるが)1対1の勝負に勝てないとピンチを招く。

 

 

前半で感じた懸念ポイントは小川vs茶島と髙萩vs浅野。小川も髙萩も際まで寄せきれれば強さを発揮できるが、対面での守備にはやや不安がある。ボールを受ける瞬間に寄せ切れていれば特に問題はなかったが、仕掛けられると抜かれる場面が何度かあった。

 

そしてもう一つはシルバの過負荷。CH(青山or川辺)へアタックする役割も持ちつつ、森島は絶対に離してはいけない。前向きと後ろ向きの動きの両方を任されているのは少しきつそうな部分もあり、 SB裏へのカバーが遅れてしまうケースも起きていた。

f:id:brgacha:20200820000631p:plain

役割が多いシルバ

 

 

 

うまくいきそうな雰囲気はあるけど、なかなか穴をあけられない広島は少し工夫を加える。

右サイドでは、野上の攻撃参加、柏の逆サイド流れなどを行い、マークを混乱させようとする。それに対し、東京は「完全に人について行く」守備ではなく「埋めるべき場所を整理した」守備で対応。容易に抜け出されることはなかった。

 

また、ビルドアップ時にはヴィエイラが下りる動きで縦パスを引き出すことも。前述したようにFC東京はSBが積極的に外まで出ていくため、CBは極力ゴール前を空けたくない。ゆえに深くまでついて行くことをためらい、ヴィエイラの起点を潰せず、前進のポイントにされた。

 

 

 

あえて得点シーンには触れずに進めてきたが、前半は2-3でFC東京がリードして折り返す。

すべて狙った得点というよりは、その流れの中でうまくいったゴールだったと思う。(FC東京は2点とも出所をふさげず、マークはついていたが受け手も潰せなかった。広島はバックスの緩さが出た。)

 

 

対3バック対策としては守備で大きな問題も出ず、1点目のシーンではディエゴとレアンドロを内側に入れた意味も出ていたはず。2失点が想定内ではないと思うが、リードして折り返せたことに意味があっただろう。

 

 

後半

 FC東京はハーフタイムで永井→内田の交代を行った。ディエゴが1トップに移り、内田が右に入る。

 前節・名古屋戦は1点リードの70分頃に永井→アダイウトン交代だったことを考えると、追加点を狙う、前線のポイントを作ることよりも守備のバランスを整え、「まず失点しないこと」を優先したのではないかと推測する。もちろん永井個人に関してはコンディションの考慮もあったとは思う。

 

後半開始直後は引いて受けるシーンがあまりなかったため、はっきりとは分からなかったが、おそらく右SH(内田)がWBを見て、SBをできるだけ動かさないように守備を修正した。これによって前半の「カバーが間に合わない!」というようなシーンはほぼなくなり、右サイドは安定。ただ、後ろの枚数が多くなれば前へのプレッシャーは弱くなる。それゆえに、ボールを持たれればラインを下げる判断に至るケースも増えた。

 

f:id:brgacha:20200820115108p:plain

WBにマークする選手を変更

 

広島は51分に2枚替え。青山→ハイネル、浅野→レアンドロペレイラ。ハイネルはそのままCH、ペレイラがトップでヴィエイラがシャドー気味に。

ボールを持てればビルドアップで困ることはないので、前目でゴールに迫れる選手を増やそうといった意図だっただろうか。ハイネルのCH起用は奇策とも言えるが、中盤の位置から1枚剥がす動きや、コンビネーションから前に向かっていく動きなどでアクセントをつけることに成功していたように思う。

 

東京は62分頃から安部をトップ下気味に据える[4-2-3-1]っぽい布陣に。全体が下がりすぎないように、激しい上下動を続けられる安部で前への圧力を少し高めたかったか。正直、ここの意図は分からなかった。

そして、CBが外まで潰しに出て行き、髙萩がゴール前のスペースを埋めるような守り方が増えた。WBを気にしなくていいぶん、4バックは目の前の選手をはっきりとマークするようにしたのかもしれない。

 

76分にはレアンドロ→オマリで[5-4-1]に変更。中盤をフレッシュにする選択肢もあったと思うが、後ろの枚数を増やして配置をずらされないようにしたかったのだろう。あとは長谷川監督が三田に対して「人には強いがスペースを管理させるには不安」という評価を持っていそう。それは昨季[4-4-2]のCHでまったく起用されなかったことからここまでの流れでそう推測している。あくまでも推測。

 

重心を下げたので、当然ゴール前にボールを運ばれること自体は増えるが、ゴール前には跳ね返しに強い選手、そして人数がそろっている。相手のミスにも助けられつつ、うまく時間も使うことができた。あとは終了のホイッスルを待つだけ。

しかし、ラストプレーで同点弾を喫し、手中に収めかけた勝点3はあっさりとこぼれ落ちた。

 

 

雑感

 

 ラストプレーで追い付かれたことのインパクトが強すぎたが、そこまでの過程は完ぺきといってもよかった。

 

[ 長谷川 健太監督 ]
点の取り合うような展開になって、この対戦カードらしくない展開だったと思いますが、そんな中で前半をリードして、後半もラストワンプレーまではしっかりとプレーをしてくれたと思っています。若干、終了間際のところで、終わる終わらないのところで、スキを作ってしまったのかなと思いますが、本当に良いゲームをしてくれたんじゃないかと思います。

 

 

【公式】広島vsFC東京の試合結果・データ(明治安田生命J1リーグ:2020年8月19日):Jリーグ.jp

DAZNの中継、そしてJリーグ公式のコメントでも言っているように「最後の1プレーまでは予定通り」。まさにそんな試合だった。

 

昨季2位で終わり、優勝を目指しているであろう今季。それを考えれば落とした勝点2は非常に手痛いが、この試合で3バック対策がすぐに仕込めたことはポジティブな要素だ。そしてここ3試合では守備にバランスを置きつつも、勝点3を取るためのアプローチがはっきりしていることも事実。今回の勝負弱さから目を背けてはいけないと思うが、勝利へのプロセスを踏めていることも評価すべきなのではないだろうか。

 

自分は広島戦の結果に反して、これからのFC東京を楽しみにしている。

 

 

 

https://twitter.com/sumihiga

Twitterアカウント)

2020 J1リーグ第9節 セレッソ大阪vsFC東京 ~攻撃<バランス。勝負はラスト10分~

 

 前節・鳥栖戦は前のアタッカー3枚(ディエゴ、永井、レアンドロ)に攻め残りさせ、後ろの人数を削って守る戦い方を選んだ。結果は敗戦。勝てなかった要因は「点が取れなかったこと」とも言えるが、「この守備でいいの?」という疑問もあっただろう。前節の「割り切りすぎた戦い方」で敗戦を喫したことを受け止めた上で、どのような戦略を取ってくるか。それがこの試合における一番のテーマだったはずだ。

 

 

それでは早速。

 

スタメン

 

f:id:brgacha:20200811121500p:plain

 

 

前節からの変更箇所

 

C大阪

鈴木→メンデス

 

ミッドウィークにルヴァンカップも戦っており、ヨニッチ、瀬古、丸橋、デサバトあたりは連戦でもぶっ続けで出ているような状態。

 

 

FC東京

林→波多野

三田→シルバ 

 

GKの入れ替えはサプライズ。中盤を3枚にしたことでシルバが入った。

 

 

前半

 

まずこの試合における最大のテーマ、前節を踏まえた上でどのようなバランスを取るか。ふたを開けると[4-1-4-1]のような布陣が表れた。攻撃力を少し落としてでも、アタッカーにある程度守備をさせることでバランスを整える選択。

シーズンの序盤で見られた3トップが前で並ぶ形ではなく、サイドのアタッカーを主に中盤で守らせる陣形。前節と比べ、中盤に十分な人数がいる(個人的には4バックであれば中盤に4枚は絶対に必要だと考えている)ことで、特にSBの守備が整理された。

今季は理不尽にたたかれがちな小川がこの試合で高評価を得ていた(ように思えた)のもこの影響が大きいはず。

 

簡単に守備の役割を整理すると以下のようなイメージ。

 

ディエゴ:CBに横から寄せて、片方のサイドへ誘導。CHのケアを行う時も。

永井:基本はSB監視だが、機を見てCBにもアタック。SHへの縦パスコースを塞ぐこともあり、やや仕事が過負荷気味。

レアンドロ:基本的に松田を見るだけ。マークの受け渡しも行うが、目の前にいる大外の選手だけは外さないように。

シルバ&安部:CHをがっつりマーク。CBから受けたパスで前を向かせない。

髙萩:中盤底のスペースを管理。最終ラインへのカバーも。

SB:対面のSHへ激しくアタック。割と深めまで追うことも。

CB:基本は2トップをマーク。サイドへ流れる動きにもついて行き、潰す役割が求められる。 

 

f:id:brgacha:20200811121421p:plain

おおよその守備基準



 

 

レアンドロが前で1人見てくれるだけで、小川はSH坂元へのマークに集中できる。これによって特長である前向きに当たっていく守備で良さを出せていた。

戦術とは選手の苦手な部分を隠し、得意な部分を際立たせるもの。この試合でその恩恵を受けたのが小川だったように思う。

 

 

試合内容の話を。

セレッソは2CB+右SBの松田+2CHでのビルドアップがメイン。まずはCBからCHへのパスで様子を伺うが、安部とシルバが強く寄せてくるため、そこを中継点にすることは難しい状況となっていた。そこでまず様子見でおこなったのは藤田を一列下ろすこと。

 

 

最初にこの動きを見せたのは6分を過ぎたあたり。藤田が最終ラインまで下りると、シルバはそのままついて行くわけではなく、かといって自分の持つエリアを守るわけでもない中途半端な立ち位置を取る。元々藤田(orデサバト)へタイトにつく守備タスクを持っていたと思われるシルバは、藤田が遠ざかると役割がかなり曖昧になり、“迷子”のような状態になっていたように見えた。

 

f:id:brgacha:20200811122920p:plain

藤田が下りると…

 

シルバが迷子になることは中盤にスペースを作ることも意味しており、右横の永井が意識しなければいけないエリアが拡大。永井の守備位置が途中で少し変わったのは、これが作用されていたのではないかと予想している。

f:id:brgacha:20200811235946p:plain


 

 

 

FC東京は左サイドが比較的安定していたのに対し、右サイドは各選手の役割が曖昧になっていた。そうなるとセレッソはそっちを使いたい。

 

一番バランスが難しくなるのは永井がCBへアタックへ行ったとき。マーク対象が一個ずつズレるため、室屋の背後が空く。セレッソの2トップがそのスペースを取りに行けば、CB渡辺はつり出される。

ここで潰しきれれば問題はないが、潰せなければ跳ね返しに強い渡辺を欠く状態でクロス対応をしなければならない。

 

リスタートからの流れだったためイレギュラーではあったが、上記のような形でうまく決定機を作ったのが10分頃の坂元の決定機。波多野のセーブでゴールとはならなかったが、これが決まっていれば完全にセレッソのゲームになっていただろう。

 

 

左に寄せてからサイドチェンジで坂元を使う形も見られ、小川との1対1を強いられたが、完封とは言えないまでも十分に対応できており大きな問題にはならず。

 

 

FC東京セレッソのゆったりとしたペースにお付き合いしつつも、永井と室屋のトランジションに強いスプリンターで縦を素早く取ろうといった意図も見えた。

ただ、セレッソも「前進は許容しても危険なところは使わせない」守備で対応。互いにシュートが少ない展開で折り返しとなった。

 

 

 

後半

 

 正確には分からないが、前半よりもシルバが「はっきり人をマーク」というよりは中盤のポジションを取るようになった気がする。その分永井がCHへのチェックを行ったり、内側へのアプローチも増えた。それによって室屋が1人で相手2人を見るようなシーンがチラホラ出始める。

ただ、室屋もさすが代表選手といったところで、背後のスペースを消して危険なエリアを使われないようにうまく対応できていたと思う。

 

46分前のカウンターや、53分の波多野→永井という展開があったように、永井をカウンターの槍として機能させ、セレッソが陣形を整える前に刺し切ろうという意図が見られた。特に46分のシーンは非常に惜しかったが、ここで刺し切れないのはまだまだ未熟な部分。ハイレベルな要求なのは承知の上で言うと、マリノス戦のようにこのようなチャンスで取り切れれば、守備に重きを置いた上でも確実に点が取れるチームになるだろう。

 

 

一方でセレッソ。前述したように室屋のところで2対1が作りやすくなっていたことに加え、右サイドでは坂元が相手を2人引き付けて松田に時間を作れていた。両サイドともにSBに時間が生まれやすくなり、クロスを入れるまではできる。ただ、FC東京のCBは跳ね返しに強く、セレッソの2トップは単純な空中戦では勝てない。ということで53分にメンデスを下げ、ターゲットになる都倉を入れる選択をした。

 

 

その5分後、FC東京も選手交代。

カウンターにチャンスを見出していく上で必要不可欠の永井だが、コンディション面やこの試合のタスク過多の影響もあってか57分に下がる。代わりに、よりバランス型とも言える内田を投入した。

内田は永井のようにカウンターの先導役にするのは難しいが、ドリブルでアクセントをつけたり、器用に守備をこなすことはできる。

守備の役割自体は永井と変わらなかったかもしれないが、シルバが出ていったときの背後のスペースを埋める動きがより顕著になった気がした。

 

f:id:brgacha:20200811235828p:plain

シルバの背後を埋める守備

 

また、普段はロングスローを控え気味にしている藤田だが、都倉投入後からは躊躇なくロングスローを入れてきた。ターゲットの都倉投入、そしてカウンター局面で最も怖い永井が下がったことの2つがトリガーとなったかもしれない。

ちなみに78分に片山が投入されてからは、片山がロングスロー役になっている。

 

 

スコアレスのまま時間が進み、試合の分かれ目になりそうな予感がしたのはFC東京が82分に行った2枚替え。

 

シルバ→原

ディエゴ→アダイウトン

 

単純に言えば、MFを1枚削ってFWを増やす交代。規則正しく守るセレッソに対して、レアンドロアダイウトン、原と「予期しないプレー」ができる選手を前に3枚並べる。

 

第7節・鹿島戦の内容を思い出すと、相手にボールを持たれる時間が増えると非常に苦しくなるリスキーな采配でもあるが、この試合ではデメリットをぼかすことができていた。

それはセレッソが縦に速い展開にお付き合いしてくれたからだと思う。

 

 

最後の10分以外は、ゲームをコントロールして進めることができたと思う。最後の10分は、よりリスクをかけてゴールを奪いにいったことで、スペースが生まれ、相手のカウンターも受けたが、全体的なプレー内容には満足している。

【公式】C大阪vsFC東京の試合結果・データ(明治安田生命J1リーグ:2020年8月9日):Jリーグ.jp

 

ティーナ監督も以上のようにコメントしており、満足こそしていないが、「最後の10分は、よりリスクをかけてゴールを奪いにいった」とのこと。

 

FC東京としては森重と渡辺で十分に対応できていたので、非常にありがたい展開に持ち込めた。

 

アディショナルタイムアダイウトンが「予期せぬプレー」で決定機を演出したが、ジンヒョンの好セーブに防がれてタイムアップ。

 

 

雑感

 引き分けが妥当でもあり、両チームとも2回ずつくらいあった決定機を生かせていれば勝てたという試合でもあった。

 

 

これまでのFC東京を踏まえると、この試合では守備のバランスに重きを置きながらも点を取る術が考えられたプランが見られた。レアンドロや永井に低い位置での守備を求めるのは不本意ではあるが、そこと付き合っていくことを受け入れたような気がする。

 


--最後まで良いプレーが続いたが?
今日はチーム全体が守備面でタイトにいけていた。自分のサイドの坂元(達裕)選手はキーマンだった。そこはタイトに行くようにした。特に今日はレアンドロ選手が下がってしっかり守備をやってくれてやりやすかった。左サイドも(安部)柊斗や髙萩(洋次郎)選手も出てきて連動した守備ができた。攻撃も守備が良かったぶん、レア(レアンドロ)や柊斗と距離感が良かった。まだ自分としては後半何回かミスがあったので、そこは修正していきたいと思います。

--今季はここまで好不調の波があったが、ようやく良い調子になってきたか?
自分自体が動いている感覚がある。レアや柊斗とのコンビネーションが良くなってきている感じはします。

--森重 真人がチームの現状について「好守のバランスがまだ見つかっていない」と話していたが、今日の出来は?
この間の試合(鳥栖戦)を受けて、レアンドロの位置を高く取らせたままか、全員守備全員攻撃にするか。今週の練習ではかなり話し合った。結果今日の試合のようにハマったので、良かったなと思います。

--攻撃面は不発だったが、加えていきたいところは?
今季は左サイドは安部 柊斗とレアンドロと3人。もっとコンビネーションを上げて、えぐれるように怖い攻撃をしていきたいです。

--今日はスタートからひさびさの[4-3-3]。守備がハマればうまくいく手ごたえも?
そうですね。練習でもレアに対して監督をはじめ自分たちも守備に関して落とし込めた。レアンドロがすごく頑張ってくれて、ハマった感じはすごくありました。

【公式】C大阪vsFC東京の試合結果・データ(明治安田生命J1リーグ:2020年8月9日):Jリーグ.jp

 

上記の小川のコメントがすべてを話しているので、説明するのも野暮かもしれないが、前節・鳥栖戦とは明確に守り方を変えたことを少しだけ。

小川のコメントを借りると鳥栖戦は「レアンドロの位置を高く取らせたまま」、セレッソ戦は「全員守備全員攻撃」の戦い方を選んだというところだろう。

個人的な意見としては、守備が「改善した」ではなく、「やり方を変えた」のほうがしっくりくる。レアンドロが守備をしないのはチームとして意図したものだったと思うので。

 

「シルバの背後をどう守ろう」、「レアンドロのゾーンディフェンス意識のゆるふわ感をどうしようか」などの細かい課題はあったと思うが、1つのベースを見せてくれた試合で非常に面白かった。

 

ただ、この戦い方をチームのベースにするというよりも、対セレッソを考えた上でのアプローチだった可能性も十分にある。

名古屋戦の行方やいかに。

 

 

 

https://twitter.com/sumihiga

Twitterアカウント)

2020 J1リーグ第8節 FC東京vsサガン鳥栖 プレビュー

 


 

 

気まぐれ浮上。

1週間空くタイミングだったので気分です。 

 

 

前節のスタメン

FC東京

f:id:brgacha:20200731180605p:plain

前節のスタメン

 

 [4-4-2]ベース。

橋本の移籍と東の離脱によって、中盤の構成には少し悩みを抱えている印象。

 

 

 鳥栖 

f:id:brgacha:20200731175822p:plain

前節のスタメン

 

 開幕、再開直後は[4-3-3]だったが、前々節・清水戦から[4-4-2]に変更。微調整を施しながら最適なバランスを探している状況か。

 

 

鳥栖の戦い方予想

 

ボール保持

 

 再開後は[4-3-3]と[4-4-2]の2パターンで戦ってきたが、ここでは直近の試合で使用している[4-4-2]を軸に考える。

 

 

 

ポジションごとの主な役割や特徴

GK高丘:ペナルティーエリア少し外に位置し、3バックの真ん中の選手のように振舞う。強めのプレスがかかっても強気につなげる。外へ開くSBへのミドルレンジのキックもある。

CBエドゥアルド&原:高丘もビルドアップ参加するため、CB同士の幅をかなり広く取る。

SB森下&内田:大外の高い位置で張って幅を取る。内田のほうが低い位置での関与もでき、ドリブルで運んで剥がすプレーも。

CH松岡:相手FWの背中側でうろうろ。中盤の中央で経由地点となるのがメイン。

SH原川&小屋松:少し内寄りに位置し、相手DF-MFライン間の中途半端な位置を取る。

 

f:id:brgacha:20200731125458p:plain

鳥栖ビルドアップ時配置イメージ

 

2人のCBが大きく距離を取り、その間にはGKが入る形。松岡は相手のトップの背後で待ち受けるのが基本だが、あえて下りることでプレスの対象を自分に強制させる動きを取ったりもする。

 

ビルドアップ隊を最少人数に抑えることで、SBを高く上げて攻撃に厚みを持たせる。SBが大外で張る役割を持つ分、SHには内側で仕事ができるタイプを置く。

以上がざっくりとした保持時の特長だ。

 

 

 

FC東京の[4-4-2]と噛み合わせるとこのような感じになる。

f:id:brgacha:20200731133904p:plain

鳥栖保持×FC東京非保持のイメージ

ぱっと見でも各選手のマークがはっきりしない、いわゆる“噛み合わない”状態ができている。

ここで懸念されるのは相手のSBとSHをどう捕まえるか、だろう。

FC東京は2トップの規制がうまくかからなかった場合、SHの選手が目の前のCB、大外に張るSB、背後にいるSHと、相手の3選手を同時に意識しなければならないシチュエーションが生まれる。

f:id:brgacha:20200731163407p:plain

誰が誰をマークするか

この対応についてはかなりデリケートな部分。ボールホルダーの意図、相手の配置、味方の状況など、複数の要素を考えながら立ち位置を取る必要がある。

f:id:brgacha:20200731175450p:plain

f:id:brgacha:20200731175506p:plain

f:id:brgacha:20200731175526p:plain

やや大げさではあるが、上図のようにSHの対応がどこかに偏ると確実にバランスが崩れる。そうなったときに周りの選手がどのようにサポートするのかを整理することも重要なポイントだろう。

 

 アン・ヨンウやチアゴ・アウベスなど、個人で局面を打開できる選手がサブに眠っているのも要警戒。

 

 

後方に人を残さないぶん、攻→守の切り替えでCBが守るスペースが広がっている。高橋秀人、もしくはパク・ジョンスの起用は、「奪われたときのための保険」という理由もありそうだ。

 

 

 

ボール非保持

[4-4-2]ベース。

特徴は2トップが相手のCHを消す意識が高いこと。

FWの2選手は機を見てCBへのプレスにも出ていく。プレス後、ボールが自分の背中側へ送られると、戻って人を捕まえ、陣形をコンパクトに戻すプレスバックも徹底。

 

直近2試合は主に豊田(林)+石井のセットが長い時間で組まれているが、これは守備面も考えられた人選かもしれない。

特に豊田は、相手CHを意識した場所からCBへのアタックができる。プレスがハマらないと見るや位置を下げてバランスを整える作業もかなりこまめにやってくれる、ということで守備における貢献度も非常に高いように見えた。

 

2トップが広い範囲を埋める役割を任されているぶん、CHは中盤底に残っての仕事に集中しやすい。

一方でこの特徴は、2トップの守備が上手くハマらなかった時にはバランスを崩す仕組みでもある。

 

おそらく相手の2CBとCHのところは基本的に2トップが担当。そのため、CHが前に出てつぶす動きはワンテンポ遅れがちに見える。ここを2トップのプレスバックで解決できれば問題はないが、プレスに行ったあとだと逆重心の方向転換を強いられるのでそれが難しい場合も多い。

f:id:brgacha:20200731180005p:plain

2トップで守りたいエリアが広い

 

 

2トップが相手のCHを消せなかった時には[4-4-2]の[4-2]部分が空きやすくなる。前の2人と後ろ8人が分断気味になるというイメージだろうか。

 

 

そうなった場合、アプローチが遅くなってサイドへ展開され、自陣に撤退せざるを得なくなる、といった場面も何回か見られた。

f:id:brgacha:20200731180056p:plain

狙いたい場所

 

先発11人の構成を見ると、ゴール前で構えて跳ね返す展開が得意なメンバーではないはず。だからこそ2トップに多くのタスクを課し、安易に撤退しないような戦い方をとっているのかもしれない。

 

また、後方の守備で言うと、エドゥアルドのカバーによるウエイトが大きいので、彼を外すような攻撃のアプローチはしたい。

 

 

 

 

 

https://twitter.com/sumihiga

Twitterアカウント)

【FC東京】J1第4節 横浜FM戦 シルバ起用で表れた守備時のメリット

 

 

たまには個人にフォーカスしたものも。

短編。 

 

ということで早速。

 

 

アルトゥール・シルバのストロングとは?

 

FC東京を応援している方々には、説明する必要もないだろうが、彼のストロングは「球際の強さ」「ボールを持ったときの力強さ」が挙げられる。

自陣に撤退して守り切る、というよりは積極的にアクションを起こす試合運びがしたいときに生きてくる選手だ。

 

今季は3節の川崎戦から先発で起用され、4節の横浜FM戦でも存在感を発揮。

フィジカルバトルでマルコスを吹っ飛ばしたシーン、前述した「ボールを持ったときの力強さ」は印象的だったと思うが、個人的にはそこよりも守備面でストロングがよく表れていたように感じた。

 

具体的には前線がプレスに出ていったときの連動。横浜FM戦ではトップに永井を起用したこともあって、いくらか前から追う場面があったが、そのときに実はシルバが効いていた。

 

 

実際に表れた現象

マリノスのビルドアップは、ボランチの選手が外に流れて受けに来る特徴がある。

そしてこの日のFC東京のプレスとして、SHが相手CBまで出ていく場面が何回か見られた。

これを掛け合わせると、FC東京がプレスを掛けた際に空きやすくなるのが下図の場所。

f:id:brgacha:20200715214318p:plain

扇原が外に流れて受けにくる

f:id:brgacha:20200715214342p:plain

左SHが相手のCBへプレスに出ていく

ここが空きやすくなるわけだが、そこでシルバの登場である。

おそらく試合前からこのような現象が発生する予測を持って臨んでいるはずで、シルバはここへ積極的に出ていく。彼の寄せていくスピード感や球際の激しさであれば潰せるという計算があったのだろう。

実際にこのパターンが発生したときには、しっかりと対応できていることが多かった。ファウルになることもあったが、大事なのは相手に時間を与えないこと。シルバはその役割を果たしたと言える。

f:id:brgacha:20200715215427p:plain

f:id:brgacha:20200715215441p:plain



 

(ちなみに流れてくる扇原を潰すシーンは6:05秒あたり、小池を潰したシーンは20:55秒辺り!47:45あたりの寄せもgood!)

 

 

まとめ

守備面で言えば似たようなことが安部もできるかもしれないが、シルバは安部よりもボールを持ったときのパワーがある。そして髙萩にはないストロングを持っている。

よりパワーが必要な試合において、今季は昨季以上に戦力となってくれそうだ。

 

 

このようにFC東京が前からプレスを掛ける際は、広範囲に出てくるアルトゥール・シルバの潰しに注目してみると面白いかもしれない!それぞれの視点でサッカーを楽しもう!

それでは!

 

 

Twitterアカウント)

https://twitter.com/sumihiga

2020 J1リーグ第4節 横浜F・マリノスvsFC東京 ~3得点を生んだ明確な狙いと取り戻した魂~

 

狙いを遂行できた攻撃、必要なものを思い出した守備。

そんな素敵な試合でした。

 

得点シーンに関連した部分がメインの内容となります。

それでは早速。 

 

 

スタメン

 

f:id:brgacha:20200713005427p:plain

 

前節からの変更箇所

 

横浜FM

エジガル→オナイウ

仲川→水沼

エリキ→遠藤

喜田→天野

高野→ティーラトン

伊藤→チアゴ

松原→小池

 

梶川、畠中、扇原、マルコス以外の7名を変更。

 

 

FC東京

 

安部→永井

レアンドロ→田川

 髙萩→橋本

小川→室屋(SB左右変更で中村帆が左、室屋が右)

 

4名入れ替え。ケガで離脱していた永井の先発復帰が最も大きなトピックか。

システムも前節・川崎戦の[4-2-3-1]から[4-4-2]に変更。

 

前半

「前から行くぞ」という気概を感じる人選のFC東京。思っていたよりは前から行かなかったが、しっかりと陣形が整っていれば永井のチェイスをトリガーにして後ろが連動していく。とはいえ昨季王者のパス回しも巧み。ハメつつ相手をうまく誘導できた、もしくは奪いきれたのは数回だったと思う。

 

ただ、それはそこまで問題ではなかった。

狙っていたのは前プレからのショートカウンターではなく、マリノスのアタッカーを自陣に引き込んでから、空けたスペースを使っていくこと。

マリノスの特徴であるハイプレスと、攻→守の切り替えでボールを奪いに来るところを逆手に取る。

 

 

ただ、裏のスペースが空いているとはいえ最後方にはチアゴがいる。単純にチアゴとバトルしていては分が悪いのでその前にひと工夫を加える。

 

ゴール前のスペースを取るためにまずサイドを取ることだ。

 

2分過ぎのシーン。切り替えのスピードで上回ってフリーとなった中村帆が前線のスペースへ走る田川へ。タイミングと精度が合わずにミスとなったが、これが狙いをだそうとした最初のシーンだったと思う。

f:id:brgacha:20200713014538p:plain

2:05あたりのシーン

こうなった瞬間に前4人が全員DFラインと駆け引きをしていて、田川、ディエゴ、永井の3人が裏へ抜け出そうとしているのが特徴的。たぶんこれしか狙っていなかった。

 

 

 

続いて良いシーン二つ目。11:20あたり。

マリノスの前プレから林→室屋へ浮き球のパス。そのこぼれ球の混戦からシルバが扇原をかわし、さらにはマルコスをどかして空洞化した中盤のスペースを運ぶ。そして戻り切れていないSBの背後へ走る永井へスルーパス。永井は少しもたついたようにも見えたが、逆サイドから上がってきた室屋へ届けてワンタッチで折り返し。キックの精度が伴わなかったが、逆サイドでは田川が詰めており、意図は見えた。

抜け出してからの判断力にやや難のある永井だが、ここは室屋の上りを待つためにあえて時間をかけたのかもしれない。考えすぎだろうか。

f:id:brgacha:20200713020309p:plain

シルバが扇原とマルコスの前に入ってスルーパス

f:id:brgacha:20200713020359p:plain

精度が伴わなかったが、狙いはこんなイメージ

 

 

 

一度サイドを取ってから素早く中に折り返してゴール前のスペースを取ろうとしていたのは左右どちらのサイドでも同じだったと思うが、よりダイナミックに前へ出ていける室屋がいる右サイドがメイン。さらに、右サイドのスペースを取れれば、左SHに入る田川がスピードを持ってゴール前へ飛び込めるという相性の良さも重なっていた。

 

そしてこのシーンの約1分後、12:45あたり。

東京がビルドアップでGKまで戻すとマリノスは高い位置からプレッシング。しかし、中盤の空洞にタイミングよくおりてきた東に通されて、1stプレス部隊は完全に置き去りに。

ボールホルダーの東と、永井&田川の抜け出しのタイミングはうまく合わなかったが、ディエゴを経由して右サイドのスペースを取った室屋へ。室屋がお約束のようにワンタッチで中へ折り返すとゴール前に飛び込んできた田川へと渡る。そこにチアゴがたまらずファウルで止めてPK獲得。

 

f:id:brgacha:20200713022023p:plain

東が空いた場所を見つけて顔を出す

f:id:brgacha:20200713022415p:plain

ディエゴのワンタッチパスから室屋がティーラトンの背後を取る

f:id:brgacha:20200713022817p:plain

室屋の折り返しに田川が飛び込んでPKゲット

深さこそ違えど、形としては1分前のシーンとまんま同じだった。終始押し込まれながらもちゃんと前に出てくる室屋、サボらずゴール前に入っていく田川。二人の良さを生かした上で狙いを持って手に入れたPKだったと言える。

 

 

 

その後は左に人数を掛けて的を絞らせないマリノスのボール保持に苦労しつつも、ゴール前は割らせません、という守備の集中力を見せてギリギリで守り切る。

守備のポイントは左SBに入った中村帆高。マリノスの保持に合わせてFC東京の陣形が右に寄せられると、構造的にどうしても孤立しがちだったが、安定感のある守備を披露した。内に絞ってファーポスト付近の危険な場所を埋めながら、逆に振られたら1対1対応。広いスペースで晒されることが増える役回りだったが、自分のやることを理解し、予測から準備された対応が素晴らしかった。

長谷川監督がどこまで計算していたかは不明だが、この安定した対応を何度も見たら、守備ポジショニングにやや難ありの小川ではなく、中村帆高を起用した理由もわかる。

 

上記で挙げた2分のシーンも、左足でスペースに蹴れる小川なら…、と思うポイントではあった。しかし、中村帆高はその小川よりも苦手な部分を差し引いても、多めのおつりがくる守備を見せてくれた。

 

 

話を戻して再び攻撃。29:20あたり。

右で少しパスを繋いだところから室屋が逆サイドへロングパス。ここは精度が伴わずチアゴにカットされた。

 

シーンは変わって42:40あたり。再び右サイドでパスをつないだあと、室屋から逆サイドへロングパスが送られる。今度は精度の伴ったパスでディエゴへ通ると、梶川の飛び出しが間に合わずFK獲得。

レッドカード相当のプレーにも見えたが、レアンドロがFKを決めたことで、結果的にPKになったのと同じ状況となった。

 

 

 

前半で取った2点はともに似たようなプレーがその前にあった。一度は失敗しても二度目は高い精度でやり直す。学習能力の高さを見せたようなチャンス創作だった。

愚直に相手の「ツボ」を狙い続けたFC東京と、そこを狙われているのは承知の上で「自分たちのサッカー」を貫くマリノス。この両チームだったからこその展開だったのかもしれない。

 

 

後半

 開始早々に追加点を決める。

GKからのロングキックから、永井が一人でDFを交わしてクロス。ファーサイドに飛び込んだレアンドロが丁寧かつ豪快に合わせた。

レアンドロがどこまで意図をもって狙っていたかは分からないが、「逆サイドからのクロス(折り返し)にはゴール前に詰めろ」という指示があったならばチームとして完璧なゴールといえるかもしれない。

前の質だけで取ったことは間違いではないが、そこにチームとしての意図があった(かもしれない)と考えるとなお一層いいゴールに見える。

 

 

その後は、前からのプレスや2トップのスピードでカウンターをちらつかせながらゴールを守る。終盤には東、室屋、中村帆高と足をつる選手が続々と出てきたが、守備の時間を増やされた上に、前へ出ていく役割を求められたこの3人がこうなるのは必然でもあった。むしろ中断明けのコンディションで80分近くまで普通にやれていたことを称えるべきだろう。

 

FC東京は5枠ある選手交代を使いながら試合を締めにかかる。構造的にうまく守れていない部分もあったとはいえ、最後のところで体を張ってゴールを死守する集中力、そして気合いは最後までなくならなかった。

戦術云々より、まずは強い気持ちを持って戦うこと。

前節・川崎戦で見失いかけていた昨季までの「魂」を完全に取り戻していた。

 

 

 

雑感

 

 得点の取り方、集中した守備も素晴らしかったが、この試合で勝てた大きな理由として挙げられるのは失点後のメンタルだったと思う。

前節・川崎戦で惨敗を喫したあとの今節。始まってすぐは気持ちを切り替えてテンション高く入るが、開始早々に先制を許す。正直、昨季後半の湘南のように、急に気持ちが切れてしまう姿がよぎった。だが実際は違った。そこにあったのは、ビハインドを背負いながら、自分たちがやるべきことを見失わずに戦い続けた姿。狙いが上手くいった攻撃、集中力を持続させてゴールを割らせなかった守備、これらを見られたのは失点後のメンタリティーがあったからだろう。

プレー遂行能力だけではなく、気持ちの強さも見せた試合だった。

 

ナイスゲーム。

 

 

 

 

https://twitter.com/sumihiga

Twitterアカウント)

2020 J1リーグ第4節 横浜F・マリノスvsFC東京 直前プレビュー

 


 時間がないのでサクッと。

 

 

 

スタメン

f:id:brgacha:20200712173610p:plain

スタメン



 

 

FC東京

永井が復帰。割と時間がかかるのかなと見せかけておいて唐突な先発。ただ、どこまでできるのかは未知数っぽい。

前節からアルトゥール・シルバが続いてスタメン。さらには左SBが小川ではなく、中村帆であることも一つの予想外ポイントか。サプライズというほどではないけども。

 

 [4-4-2]も[4-3-3]もできそうなメンバーではあるが、永井がいることを考えると2トップのほうがあり得そうな予感。仮に田川がSHになるとしたら、ハードワークは前提として、どこまで頭を整理できるか。

 

 横浜FM

けっこうはっきりとターンオーバー。チアゴが先発復帰に、連戦フルタイム出場中の喜田をベンチスタートに。前のメンバーも前節からごっそり入れ替えた。

 

 

前から行ったれ!!

 

前から取りに行くなら絶対に2トップ。永井とディエゴでCBにアタックし、SHの詰めで前へ運ばせない守備が理想だ。「SHの守備は慣れたものですぜ」の東はいいとして、元々FWの選手である田川がどこまでやれるか。ここの守備が器用にこなせるかどうかがマリノスのビルドアップを妨害する最初のポイントになりそう。器用にこなせないのであれば「ハードワークでカバーしよう」の精神でやり切るしかない。

 

また、球際に強いシルバを起用したということは、引いて守るより奪いに行く意思表示にも見える。4点取らにゃいかんかった昨季の最終節でも先発だったし。

ボランチの二人は、マリノスの流動的に動くCHを捕まえる役割、ということだろうが、外まで動いて受けに来る喜田はベンチスタートで、和田もベンチ外。どちらかというとそんなに動かなさそうなタイプの扇原なので、選手起用はややミスマッチ感はあるが、その分、フリーに動くマルコスや天野を捕まえる役割にウエイトが移るか。シルバには手前の人を消していく役割が求められそうなので、「出ていったら必ず潰す」くらいでやれないと厳しいかもしれない。

 

 

 

 

ハイボールクロスの人選

マリノスのスタメンを見ると前節・湘南戦で決勝点を奪った水沼、オナイウのコンビが名前を連ねている。メンバーを変えただけであってスタイルは変えないかもしれないが、得意の「サイド突破からのグラウンダークロス」にこだわらず、オナイウを目掛けたハイボールでのクロスを送りこんでくる回数も増えてくると思われる。

中に強い選手が揃うFC東京にとっては好都合にも思えるが、中盤の脇を空けるとクロスが上がってきてしまうため、注意が必要だろう。

ラインが下がり切っている場合なら対応できそうだが、中途半端に上がっているタイミングが要注意。

f:id:brgacha:20200712174457p:plain

中盤脇からのクロスは注意

 

ティーラトン起用による影響

 

マリノスは左SBに高野ではなくティーラトンを起用してきた。上下動でシンプルにクロスを上げてくることが多い高野ではなく、中に入って受けてきたり、ビルドアップにおいても貢献度が高いティーラトンということで、マークする選手(たぶん東かな?)がどこまでついて行くのか、によって周りの動き方が変わるかもしれない。

中央までついて行くのであれば、左WGに入ると思われる遠藤へ渡ることは増えるはずなので、そこでのバトルに負けないこと、前に加勢してくるマルコス、及び天野をフリーでゴール前に抜けさせないこと。ボランチを含めた後ろの6人は頭がこんがらがるかもしれないが、マリノスに勝つためにはそこに対応できてこそ。

扇原と天野の組み合わせなので、ティーラトンがボランチのように振舞って、天野を一列上げる、ということは十分考えられる。

 

f:id:brgacha:20200712175534p:plain

横浜FMのビルド配置はこんな感じになりそう?

 

 

 

 

ショートカウンターに活路を

 

浦和も湘南もマリノス相手に狙っていたのはサイドチェンジからのスピードアップ、ないしはダイレクトなプレー。サイドでの密集を掻い潜れば逆サイドはスカスカで、湘南はサイドからファーに届けるクロスで2点をゲットした。

しかし、FC東京のメンバーを見ると高精度なサイドチェンジができそうな選手がいない。強いて言えば森重くらいか。それができそうな髙萩を起用しなかったということは、少なくとも前半ではショートカウンターからの得点を狙いたいのかなと。

 

積極的に圧力を掛けて相手バックラインに負荷を与え、後半に元気なブラジリアンを投入してパワーを上げていく、という作戦かもしれない。

 

 

https://twitter.com/sumihiga

Twitterアカウント)

2020 J1リーグ第3節 FC東京vs川崎フロンターレ 前半シーン別考察

 

レビューじゃないです。

 

時間別にシーンを抜き出して、思ったことを書いていくだけのやつです。

権利的な問題で試合の画像が使えません。そして図を作るのも面倒なので、時間があるときにDAZN片手に見てください。

 

 

スタメン

 

f:id:brgacha:20200709112337p:plain

 

前節からの変更箇所

FC東京

システムを[4-3-3]から[4-2-3-1]に変更。

 

選手起用

アダイウトン→シルバ

 

室屋→中村帆

 

川崎

 

変更なし 

 

 

前半

 

まず触れなければならないのはここ。[4-2-3-1]でトップ下に安部を置く、対川崎を意識したように思える布陣でスタートしたが、早々に隙を見せた。前節・鹿島戦で2得点を演出している家長の左足を切れないのは致命的。レアンドロを左に置くことのデメリットが露呈した。

 

 

川崎の守備について。大外で受けたときにSB-CB間が開くのだが、その間に走りこまれたときにIHのカバーがワンテンポ遅れがち。元々脇坂がもっと前よりの選手であることも影響していると思う。CBが出てきてカバーするが、ここをつついていけたら綻びが出てきそうな気もした。

 

ツイートメモしてなかったけど、34:30のシーン。ハーフスペースをうろつく髙萩にジェジエウが食いつき、安部がその背後を取る。こういうCBが動かされる構造を利用した攻撃がもっと出せたらよかった。

 

レアンドロが内に絞って大島へのコースを消して、2CHでもっと中央を閉められたらこのパスが通らなかった気もする。SBへのマークは最初捨てて、パスが出てから寄せても十分に間に合う。

ジェジエウからこういうパスが出てくる以上、もっとボールホルダーに寄せる必要もあったかもしれない。

 

 

 

よく見ると家長がシルバをひきつけたことで大島がシュートを打てるスペースが生まれている。シルバは場所を埋めるより、広く動いてつぶしていく傾向が強かったので、そこを利用されたかもしれない。(結果的にそうなっただけかもしれないけど)

 

 

※冒頭のDAZNハイライト2:55あたり

17:10あたり。リプレイ明けだったので、最初どう追い込んだのかが分からないが、ディエゴがFC東京から見て右側に追い込んで、中盤の選手は下りる選手を捕まえていく。狭いエリアで時間を奪うことによってパスミスを誘発した。

この布陣でボールを奪いに行くならこれが理想形にも思えるが、失点時まで前プレがほぼなかったことから、プランを切り替えたと思われる。これでリズムをつかんでいけたらよかったが、これ以降はほとんど見られず…

 

24:55あたり。ここもディエゴで右に誘導できて人も捕まえられていたので、川崎はロングボールを選択。ダミアンとのバトルを強いられるのでCBに負荷は掛かるが、ここで勝つorセカンドを拾えればいい流れになりそうだった。セカンド拾われたけど。まあ、ビハインドだし、やり方自体は全然おかしくない。

 

 

突破されたところのそもそも球際の強度なさ過ぎ問題はまずいけど、森重のラインを下げるスピードもやや気になる。素早く下がってマイナスのコースを消せていればダミアンと剛のバトルを未然に防げたようにも見える。

 

 

このシーン、レアンドロの守備があれだからクロスを許したと思われがちな気がするが、普通に川崎が上手。

家長が脇坂に渡してから裏を狙ったことで小川は中央へしぼってパスコースを消さないといけない。一番取られたらいけないのはゴール前のスペースだから。家長は見せかけただけで止まったので、サイドで時間が生まれる。脇坂が縦に抜けて森重をどかしてカットインのコースを空ける。時間に余裕を持っている家長がフリーでクロス。という流れ。

エリア内でほぼ数的同数だし、帆高は2対1を作られているので、シュートブロックでなんとかするしかなかったと思うけど、股下ぬけちゃってぐぬぬ

 

 

 

たぶんこの試合のプランとしては、自陣で守りながらこれをたくさん出したかったのかなと。奪ってからディエゴに当てて、レアンドロに落とす。レアンドロを運び役にさせて柊斗とディエゴを裏に走らせる。このシーンでは安部の切り替えの早さが抜群だったけど、登里もちゃんとついていってなんとかした。

 

 

家長にパスが出たタイミングで小川が食いついて背後にスペースを空ける。そこに山根が飛び込んできて対応が遅れるとまたマイナスクロスからダミアンへ。家長へのパスをSHの対応でなんとかできる、という認識があれば食いつかなかったかもしれないし、単純に小川が慌てて出ていっただけかもしれない。「自分が出ないとまずい!」と思ったのなら、レアンドロSH起用のデメリットが出た形と言えるかも。

2点目と同じで森重が下がってコースを消せたらよかった。

 

 

まあFC東京の守備もお世辞にも良いとは言えなかったけど、川崎のCBの配球力が高かったのも事実。ここでも挙げたジェジエウの縦パスや、37分の谷口の左足のパスなど、CBへのプレスが半端だと簡単に通される部分も守備対応を難しくしたポイントになったはず。

 

 

以上

 

https://twitter.com/sumihiga

Twitterアカウント)