青赤人の戦術探検記

FC東京を中心に自分なりの分析をします!

J1リーグ第23節 FC東京vsサンフレッチェ広島 レビュー

がちゃです。

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プレビューはこちら。

 

 アウェイ8連戦を直前に控える前のホーム3連戦最終戦となる広島戦を振り返っていく。

 

スタメン

 

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東京は右SHが三田ではなく2日前の天皇杯で90分出場している大森が先発。広島のストロングサイドの左を塞ぐために守備での信頼度が高い大森を置きたいといった意図だろうか。

広島は右シャドウに野津田ではなく東俊希が入る。

 

それ以外は予想通りの布陣。

 

前半

まず、開始後の雰囲気からこの試合でも前半は抑えめで進めるというプランが感じられた。

 

広島保持に対する東京の守備基準

広島はCHを中盤にとどめてベースポジションをおおよそ守った3-4-2-1でのビルドアップ。これに対して東京はいつも通り4-4-2ブロックを組む。

東京はここ数試合と同じように右SHの大森が対面のCB佐々木にプレスをかけることと、大外のWB柏を見るという役割を任される。自陣撤退時には5バック気味になってでも柏へついて行くくらいの守り方であった。逆サイドの東は中央を閉じながらWBハイネルを見ていくことがメイン(数回だけCBへプレスをかけていた)。

 

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※守備基準

 

室屋は最終ラインでハーフスペースを守る位置をベースとするが、大森が佐々木へプレスに行ったときは連動して前へ行き柏を捕まえる。その時背後のスペースは渡辺に任せる。

 

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※イメージ

 

 東京としては自陣での守備時間を減らしたいため、上記のような右サイドからのプレスで前進を抑止する、またはそこから回収して自分たちの保持時間を作りたかったと思うが、下りてくる森島によってそれが上手くいかなかったように見えた。

 

森島はCH髙萩とSH大森の間を取るように下りてくる。5分のシーンでは大森の左脇で受けた森島に単独で突破されかけた。ここでは渡辺のカバーリングによって対応したが、このような展開は作られたくない。

そんな東京は森島の間受けを意識する必要があるが、そうなると佐々木へのプレッシャーをかけにくくなる。ボールホルダーにプレスがかかっていなければ室屋も裏のスペースを空けにくく、大森が佐々木・柏・森島の3人を意識した守備をすることになる。

 

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※イメージ

 

頭に負荷がかかりそうな大森だが、森島が下りてきたときには佐々木を捨てて守り、バックパスが出たら佐々木にプレス、という動きができていたことで前進を防ぐことはある程度できていたように思う。一方でボールを回収するという面については広島のミス待ち要素が大きかった。

 

 

東京のボール保持

開始直後から橋本が1列下りる3バック化を頻繁に行う。いつもと変わらず、左サイドはCB森重を中心に、右サイドは大森が下りてきたり髙萩が流れたりして起点となる。右CBの渡辺は基本的に誰かに預けるのみの役割。

 

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※イメージ

 

東京両SHはあまり中央には入らず、大外で待機していることが多かった。WBを引き付けて、大外を空ける狙いだったかもしれない。

また、ボールとは逆サイドのSHが流れて崩しに絡む動きが20分過ぎに両サイドで行われた。この際には突破に成功し、チャンスを作れていた。

 

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※イメージ

 

これのメリットとしてはSHが崩しにおける+1の選手になることでマークにつきづらくなる。加えて2トップがゴール前へ入る動きに専念できる。

デメリットはバランスが崩れているのでベースポジションまで戻るのに時間がかかり、ボールを奪われたときの切り替え、いわゆるネガティブトランジションでの消耗が大きくなることだろう。デメリット部分に関しては2CHとボールと逆サイドのSBが上がりを自重することでバランスを保っていたように見えた。

 

 

お互いにチャンスもシュートも少ない展開が続き前半はスコアレスで終了。

 

 前半まとめ

 

 東京はセレッソ戦、仙台戦の2試合と比べると比較的早い段階で前から行く守備も見せていたが、「前から取りに行く!」という雰囲気でもなく、どこか中途半端な印象があった。特に8:55あたりのシーンではPA付近まで深く追いに行ったのにあっさり中央から繋がれて結局撤退、という流れでチームとしてのプレスに行った意図が伝わりづらかった。

 

「前半は、前からボールを奪えるチャンスがあれば、全体でプレッシャーをかけに行こうと話していた。何度か奪いに行ったが、なかなかうまくボールを奪えず、ボールを持たれる形になった」(橋本)

FC東京公式HPより引用

https://fctokyo.co.jp/game/2019081703

 

コメントを見る限りでは、選手からすると奪いに行ってはいたが、うまいこと奪えなかったということのよう。とはいえ連動性が弱かったので、全体での意思共有の不足や疲労の影響などがあったのかもしれない。

 

 

広島のストロングサイドである左をほぼ完ぺきに抑え込んだことはプラン通りだったはず。渡辺のカバーリングは完璧でスペースに飛び込んできた選手はことごとく潰せていた。

 

 

0-0というスコアはおそらく両チームにとって想定通りの展開だっただろう。

 

後半

 

前に出る東京

後半から東京は前への圧力を少し強める。

前半までは右SHの大森のみ前向きのプレスを行っていたが、後半からは東も少しベースポジションを上げて人を捕まえに出ていた。このように形を変えた影響で広島の大外に張る選手(主にWB)を東京のSBが見なければならない状況が増える。

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※イメージ

 

また、東京CHの連動が遅れることもあった。前の選手で背後へのパスコースも消せないので広島のCHは浮きやすく、そこから空いたスペースへの配球を簡単に許すシーンが見られた。

 

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※52分のシーン 

 

 

57分広島は東俊希に代えて青山を投入。もう少し早く入れたかったのかもしれないが、コンディションを考えて出場時間30分目途だったのだろう。

 

青山がCHに入り、川辺がシャドウにスライド。

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※青山投入後

 

広島の得点場面振り返り

その直後の60分(公式記録は61分)に広島が先制する。プレビューでも触れたが、最も注意しなければならない広島左サイド、それもハーフスペースへのランニングからの失点だった。

この失点について原因を考えていきたい。

 

このシーンの印象としては、

①室屋がついていけなかった

②大森がついていけなかった

③橋本や渡辺のカバーが遅かった

④林に止めてほしかった

等が挙げられるのではないかと思う。

 

ただ、ここではもう少し前のところに注目したい。

 

まずは大森のポジショニング。

映像は各自で見直していただけたらと思うが、柏がボールを持っているときに大森の立ち位置がDFラインより少しだけ高い。これによって川辺がハーフスペースで受けられるスペースを作り出してしまっている。

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※イメージ

 

これがあと数メートル後ろであればパスコースは塞げていたはず。実際に前半開始直後には柏からハーフスペースに走る森島へのパスを室屋がポジショニングによってカットできている。

 

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※失点シーン立ち位置の理想

 

この微妙な立ち位置の違いで防げた失点だったのではないかと思う。

 

 

次に大外の柏へアプローチに行ったのがSBの室屋だったこと。ここが一番触れたいポイントだ。

この試合では配置が整っていれば広島WBへは東京SHが1stDFとしてついていた。失点場面でも大森がシャドウの川辺に意識が行っていたものの大外へのスライドも十分に間に合ったのではないかと思う。

ではなぜ行けなかったのか。

考えられる理由としては単純に疲労的な部分が大きかったのではないかと思う。大森は天皇杯フル出場から中二日での先発かつこの試合は気温の高い環境。さらに大森はピッチに立つ11人の中でもおそらく最も多くのタスクを与えられていた選手だと感じた。

天皇杯でメンバー外となっていた比較的フレッシュな三田がベンチに控えていたので、後半開始から入れるくらい思い切っても良かったと思うが、皮肉にも交代が行われる直前に失点を喫した。(失点したから交代カードを切ったのかもしれないが)

 

ここの交代が早ければSHがボールに寄せてSB室屋が元々のポジションを取ることでパスコースを消せていたかもしれない。

たらればかもしれないが、この交代タイミングが明暗を分けたと思っている。

 

 

失点直後東京は2枚替え。

大森→三田

永井→ジャエル

その後も東慶悟→ナ・サンホと得点を取りに行く姿勢を見せる。

 

広島はドウグラスヴィエイラレアンドロペレイラの交代を行った後にハイネルが負傷しサロモンソンを投入。

お互いに交代カードをすべて使いきった上で残り15分に臨む。

 

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クロスやセットプレーからチャンスは作り出すも最後まで広島のブロックを破ることができず。東京の前線にエアバトラーがいないことと広島の3バックが跳ね返しに長けていることで単純なクロスやロングボールは完全に無力と化した。

 

感想・まとめ

 少なくとも引き分けには持ち込みたい展開ではあったが、こんな試合もあると割り切るべきだと思う。前節も前々節もうまいこと先制点が取れたからこその勝利。この試合では選手のコンディションやちょっとした駆け引きで上回られた。

 

 ビハインドを背負った時の得点へのアプローチは課題を残したが、ジャエルとサンホは攻撃の色を変えられる選手で、何かを起こしてくれそうな雰囲気はあった。ビハインドを背負わないことが最も重要ではあるが、苦しくなった時に彼らが何かを起こせるかどうかはここからのポイントになりそうだ。

 

 

 

痛い敗戦を喫してしまったわけだが、ここからカップ戦も含めて連戦は続いていく。下を向いている暇はない。

 

 

 

J1リーグ第23節 FC東京vsサンフレッチェ広島 プレビュー

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スタメン予想

 

 

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メンバー情報

FC東京

◦小川が天皇杯で負傷退場しておりメンバー入りが不透明

◦ユ・インスが負傷離脱中

 

広島

◦青山が21節札幌戦から復帰している(メンバー入りは16節川崎戦から)

 

 

 

水曜日に行われた天皇杯のメンバーから上図のメンバーを予想。

東京は前節と同じ。

広島は天皇杯で佐々木が出場無しで井林がフル出場していることから入れ替えを予想。

前回対戦時から広島は吉野→荒木、松本泰→稲垣、サロモンソン→ハイネル、柴﨑→森島と4か所変更となっている。(予想では)

 

 

広島簡易分析

 

ボール保持

 

3-4-2-1からの可変、もしくはそのままのポジションを保つ。

 

ビルドアップ

 3バック+2CHの5枚が基本。ベースポジションのまま3+2で行うパターンとCHを一枚下ろした4+1のパターンがある。

 

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※前回対戦時の4-1ビルドアップ

 

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※3-2ビルドアップイメージ

 

 

 また、左シャドウに入る森島が低い位置まで下りてくるケースが見られる。逆サイドの野津田はそこまで下りてこず前線にとどまる。

 

佐々木は昨年4バックのSBを務めていたことから運んでくる動きも見せることがあるが、他のCBは簡単に預けるパスが多いように見える。また、2CHもターンが上手いタイプではないのでライン間から抜け出してきてプレッシャーのかかりにくい場所へ下りる動きが多い。

 

 

相手がプレスをかけてくればいなして中央突破もあるが、基本的には突破力のある両WBへ預けるためのビルドアップと言えるかもしれない。

 

 

チャンスメイクパターン

 

 やはり一番のストロングは左サイドの柏。彼のドリブルから左サイドを切り裂いてシュート、またはゴール前にクロスを送る形が威力抜群。前回はSBとSHの二人で見ることで抑えることに成功したが、今回も同じように守れるかは注目ポイント。

 

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また、前回と異なるのは柏のサポート役になるのが柴﨑ではなく森島になったこと。大きく括ればタイプ的には似ているかもしれないが、柴﨑よりも内側を取る動きが多く、ここからのチャンスシーンが生まれやすい。

SBはWBへの対応に出ていきハーフスペースは空きやすくなるはずなので、東京の右CH(おそらく髙萩)がCB-SB間を埋める仕事をさぼらずに続けることは重要になるだろう。

 

 

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※森島のSB裏狙い 

 

森島がPA内の深い場所を取った後には稲垣がPA付近に飛び込んでくる。

4-4-2でCHがSB-CB間を埋める守り方をするとどうしても空きやすくなる場所に稲垣が入ってくることになるので、ここの埋め方ははっきりしたいところだ。

 

 

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※稲垣PA内突撃

 

ボール非保持

 

 5-4-1ベース。中盤の4は中央を固めて外に出たらWBが前に出てくる。

空きやすい1トップ脇は中盤4枚のうち一人が出てきて埋めるような守り方。

中盤の4人が前に出てくると穴が空きやすくなり、CBも人について出てくるため、人を引き出してスペースを作り出すような攻撃ができると理想。

 

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※使いたいスペース
 

 

ハイプレスをかけてくることもあるが、構えてから迎撃スタイルの方が多いだろうか。WBとCBが人に食いつく傾向があり、そこで奪ってカウンター!というのが狙いかもしれない。

 

 3CBが全員対人に優れ、跳ね返しもできるタイプなので、どのようにバトルを避けながらゴール前に迫れるかが得点への道筋になるかもしれない。

 

 

特徴

 

試合によってボール支配率の数字にばらつきがあるが、可能であればボールを持って攻撃したい、といったように見える。ボール保持ではWBを軸にサイドから攻撃を仕掛けてハーフスペースへの侵入を狙う。

サイドを塞がれるとトップのドウグラスヴィエイラを中心にしたコンビネーションからシュートを目指すといったところだろうか。

 

2CH(川辺と稲垣)が前向き矢印強めの選手なので、奪ってから縦に突っ切るカウンターは勢いがある。運びながら決定的なパスを供給できる森島を経由するカウンターは注意したい。

 

攻撃の中で最も厄介なのは1トップに入るドウグラスヴィエイラだろう。柔らかいタッチでしっかりとボールをコントロールし、懐の深い持ち方で相手DFにボールを触らせない。ボールの収まりが非常に良い選手。

自陣では守備に参加せず、最前線で攻撃に備える。困ったときは彼に預けておけばキープしてマイボールにしてくれる。

彼を徹底的にマークしてキープさせないディフェンスができれば満点だが、ある程度の割り切りも大事なのかもしれない。

 

 

展望

 

 セレッソ戦、仙台戦とここ2戦の前半の入り方を見るとこの試合でも重心を下げた戦い方を選ぶ可能性が高い。広島攻撃のカギを握る両WBをSHとSBの二人で蓋をしながらカウンターの機会を伺うような流れになると思われる。そうなると右SHは大森でスタートした方が良さそうと個人的には思うが、大森は天皇杯でフル出場しているのでベンチスタートが濃厚。三田がそのタスクをこなすことを期待したい。

 

広島の非保持はどちらかというとハイネルのサイドの方が崩しやすそうだが、東京がコンビネーションからの打開が図れそうなのはその逆のサイド。前節の仙台戦を見る限り、室屋と三田のところにもう一人(ディエゴや髙萩)が加わる良い連携は見られるかもしれない。

 

 

早い時間帯で2点以上のリードにならない限りはどこかで高い位置からのプレスをかけていく必要が出てくると思う。そうなった際に新加入の三田がうまく連動できるのか、天皇杯も出場しており休みの少ないCHがどこまでついていけるかは重要になる。この時に限っては森重・渡辺のCBコンビがドウグラスヴィエイラをシャットアウトしなければならない。

 

 

また、広島は得点も失点も75分以降に生まれてる試合が非常に多い。メンタル面も含めて最終盤はどちらがチームとして上なのかが試される時間になるだろう。

 

 5バックでの撤退守備が苦手な東京としては我慢比べの90分となりそうだ。

 

 

J1リーグ第22節 FC東京vsベガルタ仙台 レビュー

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 近年苦手としている仙台をホームに向かえた一戦。早速振り返っていく。

 

スタメン

 

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東京は右SHに大森ではなく三田。古巣対戦ということも踏まえて起用したのかもしれない。

仙台は前節から変更なし。

 

前半

 

仙台が比較的ボールを大事にするのに対して、東京は前節と似た形でボールを持たれても無理に奪いに行かない姿勢を見せる。ただ、前節と少し異なる点があった。

 

それは右SHの守備基準。

 

前節は前半の途中から右SHを高い位置に上げて2トップ脇からの前進を警戒していたが、今節では4-4-2の形を守るような位置取りをしていた。この試合では右SHが前節の大森から三田になっているが、その影響があったかは不明。

 

 

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※前節の右SHの振る舞い方

→大森が外を捨てて対面の選手を捕まえに行く。

 

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※仙台ビルドアップイメージ

→三田が前に出ていかず、永戸へのマークをメインで担当。

 

仙台の場合、セレッソのようにCHがCBの間に入ってはっきりと3バック化するというよりも東京2トップの脇に顔を出すような動き方が多かった。これも関係しているかもしれないが、おそらくは三田を前に出さない方針だったと思う。

 

 

この向かい合い方によって仙台は後方でのボール保持に自由が生まれ、主に松下からの配球から攻撃を組み立てる。

仙台左サイドからボールを進めていき、寄せが甘ければ永戸からゴール前へ、ボールサイドに寄ってくれば逆サイドの大外で張る蜂須賀へ、というイメージがあったと思う。

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※イメージ

開始15分程度で左から蜂須賀へ展開するボールが数回出たが、パスの質が伴わずに失敗となっていた。このパスが通されていたら、東京守備陣の負荷のかかり方は変わっていたかもしれない。

 

仙台は基本的にはショートパスで繋いで大外をうまく使おうといった攻撃だったと思うが、SB裏や東京の最終ラインが手薄になっていると見ればロングボールも使っていた。

 

 

次に東京のビルドアップに対して仙台の守備。こちらも深い位置まで積極的に追ってはこないが、東京よりも高い位置で蓋をしようという様子は見えた。

東京は橋本が下りて3バック化する。これに対して仙台は先ほど挙げた大森が前に出る形のように道渕が前方にいる森重に対して出ていくことが多く見られた。

これは森重がビルドアップの起点であり、配球能力があることも考慮された守り方だったのではないかと思う。

こうしてプレスを受けやすくなった森重だが、彼は配球だけでなく個人でのプレス回避も得意。道渕のプレッシャーをかけるタイミングが少しでもずれれば外してパスという落ち着いた対応ができていた。

 

 

 全体の話からはやや逸れるが、前半で一度CB渡辺が運んで縦パスを出した場面があった。縦パス出しそうだなーといった雰囲気から実際に縦に出したので結果的にパスミスにはなったが、自分のところからもチャンスを作ろうというチャレンジが見えた。相方である森重とはビルドアップの貢献度で大きな差ができてしまっているが、チャレンジする姿勢は今後も持ってほしいと感じた。

話を戻す。

 

 

序盤は東京のネガトラからの敵陣カウンタープレスを仕掛けたこと、30分頃からはディエゴvsシマオの再戦もあり、各所で球際バチバチといったシーンが良く見られた。

仙台は永戸・蜂須賀の大外担当からのプレー、東京は室屋と三田(と髙萩)の右サイドユニットでチャンスを作り出すもお互いに決定機までは至らず。

 

 前半まとめ

 序盤こそ仙台の中盤が薄くなることで東京のカウンターが数回出せていたが、徐々にそういったシーンも減っていった。東京が引いて守るため中盤でのロストが減ったこともあるだろうが、スペースに出てきたボールに対してはシマオがほぼシャットアウトできていたことが大きかっただろう。

 

 東京は24分に関口を混乱させた右サイドでの連携は面白く、決めたいところではあったがゴール前は固められていた。

 

両チームともにセットされたフェーズでは無理をせずに落ち着いた試合運びになった。

 

後半

 

ハーフタイムでの選手交代は無し。

 

後半から東京は2トップを縦関係のように変更。ディエゴがライン間、永井が裏抜けという役割分担がはっきりしたように思う。

守備面についても2トップのうち位置が近い方がサポートに入るというような状況に応じた守備参加だったが、ディエゴが4-4ブロックの前に入る4-4-1で守り、永井はポジトラに備えて最前線で準備する。

 

 

仙台は変わらずに大外のSBを軸に攻めていく。

 

 

57分、ゴールキックの流れから東が永井にスルーパス。永井が裏に抜け出したところをシマオが倒してPK獲得。微妙な判定ではあったが、元々シマオは手をかなり使う癖があり、それが悪い方向に出てしまったと言えるかもしれない。

PKはディエゴが一度止められてしまうが、スウォビィクがゴールラインから前に出たという判定で蹴り直し。2回目はしっかり決めきって東京が先制した。

 

この蹴り直しについては疑問の声もいくらかあるが、極めて妥当な判定だった。

少ししか出ていない、出てなくても止めていた、という意見を言いたくなる気持ちも十分に理解できるが、それが許されてしまうとPKのルールを明確にした意味がなくなってしまう。

 

 ちなみに蹴り直しについても警告についても新ルールではなくその前から競技規則に記載があったものである。

 

 

71分選手交代。

東京

永井→ジャエル

PK獲得のシーンで少し痛めている素振りがあった永井を下げてジャエルを投入。これによって裏抜けの威力は薄まるが、アバウトなボールを収められる確率が高まる。

 

仙台

石原直→長沢

サイドからのクロスは入れられていたので、よりターゲットになれる長沢を入れて得点を狙う。

 

仙台は78分富田→中原、82分関口→梁の交代。

82分、東京は三田→大森、86分ディエゴ→ナ・サンホの交代。

東京はサイドにフレッシュな選手を入れる。三田は1対1守備で仙台のSB選手にクロスを許したりしてはいたが、攻撃において今までと異なる色を加えることができていた。

 

 

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※交代後 

 

終了間際に軽い事故のようなところからロペスのシュートを受けるも渡辺と大森の気迫のシュートブロックで跳ね返す。

それ以外はお互いに特にチャンスのない展開だった。 

 

 

東京1-0仙台

 

感想・まとめ

 東京視点で言うと勝ち点1を3にできた試合と言えるだろう。引き分けが妥当な試合だったと思うが東と永井がワンチャンスを作ってくれた。

前半に記述した三田の守備基準についてだが、後半は髙萩の指示によって出ていく・出ていかないをコントロールしているというリポートがあった。前節もピッチ内の判断で守り方を修正したという話があったが、髙萩を中心として守備をコントロールしているのかもしれない。となるとこの夏のキーマンは間違いなく髙萩になると言ってもいいだろう。

 16節で戦った時同様にシマオを中心に東京2トップが封じられる時間が長かった。今回は結果的に勝利したが、相性とは怖いものでここ最近では仙台に対して手ごたえのある試合ができていない印象。今年のリーグ戦ではもう当たらないということを嬉しく思う。

 

 

 仙台としては前半からパスミスがいくらかあって、攻撃の流れが切れてしまったことが痛かったように思う。途中出場の中原も試合に入れていないような印象も受けた。大外を軸にした攻撃がうまくハマっていれば東京の選手たちも体力の消耗が大きくなり、後半はきつくなっていたかもしれない。

 

 

この試合では夏に加入したジェソクと三田の二人が先発起用された。合流して間もないとは思えないくらいにチームに溶け込んでおり、抜群の補強であったことは間違いないことを数試合で証明している。個人的意見だと三田が対人守備でもっと頑張れれば良いと感じるが、そこを踏まえてもプラス要素をもたらしてくれる選手であることは間違いない。

 

 

次節はホーム三連戦最後の広島戦。ヒロシまには負けられない。

 

 

 

J1リーグ第22節 FC東京vsベガルタ仙台 プレビュー

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スタメン予想

 

 

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 両チームともに前節と同じスタメンを予想。

 

メンバー情報

 

FC東京

◦小川が前節に続き欠場の見込み

◦田川がメンバー入りの可能性あり

◦ユ・インスが負傷離脱中

 

 

仙台

◦阿部・ジャーメイン・吉尾が練習に復帰しているが、天皇杯をメンバー入り復帰目途にしているとの情報でメンバー入りは不透明。

◦関が負傷離脱中

 

 

仙台簡易分析

 

ボール保持

 

ビルドアップ

 

CHの一人がCBの間や左脇に下りてきて3バック化するパターンを持っている。

 

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※松下がCBの左脇に下りるパターン

 

CBは右のシマオよりも左の平岡の方がボールを持ち運ぶ意識を持っていそうでそちらから配球されることの方が多いように感じた。また、球出しができる永戸や松下が左サイドにいることでビルドアップは左がメインになっている印象。

松下や永戸のケアという部分では東京の右SHに入る選手(大森を予想)が守備のポイントになるかもしれない。

 

 

チャンスメイク

ハモン・ロペスが左サイドのSB裏に流れて強引に縦突破からクロス、両SBからのクロス供給がよく見られる。右SB蜂須賀は切り返してから左足でのインスイングクロス、左SB永戸は切り返してからの右足シュート等、二人ともに逆足でのプレーも多く使うのでそこは注意する必要がありそう。

ロペスに対しては渡辺がマークすることが多くなると思うので、そこの1対1をいかに抑えられるかも重要だろう。

 

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※ロペスのSB裏狙いイメージ

 

クロスのターゲットには石原直・ロペス・道渕、そして(予想では)ベンチに長沢がいるため、東京DF陣は選手間を狭めてしっかりと配置を取って跳ね返したい。

 

 

 

ボール非保持

 

 4-4-2ベース。

人への意識が強めで、vs4-4-2で噛み合う戦いになると目の前の相手に負けない、捕まえるという守り方になりやすい。上がってくる相手SBに対してSHがそのままついて行って5バック気味になることもいとわない。

19節の鹿島戦では相手のSHが引いてくる動きにSB(特に永戸サイド)がついて行った裏をひたすら土居に入られるといった状況があった。東京がボールを持てる時間ではSB裏は狙いどころになるかもしれない。ただ、鹿島は両SHがゴール前でも仕事ができるタイプ。東京は2トップがサイドに流れた後に誰がゴール前に入ってきて仕事をするのかというところを整理しておく必要があるだろう。

 

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※SB裏狙いイメージ

 

また、前プレに出てきたときに2トップ裏にいるCHが空きやすい印象を持った。仙台がプレスをかけたときに橋本がプレッシャーを受けにくいところでパスを受けることができれば東京のボール保持に落ち着きがでてくるかもしれない。CBの渡辺が落ち着いて繋ぐことももちろん必要な部分になる。

 

 

 

展望

 

前回対戦では仙台がボール保持にそこまでこだわらず、トランジションで東京の2トップを消すことに重点を置いたことで塩味の強い試合展開に持ち込まれた。後半は東京のコンディションが落ちてきて、終盤に関口の巧みなシュートによって失点。そして前がかりになったところをひっくり返されてロペスに仕上げられた。前半は戦術によって落ち着かされ、後半のコンディション勝負で敗れたといった印象だった。

 

前回からの変化として、仙台はGKシュミット・ダニエルが移籍してスウォビィクが現在正GKとなっている。シュミットと比べると配球面でやや劣るかもしれないが、個人的にはそこまで大きな影響はないと感じている。

東京は三田の加入やジャエルの復帰などでベンチメンバーの層が厚くなった。前半で落ち着いた展開にされても後半で勝負できる手札があると言えるだろう。

 

 

まず序盤のポイントとしては仙台がボールを持ちたがるのか否か。前回のようにトランジション部分を塞ぎに来るのであればシンプルに2トップを狙った攻撃が増えてくる可能性がある。前述したが、その時はロペスと渡辺のバトルが主導権争いを左右するかもしれない。前節のセレッソ戦でも処理ミスからメンデスに抜け出される場面があったが、この試合でも足元に入ってからの勝負は出てくるはずなので、前節からの成長を見せてほしいところだ。

 

 仙台がボールを保持してくれば、やはりカウンターを繰り出せるかどうか。仙台両SBが高い位置を取りがちなことに加えて、仙台のDF陣は選手間の距離が空きやすいように見える。東や大森(または髙萩)がボールを運んでスペースに走りこむ2トップに配球できるような形が理想。

 

仙台には敵陣でのプレーを許してしまうと危ないクロスがそれなりに飛んでくる可能性が高く、低い位置でロストするとショートカウンターも非常に厄介。ボールを持たれることを許容したとしても最終ラインで回させているだけ、という時間を多くしたい。

 

再び後半勝負に持ち込まれる、もしくは後半でビハインドを背負っていても今回は交代カードの手札が多いため、前回対戦時よりも後半で勝負をすることができるだろう。前回のように単純なクロス攻撃では難しいが、三田やナ・サンホ、ジャエルはテクニックもあるため崩しての得点も狙っていけるはず。

 

 

 

長谷川健太体制になってからリーグ戦での仙台戦はいまだに未得点であり、非常に苦手としているチームの一つだ。セレッソに引き続き苦手な相手に対して良い結果が出せるか。試練を乗り越えるときだ。

 

「最重量級の先制点」 J1リーグ第21節 FC東京vsセレッソ大阪 レビュー

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 第13節でリーグ戦初黒星をつけられたセレッソとの再戦。FC東京のホームでリベンジとなったのか。

 

スタメン

 

 

 

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東京は事前情報の通り、小川がメンバー外となりオ・ジェソクがスタメンで移籍後初出場。

また、前節メンバー外となっていたナ・サンホが復帰しベンチ入り。

 

セレッソは前節からスタメン変更なしで予想通りの布陣。

ソウザと柿谷がメンバー入りし、高木がベンチ外となった。

 

 

 

 振り返りの前に

この試合から新しい競技規則が適用となり、ルールが新しくなっている。

 攻劇さんのブログにおおよその説明があるのでこちらをご確認頂きたい。

Jリーグ新競技規則適用前の最終確認 | 誤審と叫ぶ前に

 

これに加えてこの試合で起こったのはコイントスで陣地だけでなくボールを選べるようになったこと(これについては今までと大きな変化は出ないと思われる)とゴールキックを味方選手がPA内で受けられるようになったことだろうか。

 

全てを網羅することはできていないはずなので、各々でルールを確認して頂けると助かる。

 

 

前半

 

 

個人のミスが目立つ東京

両者ともに落ち着いた立ち上がり。20節の清水とは違い、一気に畳みかけるというよりも安定した試合運びをしようといった様相で進む。

 

お互いにボールを失うと自陣の危険な場所を素早く埋めて陣形を整えるため、縦に速い攻撃はなかなか仕掛けられず、ボールを持っても守備網を突破できる雰囲気はあまりなかった。

 

両チーム、ボール保持から相手の強固な4-4-2ブロックを崩さなければならないという似たような状況になったが、決定的に異なっていたのがゴールキック(または最後方からのセットプレー)。セレッソが新ルールを生かしてPA内でCBがボールを引き出して繋ぐのに対し、東京は繋がずに前へ蹴っ飛ばす。東京は深い位置でのビルドアップはあまり好まないので、放り込んで敵陣でのプレー時間を増やしたかったのかもしれない。

 

この試合ではボールを持ちたいのはセレッソの方で東京はそれを許容。セレッソは何度か前から追う場面があったが、東京はセレッソが新ルール(ゴールキックPA内に入れる)を使うまでもないくらい深い位置でのプレスは行わなかった。どちらも4-4-2の1stライン(2トップの位置)をハーフウェイラインより少し前くらいに設定していたが、上記のような差があったように見えた。

 

お堅い展開の中でもチャンスを作ったのはセレッソ。8分の髙萩の不用意なバックパスや10分の渡辺の処理ミスからメンデスのシュート。いずれも防いだが、個人単位での致命傷になりかねないミスが続いた。

 

セレッソボール保持

セレッソのビルドアップは藤田を1列下ろした3バック化が多く行われた。

 

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※イメージ

 

東京の2トップは前から追いかけなかったので3バックにしなくても落ち着いたボール保持はできたと思うが、セレッソが狙っていたのはおそらく2トップ脇からの侵入。東京2トップがCBからの前進を邪魔するのであれば逆サイドへ展開してから前進を狙う。東京は前二人が「気合で3人見る!」という守備ではなかったので、追いきれないときはボールサイドのSHがどうするかを伺う。前に出てくるのであればその背後が空き、出てこないのであればCBがそのまま運ぶことができる。

 

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※イメージ

 

大森からずれを作りたいセレッソ

 

清水戦と同様に東京右サイドの大森の方が前に出ていくことが多かった。東はCBよりもSBへ意識を置いていたように思う。

よってセレッソは大森を動かしてチャンスを作ろうとする。

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※3分のシーン①

2トップが追いきれなくなったところで瀬古から前進。清武が引いてからサイドへ開くことで大森の意識を引き付け、その脇を通す縦パス。外に張っていた丸橋は清武が開くのと連動して内に入る。

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※3分のシーン②

 

丸橋に入ったところで室屋と渡辺の二人が食いつくが、丸橋はワンタッチ目で外して背後へスルーパス。メンデスがオフサイドとなり助かったが、CBの前進からマークをずらされたことで崩されかけたシーンだった。

 

 

東京守備のキーマン大森

 15分あたりから大森が前に出て瀬古への監視を強めるようになった。

数を合わせる(2トップ脇からの前進を防ぐ)ために左右非対称な3トップ化のような形。

大森という明確なマーカーがつくことでセレッソは横パスを瀬古につけにくくなる。そうなるとセレッソは3バック化した中央の選手(主に藤田か木本)から直接大森の裏にいる丸橋に出してしまおうといった手段を取る。

 

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 ※15分のシーン(この時は木本が下りている)

 

前向きの準備をしている大森は戻ることが難しいため丸橋へは室屋が出ていくが、その裏をメンデスが狙う。そこで直接ゴールへ向かえなくとも東京のブロックを押し下げることができた。

この室屋が出ていった裏のスペースにメンデスが入ってくる形はかなり徹底されており、メンデスvsCB渡辺はメンデスに分がある印象だったのでそこを狙っていた部分もあったかもしれない。

 

また、セレッソは清武や水沼が中央寄りで受けることで東京の中盤を内側に引き付けてSB(特に右の松田)を浮かせようとしていたように思う。そして外で時間を得たところでクロスを2トップへ供給する。

東京もゴール前の陣形が整っていたためシュートを打たれるまでは至らなかったが、リーグ戦の前回対戦時のようにどこかで一撃が決まることを期待していたのかもしれない。

 

少し補足を入れると17分頃に東京は橋本と髙萩の左右を入れ替えていた。下りてくる清武に対して髙萩が前に出る役にしたかったのだろうか。ここについては会見などでも詳しく触れている部分が見つからないので意図はわからないままである。

 

 

25分、ここまで構える守備が多かった東京が唐突に前へ激しくプレスをかけた。

これに対してセレッソはGKも加えながら強気に繋いだところを東京が高い位置でカットするも大森のグラウンダークロスは人が密集したゴール前をすり抜けて逆サイドまで流れた。

前半唯一能動的に仕掛けた場面だったが決めきれず。欲を言えば決めきりたい場面だった。

 

27分飲水タイム。両チームともにベンチ前に選手・スタッフが集まって話し合いが行われる。

 

 

 30分を過ぎたあたりから東京も徐々に敵陣でボールを保持してコントロールできるように。

 33分、34分と左から森重、東のサイドチェンジで右サイドに届けて時間とスペースを提供するもその時間の貯金をうまく使えずに結局やり直すというシーンが続いた。

2トップも含めてセレッソの守備陣を片側に寄せてから逆サイドへ展開出来ているのにそこからの狙いがなかったのは非常に残念だった。

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※34分のシーン

 

特に34:10頃のシーンでは渡辺が運ぶドリブルを行わない前提のような大森の立ち位置。前に張っていた髙萩と室屋の入れ替わりでマークを混乱させるような動きもなく、個人的な感覚だとボールを持つためのボール回しのようにも見えてしまった。

確かに渡辺は配球やビルドアップ面についてはやや不得意なため、リスク管理という意味もあったかもしれないが、ボール保持で点を取りに行くならもう少しチャレンジしてもいいのでは、と感じた。

 

 

 

ここからは勝手な個人的理想。

渡辺に渡りそうになった段階で大森はライン間や2CHの間、もしくは脇あたりに移動してほしかった。そして渡辺はスペースにボールを運ぶ。

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運んだ時にDFが寄せてきたらその選手に合わせて対応を変える。

清武が寄せてくるのであれば外の室屋に出せば丸橋に2対1を突き付けやすい状況ができる。

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※イメージ

 

CHの藤田が寄せてくるのであれば中央の永井や大森に預けてそこからコンビネーションで中央突破を狙う。

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※イメージ

 

誰も来ないのであればライン間や裏へパスを配球。

机上の空論かもしれないが、このように相手をずらす、来ないならフリーでボールを持てるという術を使えるようになると強みが増えると感じた。

 

個人的理想論終了。

 

 

 

35分あたりからは東京が2トップ脇からの侵入を許すことも増えてくるが、ゴール前のエリアを使わせないことと危険な場所で前を向かせないことは徹底しており、それほど危ないシーンは作られない。

また、セレッソビルドアップ時にアンカーポジションにいる選手(主に木本)にボールが入ると2トップがプレスバックするという役割をこなしていたため、縦に速い展開も許さない。

 

 45+1分には清武が逆サイドまで流れてきたことでマークが曖昧になり、サイドを抜け出されるといったシーンがあったが、ゴール前で阻止。

東京も終了間際に室屋の連続仕掛け&クロスでわずかに可能性を見せるもそのまま前半終了。

 

 

前半まとめ

 

 保持率は約4:6でセレッソが持つ時間が長かったが、決定的なチャンスは渡辺が処理を誤ってメンデスにフリーで打たれたシュートくらい。組織が崩されたシーンも11分の丸橋のマークがずれたシーンと終了間際の清武がサイドを抜け出した2つくらいでどちらもゴール前は固められていた。

保持率に偏りが出たことと個人単位のミスが目立ってしまったことで押されている印象を持つ人もいたかもしれないが、東京から見れば失点をしなければokくらいだったと思うのでそこまで悪い印象は受けなかった。

 

 

「前半は私自身が選手の手綱を引っ張って、前から行かせないようにした。」(長谷川監督)

「飲水タイムを含めてみんなで修正して、そこからは自分たちが相手に時間を与えないいい守備ができたと思う」(森重)※FC東京公式HPから引用

https://fctokyo.co.jp/game/2019080302

 

監督・選手のコメントを見ると前半に引くことは指示で出しており、後半勝負という考えがあったのかもしれない。また、大森の守備位置や25分あたりから前プレを行ったのもピッチの中で意思疎通を行って修正していた可能性がある。飲水タイムを挟んでの大きな修正があったのかはあまりわからなかった。

 

 

東京はアタッキングサイドが右サイド65%(DAZN集計)と非常に珍しい数字が出た。これはビルドアップの中心であった左SBの小川がいないことが影響しているだろう。 

 

 

後半

 

後半開始直後、セレッソがボールを下げると東京の選手は深くまで追いに行く。

「後半は好きに行っていいと伝えた。」(長谷川監督)

監督コメントを見ると後半からはよりアグレッシブな姿勢で臨んだことが読み取れる。

 

 

47分、意外にも早く試合は動く。

左から上げた東のクロスに永井が高い打点で合わせてゴール。セレッソGKキム・ジンヒョンが飛び出してきたが先に触られてしまった形に。ジェソクのランニングで東を一瞬フリー状態にできたことが地味に大きかった。

実は得点シーンと少し似たパターンが前半44分にもあった。ジェソク→東とパスを出してから、ジェソクが前に走り出すことでマークを引き付けて東に時間を与える。44分もこれによって東がクロスを上げる時間を生み出していた。

小川のような配球はできないが、多くの人にとっておそらく”守備の人”という印象があるオ・ジェソクが攻撃でもしっかりと貢献した。

 

 

得点後も前から行く姿勢は変えない東京。自陣を固める守備から前から奪いに行く守備へと完全に移行していた。

DAZNだとリプレイが流されていてしっかりとは映っていなかったが、再開直後のプレスもハメていてセレッソ陣内PA付近で奪取に成功していた。

 

セレッソは得点を取りに行かなければならない状況、東京は前から奪いに行く守備ということで前半にはほとんどなかったオープンな展開に。お互い前に人数をかけるため、ゴール前のDFも薄くなりやすいことが多かった。

 

 

56分、セレッソの選手交代。

奥埜→柿谷

そのままのポジションに入り、よりアタッカー色の強い選手を増やす。

 

セレッソはサイドからのクロスを中心に攻めていくが、東京ゴール前は手厚く跳ね返し続ける。

中央を突破しようとすれば複数人で一気に囲い込み奪う。クロスやセットプレーがピンポイントで合うことを待つような攻撃になっていたと思う。

 

66分、選手交代。

セレッソ 藤田→ソウザ

東京   大森→三田

 

どちらもそのままのポジションに入る。セレッソは展開力やミドルシュートがあるソウザを入れて攻撃的に。東京は少し疲労が見えていた大森を下げてフレッシュな三田を投入。

 

交代直後のプレーで三田がボール奪取し、その後ファウルをもらってFKを獲得。そのFKから森重が合わせて追加点が生まれた。

三田に期待するプレーが全て再現されたような2分間の出来事だった。

 

 

 得点後、東京はプレスラインを下げる。2点リードとなったので逃げ切りを軸にしながらチャンスがあればカウンターも狙う戦い方に。

セレッソはソウザを入れたことでサイドチェンジが増えて右からのクロスを狙う。また、中央を固める東京に対してミドルでこじ開けようとする場面もあり、ゴール前でのシーンを増やすことには成功していた。

 

76分、選手交代。

セレッソ 木本→デサバト

東京   永井→ジャエル

 

セレッソはCHをより前に出ていけるタイプに。東京はスプリントの多かった永井を下げて個人でキープできるジャエルを投入。

 

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※76分交代後

 

リードしている東京が攻撃的なカードを使っている印象もあるが、守備の枚数を増やしても押し込まれてしまう。前線で収められる選手を入れてイーブンのボールをマイボールにすることで実質的な守備の時間を作りたいということだろう。攻撃的に見えるが、実質守備を考えた交代にもなっていると感じる。

 

東京守備の撤退の色が強くなった80分前後くらいからはディエゴも積極的にプレスバックを行い、セレッソのCHをマークする。

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※イメージ
 

86分、脚を痛めた(?)東に代えてナ・サンホを投入。

 

90分にはパスカットしたサンホが左サイドを独走してCKをゲット。そのCKの流れからジャエルのトリッキーなパスをディエゴが決めて勝利を決定づけた。

この二人のブラジル人にはなにか通じ合うものがあるらしい。

 

 

そのまま試合は終了。

 

FC東京3-0C大阪

 

感想・まとめ

 先制すれば東京は強い。清水戦に続きそんな試合だった。

セレッソはリーグ戦では先制した試合で負けたのは1試合のみ。逆に先制された試合は全敗。そんな先制点を取ることが最も重要な相手だったからこそ、先に得点できたことは非常に大きかった。

 

「我々が落とした試合だった、という印象。前半、良いプレーができ、ボールを支配して相手にほとんど攻撃のチャンスは与えなかった。ただその中で、自分たちもゴールを決めることができなかった。」(ロティーナ監督)

「自分たちでも、前半は手応えがありました。」(瀬古)

セレッソ大阪公式HPから引用

https://www.cerezo.jp/matches/2019-08-03-19/

 

セレッソからしても前半の出来はある程度満足だったようで、その中で得点を取り切れなかったことが結果的に敗因となったかもしれない。

 

 

東京は途中出場の三田・ジャエル・サンホが攻守に貢献し、全員が得点に絡む活躍。小川の怪我によって出場機会を得たジェソクも安定した働きで「夏場は総力戦になる」という長谷川監督のコメント通り、チーム全員で掴んだ3-0の勝利だった。

 

 

 

相性の良くなかったセレッソにホームでリベンジし、ホーム3連戦初戦を良い形で迎えることができた。次節もアウェイで敗れている仙台。再びリベンジとなるだろうか。

J1リーグ第21節 FC東京vsセレッソ大阪 プレビュー

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スタメン予想

 

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両チームともに負傷者が出なければスタメンは固定気味という状況が続いている。

 

セレッソは奥埜→高木、木本→山下(山下をCBに入れて瀬古をCHへスライド)という交代カードの切り方が定番化されている。

 

※追記

小川の負傷により東京の左SBにはオ・ジェソクが入る可能性がある。

 

 

メンバー情報

FC東京

◦田川が練習に復帰しているがメンバー入りは不透明。

◦ユ・インスが負傷離脱中。

◦前節欠場したナ・サンホがおそらく復帰。

 

C大阪

◦都倉が長期離脱中。

◦ソウザが練習に復帰しているがメンバー入りは不透明。

 

 

 

C大阪簡易分析

 

ボール保持

 

基本的にはボールを大事にするが、状況に応じて後方からロングボールを入れるなど臨機応変に攻撃を展開する。

 

ビルドアップ

 4-4-2のFC東京に対しては最終ラインを3バックのように変形してくるパターンが予想される。

主に使用するのは以下の2パターン。

①松田を内に入れる

②藤田を一列下ろす

 

 ルヴァンカップで対戦した際にもこの可変を行っていた。

 

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①イメージ

左右非対称の3-4-3のような配置イメージ。

 

 

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②イメージ
 両SHがIHのように内に絞ってくることが多い印象で3-5-2のような配置イメージ。

 

 

セレッソのビルドアップは相手の動き方を見て変えてくる。

例えば相手SBが下りるSHに対してついてくるのであれば、その裏を2トップが狙うダイレクトな展開。逆にゾーン基調で引いて守るのであれば後ろから丁寧に繋いで前進する。

 

 

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※SB裏に2トップが走る

 

 

右は水沼が外に張り、松田が内側のレーンから外に出ていくことが多いのに対して、左は清武が内に入って丸橋が外を上下する。また、清武はボール保持時のポジショニングにおそらく自由が与えられていて、SBのような位置に下りてきたり、トップ下のように振舞うこともある。それぞれのキャラクターに合わせた役割を任せることで左右で構造が異なっている。


 

 

チャンスメイクパターン

 

◦メンデスの裏抜け一発

◦サイドからのクロス2トップ+1狙い

◦清武からの配球・展開 

 

 主にこの3つが多いと感じる。

 

メンデスは前向きでスペースを使わせると非常に上手く危険。相方の奥埜もスペースを見つける感覚は持っている。セレッソの2トップには圧倒的な高さやフィジカルはないものの、クロスのターゲットになり得る選手。そして両サイドにはクロッサーが揃っている(水沼、松田、丸橋)ため、セレッソもここから得点が取りたいはず。

とはいえ、東京守備陣は配置が整ってさえいれば跳ね返すことはできるはずなので単純に放り込まれるだけであれば問題はない。早いタイミングでのクロスを上げさせないこと、PA脇へ侵入させてしまうことを防ぐような守備を意識したい。

 

 

 また、清武が最大の要注意人物と言えるだろう。ゴールに近づけそうなプレーを選べるセンスがあり、ボールを持った際に時間を与えてしまうと非常に危険である。ルヴァンカップの2ndlegでは一瞬の隙から先制点の起点にしてしまった。

自由に動く彼をどこまで捕まえに行くかは一つのポイントになるかもしれない。

 

 

ボール非保持

 

4-4-2セットがベース。

2トップも積極的に守備に参加し、オートマティックで非常に強固な守備を築く。失点数もリーグ最少の12(20試合)。直近5試合で言えば1失点しかしていない。

 

ガンガン前から追うというよりも中盤エリアで構えてから相手が前に出てきたところを捕まえに来る。陣形を崩すよりも危険な場所をしっかり埋めようという考えなのだろう。無理して出ていかないということでボールを大事にするタイプのチームが相手だと保持率が下がる傾向。

 

 

個人の見え方ではあるが、ボールホルダーに対して縦だけでなく横方向もしっかり塞ぐような立ち方をするような印象がある。

 

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SBにボールが出るとSHが内側から寄せる。

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縦に出して来たらSBがまず寄せに行き、横向きのスペースはCHが埋めることで2方向を塞ぐ。この守り方だとボール付近に人数がかかるので、2トップ(特に奥埜)は中盤のエリアを埋めに下がってくる動きがみられる。特に19節の名古屋戦ではこの守備が徹底されていたように感じた。

この守備に対しては斜めのパスや突破で2人の門をくぐって起点を作れるとチャンスにつながるかもしれない。
 

 

 

ネガティブトランジション

 セレッソで最も特徴的な部分は攻から守への切り替え、いわゆるネガティブトランジションだと感じた。ボールを失った時に素早く取り返しに行くよりも自陣に素早く戻って陣形を整える。

 

 

 基本的に攻撃へ多い人数を割かないため、ほとんどの場面で自陣に4~6人(DFライン4人+CH2人)が揃っている。さらに4+2の配置につくスピードが非常に速く、カウンターで素早く攻撃しようとしても使えるスペースが少ない!といった状況がほとんど。自陣での撤退守備においては自信があることでリスクを負わず素早く配置を整えることを優先する。

 

 SHと2トップについては迅速な帰陣をそこまで求められておらず、特に清武はそこへエネルギーを割かせないようにしているかもしれない。

 

ここの部分を徹底していることでカウンターはほとんどハマらないと考えたほうがいいのかもしれない。

 

 

展望

前回対戦はお互いにゴール前のシーンが少ない展開の中で後半に松田からのアーリークロスをメンデスに潜り込まれ0-1での敗戦を喫した。失点までの時間で何度も左右に揺さぶられて体力を消耗したことが失点理由の一つに挙がるだろう。気候的にも90分戦うのは厳しい環境だったことも影響した。

 

梅雨が明けたこともあって今回の対戦も非常に暑い状況での戦いが強いられるだろう。そうなると前回のようにボールを回される時間は極力減らしたいところ。無理にボールを奪いに行かないまでも、ボール保持の時間はある程度確保したい。

 

セレッソリスク管理を優先するので前項で記述したとおり簡単にカウンターは決まらないはず。そしてセット守備も非常に堅く、流れの中から得点を奪うことは難しい。セットプレー等から得点が取れれば理想的だが、終盤勝負になりそうだと考える。

前節の清水戦同様に永井・ディエゴの2トップコンビに頑張ってもらい、敵陣でのボール保持時間を作って守備での消耗を減らすとともに相手DFを消耗させる。そして終盤になったらジャエルを投入して馬力で攻める。そうなればセレッソは山下を入れて対応してくるだろうがそれを上回れるかどうか試される。

直近でセレッソが失点しているのは18節広島戦でパトリックのヘディングから。それに近い形で取れれば御の字というところ。

セレッソも終盤には走力のある高木を投入してくるはずなので、どちらが仕留められるかの争いだろう。

 

0-0上等くらいの気持ちで望むべきかもしれない。セレッソに先制を許すとそこからこじ開ける難易度はさらに増す。ホームで勝ち点3を取りたいのはもちろんだが、勝ち筋を残す時間を長くすることが大事になると思う。

 

 

 直近5試合負けなしでチームが仕上がってきた雰囲気のあるセレッソを叩ければ大きな自信にも繋がる。アウェイでの借りはホームで返したい。

 

 

J1リーグ第20節 FC東京vs清水エスパルス レビュー

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プレビューはこちら。

 

brgacha.hatenablog.com

 

 

 

スタメン

 

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東京は田川が怪我、ナ・サンホが理由不明でベンチ外となった。代わりに大森がスタメンで右SH、東が左に回る。

 

清水はファン・ソッコが出場停止明けだったが、立田が前節に続きスタメン。 

 

 

前半

まずはホーム清水ペースで試合が進む。

開始10分頃までで松原のシュート、ドウグラスのバイシクル、北川のGKとの1対1等、それなりのチャンスを作っていた。

 

おそらく序盤の清水は深い位置から大外へのクロスを狙っていたと思う。

 

 

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 ※1:30頃松原シュート時

 

松原のシュートはファー寄りにいたドウグラスへのクロスのこぼれから。ドウグラスのバイシクルもショートコーナーから大外のDFを超える位置を狙っていた。

東京の弱点からチャンスを作り出そうとし、それが決定機には結びついていたものの得点には至らず。

 

 清水左サイドの狙い

また、左の西澤・松原のところで東京のDFをずらそうという意図もいくらか見れた。

 

清水は東京の2トップに対して2CB+竹内の3人でパスを回す。

2対3になってしまうが、東京2トップが逆サイドのコースを切りながら寄せるという守り方ではなかったので片側のCBまでは見切れない。ということで外に開いた左CB二見に対しては大森が前に出て寄せに行くのだが、ここでずれが生じる。

 

大森が前に出たときに室屋も連動して前に出ていけばマークを外さずにチェックできるが、ここでカギを握ったのが西澤。

彼が松原を浮かせたり、室屋を最終ラインから引っ張り出す動きを見せていた。

 

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 ※イメージ

 

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※10分頃のプレーイメージ図

この西澤が下りる動きで室屋を引き連れたあと清水はバックパスで組み立てをやり直したが、その直後に篠田監督から「背後だろ!(背後を狙えということだと思われる)」と指示が飛んだというリポートが入っていた。

このシーンでは誰も室屋の背後に出ていかなかったが、室屋を引き出してからその後ろを松原が入るのは狙っている雰囲気があったので、清水側は一つの攻撃ポイントだったのかもしれない。

 

 

 

東京はボールを持っても2トップへのロングボールを中心に保持にこだわらなかったため、清水の保持で試合が進んでいた。

しかし、先制したのは東京。16分。ポジトラからディエゴが個人で突破し敵陣へ。スピードを落とされてカウンターは不発となったが、そこからの流れで大森がゴラッソ。

ディエゴのカウンターがきっかけ、とは言えるものの、狙ってもなかなかできないような思わぬ形で先制に成功。

大森は普段の練習から左足でのシュートを練習していたらしいので、その努力が報われる結果となった。

 

 

 

その後は東京ペースに。

ボールを奪ってからダイレクトな展開でカウンターでゴール前に迫る。また、保持の時間を長くすることで主導権を握る。敵陣では素早い切り替えでロスト後もカウンタープレスがハマり、即時奪回に成功したことが大きな要因だった。

 

何度か右の大森・室屋に加えて髙萩の3人が右サイドでのパス回しで崩しを狙うが、清水の守備組織を崩すまでは至らず。

30分にはその右サイド攻撃のやり直しから左へ展開し、小川のクロス→流れて逆サイドから室屋のクロスという連続クロスから永井の追加点が生まれる。

 

たまたまかもしれないが、これ以前からクロスはいずれもファーサイドに送られていた。清水がクロスからの失点が多く、DF同士の距離が空きやすい部分を狙っていたかもしれない。事実、室屋のクロスは合わなかったが、エウシーニョの前にスペースが空いており、誰かがそこへ飛び込んでいたらダイレクトに得点に結びついていたはずだ。

 

 

清水のシステム変更

2点ビハインドになった清水は35分頃にシステムを変更。4-4-2→4-1-4-1に。ヘナトに中盤底を任せてプレス部隊を増やす。プレス人数が増えること、プレスラインが高くなることで前向きの圧力は強まるが、中盤のフィルター役が減るため、DFラインが晒されることは多くなる。つまり、東京の攻撃陣が使える場所は増える。

これまでの試合でもオプションとして使用していたシステムで、ビハインド時に高い位置からプレスをかけるために使っていた印象。ここでも前半で流れを取り戻したい、1点返しておきたい、という意図でのシステム変更だったと思われる。

 

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 ※システム変更後

 

これによって東京も繋ぎでのミスを誘発されて清水がボールを取り上げることに成功した。しかし、東京も自陣で陣形を整えるスピードは速く、エウシーニョが東を交わしてシュートまで至ったシーン以外は危なげなく守れていた。

 

東京は保持時に相手のシステム変更によって空きやすくなった清水のアンカー脇を2トップの連携で狙っていた。4-1-4-1への変更に対して準備してきていた部分もあったように思うが、なかなかボール保持の時間を作れなくなったので、割り切って長いボールを2トップ狙いでokという方向性で試合を進めた。

 

お互いにゴール前でのシーンは作ったが、東京リードの0-2で折り返し。

 

 前半まとめ

 この試合は大森が清水CBの二見にプレスをかけに行くこともあり、前寄りな仕事を任されていたため、他の中盤の選手と分断するようになっていた。清水はそこを見抜いて右から左へ大きな展開を使うことで室屋に2対1を突き付けようとしたが、室屋がうまく対応してくれた(一つはファウルになったけど)。

 

また、西澤ー松原の左サイドコンビが内外・押し引きの動きで東京DFのマークや配置取りを混乱させようという意図が多く見られた。東京もここの対応は面倒だったと思うが、CHの一人がカバーすることで陣形が整っていれば特に問題なく守ることができた。

一方、右サイドでは河井がエウシーニョのサポート役のようになり、中に入りがちなエウシーニョのスペースを空けるために外にいることが多かった気がする。

 

 

東京は早い時間に先制したことで非常に楽な展開になった。ボールを持ったら慌てずに様子を伺いながら攻める、相手が前がかりになれば2トップでスペースを狙うという思惑通りの試合に持ち込める。清水のシステム変更も試合の流れこそ引き渡したが、東京が得点する確率は高まっていたはず。

 

 

清水は開始直後の勢いで得点できず、2点ビハインドに。システム変更後も得点は奪えず、内容と比べてうまくスコアに反映できなかったという感覚だったのではないだろうか。

 

 

後半

後半頭から西澤→中村慶太と清水は選手交代。ポジションはそのまま左SH。

前半、松原のスペースを作る役になっていた西澤よりもFK等セットプレー要素も含めて独力で得点が取れそうな中村を入れたということだろうか。

 

 

 後半も開始直後から清水が勢いを持って出てくる。

東京の体を張った守備によって決定機までは作れないが、明らかに早い時間で1点取ってやろうという意思を見せてきていた。

 

そこで効いていたのが永井とディエゴの2トップ。彼らの異次元的なスピードとキープ力によって流れを断ち切り、一方的に押し込まれる展開を防ぐことができた。

特に47分頃の永井が敵陣でファウルをもらったプレーは非常に大きかった。開始早々の清水の勢いに飲まれそうになっていたところで落ち着く時間を作ることに成功。あれで流れを渡すことを阻止できたと思う。

 

 

後半も左サイドで2対1を作ったところから松原を浮かせてクロスを狙う清水。

点を取るためにはボールが欲しいので当然前から追いかけてくる。東京は森重や橋本が絡むと強気につなぎに行く場面もあったが、基本的には無理せずロングボールでプレス回避していた。先ほど書いたばかりだが、ここでもディエゴ&永井がなんとかしてくれることで敵陣にて時間を使う・ゴールに近づくプレーをする時間を確保できた。

 

66分のシーンではCBの二見が左サイドをオーバーラップしてくる程、攻撃に重心を置いてきた清水だが、ここも髙萩のサポート&室屋の対応によって防ぐ。

 

 

67分に両者交代。

清水 竹内→六平

東京 ディエゴ→三田

 

清水は同ポジションでの交代。竹内が後半に少し熱くなってイエローカードをもらっていたので、そこが気になったか。

 

東京はシステムを微調整。三田を右SHに入れて、大森を左SH、東をトップ下にスライド。4-4-2ベースから4-2-3-1ベースに。元々ディエゴを下ろした4-4-1-1っぽくはなっていたが、2点リードということでトップに永井のスピードという脅威を残しつつ、より守備の安定を図ろうといったところだろう。

 

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※67分交代後

 

三田の投入により中盤タイプの選手が増えて敵陣でのパス回しにテンポが出た。久保建英がいたときに行っていた、逆サイドにまで顔を出すポジションチェンジも多く、人数をかけて保持する時間を作る。奪われたら素早いカウンタープレスを仕掛けて奪い返す。この保持&即時奪回がうまく決まったことで、攻めたい清水に対して保持する時間を削ることに成功した。

 

 

清水は80分に河井→滝の交代。この交代でまたシステムを変更。3-4-3気味に。

中村をCHというやや強引なシステムだが、失点覚悟で前に出ようという意思表示だと思われる。

 

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※滝投入&システム変更

 

 

これ以降も東京はロングボールでプレス回避→セカンド回収というような流れで時間を使っていく。

 

89分に永井→ジャエル、90+2分に東→アルトゥール・シルバの交代を行いクローズに入る。

ジャエルが想像以上にコンディションが上がっており、個人でアバウトなボールが収められるようになっていた。ディエゴの枠としてそこそこ計算できそうになっていたのは非常にポジティブである。

 

 

試合はそのまま危なげなく終了。

 

 

清水0-2東京

 

 

 

感想・まとめ

 やはり先制できると強いチームであるということは証明できた。

先制して落ち着いてボールを持ち、相手が出てくればカウンターを狙う。これぞ健太トーキョーといったサッカーだったのではないだろうか。最初の得点こそ大森のゴラッソだが、自分たちのサッカーがまっとうできた試合という感想に尽きると思う。

 

欠場理由は不明だが、サンホがいたところに最近は控えに回っていた大森が入り結果を出した。新加入の三田が合流後すぐにでもチームに入れた、怪我明けのジャエルがこれから必要な戦力になりそう、というチームの底上げが見れたことも大きなトピックになるだろう。

 

 

 唯一気になった点としては右サイドの守備で室屋への依存度が高くはないか?という疑問である。大森が高い位置の監視役もやっていたことから、対面の松原に早く走りこまれると戻りが間に合わず、室屋が(結果的にはマークを捨てるが)実質2人を見なければならない状況になることがあった。最近の室屋は守備の安定感が増しており、間合いを見極めるのに長けているため、なんとかなっているが、ここの守り方が室屋ありきの考え方なのかは非常に気になるところ。守備力に定評があるオ・ジェソクが加入したことで彼が出ても大きな問題はないと思うが、構造的に少し不安が残った。

 

 

 

この試合においての清水は論理的にどうこうというよりも勢いがあった時間帯に得点を取れるかどうかだったと思う。東京が無理に繋いでこないということもあり、得意のショートカウンターも発動できなかったので、圧力をかけて押し込めたときにどうにかしてこじ開けたかった。

逆に言えば、(何度も繰り返すが、)その押し込んだ時間を作らせないようにできた永井&ディエゴ、もっと言えばしっかりキャッチングで対応できたGK林の貢献度は非常に大きかっただろう。

 

 

 

 

前節大きなショックを受けた多摩川クラシコでの敗戦だったが、この試合では長谷川健太FC東京を見せることができた。

大森が素晴らしいゴールを決めてくれた今節のように、今後も誰かが試合を動かす何かを見せなければ頂点を目指すのは難しいのかもしれない。田川も練習に復帰してきてメンバーが揃いつつある今、多くのヒーローが出てくることを期待したい。

 

 

Happy Birthday!  東慶悟!