がちゃのメモ帳

Jリーグをメインに、いろいろな感想を残していきます

2024 J1第10節 セレッソ大阪vs横浜F・マリノス メモ

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マリノスは延長PKとなったACLから中2日のため、プレータイムコントロールで大幅ターンオーバー。

 

流れ

奥埜がアンカーケア。ルーカスがCBまでジャンプしてプレスを掛けに行く。

セレッソはそこまで強度を上げていないが、高い位置から制限を掛けてプレーエリアを上げる。

5分、セアラが高い位置でカットしてシュートもGK正面。決定機。マリノスは保持の時間を作りながらトランジションの起点をつぶしてペースを握れていたが、1つのミスで危険なピンチを招くようなリスク管理になっている。

奥埜は非保持時に2トップ気味に押し上がってアンカーをケアしつつ、CBへのアタックにで出る。ボールとスペースの状況をみつつ、ポジショニングを判断。

香川が前に出ていく守備タスクを持っているので、その背後でナムテヒらがフリーになってポイントを作る。

セレッソは自陣セットは4-5-1。SBが大外のWGを監視し、SB前でマリノスのIHが浮く。セアラがボールサイドに寄って高い位置で収めようとするも、上島と渡邊がかなりタイトに張り付く。

セレッソはビルドアップで前進を図るも、マリノスが強度を上げたプレスでつながせない。

セレッソの3-2ビルドに対し、マリノスは前の3-2をそのまま当ててプレス。

16分、マリノス先制、0-1。前向きの奪取から植中へ送ったスルーパスは舩木が絞って対応するも、すぐに奪い返してエウベル→水沼でゲット。マリノスが前向きの勢いを出し続けてペースを握り、先制に成功。

セレッソは奥埜と香川のサイドを入れ替えた?香川がCBアタックに出て、奥埜が絞ってアンカーケア。天野が相手SBの前に立ち、ピン止めして大外のWGを空ける。セレッソのSBは常に複数人の管理をしなければならず、守備の負荷が高め。

24分、スタンドで急病人が出たとのことで一時中断。うまく回っていなかったセレッソとしては結果的に戦術確認の時間が取れた。

セレッソは前から追っているが、ホルダーへの強度が足りず、アンカー脇SB前に入ってくるIHをつぶすバランスを取れていない。

33分、外切りで寄せてきたマリノスのプレスに対し、舩木が内側に運んでから外へ渡し、プレス回避からカピシャーバの仕掛けまで。個人で1つ工夫を入れた。

流れを見ながらカピシャーバとルーカスが左右を入れ替えたり戻したりしている。

セレッソのミドルゾーン守備はボールサイドのIHが縦パスケア、逆サイドのIHが絞ってアンカーケアというタスク振りに見える。

香川が前に出たときはルーカスが絞って4-4-2気味に。ルーカスが前に出てスペースを空けると田中の脇に天野が潜ってきて起点を作られる。セレッソは天野を中心に右サイドの水沼、加藤蓮の捕まえ方にかなり困っている。

42分、毎熊が3-2の右CB位置から大外に上がっていくことでマークのずれを作り、外から中に運んでチャンスメイク。セレッソは保持では変化をつけていこうという雰囲気を感じるが、守備がハマらないので保持の試行回数を増やせず、守りの時間が長くなる。

セレッソのプレスに対し、アンカーへの縦パスを使いながらレイオフで浮きどころを使っていくマリノスセレッソは一度外されても二度追いでチェイスを続けることで球際を作りにかかる。

44分、セレッソがPK獲得。ジンヒョンのフィード一発からセアラが抜け出してPA内でポープが倒す。ポープに警告。

→セアラのPKは枠外へ。GKの逆を突いたが、コース内へ収められず。セレッソはこの試合で訪れた最初で最大のチャンスだったが…。

47分、カピシャーバが座り込む。自力で歩いてはいるが、自ら交代を要求。カピシャーバはピッチを出るが、残り時間も踏まえてハーフタイムまで交代を引っ張る模様。一時的な数的不利に。

セレッソは4-4-1セットで守る。

51分、セレッソ交代

カピシャーバ→上門

ハーフタイムまで待つかと思いきや、前半終了直前で投入。

WGについてくるマリノスSBの裏に奥埜が走って深さを作りにいく。

52分、セレッソ同点、1-1。マリノスのビルドアップに対してセレッソがプレスをハメ切って高い位置で奪い、田中のパスを受けたセアラが流し込んだ。セアラはPKを外した汚名を返上するゴール。

 

立ち上がりからマリノスが保持し、セレッソがプレスを掛けに行くもなかなかハマらないという展開が続く。セレッソがWGとIHを上げて前にプレスを掛けていく中、マリノスはそこの背後にIHが潜り込んでアンカー脇に起点を作る。田中が横から寄せて中央に刺されないようにはしていたが、WGを管理しているSBがかなり過負荷になり、その周りから崩されかけるシーンが散見。途中からボールサイドのIHが相手IHへの縦パスコースをケアし、逆サイドのIHが絞ってアンカー管理というタスク振りになったように見えたが、WGが前にでたらその背中を使われるという構造上のデメリットは消し切れず、難しい状況に。マリノスはペースを握った時間帯にしっかり先制して、ペースを握る。

セレッソの保持では舩木の運び出しや毎熊のポジション調整などで工夫をつけてWGの仕掛けまで持っていくなどできていたが、守備がハマらないことで攻撃の試行回数が増えず、自分たちのペースに持ち込めなかった。ただ、一発のフィードからセアラが抜け出してPK獲得。そのPKは失敗に終わったものの、終了間際にハイプレスをハメ切って同点に。うまく回らなかったが、タイスコアで折り返せたことは大きかったはず。逆に、マリノスは2点差くらいつけられそうな内容だっただけに、最後の失点で振り出しに戻されたのはかなり痛い。

 

後半

セレッソは香川が上がって2トップ気味にプレスを掛け、奥埜は天野への縦パスコースをケア。そうなると山根のマークが届かなくなり、アンカー経由で逆サイドへ展開される。

セレッソは田中が天野を管理するようにゲートを閉じる。そこで中盤中央のゲートが開くので、植中が下りてきて縦パスを受けて起点作り。

セレッソはハーフスペースのライン間を消すことで前半のように天野にライン間で浮かれることは減ったが、トレードオフで、アンカー位置と、中央のゲートが空きやすくなったことで中央バイタルに入ってくる選手を捕まえにくくなった。

56分、マリノス交代

植中、天野、ナムテヒ→ロペス、マテウス、榊原

マテウスが右WGに入り、水沼が左WG、エウベルがトップ下に移った。4-4-2ベースっぽく変わった?

58分、マリノス勝ち越し、1-2。CKのこぼれ球を榊原が詰めてゲット。鳥海は前のところで被って見えづらかったのか、うまくクリアできず。

徐々にセレッソが保持の時間を伸ばせるように。保持は前半から落ち着き始めていたので、その局面を安定して作れればペースは握れる。

マリノスは自陣撤退になるとエウベルがIHっぽい守備位置に入る。ただ、チャンネル埋めなどで深くまでは戻らない。

67分、セレッソ同点、2-2。ルーカスのFKをセアラが合わせてゲット。ペースを握り始めたタイミングで追い付く。

セレッソはカウンタープレスですぐに回収し、マリノスにビルドアップの局面を作らせないまま奪い取る。

マリノスは前線をフレッシュにしているが、大ゴマタイプが多いこともあってか強度はなかなか上がらずに奪うフェーズを作れない。そもそも連戦の疲労の影響もあるかもしれない。

73分、マテウスに警告

73分、セレッソ交代

奥埜、香川→ブエノ、為田

為田が左WGに入り、上門がIHへ移る。

75分、マリノス交代

エウベル、加藤聖→井上、吉田

加藤聖が足を攣ったので急きょ吉田の交代も追加した。井上が左WGに入り、水沼がトップ下気味の位置に移る。

セレッソの高強度プレスに対し、ポープ→IH位置に入ってきた吉田でプレス回避。

78分、渡邊に警告。

榊原が入ってからはマリノスボランチ2枚が流動的に動きながらトップ裏のスペースに入って起点を作ろうとする。

セレッソは一度引いたら割りきって4-5-1ブロックを形成。ゲートを閉じながら引っかけるタイミングをうかがい、奪ったら前に速く送って攻める。

どちらもスプリントを繰り返せるほどの体力は残っていない雰囲気で、保持とブロック形成のターンを交互に繰り返すような展開になっている。無理に出ていかないことからあまりオープンな展開にはなっていない。

87分、セレッソ交代

セアラ→山田

中日の差の影響からか、セレッソのほうが切り替えで上回れており、マリノスは一度ロペスに預けて押し返そうとしているが、すぐに囲まれて起点を作れない。セレッソは最前線の山田を使ってサポートで引き取る形からポイントを作る。

94分、ルーカスが足を攣る。セレッソは交代回数を消費し切っており、代えられない。

 

後半開始以降もマリノスが保持でペースを握る。セレッソはハーフスペースのゲートを締めることで相手IHをライン間で受けさせない処置は施せたが、トレードオフでアンカー消しと、中央ゲートを塞げなくなり、中央エリアに起点を作られてサイドへ展開されるというパターンが増えた。マリノスはペースを握った時間帯でセットプレーから勝ち越しに成功。ただ、60分を過ぎたあたりからはセレッソが保持の時間を増やせるように。マリノスは前線に大ゴマが増えたこと、疲労の影響などもあってか奪いにいく守備に行けなくなり始め、セレッソが得意な局面の時間を作れるように。また、マリノスはロペスへ預けて押し返しを図るも、セレッソの素早いカウンタープレスで時間をもらえず。また、優位に立っていたビルドアップの局面を作れなくなったことで、ボールを落ち着かせる時間が減り、守備の時間が増える。そうなるとセレッソが相手ゴール前に圧力を掛け続けて、こちらもセットプレーから同点に。以降はセレッソが活動量で上回りながらも、強度を上げたプレーは多く出せなくなった両者がセット攻撃×セット守備でターン制のように攻撃をやり合う展開に。きわどいシーンはどちらもあったが、決め切れずに引き分けで決着となった。

セレッソは多くの時間で守備がハマらずに、自分たちの得意な局面に持ち込めず、後手を踏んだことは反省材料。ただ、その中でも二度追い付いて負けなかったことはポジティブにとらえられる。

マリノスは連戦によるターンオーバーで選手を大幅に入れ替えた中でも自分たちのスタイルを体現し、セレッソの守備を困惑させたことは良かった。それゆえに前半のPK献上、失点はもったいなく、リスク管理のところに課題が残ったといえる。ただ、過密日程の中、上位のセレッソとのアウェイゲームでの勝点1は悪くない結果。

 

個人的MOM

★レオ セアラ

PK失敗があった中で2得点。良い攻撃ができたタイミングでしっかりと仕上げ役として機能。難しい展開でも決めてくれる人がいれば勝点が取れる。

 

トピックス

カピシャーバが負傷交代。

 

2024 J1第10節 サンフレッチェ広島vs川崎フロンターレ メモ

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広島は川村が負傷離脱で欠場。

川崎がソンリョンがアップ中に負傷したとのことで、上福元が先発になった。

 

流れ

川崎はボールを保持して陣地を押し上げ、敵陣保持からの打開を図る。家長が広く動き回り、局地に数的優位を作るような役回り。後方は最終ライン3枚+橘田が残って管理。

広島は前からプレスを掛けながら前に速く送って攻め切る、もしくはロストしても高い位置からの守備で前に向かっていく。

広島は加藤がファジーなポジションを取りながら、WBと松本泰と連係しながら左奥のスペースを取りにいく。深い位置を多くとっていくことでセットプレーの回数を増やし、ゴール前に圧力を掛けていく。

広島のビルドアップに対し、川崎はWGがCBまで出ていき、IHが外のWBまでスライドして対応。

川崎は自陣守備時に、脇坂が右ボランチ脇を埋めに戻ってくる。遠野が前目で、脇坂がバランスを取る役割分担?

マルシーニョは前に残らず、大外の守備に深くまで戻ってくる傾向。

家長が保持時に自由なポジショニングを取ることで、トランジションで初期配置に戻れないので、前4枚はかなり流動的なセットの仕方になりやすい。

家長は非保持時、ほぼほぼトップの位置に残るので、エリソンが右SHタスクになっている。

39分、広島先制、1-0。前3人でのオープンアタックはわずかに合わず完結できなかったが、そこからの流れで佐々木のインスイングクロスを大橋が合わせてゲット。ゴール前に人数をかけ、佐々木を高い位置へ上げた攻撃的な配置での攻撃でゴールへ結び付ける。

40分、エリソンに警告。家長とのバランスの兼ね合いで右にほぼ常駐しているエリソンは、佐々木がマッチアップで上回っており、1対1の状況が付くれればほぼほぼ止めている。

広島は大橋とマルコスがCB、加藤がアンカーをケアするマンツーハメ。

44分、左で作った広島。大橋が中央でためてからの落としを松本泰がコントロールショットで狙うもバー直撃。上福元が少し触っていた。決定機。

川崎はオープン局面からマルシーニョの仕掛けでゴールへ向かおうとするが、塩谷が対応できており、川崎は突破口を開けない。

 

立ち上がりは川崎がボール保持の時間を作りながら保持エリアを上げて細かいパス交換からの打開を図っていたものの、徐々に広島が主導権を握るように。川崎がボールを持とうとすれば、奪ったところから前に運んで一気に陣地を押し上げ、前3人の連係からゴールへ向かう。ロストしてもそのまま高い位置からのプレスに移行し、奪ったら一気にゴールへ迫る形を狙う。保持では相手が前からくるのであれば、サイドのプレスが届きにくい位置を経由しつつ、前向きで入れるポイントを作り、背後へ送って行く。あまり出てこないのであれば、ファジーな立ち位置を取る加藤やマルコスをライン間の起点役にしながらサイドの深い位置を取り、クロス攻撃を仕掛ける、またはセットプレーを取っていく。川崎は我慢の時間が続いた中で、オープン局面でのマルシーニョの仕掛けに頼ろうとしたが、そこは塩谷がしっかりと蓋。右のエリソンは佐々木が対応と、トランジションリスク管理もバッチリ。川崎はマルシーニョと脇坂が撤退守備時にしっかり戻らなければならず、奪ったあとに前へ出ていくのも時間がかかる。橘田と脇坂がうまくつながれる距離でパス交換できると密集を抜け出せる形を見せられたが、回数を多く出すことはできなかった印象。

 

後半

川崎交代

エリソン→小林

45分、川崎がPA内右での連係から小林が抜け出してシュートも大迫が好セーブ。その直後、広島がトランジションから越道のクロスからシュートまで。どちらも際どいチャンスを作り合う。

50分、家長に警告。

53分、川崎が自陣でのビルドアップでプレスを回避し、マルシーニョで塩谷を引き出してから背後に遠野が走ってポケット攻略。折り返しはつながらずも、1つ崩しの形を作った。

広島が敵陣でのプレーを続け、川崎ははね返して我慢を続けるが、ファウルで止めてセットプレーという流れが続く苦しい展開。

60分、上福元のロングフィードから川崎がセカンドを回収し、コンビネーションでPA内を崩しにかかるが、広島も戻ってカバー。広島が前から行っている分、川崎は前向きで持てればオープン局面の速攻に出やすい。

63分、塩谷に警告。

64分、川崎同点、1-1。マルシーニョの仕掛けから獲得したFKで混戦を作り出し、小林が押しこんでゲット。川崎は苦しい流れが続いた中、押し返すシーンを作り出したタイミングで得点に結び付け、追い付く。

65分、広島交代

マルコス→ピエロス

66分、川崎交代

瀬川、ファンウェルメスケルケン→ジェジエウ、瀬古

ジェジエウがCBに入り、佐々木が右SBへ移る。瀬古がアンカーに入り、橘田が左SBへ移る。

68分、越道が足を攣る?ふくらはぎあたりを気にしている様子。新井が準備。

69分、広島交代

越道→新井

71分、3人のコンビネーションからマルシーニョが抜け出してシュートも枠外。決定機。一気に川崎ペースに。

71分、小林が座り込む。筋肉系トラブルがあった模様。すぐに山田が準備。

73分、川崎交代

小林→山田

73分、川崎逆転、1-2。遠野が中盤で浮いて前線へ送ったボールを大迫がクリアし切れず、家長が佐々木との競り合いを制すると、折り返しを山田が詰めてゲット。山田は投入直後の1stタッチでゴールを決める。

74分、広島同点、1-1。クリアボールを拾った満田のクロスを加藤が合わせてゲット。失点直後に前へ畳みかけてすぐに取り返す。あれだけ叩いてもこじ開けられなかったゴールがいとも簡単に入った。

80分、広島のロングカウンター。加藤が中央を突破してシュートも後ろから追いかけたジェジエウがブロック。その後右からクロスを送るも上福元がビッグセーブ。広島は連続でビッグチャンスを作るも決め切れず。川崎は敵陣保持からトランジションの起点つぶしで二次攻撃を続けられていたが、一度抜け出されて危険なピンチに。

川崎はサイドに当てたところから内側へのパスで遠野を浮かせて、そこから前に展開していく。遠野がフリースペースに入り込んで経由地になる。

85分、広島交代

松本泰、東→野津田、志知

86分、瀬古に警告。

87分、右からのクロスのディフレクションがフリーの大橋に届くも上福元がビッグセーブ。1点もの。

88分、川崎交代

脇坂→山本

川崎は遠野を左WBにして、非保持セット5-4-1にした。

91分、新井に警告。

94分、上福元のフィードから山田が中野と入れ替わって完全に抜け出すも佐々木が戻ってブロック。決定機。互いに3点目を取りにいっているため、非常にオープンな殴り合いになっている。

 

後半立ち上がりは広島が強度を上げて前へ向かったことで押し込む時間を作り、川崎は我慢しつつ、保持からスペースへ抜け出して深さを作り、敵陣保持を作りにいく。前半は塩谷が落ち着いた対応でマルシーニョを止めていたが、早めに警告が出たことで、川崎はマルシーニョのところを使いやすくなった印象。遠野が中盤ハーフスペースで受けて中継役をこなすことで、前のスペースを突きやすくなった。とはいえ、広島が前向きにどんどん出ていくことで押し込む時間を作り、ペースを握る。ただ、川崎が押し返したタイミングでセットプレーから追い付き、振り出しに。徐々に川崎が高い位置で保持できるようになると、遠野経由のロングボールからエラーを誘って川崎が逆転。しかし、広島がその1分後に同点と、あわただしい展開に。広島は前にどんどん出ていき、圧力を掛け続け、川崎はそこを抜け出せればビッグチャンスと、両方が3点目を積極的に狙うオープンな最終盤。ともに際どいシーンを作ったが、好守もあって決め切れず、引き分けで決着した。広島は多くの時間でペースを握りながらも、もう一歩押し込むことができずにまた引き分けに。川崎は苦しいながらに攻撃のパターンを見つけてゴールを奪い、最後のところは上福元がなんとかした。

 

個人的MOM

★上福元 直人

再三のビッグセーブ。彼でなければもう2点くらい入っていたかもしれない。急きょの先発でしっかりと爪あとを残す。

遠野はサイドからピックアップして前に進めさせる中継役として機能。マンツーベースで人を当ててくる広島が捕まえづらそうにしていた。

 

トピックス

小林が負傷交代。おそらく筋肉系のトラブル。

 

2024 J1第10節 アルビレックス新潟vsFC東京 メモ

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FC東京松木、荒木、野澤大が代表活動により欠場。

 

流れ

東京は寺山が秋山を意識。4-4-2ベースで寺山と高がボランチへチェック。

仲川は2トップ位置を取りながらスイッチを入れてGKまでチェイス

新潟が自陣でビルドアップ局面を作り、東京が高い位置からプレスを掛けて奪いにいく立ち上がり。

新潟は谷口がGKまでチェイスし、ボールを奪いにいく。波多野→ボランチとつないで回避を狙う。

仲川はゴール前待機にこだわらず、最終局面ではポケット進入、ビルドアップ局面ではライン間待機など、一工夫入れる役割のポジションを取る。

寺山がボランチを捨てて前にいくとボランチがマークを引きとって前へ出ていく。

俵積田はハーフスペースの中間位置を取りながら、SBへ出たら内から寄せていく。

東京は両サイドとも縦に突破しての折り返しを狙う形が多い。

寺山が右寄りのファジーなポジショニングでライン間とSB裏で起点を作ろうとしている。

小泉がアンカー位置で、高が右のFW-SH-CHのトライアングル間でウロウロ。

新潟は前4枚がライン間に入りながら、パスを出すタイミングで相手の背中側から現れるように受けることで、マーカーの寄せがワンテンポ遅れる。

秋山が後ろ、宮本が前という縦関係でビルドアップを行う新潟。

16分、寺山が接触時に痛め、負傷。一度はピッチに戻ったが、プレー続行不可。すぐにディエゴが準備。

18分、東京交代

寺山→ディエゴ

東京の右は、高が右寄りになり、安斎が外で中盤サポートに入ることで白井を押し上げるバランス取り。

東京は土肥が中心になってラインコントロール

21分、東京のカウンター。やや高めで待っていた俵積田が強引に仕掛けて中に入っていく。俵積田は数的不利でもおかまいなしにガンガン仕掛けていく。しかもそれで抜く。

東京は2トップのセットが替わった影響もあってか、SHがCBのところまでアタックに出ていくシーンが出るようになった。新潟はCB→SBとうまくつないで前進を図る。また、東京のSBも前に出やすい構造になるので、その背後に選手を走らせる。

25分、宮本に警告。

新潟は谷口がチェイシングを掛けていくが、SHは前に出るよりもサイド守備のケアを優先。CBに運ばれても受け手側を自由にさせなければOKという雰囲気。

28分、土肥が外切りに対して中に運んで矢印を折り、前線を供給。個人戦術で前進の形を作る。

東京はそこまで奪いにいかず、4-4-2でしっかりセットするバランスになってきた。新潟はCBが時間をもらえる。東京が比較的ラインを上げようとしているのもあり、最終ラインから一発で背後や、大外への配球がみられる。

高は右CB位置にサポートに入り、白井を前に押し出す。

33分、千葉に警告。

38分、東京先制、0-1。新潟が敵陣で奪うと東京が取り返すとそのままロングカウンター。中盤のパス交換でオープン局面を作り出し、白井の運び出しからのクロスを仲川が合わせてゲット。新潟は高い位置で奪えたものの、すぐにロストしたことでバランスが崩れ、つぶしにでたところも外されたことで一気にスピードアップを許した。東京は前線がうまくつながりながら白井の走力を生かせた。

東京は4-4-2ブロックを組んでスペースを消す守備。2トップも深い位置へ戻りながらバックパスが出ればCBへのアタックも行っていく。カウンター準備だけでなく、自陣守備に参加。右サイドは安斎が絶対に大外を埋めるという役割で、白井を外に出させないようにする。安斎が下がって対応して中盤が薄くなった際には仲川がサポートして埋める。

東京はロングボールを蹴る際は安斎の頭を狙う。

 

互いにビルドアップからの前進と、高い位置からのプレスでボール奪取を狙った立ち上がり。どちらかというと新潟のほうが保持する時間を増やしたいというプレー選択だった中、東京は中盤から人を押し出して背後を空けるリスクも許容しながら捕まえに行く。新潟は空いた場所を使いながらの前進を図り、エリアを押し上げることもできていたが、東京は奪えればそのまま敵陣でのチャンスにつなげることができ、新潟としては失った際のリスクに対し、成功時のリターンがあまりおいしくない状況だった。東京が出てこなくなってからは安定して敵陣保持の時間を作り出したものの、危険なエリアからのシュートは打てず。最終ラインから一発の背後狙いや、サイドから少ないタッチでのパス交換で目線をずらしながら内側に入っていく攻撃がメインパターンだったか。

東京はトランジションからの縦に素早いカウンターと、俵積田の仕掛けからの折り返しが主なチャンスパターン。ビルドアップでは高が右に寄って、仲川がIH的なポジショニングを取りながら中盤でつながってプレス回避を狙った。また、土肥も相手のプレスをみながら左右の足の使い分け、プレス矢印の逆を取る運びなどでビルドアップに一工夫をもたらしていた。守備でも0-0の時間では高い位置からのプレス、リードしてからは4-4-2ブロックセットと使い分けながら安定させた。シュート数自体は多く打たれたが、クリティカルな攻撃を受けたシーンはほぼほぼなかった。波多野のハイボール処理、シュートストップも安定。

 

後半

後半に入り、プレスのエネルギーを高めて入ってきた東京。奪ってそのまま攻めに転じ、畳みかけに入る。

新潟は秋山を下ろした3バック化で2トップに対し、数的優位を作って脇から前進を図る。

48分、東京追加点、0-2。ディエゴが斜めのランニングで深さを作って敵陣保持に持ち込み、左サイドで引きつけてから中にリリースし、中に入ってきた白井のミドルでゲット。東京がテンションをあげた時間帯で得点に結びつける理想的な流れ。

東京はボールと逆サイドのDFライン3枚がゴール前を埋める。CBがニアで準備した状態で待っているため、新潟がシンプルなクロスで勝つのはなかなか難しい。

50分を過ぎたあたりからは新潟が保持して攻める展開。東京はまずはブロックのバランスを保って奪いにいくよりも、バランスを崩さないことを優先。

59分、エンリケが前向きでつぶして奪取。そこからのロングカウンターで俵積田に渡すもタッチが若干流れてやり切れず。新潟が保持ラインを上げていることにより、東京はロングカウンターに出られるスペースをもらっている。安斎が低い位置までの守備に参加するのに対し、俵積田はあまり下がり過ぎないようにしている雰囲気があるので切り替えで出ていきやすい。

61分、東京追加点、0-3。敵陣でのトランジションから小泉がチャンネルに抜け出してクロス。中でディエゴが合わせてゲット。自陣で構えながら前向きで奪って一気に前へ出ていき、プレーエリアを上げたところで攻め切るという理想的な試合運び。

63分、新潟交代

小見、谷口、千葉→小野、太田、稲村

東京が守備では無理に奪いにいかず、ブロック形成。保持では相手が出てこないのであれば保持してプレーエリア押し上げを図るなど、ゲームコントロール重視のプレー選択。

67分、東京交代

仲川、俵積田→佐藤、長友

長友が右SBが入り、白井が左SHに移る。後半はバングーナガンデが背後を取られるシーンがチラホラあったので、そこの手当てもあるか。長友を左SBに入れてバングーナガンデを1つ上げるかと思ったが、違う配置移動だった。

3点取らなければいけない新潟はリスクを承知で後ろがかなりタイトにFWへ張り付き、入ってきたところを強く潰すことで相手に時間を与えない。入れ替わられるリスクもあるが、ここまではつぶしが利いており、二次攻撃に移れている。

72分、新潟交代

松田、髙木→長谷川巧、長谷川元

安斎が大外を埋める意識が高いのと、長友が持ち場から出て外にアタックへ行きたそうなところが若干被っている印象で、右のチャンネルが初期セットよりも空きやすくなっているように見える。

新潟は捨て身で前にプレスを掛け、ボールを奪いにいく。東京も最悪のリスクはなくしながら簡単には捨てずにつなごうとするが、なかなか前のポイントを作れない。

東京はフレッシュで追える佐藤が前線に入ったことでプレスラインをいくらか挙げられるようになった気がする。それによって後ろの選手が迎撃に出られる準備もでき、受け手に寄せられるシーンが増えたように映る。

新潟は最終ラインでパスを回して相手を引きつけながら、ホルダーが空いたタイミングでサイドのスペースへフィードを送って深さを取りにいく形が多い。

80分、東京交代

バングーナガンデ、高→野澤零、原川

野澤零が左SHに入り、白井が左SBに移る。

81分、太田に警告。新潟が前にガンガン出てくることを逆手にとって、小泉がうまく誘った。

白井が大外に出ていったらチャンネルに長谷川巧が出ていく。原川がカバー。

東京はラインを上げてプレススイッチを入れ直す。2トップでアンカーをケアしながらCBにも出ていき、右CBには野澤零がけん制をかける。新潟は野澤零が前に出てきて空けたスペースに潜って前進を図る。

89分、新潟得点、1-3。野澤零が前に出て空けたスペースからクロスを送り、ファーに入ってきた早川が競り勝ってゲット。

安斎は大外意識が高いゆえに外で穴は空けないが、前に出ていけないぶん、新潟はそちらからの運び出しで前進しやすい。東京は佐藤が横幅広く見ることで、完全フリーにはさせないようにしている。

92分、エンリケが足を攣る。東京は交代カードをすべて消費済。そのままプレーを続ける。

 

東京は後半立ち上がりからテンションを上げ直して前からのプレスに行くとともに強度も上げる。そこの流れで2点目を取り切る。新潟は50分を過ぎたあたりから保持の時間を作り、敵陣でのプレータイムを伸ばしていくが、2点リードの東京は自陣ブロックでもOKという構え。2トップも守備に参加させながら穴を作らないようにバランスを保ち、前向きに奪ったら縦に速く攻め、ゴールに向かう。スピードが上げ切れない際には敵陣保持に持ち込んでゲームコントロールに入る。構えながらも良い形で前向きの奪取ができた際には前に出ていき、攻撃の局面を作る。カウンターに出ていくところとゲームコントロールするところを使い分けて、脅威を与えつつ、相手の攻撃の時間もそいでいく。新潟は狭いところでのコンビネーションで打開を図るも、東京も中を狭めながら準備ができている状態で抜け出しを許さず。クロスでもDF3枚がゴール前のスペースを埋めている状況で、新潟はシンプルなクロスではこじ開けることが難しくなっていた。東京はラインが下がり始めたタイミングで選手を交代し、サイド守備の強化を図りながら、ラインも上げる。特に佐藤がチェイスと中盤サポートでラインアップをサポートする働きで、後ろの選手が迎撃に出やすくなった。

ただ、バングーナガンデが背後を取られ始めたあたりでの対応で、白井を左SHに移して長友を右SBに入れたが、ここの策はあまりうまく機能していなかったような印象。安斎が大外を埋めながら白井が前向きに出ていく準備ができていた初期セットに対し、安斎はSBを出したくない、でも長友も大外に出ていきたい、というような役割被りで内側が空きやすくなっていたように見えた。また、終盤も左サイドがSB白井-SH野澤零のセットになり、野澤零は前に出ていきたい、そうなると白井が広いスペースで複数人を監視しなければならなくなり、マークのズレが起きていた印象。失点も左サイドで空いたスペースから許したクロスが起点だった。

トータルで見れば、東京はチャンスクリエイトに対して3得点は決定力が上振れした印象もあるとはいえ、狙ったようなゲームプランでスコアを動かすことができ、リード後はクローズな展開に持ち込みながら、一刺しとゲームコントロールの二兎を追えていたのは理想的な試合運びだったのではないか。最終盤のクロージングはバタつきがあったが、総じてうまく立ち振る舞えた印象だった。

新潟はプレス回避はある程度安定していたが、一度のロストが致命的なものになってしまうケースがあり、また、ビハインドになってしまったことで使えるスペースを消され、やりたい攻撃を出せるシーンが減ってしまった印象。

 

個人的MOM

★白井 康介

1得点1アシスト。安斎との右サイドは補完性が高く、持ち味である前向きの奪取から一気に前に出ていく形が効果的に機能。得点に絡むプレーも出てきていうことなし。

 

トピックス

寺山が負傷交代。千葉との接触時に脛付近を痛めたと思われる。

 

2024 J2第11節 大分トリニータvsいわきFC メモ

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流れ

いわきは3-1ビルド。大分は4-4-2ブロック。

大迫が左に張って待つが、待ちながら内に入っていくと山口が入れ替わりで外に出てくる。

いわきの加瀬は相手のSBが届かないところにポジションを取りながら、背後狙い。大迫は基本的に大外張りで、逆サイドにあるときはSB裏の浮く場所で待つ。ファーターゲット。3バックはトランジションで相手2トップを素早く潰せるように準備。

8分、なかなかコントロールできない大分は渡邉のスイッチで人を当てて出ていくように。ここまではいわきが保持しながらロスト後も受け手をつぶして主導権を握る。

山口は左スクエアに入って狭いエリアで受けたり、SB裏へ抜けていく動きを見せる。いわきの右サイドは加瀬の背後狙いがメインで、ショートパスでの作りは左サイド偏重。

11分、薩川が腿裏を気にして座り込む。

13分、大分交代

薩川→宇津元

薩川は負傷交代。おそらく筋肉系のトラブル。

いわきの3-1ビルドに対し長沢がトップ下でアンカーチェックを担当して3-1プレスを掛ける大分。いわきは立ち上がりよりもプレッシャーを受けるビルドアップに。

大分は渡邉が最前線で残ってトランジションの起点になろうとしているが、照山がかなりタイトにマークについてつぶしている。

大分はリスタートに時間がかかり、その間にマークにつかれるのでスローインで即ロストするシーンが目立つ。

大分は人を当ててプレスに出るようになってから高い位置で押し返せる場面を作れるように。

21分、FKから長沢がファーで折り返してシュートチャンスを迎えるも枠へ飛ばせず。大分にチャンス。

15分あたりから7大分ペース。マンツーハメプレスから攻撃でも前向きの矢印を強めたことが奏功し始める。

大分はビルドアップで作り直すよりも前に送って行く意識が高いように見える。いわきの前向きのアタックの圧を受けないようにしている?

いわきは前線の選手が落として前向きの西川がゴールに向かう、シュートを打つパターンが何度か見られる。

大分が人を当ててプレスに出てくるので、いわきは無理してつながずに前へ蹴る回数が増えた。

いわきはオープン局面での個人の運びなどで陣地回復できると攻撃のフェーズに移れるが、自陣からの押し上げになると大分のプレスをなかなか攻略できず。前に蹴っても前進のポイントは安定して作れていない。

長沢は自陣守備の際に中盤サポートに積極的に戻る。

34分、いわきのビルドアップ。石田のところで松尾が出てきた裏に山口が潜って受ける良い形。回避の形を見せた。

西川は右45度の位置からガンガン狙ってくる。徐々に枠内へ近づいている雰囲気。

有馬は左、谷村は右のSB裏に走って深さを作る動き。加瀬が前に出ていく、大迫が中盤で受けるという特性の違いから、有馬のほうがSB裏流れは多い。

 

立ち上がりはいわきが保持からゴールへ向かい、トランジションでもすぐに回収することでペースを握った。特に照山が渡邉をつぶすところで優位を作れたのは大きかったように感じる。受け身になった大分は薩川の負傷交代時に生まれた時間で修正を施したのか、10分前あたりから3-1で人を当てて前に出ていくように。そこから大分が陣地を押し返すシーンを作れるようになり、徐々にセットプレーなどからゴールへ迫り始める。保持では後ろでつなぐのではなく、前へ送って行くことで長沢の高さを生かし、セカンド回収でも前向きの矢印を強めてバトルで五分以上に。CKやFKから長沢と安藤の高さを生かすも、チャンスは決め切れなかった。いわきは途中から大分のプレスに困っていたが、30分あたりから地上戦での回避ルートを見つけ始め、SHを引きつけたタイミングで背後に潜ってくるIHを生かして前進する形を見せた。大分は主にセットプレーから、いわきは西川のミドル、加瀬の背後狙いからのクロスでゴールを狙うも互いに決め切れず。

 

後半

大分交代

保田、松尾→小酒井、野村

45分、前プレに出ていったいわきの3バックの脇を突いた宇津元からのクロスを渡邉が合わせるもGK正面。大分にいきなり決定機。

47分、大分のビルドアップを西川がつぶして谷村に決定機も枠へ飛ばせず。濵田もうまく距離を詰めた。いわきにも決定機。

いわきの3バックが外に引き出されたときには大西がゲートの間を埋める。また、ボールサイドのWBは人を捕まえに前へ出るため、逆サイドへ速く展開されるとゴール前のファーサイドを埋めるまでに時間がかかる。

大分は野村が前線でタメを作って野嶽が追い越していく形で右サイドを活性化させる。

いわきもハイプレスに出ているが、大分も後半からかなりテンションを上げてボールへ寄せ、ロスト後もカウンタープレスの強度を上げる。いわきは相手の前向き矢印をかわしながら前に運ぼうと試みている。

54分、野村に警告。

56分、いわき交代

有馬→近藤

58分、いわき先制、0-1。FKを濵田がクリアし切れず、近藤がこぼれ球をプッシュしてゲット。近藤は投入直後にいきなり結果を出す。大分は後半で良い入りができていただけにやるせない失点。

いわきは2トップが中央レーンから動き過ぎないようにして背後のボランチへのパスをけん制。IHが前に上がってCBまでプレスを掛ける。

いわきは3-1ビルドで、WBが大外で降りてサポート。大分は2トップが縦関係で1トップがサイド制限、トップ下がアンカーチェックという役割分担。3バックの左右はある程度放置して受け手を消すときとSHがアタックに出てSBが縦スライドで縦向きを蓋するときの使い分け。

60分前後になって、大分もテンションが少し下がってきた。さすがに立ち上がりの強度は長時間は維持できず。

大分は4-4-ブロックで、ボランチがチャンネルケアに入るなどして中盤にスペースができる際には長沢が下がって埋める。

70分、いわき交代

大迫、西川→坂岸、白輪地

白輪地が2トップに入り、谷村がIHへ移る。

71分、大分交代

長沢→茂

茂が右SHに入り、野村がトップ下に移る。

73分、いわき追加点、0-2。CK崩れの流れから照山が合わせてゲット。濵田は飛び出したが触れずに競り負ける。いわきはチャンスこそ作れていなかったが、ボール保持の局面を増やして相手の時間を作らせなかった中、セットプレーの獲得から連続で得点につなげる。

大分はビルドアップ時にいわきのプレスを受けて思うようにプレーエリアを上げられない。3バック脇に流して深さを作りにいっているように見えるが、いわきもそこへの対応の準備はできている。

76分、大分交代

渡邉→伊佐

80分、近藤が足を引きずっており、座り込む。×印が出る。

いわきは、大分の広がるCBまで寄せに行けなくなっており、大分は相手2トップ脇から運べる形が出せるように。いわきはIHが動く守備タスクなので、IH同士のゲートが開きやすく、そこに野村が潜ってくる。ただ、ゲートの先で大西や3バックが迎撃でついて行く。

82分、いわき交代

近藤、加瀬→加藤、大森

近藤は負傷交代。

大森が右CBに入り、五十嵐が右WBに移る。谷村が1トップになり、5-4-1セットになったか。

白輪地がアンカーケアやCBへのけん制を掛けながら、ラインが下がったときには右SHの位置に戻る2段構え。エリアによってタスクを変える。

91分、茂に警告。

大分は前線が強度を上げていわきのホルダーから時間を奪って蹴らせる。

接触で足を痛そうにしている安藤を前におき、小酒井が最終ラインに下りる。

2点リードのいわきはシンプルに時間を使うプレー選択。ルーズボールは割り切って外へ出し、敵陣へ入ったらサイドでキープする。

 

後半立ち上がりは大分がテンションを上げながらいわきを自由にさせず、3バック脇を狙った前進と、右サイドの野村×野嶽で攻めていく。ただ、立ち上がりすぐの決定機を逃し、質の高いチャンスを作れずに時間が過ぎると、いわきも対応できるようになり、大分の強度も徐々に落ちていったことでいわきのペースに。いわきがボールを保持してゲームをコントロールし始め、決定的なチャンスは作れずとも敵陣でセットプレーの機会を増やすと、FK、CKの流れから2点を奪取。その後もラインを下げ過ぎずに受けの守備にならなかったことで押される時間を最小限にし、終盤は5-4-1との2段構えで逃げ切り成功。大分は立ち上がりのペースを握れた時間で先手を取れればまた違った展開になったかもしれないが、いわきに慣れる時間を与えてからはなかなか自分たちの時間を作れず。いわきは押されていた時間でもコンビネーションからの打開を図っており、「我慢を続ける」というよりも、能動的に主導権を取りにいくプレー選択が好印象だった。

 

個人的MOM

★照山 颯人

チーム2点目となったセットプレーからの得点のほか、守備では相手の前線に起点を作らせないハードな守備、3バックが晒されやすい構造の中、広いカバーで穴を作らせなかった。

 

トピックス

薩川が負傷交代。ハムストリング?

近藤が負傷交代。ひざあたりを気にしていたか。すぐに交代を要求していたので重いのかもしれない。

2024 J2第11節 V・ファーレン長崎vs横浜FC メモ

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流れ

長崎は4-1ビルド。秋野が3トップのゲート裏に立つ。

横浜FCは3トップが中央3レーンを消しながら、シャドーがCBまでアタックに行ってWBが連動してSBまで出ていく。

長崎は左サイドの米田と笠柳という個人の推進力がある選手を使って縦に進み、クロスを狙う。エジガルに背負ってもらい、ポイントを作る。

3トップで2CBとアンカーをケアする横浜FCに対し、ジェズスが左脇に下りてきてサポート。

米田と笠柳の外→内ワンツーでマークを外しにかかる。

横浜FCは奪ったらまずは縦優先。保持の局面を作り出すというよりも早く攻め切る、それができなくても敵陣まで運んでそこから敵陣保持に入るというアプローチ。

長崎はCB→SBでパススピードを上げて届けることでシャドーのアタックとWBの縦スライドが間に合わないタイミングを作ってサイドからの運び出しを図る。

長崎は非保持時、ジェズスが2トップ気味に押し上がり、加藤がボランチ気味になる可変4-4-2セット。

21分、長崎のロングフィードを中央ではね返して回収した伊藤がそのままミドルまで。原田が好セーブ。横浜FCが最初に際どいチャンスを作る。

横浜FCは自陣セット時、WBが大外に出ていったあとにCBとのゲートがかなり広がり、チャンネルが広く空く。モヨがパス交換からそこへの飛び出しを図る。

長崎はショートパスでの前進をベースにしつつ、原田からのロングボールで増山と福森の空中戦を作り出すプレーも。ただ、福森も五分で競れており、そこまでの優位性は出ていない。

長崎は非保持セット4-4-2でそこまで奪いには出ていかない。横浜FCは後ろで回しながら左→右でサイドチェンジを狙う形が何度か見られる。

32分、横浜FCが前向きのカットから山根がクロスを入れ、ファーで小川が合わせるも枠外。枠へ飛ばせれば1点ものの決定機。横浜FCが高い位置での奪取から際どいチャンスを作れている。

長崎は浮き球へ前に送ったボールをはね返されてそのままカウンターを受けるシーンが目立つ。横浜FCは広がった長崎の陣形の中で起点を作り、はね返しから一気に高い位置のポイントを作る。

36分、長崎先制、1-0。クロス攻撃の二次攻撃からモヨのクロスをファーでエジガルが合わせてゲット。サイドからのクロスにゴール前の人数を増やし、目線をマーカーに引きつけさせて、奥でエジガルが押し込む形。

39分、エジガルとジェズスのパス交換から相手最終ラインを引きつけて笠柳がサイドのスペースでラインブレイク。最後はジェズスのミドルまで。うまく疑似カウンターの局面を作り出した。

41分、長崎が再び疑似カウンターから増山が抜け出して折り返しにエジガルと笠柳が飛び込む。横浜FCは最終ラインが受け手に飛び込んでいくが外されて後ろに広大なスペースが生まれている。

44分、加藤が左チャンネルを抜けてクロス。横浜FCはWB-CBのゲートがかなり広い。人が入ってきたらマークしてついていくような守り方。

 

基本的には長崎が保持して横浜FCがセットして受ける構図。長崎は4-1ビルドベースにエジガルが中央の縦パスコースを作って前線のポイントを作る形や、左サイドの縦関係から深い位置を取ってのクロスなどがメインパターン。横浜FCは1トップがアンカーをケアしながらシャドーがCBにアタックに出ていき、WBが連動してSBを捕まえに来る守り方。30分頃まではこう着状態の中で横浜FCが前向きの奪取から一気にシュートまでという形を作り、際どいチャンスを作ったものの、徐々に長崎が保持から相手のマークをうまく外して疑似カウンターからサイドのスペースをガンガン突くような展開に。連続クロス攻撃から先手も取り、両WGの馬力と中央のパワーを生かした攻撃ができていた。

 

後半

横浜FC交代

中村、小川→村田、カプリーニ

左WBに村田が入り、山根が右WBに移る。

立ち上がりから攻め立てる横浜FC。元々マンツーマン気味にプレスで出ていっていたが、より早く捕まえる意識になった印象。横浜FCの保持に対して長崎は4-4-2セットで奪いにいく寄りもミドルゾーンを固める守り方。3バックが脇から運んでくるのはある程度放置しながら、受け手へのマークを強める。

増山が2トップ脇からの前進をけん制するように少し前に出た背中に村田が入って、そこから前進していく。シンプルに福森から送るパターンと、井上を経由してレイオフで渡すパターン。

長崎はセットしてビルドアップを始めると強いマンツーマンでストレスを受けるので、横浜FCがセットし切る前に個人で運んで敵陣保持から始める狙いを見せる。

横浜FCがマンツーマンで突っ込んでくることと、長崎がそれを突破してゴールまで一気に向かおうとしているので、ゲームスピードがかなり上がり、オープン気味の展開に。

横浜FCの前向き矢印がかなり強いため、長崎はIHやエジガルのクッションを入れながら3人目の動きで背後を取る狙い。横浜FCは一度前向きで出ていったら、背後への動きには対応が遅れる。

横浜FCは撤退したらシャドーも下ろして5-4セット。プレス時もシャドーにCBへ突っ込ませるのではなく、3トップの役割を微調整した?髙橋も状況をみながらCBへアタックへ行くようになっている。スイッチが入ったときのプレス構造は同じ。カプリーニと髙橋がCBアタックとアンカーケアの両タスクという感じ。長崎はプレスでハメにこられたら右寄りへのロングボールを入れる。

62分、長崎交代

笠柳→松澤

70分、長崎交代

エジガル、ジェズス→フアンマ、澤田

71分、横浜FC交代

井上→中野

中野はベースポジションボランチのまま。

72分、長崎が奪ってから縦に速く攻めて増山→澤田で右45度からシュートもポスト直撃。ビッグチャンス。

長崎は全体がコンパクトに、中央へ絞って守るため、WBは大外で時間をもらいやすい。

74分、ンドカに警告。ンドカは累積警告4枚目で次節出場停止。

長崎はSHが外を気にすると、開いたゲートの奥にカプリーニが潜ってくる。若干バイタルが間延びしている感じもあり、外からの前進をケアするか、インサイドの起点をケアするかが迷いどころ。システム的に対応が難しい場所。

村田に預けてモヨとの1対1に持ち込ませる形が多い。中野がマイナスでサポート。増山はハーフスペース待機でカットイン対応に備える。

79分、カプリーニに警告。

中野がマイナスサポートをしながら平行に入って行ってハーフスペースで受けることでボランチとシャドーの役割を両方こなすイメージ。伊藤はあまりサポートに寄ってこず、ゴール前エリアで待機しながら、ポケット進入も狙う。

81分、横浜FC交代

伊藤→櫻川

横浜FCはボールを持てれば大外のWBかインサイドのシャドーを経由して敵陣までの進入はフリーパス状態なので、あとはどうやって最後のところをこじ開けるか。長崎は高い位置で押し返せず、トランジションでも落ち着かせるポイントを作れないので、ゴール前ではね返して我慢する時間。

85分、横浜FC交代

ユーリ→和田

フアンマが強度を上げてチェイスし、ボールを奪ってスローインを獲得したところから長崎が敵陣保持に持ち込んで落ち着く時間を作る。

89分、長崎交代

加藤、秋野→瀬畠、山田

長崎は1点を守り抜くプレー選択。敵陣セットプレーでゴールへ向かわず、基本的にはサイドで時間を使う。

櫻川が入ってターゲットタイプが増えているので、シンプルにロングボールを入れて前進し、クロス攻撃でゴール前に圧力を掛ける。

横浜FCがパワープレー気味に前に出ていくが、長崎がはね返して逃げ切り成功。

 

後半立ち上がりからギアを上げてマンツープレスの強度を高めてきた横浜FC。長崎は自陣ビルドアップでショートパスからの前進にリスクがかかるようになり、ロングボールを前に送ることが増えるも、横浜FCが競り勝って回収に成功。そのまま前向きの矢印を強めて主導権を握った。また、長崎はそこまで奪いにいく守備ではないので、横浜FCは保持でも時間をもらえ、大外に張るWBへ速く届けて、SBと1対1を作る、もしくはSHが戻ってきたら保持ラインを上げて攻める攻撃に移行。長崎は苦しい立ち上がりになったが、降りる選手をクッション役に使いながら前向きの選手を作って3人目の動きから背後を狙う。横浜FCは前向きが強くなっているゆえに背後への動きにはリアクションが遅れ、疑似カウンターを食らうようになった。10分~15分くらい経過すると、横浜FCのプレス強度が若干落ち、より長崎が保持で形を出せるように。ただ、横浜FCも選手交代を駆使しながら攻撃のパワーを高め、左WBの村田へ送って起点を作るとともに、仕掛けからのクロスでゴールを目指す。長崎は中央に寄せたブロック形成でWBにはスライドが遅れやすく、そこからの前進を許す。また、SHが外を警戒すればシャドーにバイタルで受けられるという悩ましい状況。その流れで自陣で受ける時間は増えたが、最後のところは踏ん張り、効果的なシュートは許さずに逃げ切った。横浜FCは中野をボランチに入れて攻撃におけるダブルタスクを任せることにより、シャドーを1枚ゴール前での仕事に集中させるという攻撃的なシフトを敷いたのは面白かったが、押し切るまでは至らず。

 

2024 J1第9節 名古屋グランパスvsセレッソ大阪 メモ

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名古屋は倍井が出場停止。

セレッソは西尾が代表活動により欠場。

 

流れ

名古屋は永井がアンカーチェックスタートからCBに出ていく。セレッソはいつもどおり登里を内に入れた3-2ビルド。

名古屋のビルドアップに対してハイプレスを掛けるセレッソ。WGは外切りで寄せていく。

名古屋はゴールキックの際、三國を右のサイドの高い位置へ出して内田を低めに下げている?

永井と和泉がボランチ位置の選手を見ながらCBに出ていくか判断する。毎熊のところは比較的浮きやすい。山中が出ていくと最終ラインが全体的にスライドする。

名古屋は永井と和泉の2トップで5-3-2っぽいセットの仕方で組んでいる。登里と毎熊のタスクが違うため、そこの左右の守備基準の違いででそういう形に見えるのかもしれない。

名古屋は永井を最前線に残してカウンター準備をさせる。

名古屋は3トップがボランチ位置の選手を管理しつつ、開いたCBとSBの前進もけん制。ボランチはIHのマークがベースで、ボールサイドの縦パスコース消しとWB裏もケア。各選手の守備タスクが多い印象で、はっきりと誰にアタックするかが定まりにくいぶん、プレスはあまり掛からない。ただ、中盤より前の選手で多くの相手選手を管理することで最終ラインはズレにくくなっているか。

永井はボールサイドのスペースに流れて深さ作り。

名古屋は相手CBをほぼ捨てて後ろの思考の負担を減らすことで最終ラインがズレることが少なく、ゴール前を崩されてはいないが、必然的にラインが下がり、奪う位置も低くなる。セレッソはカウンタープレスですぐに奪い返しにくるので、スペースに流れる永井まできっちりつなげないと押し返せない。自陣で被セットプレーの機会も増えるので、事故のリスクは高まる。まずは守備で崩れないことを優先しているのかもしれないが、かなり消極的に映る戦略。

26分、名古屋がトランジションから永井をスペースに走らせてゴールへ向かうもオフサイド。名古屋はゴールへ向かえたのはおそらく初めて。現状、この形しかなさそう。

27分、名古屋交代

吉田→河面

吉田は負傷の様子などは見られなかったので、おそらく戦術的交代。30分を前に早くも手を打つ。ということは、重心が下がっている戦い方は不本意なのかもしれない。

山中が毎熊のところまでプレスに出ていくようになった。後ろから出ていくのではなく、かなり早い段階から前に出て完全に捕まえに行く。明確に守備のやり方を変えた。可変式の4-4-2プレスみたいなイメージ。

名古屋はチェイスの強度を上げてかなり深い位置までプレスに出ていくようになり、奪う位置を高くできている。全体のバランスが崩れてでもまずはプレッシャーを掛けるというプレー選択の判断に切り替わった。

永井は基本的に右流れが多い。左にボールがあるときはファーサイドターゲットになるタスクか。

名古屋の3-2ビルドをそのまま3トップとIHではめ込むセレッソ。セアラの強度を高めたチェイスで奪取する。

名古屋が選手交代から守備基準を変えたときは少し押し返しを見せたが、徐々にセレッソがペースを取り戻してシュートまでいく流れを作る。

名古屋は森島と稲垣を入れ替えることでプレス基準のずれを作ろうとしているが、入れ替わりが早すぎるので、ただいる人が替わっただけになって、セレッソはそのまま捕まえればOKになっている。

名古屋が前から人を捕まえにくるため、セレッソはセアラを目指したフィードで押し上げてから奥埜にセカンドを回収させる。名古屋はボランチも人を捕まえて前に出ていくので、セカンド回収部隊に人数を割きにくく、中盤にスペースが空く。

 

序盤は名古屋が最終ラインをほぼほぼ捨ててボランチケアに意識を向けたぶん、重心が下がり、セレッソが敵陣保持の時間を増やして攻める。名古屋は最終ラインがズレにくいため、大きく崩れるまではいかなかったが、PA近辺でシュートを打たれたり、セットプレーを多くとられたりとゴール前ではね返さなければならないシーンが増えて、ストレスはあったように感じた。攻撃ではトランジションから永井をスペースに走らせた単騎突撃のみに終始。守備を優先していたのかと思いきや、30分を前に選手を替えてプレスに行き始める。そこからプレッシャーを掛けて高い位置で奪えるようになり、攻撃の形を作れるようになるも、セレッソも徐々にアジャストしてロングボールをうまく使いながら前進手段を確保。サイドで仕掛けながらゴールへ向かった。名古屋が消極的な立ち上がりから方向転換してペースを引き寄せたのは良かったが、セレッソもさすがの対応力。セレッソのほうがゴールへ近づいていたため、スコアレスでの折り返しは名古屋のほうがありがたい展開に感じた。

 

後半

名古屋交代

山中→中山

中山が右WBに入り、内田が左WBへ移る。前半途中からの守備基準だとSH適性がある選手を左WBに入れたほうが良さそうだったので、そこの修正か。

52分、中山が内に入って登里を引きつけたところで外に稲垣が上がってきての折り返し。

名古屋はプレス時は内田が上がって毎熊まで出ていくが、一度突破されたら5バックで構える。

61分、三國に警告。

62分、セレッソ交代

奥埜、柴山→香川、ブエノ

64分、名古屋先制、1-0。CKからファーサイドでフリーになった和泉がシュートを打ち、こぼれたところを三國がプッシュしてゲット。

66分、セレッソ同点、1-1。名古屋のビルドアップをルーカスがカットして折り返し、セアラに届く前で三國がオウンゴール。触らなければセアラが押し込んでいただけなので、致し方なし。ロストが致命的だった。

67分、名古屋交代

内田、米本→パトリック、椎橋

パトリックが1トップに入り、永井がシャドー、和泉がWBに移る。

トップ裏に潜る田中はFWがプレスバックで見る構造になっていそうだが、パトリックがそこのタスクで若干遅れるので、セレッソはサイドから中につけるコースができやすい。

セレッソはルーカスのところで突破の形を見せているので、そこへオープンな形で届けたそうな雰囲気。

77分、カピシャーバに警告。

名古屋はなかなか押し返せなくなり、セレッソがプレスで奪って敵陣保持に持ち込み、カウンタープレスで二次攻撃に持ち込む。パトリックが生かせる展開にならない。永井が深い位置まで戻ってボール奪取に貢献しているが、そうなると前の押し返しのポイントが減る。

79分、セレッソ交代

カピシャーバ→山田

81分、名古屋勝ち越し、2-1。ハーフウェイラインあたりからのFKからパトリックが競り勝って落とすと永井がボレーで合わせてゲット。苦しい流れになっていた名古屋がなんでもないセットプレーからこじ開けた。ずっと空気になっていたパトリックが大仕事。

84分、セレッソが中央のコンビネーションからセアラが抜け出してシュートも枠外。ビッグチャンス。

84分、名古屋交代

永井→野上

野上が右WBに入り、中山が左WB、和泉がシャドーに移る。

87分、ハチャンレに警告。

中山は大外を埋めるというよりも、上がってきた毎熊をマンツー気味で見ているか。河面がSBっぽいポジションから大外に張るルーカスをマークする。

92分、山田のインスイングクロスに毎熊とセアラが飛び込むも合わず。

93分、森島に警告。

名古屋は完全に1点リードを守る姿勢、セレッソは前がかりになって1点を取りにいく。

 

名古屋は前半途中からの形のまま、選手の入れ替えでいくらか攻撃的なバランスに調整。プレスでラインを上げることで奪えるシーンが生まれ、攻撃の形を作れた。そしてセットプレーから三國がこじ開けるも、直後にビルドアップミスから同点に。そしてパトリックを入れたあたりから徐々にボールを奪えなくなり、自陣で我慢の展開になった。永井が守備のサポートに入ることで中盤に穴を空けず、圧縮度を高められていたが、そのぶん押し返しのポイントが減り、セレッソの二次攻撃を受ける流れに。ただ、人数を掛けて守っている分、中央は堅く、ゴール前もはね返しが効いていた。セレッソは両サイドのWGの仕掛けとサイドの連係、狭いスペースで違いを作れるIHの質でこじ開けにかかったが、決定的なシュートチャンスは作れず。失点直後に強度高いプレスからのショートカウンターで1点は取れたものの、自分たちの時間を多く作った中でなかなか得点まで至れなかったことが痛かった。名古屋は2点目もなんでもないセットプレーからこじ開けており、難しい時間が多かった中で最終ラインが耐え切り、少ないチャンスを決め切ったことが勝因。

試合後コメントによると吉田の交代は「テンパっていたから」と、河面に体調不良があったことでベンチスタートにした意図があったとのこと、山中の交代は足の状態があまり良くないと自己申告してきたからとのこと。

 

個人的MOM

★永井 謙佑

殊勲の決勝点。前から追っていく守備に切り替えた際のスイッチ役としても機能。苦しい時間帯でも唯一の押し返し役として機能していた。

 

トピックス

ハチャンレが累積警告4枚目で次節出場停止。

 

2024 J1第9節 FC東京vsFC町田ゼルビア メモ

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町田は柴戸が出場停止で宇野が初先発。右SBは古巣対戦の鈴木ではなく、望月が初先発。また、髙橋も初出場初先発。藤尾と平河が代表活動により欠場。

東京は安斎が出場停止。松木、荒木、野澤大が代表活動により欠場。

 

流れ

東京のビルドアップにハイプレスを掛けていく町田に対し、仲川がボランチ裏に潜り込んでピックアップ。

町田は2トップがCBにアタックに出てきて、ボランチボランチにマークにつく中、仲川がボランチ脇に顔を出すことで、SBからのパスコースを作る。

東京は仲川を経由しながら町田のプレスをうまく外して前進できている。

右サイドが鈴木ではなくなったことで林が右サイドのロングスローも担当。

町田はサイドで持った選手が距離を稼ぐように縦に強引に突進していく。深い位置まで行ければロストしてもロングスローに持ち込める確率が高いという算段。

13分、町田先制、0-1。仙頭の左CKからファーでナサンホが合わせてゲット。町田は深い位置を取ってセットプレー攻撃、東京はプレス回避からのスピードアップで自分たちの時間を互いに作っていた中、最初にチャンスを生かしたのは町田。

19分、東京がPK獲得。ロングフィードで左サイドに展開してから、敵陣でスローインを獲得し、中央でのコンビネーションに持ち込むとドレシェヴィッチのハンドを誘った。

20分、東京同点、1-1。小柏がPKを決める。谷はコースを読んで触ったが、コースがギリギリ上回る。

21分、藤本に警告。

町田のビルドアップはいつもの仙頭の左下り。

24分、町田勝ち越し、1-2。最終ラインからのロングフィードに望月が抜け出し、クロスをニアでオセフンが合わせてゲット。仲川がGKまでアタックに出ていったところでドレシェヴィッチが浮き、そこからのロングフィードが起点になった。

東京は俵積田の仕掛けからカットインで中に入り、中央でのコンビネーションを狙う形が多い。遠藤は中央でフィニッシャー役に。

藤本がジャンプしてCBまでアタックに出ていった中、引きつけて浮いた白井にリリースする土肥。プレス耐性が高い。

36分、藤本がファウル。警告を受けている中、注意を受けて2枚目にリーチ状態。

38分、俵積田が仕掛けて縦に突破してクロス。小柏がマイナスで合わせるも昌子がブロック。望月と俵積田のマッチアップは俵積田に優位がある。

小泉がSB裏に走ってボランチをどかしたところに仲川が潜ってくる。

東京は大外に当てたときに連動して一人がSB裏に走る。町田はボランチがついてくる。

左サイドにボールがあるときはファーサイドPA角に望月が待機し、折り返し役になる。

 

町田のプレスに対して東京がボランチ脇に顔を出す仲川を経由することで前進経路を確保し、保持で形を作る。敵陣へ入ったら左サイドで優位性を作っている俵積田の仕掛けを軸に、中に入って行ってのコンビネーションを図るなどしてゴールへ迫った。ただ、町田もゴール前のところは両CBが砦として立ちはだかり、簡単には枠内へ打たせない。町田はいつもどおりオセフンへのロングボールで陣地を押し上げ、サイドで持った選手は縦に運んで深い位置を取り、セットプレーの流れに持ち込む。町田がCKから先制し、東京がPKで同点に追いつき、町田が一発の背後から望月→オセフンで勝ち越すといったスコアの推移。トータルで言えば東京のほうが主導権を握っている時間が長い印象だが、両ゴール前の“一歩”のところで町田が違いを見せたという感じ。藤本が警告を受けた上に注意ももらい、2枚目の警告まで1ファウルリーチという雰囲気で、林もこの日の判定基準にアジャストできていない雰囲気。どのようにテコ入れするか。

 

後半

町田が4トップ気味でCBから先の前進にけん制をかける。東京はGKを使ってやり直しながら2トップ裏のボランチへ届けようとする。

48分、右の大外で受けた遠藤がカットインしながらスルーパスで仲川が抜け出すも谷がカバー。

立ち上がりは町田のプレスにやや詰まっていたが、徐々にストレスなく持てるように。SHを一度押し下げると保持ラインを上げられる。

町田の4トップに対し、仲川が背後から2トップ裏に潜り込むことでワンクッションを入れて目線をずらし、町田の陣形を押し下げていく。また、CB→SBで相手SHの背中を取って前進。

59分、町田交代

ナサンホ→荒木

61分、俵積田のカットインクロスから遠藤が飛び込んで合わせるも枠を叩く。決定機。俵積田が再三カットインからゴール前にボールを供給している。

64分、東京交代

小柏→シルバ

小柏は負傷交代。右の腿裏をおさえている様子があった。

シルバが0トップ気味になったことで中央でタメができるようになり、追い越す選手を使う攻撃ができ始めた。

69分、町田交代

仙頭、オセフン→安井、デューク

オセフンは内転筋あたりを気にしているように見えたが詳細は不明。

72分、東京交代

俵積田、高→佐藤、原川

佐藤がトップ下に入り、仲川が1トップ、シルバが左WGに移る。

東京は町田のボランチにセットされる前にサイドから斜めのボールを前に送り、前線中央で起点作り、そこからの連係を図る。左サイドから前進し、2トップと右WGの遠藤が中央3レーンで縦に走ってラインを下げさせる。

87分、東京交代

バングーナガンデ→長友

 

町田が4トップ気味にして東京のビルドアップにけん制を掛け、東京はCB→ボランチで一発で届ける、SBを経由してボランチへ渡す、仲川が相手ボランチ前に出てきてワンクッション入れるなどして回避を試みる。CB→SBで相手SHを切ってそこから斜めのクサビを入れ、攻撃をスピードアップさせる形もあった。基本的には東京が保持して町田がブロック形成で押し返す展開。俵積田が積極的に仕掛けてカットインからゴール前にボールを入れ続け、遠藤や白井が押し込めれば、というシーンは作ったものの決め切れず。町田は最初はラインを上げて押し返しを図り、一度突破されたら割り切って全員が帰陣し、ゴール前を守る。特に両CBがつり出された際の対応が秀逸で、ノーファウルかつ前を向かせない寄せで外へ追い出して全体の帰陣を待ち、フォローにきたところで持ち場に戻る。東京はシルバのドリブルやキープでポイントを作って敵陣へ入る、セットプレーを取るところまでは行けたが、終盤はこれといってチャンスを作れずに終了。前節の東京ダービーの終盤とは違い、最後はなんとなく時間を過ごして負けてしまったような印象が残った。町田は多くないチャンスを得点に結び付け、守備も事故的に起きたPKの1点にとどめた。内容的には理想の試合運びではなかっただろうが、ポイントを抑えた戦いが勝点3という結果に。

 

個人的MOM

★昌子 源

ゴール前ではシュートブロッカーとして、プレス時には相手FWを外へ追い出す役として、守備を強固にした。1対1で相手が後ろを向いている際の追い出し方はいまだにJ1でも屈指。

 

トピックス

小柏が負傷交代。ハムストリングのトラブル。