2024 J1第1節 FC町田ゼルビアvsガンバ大阪 メモ
スタメン
キャプテンに就任した昌子はメンバー外。谷はガンバからの期限付き移籍だが、出場できる契約。
ガンバはジェバリがメンバー外。
流れ
25秒、左で縦に仕掛けて折り返すと後ろから仙頭が飛び込んできてシュート。DFにあたってギリギリ枠外に外れる。いきなり惜しいチャンス。
→CKから混戦を作って押し込みにかかる。セットプレーキッカーは鈴木準。
2分、町田の左からのスローインはロングスロー。スローワーは林。
3分、ロングスローのこのれをバスケスが狙うも枠外。
町田はミドルゾーンでセットしてからけん制をかける。ロングボールははね返して前に送る。相手がスローインにすればロングスロー、深くまで行ければCK、と相手のゴール前にひたすら送り続けて圧力をかける。ボールが地上にある時間を減らす戦略。
8分、町田が中央を閉めて仙頭の奪取からカウンター。平河が仕掛けて半田を抜き、クロス。中谷がなんとかクリア。
9分、仙頭に警告。山田への後ろからのチャージ。
ガンバは山田と坂本の2トップでチェイシング。
11分、ダワンが奪ってガンバが前に出ようとするも、右でロスト。林が時間を遅らせて奪うと、左にナサンホが抜けて折り返し。ガンバはなんとかクリア。立ち上がりは町田が守備を安定させながらセットプレーとカウンターでゴールへ迫る。
→折り返しがPA内で手に当たったところをオンフィールドレビューでチェックした末、PKの判定に。キッカーは鈴木。
16分、町田先制、1-0。鈴木が真ん中へ強烈に蹴り込み、一森も触ったが、パワーが上回ってそのままゴールイン。町田が自分たちのペースに引き込み、その流れで先制成功。
17分、キックオフのリスタートからロングボールで前線へ送り、競り合いの落としから坂本が抜け出してシュート。谷がブロック。なんでもないところからこの日一番のチャンスが訪れた。
町田の自陣撤退は4-4-2ブロック。CBを真ん中から動かさないように、SHはサイド守備にしっかり戻り、ボランチとSHでSB周りをサポートする。
20分、ナサンホが座り込む。ふくらはぎ近辺を痛めた模様。すぐに藤尾が準備。
22分、町田交代
ナサンホ→藤尾
ナサンホは負傷交代。
24分、ガンバの保持と町田のミドルブロック。2トップはプレスを掛けていくが、奪いにいくというよりも出所に制限を掛けていく感じ。
町田は柴戸がアンカー位置に入るビルドアップ。持てるときはCBが安易に捨てずにある程度つなぐ。
ガンバは保持はできてもなかなか急所にははいっていけない。逆にロストからカウンターを食らう場面が多く、ペースがつかめないでいる。
25分、左から平河のインスイングクロス。ファーでバスケスが合わせるも枠外。
31分、バックパスをさらった町田。平河が突破して折り返し。町田は相手の受け手の選手を確実に捕まえ、下げるしか選択肢がない状況に持ち込む。強く当たったことでファウルになっても敵陣でFKを与えるだけでリスクは少ない。
33分、半田がライン間で前を向き、スルーパスに抜け出した坂本がシュートを狙うも谷が詰めてブロック。狭いエリアでうまくプレーしてチャンスメイク。町田のブロックを崩すには、狭い場所を攻略するしかない。
35分、オセフンが背後に抜けて深さを作り、折り返し。ガンバはタッチラインへクリア。→鈴木のロングスロー。
37分、ガンバの縦パスの落としがズレて町田のカウンター。バスケスのラストパスは意図が合わず。
町田はSBが中盤外に出て、CBが横幅を広く取る。そこへ預けて2トップ脇から運び、詰まったら前線へロングボール。
39分、右を上がってきた鈴木のクロスをファーで平河が折り返し、オセフンが合わせるが、中谷がナイスゴールカバー。こぼれをバスケスがボレーで狙うも枠外。泣かないがカバーに入っていなかったらゴールだった。
42分、左からのロングスローのこぼれ球を仙頭がボレーで狙うもガンバがブロック。
43分、敵陣で平河が奪って藤尾へラストパス。コントロールショットを狙うも枠外。
46分、鈴木のクロスをオセフンが合わせるも一森の正面。
49分、一森がビルドアップに加わってロブパスを前につけるも町田が奪ってカウンター。SBが不在となったスペースからバスケスがクロスも中に合わず。ガンバは1つのパスミスがすべて被カウンターにつながるような状況。
ガンバは保持から、町田はカウンターとセットプレーからゴールを狙う戦略で、ガンバの保持と町田のミドルブロックという構図ができた中、町田が中盤での奪取からカウンターを量産。カウンターでPKを獲得し、先制にも成功した。ガンバは中盤の選手を動かして打開の糸口を探っていたが、ポジションを変える分、トランジションで空くスペースが生まれ、カウンターの起点を与えることに。町田はまずは全体のコンパクトさを崩さないことを前提としながら、中央を閉めて危険なエリアに入れさせないようにセット。そして、ボールを受ける選手に対しては前を向かせないように強くアプローチし、選択肢を後ろに限定させる。それによってガンバの選手はライン間や高い位置で前を向くことがほとんどできず、バックパスをするか、無理に前につけて奪われてカウンターを受けるという負のスパイラルにハマった。
シュート数は町田が13(枠内9)、ガンバが2(枠内2)と町田が圧倒。ガンバも2分の2で惜しいチャンスだったので、何もできなかったわけではないが、その2本以外はほとんどチャンスを作らせてもらえなかったと言っていい。敵陣で保持の時間を作り続けることすらできなかった。
後半
47分、鈴木準が前向きで奪ってクロス。平河がファーで浮くが、岸本が戻ってクリア。立ち上がりは町田がうまく入った。
50分、ハイボールのルーズボールから収めて落として鈴木準のミドル。枠内へ飛んだが、一森が好セーブ。強烈なシュート。
52分、黒川のクロスは谷がキャッチ。ガンバは久しぶりにゴール前にボールを送れた。
53分、一森のロブパスからアラーノが中盤を運び出してラストパス。岸本が流し込みにかかるもわずかに枠外。
54分、ガンバ交代
ダワン、坂本、岸本→ラヴィ、宇佐美、松田
松田はSHの位置に入る。
ガンバが少しずつ陣地を上げられている。ただ、町田もブロック形成に綻びは生まれておらず、陣形に崩れはない。
宇佐美はかなり自由に動き回り、降りてボールを受けに来る。
59分、仙頭に警告。2枚目の警告で退場。町田はここまで負け筋があまりないような展開だったが、残り30分以上を数的不利で戦うことに。
下田が交代準備。交代ができるまで藤尾が応急処置的にボランチの位置を埋める。
62分、町田交代
オセフン→下田
ボランチの場所を埋めるために前線を1枚減らす選択。
町田は4-4-1ブロック。前の枚数が減ったことで、プレスが掛け切れず、ライン設定はやや深めに調整。
PA付近では藤尾も中盤の前まで戻って守備に参加。トランジションでは前に人がいなくなるので、押し返しは難しい。
ガンバがアタッキングサードに入り、両サイドからのクロスを中心にゴール前に圧力をかけ続ける。町田は奪っても前に蹴るしかない状況。
67分、松田がアーリー気味にゴール前へ入れるも谷が処理。きわどいボールだった。
70分、ロングスローのこぼれだまから下田のミドル。一人少ないのもあってシュートで終わる判断は悪くない。
70分、ガンバ交代
半田→唐山
松田が右SBに入り、唐山が中央タスクの右SHに入る。
71分、バスケスが1人で右サイドを駆け上がって陣地を押し上げ、個人でファウルをもらってFK獲得。時間も使うことができる、数的不利の中で素晴らしいプレー。
73分、PA内での崩し、ラヴィのワンタッチで鈴木が抜け出して落とし、山田がシュートも枠外。
松田からのクロスで千本ノック。松田は相手の守備陣が定位置につく前にスペースへ流すようなクロスを意識的に入れている印象。
76分、谷のパントキックから平河が抜けだして下田が折り返すも一森がキャッチ。ここは時間を使えず。
山田がクロスに合わせるシーンが目立つ。中継役をこなしながらも、クロスが入るときにはターゲット役にもなっている。
松田が蓋をされたときには三浦がマイナスサポートでインサイドからクロスを入れる役。
バスケスはトランジションタメを作り、陣地回復、ファウルをもらって時間を作る役として非常に効いている。
81分、山田がライン間で前を向き、PA手前でFK獲得。
81分、町田交代
藤尾、バスケス→望月、藤本
83分、ガンバ同点、1-1。直接FKを抜群のコースへ決め切った。壁の一番高い望月の上を抜いて落とした。
84分、ガンバ交代
鈴木→倉田
望月はSHに入っている。平河が最前線で、藤本が左SH。
88分、宇佐美の仕掛けに対して望月が手で止めてファウル。PA手前左からFK。望月は黒川との1対1に続き、宇佐美にも抜かれ、対人で浮足立っている雰囲気。
町田は平河を最前線に置き、チェイシングとスピードで「あわよくば」を狙っている感じ。ただ、対峙する相手が三浦と中谷とあって、そんなに簡単にはいかない。
92分、谷に警告。遅延行為。
92分、山田のミドルは谷がセーブ。枠外だったが、しっかり反応した。
93分、ショートコーナーの流れからミドルシュート。こぼれを拾った山田が狙うも町田は複数人がシュートブロックに入り死守。
町田は割り切って全部クリアで逃げる。
96分、宇佐美が強引に左足で打つも谷がセーブ。
1人多いガンバが攻め続けるも、1-1からスコアは動かず引き分けで終了。
後半もおおよそ町田のペースで試合が推移していたが、ガンバも徐々にボールは持てるように。その中で仙頭が2枚目の警告を受けて退場。残り30分近くを数的不利で戦うことに。町田はそこまでピンチというピンチがなく、負け筋も少なかったが、対応によって状況は一変。前線の枚数を減らしたことでプレスをかけられなくなるため、ライン設定を下げざるを得なくなった。4-4-1でしっかりセットし、はね返し続け、バスケスの個人技などで陣地回復しながら時間を使う。ただ、終了間際に宇佐美のスーパーFKが決まり同点に。残りはガンバが押し切るか、町田が耐え切るかの勝負になったが、町田のゴール前の気迫が上回り、1-1で終了となった。
町田は11対11の時間帯はほぼほぼ自分たちの土俵に持ち込めており、守備の安定とチャンスの量産を両立。エネルギーが多少落ちても守備の強固さは維持できていた。それだけに60分での退場が大きく悔やまれる。
ガンバはスポットでのチャンスこそあったが、11対11のときには保持がまったくかみ合わず、ロストしてはカウンターでゴール前まで運ばれるという負のサイクル。相手に退場者が出ていなければ、かなり反省材料が多い試合になっていたのではないか。
個人的MOM
チャンスを決め切れなかったシーンもあったが、数的不利になった際の陣地回復とファウルを受けて時間を作る役割は素晴らしかった。彼がいなければもっと苦しい時間が長くなっていたかもしれない。
平河の単騎突破、オセフンの競り合いなど、ガンバ相手にも個人の特長が通用する部分を見せられたこともポジティブなところだろう。
ガンバは宇佐美の直接FKがスーパー。また、松田のクロスは町田の守備陣を嫌がらせていた。
トピックス
ナサンホが負傷交代。ふくらはぎあたりの筋肉系トラブルか。ふくらはぎ近辺にアイシングをしている様子が映った。→監督コメントによると内側側副靭帯だった模様。少なくとも次節は厳しいとのこと。
仙頭が警告2枚で退場。次節出場停止。
監督コメントによると昌子も負傷によるメンバー外とのこと。デュークは外国籍枠の都合によるメンバー外だった。
監督コメント
(※Jリーグ公式サイトから引用)
[ 黒田 剛監督 ]
FC町田ゼルビアにとって初めてのJ1の舞台になるため、果敢に臆することなく、精一杯奮闘しようと、前半から送り出しました。われわれとしては立ち上がりから攻勢が続き、セカンドボールを拾い、カウンターが有効に機能したことで多くのチャンスを作れました。PKで1点を取れましたが、その後も2本、3本と決定機がありながら2点目を取ることができませんでした。ただ、追加点は取れませんでしたが、理想どおりに前半を終えることはできたと思っています。「前半と同じような展開で後半に入っていこう」と選手たちには話しましたが、前方にボールを送るサッカーだけではなく、ボールを保持しながら攻める形も練習してきたので、恐れる必要はなく、試合を進められていました。ただ、早くに退場者が出てしまったことで前から規制を掛けることができずにミドルプレスに変更せざるを得ませんでした。また、時間の経過とともにリトリートする形に拍車がかかりましたし、あれだけ疲弊してくると、なかなか前に出ていくことが難しくなり、相手の攻撃を受けるような状況にならざるを得ませんでした。そして、無理をして前に人数をかけられない中で1失点してしまいました。1本中の1本で精度の高いFKを決めてくる宇佐美 貴史選手はさすがでした。そこにJ1とJ2の差を感じています。映像を振り返っても、壁がどうこうではなく、その上を行くキックは称賛を送るべきです。終盤は谷 晃生もファインセーブでチームを救ってくれましたし、退場者が出ながらも勝点1を取れたことをポジティブに捉えて、次節の名古屋戦に向けてしっかりと良い準備をしていきたいです。
--昌子 源選手やミッチェル デューク選手が欠場しましたが、その理由も含めて、今回の先発になった狙いを聞かせてください。
昌子に関しては、まだ公表していないですが、ケガでの欠場です。復帰に関しては、次の試合かそのまた次の試合になるか。いつ出られるかは分かりませんが、順調に回復しているので、今回は大事を取った形です。また、デュークの欠場に関しては、CBのアクシデントにより、チャン ミンギュを起用したことで外国籍がいっぱいになった影響です。デュークにとっては押し出された状況になりましたが、チームとしては調子が良かっただけに、試合の2日前から不運にもそういう戦いを強いられました。ただ、チームにとっては一致団結できる絶好機と捉え、誰が出ても素晴らしいクオリティーでプレーできるように練習を積み上げてきましたし、そのあたりは自信を持って選手たちを送り出していました。--途中交代となったナ サンホ選手の現時点での状況は?
診断はこれからですが、内側(側副靱帯)を負傷したため、少なくとも来週は難しい状況です。現時点ではまだ分かりません。
[ ダニエル ポヤトス監督 ]
リズムや激しさのある試合だったと思います。自分たちは苦戦する時間帯もありました。相手は前線にロングボールを入れてくるチームですし、それによって相手にとってはミスが少ないボールの動かし方になるので、なかなか自分たちの流れを作ることができませんでした。後半は両サイドハーフを中に入れて、SBも少し上げるといった修正をハーフタイムにすることで自分たちの流れを作れましたし、それが相手に退場者を出す展開につながりました。そして、ゴール前に迫るプレーも増えました。その中で宇佐美 貴史がチームを救うプレーをしてくれました。--町田がロングボールを多用することが想定される中で、うまく対応できなかった原因は?
答えはシンプルです。私自身もよく知っている藤尾 翔太を含め、そういったサッカーをするための個性を持った選手がいますし、それ以外のほかのことは考えずに徹底してくるチームです。ただ、時間が過ぎるにつれて、両CBが自分たちの仕事をしてくれたのは良かったと思っています。