スタメン
流れ
川崎は4-3-3配置。CBは大南が左、ジェジエウが右。SBは瀬川が左、佐々木が右。
芝が剥げている箇所が見受けられ、ピッチコンディションは良くなさそう。
山東は4-4-2セット。川崎は4-1ビルドに、IHがアンカー脇サポート。
3分、山東が中盤で奪ってからカウンターでシュートまで。橘田がルーズボールをコントロールして前に出ようとしたが、詰まってしまって奪われたところが起点に。パスやコントロールにかなり気を使わなければいけないピッチの状態なのかもしれない。
山東は基本的に奪ったら縦に速くゴールまで向かう戦い方。
6分、川崎が中盤ライン際でロストし、被カウンター。失ったときに4バックが晒されるシーンが散見され、リズムは悪い。
7分、山東がエリア外からミドルシュートもソンリョンがセーブ。一気に山東ペースになりつつある。
7分、CK守備から川崎のカウンター。マルシーニョが運び、ラストパスを山本が合わせるもバーの上。川崎は初シュート。押され気味で推移した中、マルシーニョの推進力を生かして怖さを見せられたのは大きい。
川崎は自陣では4バックの前に3センターが守り、その少し前で両WGがトランジション準備のようなイメージ。WGはサイドの深くまで戻り過ぎない。
11分、山東がハーフウェイラインあたりで縦パスを奪ってカウンター。ミドルシュートもソンリョンがセーブ。ソンリョンの出番が多い立ち上がり。ビルドアップやパス・コントロールで苦労している。
13分、家長が幅を取ってハーフスペースを縦に抜ける脇坂へ。折り返しでCK獲得。
15分、佐々木が低い位置からドリブルで運んで敵陣へ入るもその先がつながらず。
ピッチがボコボコで、パスがかなり弾みやすくなっているように見える。
16分、大南が持ち運びからパスを送るもカットされて被カウンター。山東はCBに持たせたところからの配球コースを狙って前向きで奪おうとしている印象。
山東はトップが1人完全に最前線で守備免除に近い形の4-4-1-1っぽくなっている。SHは大外のレーンを埋めるために最終ラインまで吸収されるようなシーンも多くみられる。
18分、エリソンがPA手前で個人技からシュートまで。スキルの高さを見せる。
19分、マルシーニョがSBを引きつけてリリースし、山本がその背後を使って抜け出す。CK獲得。ここまではWGとIHの連動ができると深さを作れている。
→インスイングCKをジェジエウが合わせるもGK正面。
23分、CK崩れからエリソンが個人でシュートまで。GKが好セーブ。エリソンは自分の形にさえ入れば際どいシュートまで持ち込んでくる。
→VARチェックを経てオンフィールドレビューでハンドチェックの末、川崎がPKを獲得。
28分、川崎先制、0-1。エリソンがPKを決めた。公式戦初戦で加入後初ゴール。
30分、エリソンに警告。プレス時に走路に入ってきた相手を倒したところのファウルが警告の対象に。
32分、川崎追加点、0-2。佐々木がドリブルで持ち運んだところを起点に、脇坂のクロスをマルシーニョがファーで合わせてゲット。大外が完全に空き、脇坂がそこへ完璧なボールを送り込んだ。川崎は立ち上がりこそ苦しんだが、相手の圧力が弱まって少ないリスクで前へ押し上げられるようになると、ペースをつかんだ。
35分、ポンシンリーに警告。瀬川への悪質なアフターチャージ。オンフィールドレビューも入ったが、警告のまま。
2点ビハインドになったこともあってか、山東の球際でのアプローチがかなりラフになってきている。
44分、川崎が自陣サイドでパスがピンボールのようにはね返ってサイドを抜け出されてクロスを受けるもソンリョンのビッグプレーでしのぐ。
山東のFWクリサンはかなり背負ったときのパワーが強く、背負われるとボールへアタックできない。
48分、マルシーニョの猛プレスバック。残り時間が少ないことも鑑みて、守備に戻る判断。
立ち上がり10~15分あたりは山東がプレスと前向きに奪ってのカウンターでペースをつかんだが、ソンリョンの好セーブもあって川崎がしのぎ切ると、その後は川崎のペースに。山東が守備のエネルギーを落とすと、少ないリスクで押し上げることができ、そこからはサイド起点のコンビネーションから深さを取るなど、ゴールへ近づけた。また、ある種ラッキーでもあったPKから先制に成功したことも大きく、その1点でメンタル的にも優位に立てたと言える。山東は2失点後から気持ちがワントーン切れた印象があり、途中からプレーに荒さが出てきた。クリサンのフィジカルは脅威だが、周りのプレーが単調になってきていることも含め、変なロストや事故が起きなければ川崎もそこまで慌てることはない展開になっていった。川崎はショートパスをつなぐスタイルなので、ピッチコンディションが悪いことはかなりマイナスに影響するはずだが、その状況でもピンチの時間帯をうまく乗り切って主導権を握れたことは大きい。
後半
後半立ち上がりは山東が前へ圧力をかけてゴールへ迫る。
49-50分、マルシーニョが強いプレスで蹴らせたが、オフサイドを取れずに押し込まれ、最後は右からのクロスにクリサンのシュート。ギリギリ枠外。川崎は落ち着かせる時間を作れずにいる。
51分、マルシーニョが背後へ抜け出し、GKを交わしにいくもGKがPA内ギリギリでブロック。ビッグチャンスも生かせず。
52分、ガオジュンイーに警告。かなり足をあげたスライディングがマルシーニョに入る。
山東は下りる相手FWにかなりついてくる印象。
54分、山東のロングカウンター。カザイシュビリが運んでゴールへ迫るも川崎DFが鵜なく対応して打たせず。
56分、山東交代
ウーシンハン、チェンプー→パト、フェルナンジーニョ
MF登録の選手を2人下げて、FW登録の選手を2人投入。
58分、右サイドでもったフェルナンジーニョが早速仕掛け、瀬川がファウル。瀬川には警告が提示される。後半はここまで川崎がやや守勢。
59分、マルシーニョが背後のスペースへ完全に抜け出すもGKを交わせずにロスト。またしてもビッグチャンスを決め切れず。
→その後山東がロングカウンターで左サイドからのクロスを頭で合わせるも枠外。一気にオープンな局面になった。
63分、川崎交代
山本→瀬古
66分、山東得点、1-2。川崎が右サイドでふたをできずに落としから中央へ運ばれると、薄くなったところからシュートを打たれて失点。山東は交代で入ったフェルナンジーニョが効果をもたらしている。
68分、山東が左からのクロスにパトが合わせるもミートせず。川崎は攻撃が完結し切れずにロストするとカウンターを受けるという悪い流れに。ゲームスピードが上がっているので、いかにテンポを落とせるかがポイントになるか。
川崎はボールサイドのWGを大外の深くまで戻らせてSHに近い守備をさせ、逆サイドのWGがやや前残りという守備バランスの取り方。
70分、川崎交代
マルシーニョ、エリソン→山田、丸山
エリソンは左のももうらを抑えて下がってきたが、軽いアクシデントがあったか。
丸山が3バックの左に入り、瀬川を左WBへ押し出す5バックに変更。家長と山田の2トップで5-3-2。
74分、山東が右の大外で持ったところから左足インスイングクロスをパトが合わせるもゴールは割れず。ソンリョンを中心に耐え凌ぐ。
川崎はラインが下がり、自陣で受けるような時間に。
78分、川崎追加点、1-3。ロングキックを山田が競り勝ってすらし、家長がPA内で抜け出してゲット。DFに体を寄せられたが、背中で抑えてしっかりとシュートを打ち切った。劣勢の空気感を変える大きな一撃。
川崎はローブロックでPA付近に人数をかけて守る。家長だけ最前線に残し、山田も中盤の守備サポートに加わる。山東はフェルナンジーニョを軸に、右からのクロスを軸に攻勢を強める
85分、山東得点、2-3。右からのクロスを上がってきたCBのジャジソンが頭で合わせてゲット。川崎はラインを下げて受けに回ったリスクが出てしまった。クロスの出所を塞げず、山東は枚数をかけたターゲットの強さを発揮できた。
通信機器のトラブルで5分程度中断。
89分、川崎交代
瀬川、佐々木→田邉、ファンウェルメスケルケン
両WBを交代。
90分、田邉に警告。フェルナンジーニョへのアフターチャージ。ファーストプレーでいきなり警告を受けた。
→フェルナンジーニョはももかんに入ったのか、足に力が入らない様子で一度ピッチの外に出る。一度様子は見たが、プレー続行不可能に。
93分、山東交代
フェルナンジーニョ→ミジチ
フェルナンジーニョは途中から入ってきたが、無念の負傷交代。
引き続き受けの時間が続く川崎。かなり割り切って守りに舵を切っており、このまま失点せずに逃げ切れるかどうかという時間の過ごし方。
97分、家長が足を攣った模様だが、プレー続行は可能。交代枠は残っていない。
家長に警告。座り込んだところが遅延行為ととられたか。
家長も自陣深くまで戻り、色気を出さずに1点を守り切りにいく。
後半は川崎が押される時間が続いたものの、リードは守り抜いて先勝。
2点リードで迎えた後半は山東の圧力をなかなかはね返せず、相手のパワーを自陣で受ける時間が増えた。その中でも前がかりになった相手の背後をマルシーニョは突き、2度のチャンスを迎えたが、それを決め切れず。突き放すチャンスを仕留めきれずにいると、1点を返された上、その後も圧力を受け続ける苦しい展開に。ただ、山田と家長が2人でなんでもないところから3点目を生み出して、悪い流れを一度切ることに成功。その後も押される展開になったが、なんとかその後の失点を1のみにとどめ、逃げ切った。
マルシーニョがどちらか1点でも決めておけばかなり楽な展開に持っていけたはず、というたらればはあれど、後半で試合のペースを落とせなかったことは反省材料の1つになった。とはいえ、シーズン最初の公式戦、かつ国外のアウェイゲームということを踏まえれば勝利という結果は十分と言えるはず。
個人的MOM
前半立ち上がりの苦しい時間帯で落ちついたセーブ、ビッグプレーでピンチをしのぎ、後半の押され続けた時間でも安定したハイボール処理やセーブで勝利をもたらしたと言える。シーズンの公式戦初戦で全体的にプレーの間隔調整や、メンタルの整え方が難しかったと思うが、ソンリョンが失点を防いだことによって、周りが徐々に自分のリズムにできたところもあったのではないか。
デビュー戦となったエリソンはいきなりゴールを決めたほか、個人でシュートに持ち込むなどポテンシャルを存分に発揮。同じく新加入の山本も悪目立ちすることなく、すんなりチームになじんでいた印象を受けた。
トピックス
エリソンが交代時に左ももうらを気にする様子を見せていた。離脱不可避というレベルには見えなかったが、違和感程度のアクシデントがあったのかもしれない。
山東のフェルナンジーニョが負傷交代。途中から入ってきてかなりアクセントをつけて存在感を見せていたが、1週間後に控えた第2戦での出場は間に合う？
