スタメン
札幌
宮澤がメンバー外に。
2試合欠場していた青木がメンバー復帰。
深井、駒井、菅野が負傷離脱中。
川崎
前節欠場の脇坂がベンチに復帰。
代表帰りも考慮してかチャナティップがメンバー外に。
負傷離脱していたダミアンと車屋がベンチに復帰。
ジェジエウ、大島、山村、マルシーニョが負傷離脱中。
流れ
川崎は宮代が左SH、山田が右SH、遠野がトップ下、家長が1トップという前線の組み合わせ。攻撃時はある程度流動的にポジションを変えている様子。
札幌は福森がボランチに入る。
3-4分、トランジションから川崎のカウンター。家長のクロスを山田が合わせるもソンユンがセーブ。結果的にオフサイド。
札幌は福森が左に下りる4-1ビルド。
5分、福森のミドルはソンリョンがはじいてCKに。川崎は自陣では4-4-1で構えて家長だけ最前線に残す。
6分、札幌先制、1-0。CKの流れから金子が縦突破クロス。ファーで待っていた岡村がヘッドで合わせてゲット。川崎は山根がクリアしようとしたが、上からたたき込まれた。
8分、1本のパスで浅野が背後に抜けて先に触るもソンリョンが面を作ってブロック。札幌ペースが続く。
川崎は家長がサイド制限役になり、遠野が中盤を捕まえるイメージの守り方。
12分、川崎が右サイドでのパス交換から遠野のミドル。札幌はリードできたこともあってか、そこまで激しくプレスを掛けに行く感じではない。
13分、札幌のビルドアップミスから川崎がカウンターも荒野が戻ってラストパスをカット。→その後札幌がカウンターで金子の仕掛け。最後は小林のミドルまで。
15分、福森が高い位置で奪ってショートカウンターに出かけるも浅野のタッチが大きくなる。
15分、中盤からのスルーパスに抜け出した山田がGKを外してネットを揺らすもオフサイド。札幌はボランチ2枚が前に出てきており、フィルター役がいなくなったところで縦に刺されたが命拾い。
両チームともに、トランジションからチャンスが生まれやすい展開。
18分、札幌の連続攻撃。CKの流れから金子が拾ってクロスをどんどん入れていくも川崎がはね返す。
18分、高い位置で奪って小柏の左足ミドル。札幌が立て続けにゴールへ迫る。
アンカー位置まで下りてくる家長に対して敵陣PA手前あたりまでついていく岡村。撤退したマンツー。
川崎は札幌のマンツーに手を焼き、前進がままならない状態になっている。
20分、小林が座り込む。メディカルが入り、×印を示す。
22分、中盤の大きなスペースで前を向いた遠野がミドル。
22分、札幌交代
小林→馬場
馬場がボランチに入り、福森が左CB、菅が左WB、青木がシャドーに移る。
24分、川崎同点、1-1。ソンリョンからのロングボールを山田が競り合って、ソンユンがしっかりクリアできなかったところを宮代が頭で押し込んだ。川崎はひょんなことから同点に。山田の粘りがきっかけを作り出した。
26分、札幌勝ち越し、2-1。青木がPA手前で時間を作ると、クロスを送って浅野が頭で合わせた。川崎守備陣も対応していたが、ピンポイントで合わせられてどうにもできず。札幌は嫌な失点のあとだったが、すぐに取り返した。
28分、田中駿が宮代との接触で痛む。逃げ場がない状況で足を巻き込まれ、靭帯系にダメージが行ったか。プレーは続行。
30分、福森のFKに田中駿が合わせるもソンリョンがセーブ。ドンピシャで合わせたが正面へ飛んでしまった。
31-32分、札幌が右サイドでの連係から崩して小柏が抜け出す。最後は菅がクロスも小柏が届かず。札幌は青木がボランチ位置まで下りてビルドアップサポートをするなどしており、川崎は捕まえにくくなっているか。
33分、後方からのクサビを小柏がワンタッチでスペースへ流して青木が走るも大南がCKに逃げる。札幌ペースが続く。
35分、札幌が敵陣での保持を続け、FK獲得。川崎は守備の時間が長くなっており、選手からはストレスを感じる。
39分、川崎同点、2-2。中盤で目先を変えてパスを交換しながら、背後へ抜ける山田へ。山田が福森とのぶつかり合いで勝ち、中に入ってきた山根に送って押し込んだ。川崎らしいテンポの良いパス交換で中盤へ入り、山田の裏抜けとパワーが生きた良いゴールに。札幌は中盤で捕まえ切れないと簡単に背後を取られるという構造上の穴を突かれる形。
42分、荒野に警告。ルーズボールの競り合いからファウルを犯し、ボールを蹴って遅延行為。どちらが対象になったかは不明だが、直前にプッシングを受けたところからメンタルをコントロールし切れなかったか。
45分、川崎の敵陣保持から札幌のロングカウンター。小柏→金子→荒野とつないでシュートもブロックに遭う。3対2に近い局面だった中、ちょっと詰まってしまい、川崎の帰陣が間に合った。
46分、川崎逆転、2-3。札幌が自陣でのロストから家長が運んでループを決め切った。不用意なところでのロストだったため、ソンユンはゴール前に戻り切れず。
序盤から30分過ぎまでほとんど札幌がペースを握ると言ってもいいような展開の中、リードで折り返したのは川崎。札幌は敵陣での保持の時間を増やして多くのチャンスを作る中で決め切れないシーンも多く、逆に川崎はそこまで多くなかったチャンスをしっかりと決め切った。判定があれば7:3、8:2くらいで札幌に分があったと思うが、一度のミスが致命傷につながっているのは大きな課題になっており、2点は自陣でのミス、1点は中盤をくぐられて自陣でのデュエル負け、と要所で踏ん張りがきいていない。
後半
札幌交代
福森→キムゴンヒ
キムゴンヒが最前線に入り、システムを4バックに変更？右から馬場、岡村、田中駿、菅の4バック。青木と荒野がボランチだが、青木は攻撃時にはシャドー的なタスク。可変なしの4-1ビルドに。
50分、川崎の疑似カウンター。山田が運んで宮代に渡すもパスが短くカットされる。
51分、中盤からのスルーパスに宮代が抜けてシュートも、岡村がブロック。札幌がボールを持つ展開になっていたが、川崎が効果的にゴールへ向かえている。札幌はシステムが変わっても、中盤の空洞化は変わらず。
52分、ソンリョンのパスミスを小柏がカットするもシュートまでいけず。
55分、札幌交代
小柏→西
西がボランチに入り、青木が左SH、浅野が2トップに移る。
57分、山田に警告。中盤から運び出した菅を後ろから倒した。
58分、札幌同点、3-3。菅がもらったFKを浅野が蹴ってキムゴンヒがドンピシャで合わせた。投入の効果を発揮したような高い打点のヘディング。
61分、田邊が自陣PA内で足を取られてロスト。金子が仕掛けたところで倒されてFK獲得。一気に札幌の流れになりつつある。
→63分、菅のパワーシュートは枠外へ。
65分、札幌が右からのクロスを金子が合わせるも枠外。札幌が保持から敵陣へ入っていく流れができつつある。
66分、川崎交代
宮代、遠野→小林、瀬川
小林が1トップに入り、家長がトップ下に移る。
67分、山根に警告。ルーズボールの取り合いでハイボールに対する足裏が対象になった。
69-70分、札幌がビルドアップからの解放で菅へ届け、縦への仕掛けからクロス。キムゴンヒが合わせるも枠外。川崎守備陣もマークにつけていた。
71分、川崎交代
橘田、山田→シミッチ、車屋
3バックに変更。車屋が3バックの真ん中に入り、元の4バックがそれぞれ左右に1つずつズレる形。3-5-2。
74分、川崎の波状攻撃。カウンターから小林が抜け出してのクロスから即時奪回を続けるもシュートまでは行けず。
76分、浅野のスパイクのひもがうまく戻らなくなり、一度ピッチを出る。札幌はあまり見ないアクシデントで一時的に1人少ない状況に。
77分、シンプルなロングボールでの競り合いでキムゴンヒがファウルを受けて時間を作る。1人少ない中で落ちつかせる好プレー。キムゴンヒ投入からロングボールの効果が出ている。
78分、ようやく浅野がピッチに復帰。
79分、ソンユンが自陣PA内でパスミスを犯すも事なきを得る。リスクをとってつなぎにいったが、あまりにも危険なロストだった。
80分、車屋に警告。判定へのいら立ちでボールを叩きつけた。
82分、菅→青木でニアゾーンへ入って折り返し。キムゴンヒのつぶれからのこぼれ球を荒野が狙うも川崎DFに当たって枠外へ。決定機。
82分、川崎交代
家長→ダミアン
85分、川崎勝ち越し、3-4。左からのクロスを瀬川が合わせてゲット。川崎はボールを持って押し込めている流れでゴールに結び付けた。札幌はスポットでインターセプトはできていたが、そこからすぐにロストしてしまい、押し上げられなかった。
87分、札幌がPA付近に人数をかけた攻撃で最後はキムゴンヒのループ。ビハインドになった札幌はリスク承知で前線に枚数をかけて攻める。
89分、金子が右で仕掛けて突破し、折り返しを浅野が合わせるも枠外へ。逆足の右だったこともあってうまくヒットせず。
89分、小林が座り込み、担架に乗せられてピッチの外へ。川崎は交代枠を全て消費済なので、残り時間は数的不利で戦うことに。
90分、札幌交代
青木、浅野→中島、トゥチッチ
川崎はダミアンが最前線に残り、トランジションでの時間作り役。それ以外はゴール前へ戻って守備。ボールを取ったらシンプルに前へ蹴っ飛ばして時間を使う。
札幌は簡単には放り込まず、一度サイドを経由してからより深い位置を取ってからクロスを入れる。
札幌が攻勢を強めるも川崎が逃げ切り成功。
後半は互いにチャンスを作り合った中、札幌がセットプレーから同点に追い付く。そこからは札幌ペースになるも、川崎も我慢。終盤に川崎が自分たちの時間を作り出したタイミングで瀬川がゴールを決め、これが決勝点になった。
札幌は攻撃面ではらしさを出せた一方で、守備では致命的なミスが多すぎた。チャンスの数を考えればもう何点か取れた、という言い方もできるだろうが、敗因は間違いなく4失点を喫した守備。非保持の構造上の穴を突かれるシーンは割り切らないといけないにしても、安易なロストと連係ミスがなければ2失点で抑えられていたはず。また、好調だった小林が負傷交代になったことは不安要素。
川崎は苦しいゲームながら、打ち合いを制して勝てたことが一番の収穫。また、得点力不足に陥っていた中で4ゴールが生まれたことも好材料。車屋、ダミアンと負傷者が戻ってきた一方、小林が負傷したことはネガティブトピック。山田、宮代というFWタイプを先発に入れながら家長1トップという布陣で臨んだが、次からはどうなるか。
個人的MOM
★山田 新
1点目、2点目のきっかけを作ったのは彼の体を張った頑張りから。SHという本職ではないポジションでの出場ながら、斜めに抜ける裏へのランニングや体を張ったプレーで前線にアクセントを加えた。
トピックス
小林祐が負傷交代。走っている際の着地で足を痛めたか。自力では歩いている。ここ数試合は数字も含めて存在感があっただけに離脱となると痛い。
小林悠が負傷交代。接触のないところで座り込み、担架で外へ。自力で歩けてはいるが、足を引きずる様子を見せる。
監督コメント
（※Jリーグ公式サイトから引用）
[ ペトロヴィッチ監督 ]
やはり今日の敗戦は私自身そうですし、選手もガッカリした敗戦だと思います。勇気を持ってプレスを掛けて札幌の戦いは見せられた。その中で１－０でリードをした。そこまでは良かったと思います。しかし、１－１になったときの失点も自分たちで相手に与えてしまったもの。ロングボールを拾われてあっさり決められた。その後も自分たちで良い形で得点をして再リードしたが、そこからまた相手に得点をプレゼントするような形で追いつかれてしまった。３点目も自分たちが失った中で、相手の40メートルのシュートが入ってしまった。やはりあのようにリードしながらも、そこから逆転されたのはショックだったと思う。
しかし、ハーフタイムに強い気持ちを取り戻して、３点目を取ることができたのは良かった。最終的には引き分けられていれば良かったが、残念ながら敗れてしまった。４点目を取られた後も全力を尽くして選手たちはやってくれた。
やはりああいったミスを繰り返してしまったならば、相手が大学生だったとしても勝つのは難しいだろう。もったいない失点をしていた。自分たちの力を証明できなかった。応援してくれたサポーターには申し訳ない気持ち。だが、強い気持ちを持って次の試合に挑みたい。
[ 鬼木 達監督 ]
アウェイにもかかわらず、たくさんの応援があったことで勝てたと思っています。試合のほうは先制点がなかなか取れない中で今日も最初に失点をした。ただ、そういった中でも我慢強く戦っていこうということを試合前から話をしていましたが、チームはそれを体現してくれたと思っています。もちろん先制点を取って、リードした形で進めたかったですけれど、我慢強く戦ったことで前半のうちにひっくり返したり、後半も同点にはされましたが、追い越すための努力をしてくれましたし、10人になっても最後までハードワークをした。それがすべてだと思っています。
－－家長 昭博選手を１トップで起用したが。
相手は守備の仕方が特殊なチームなので、それを外していくために彼の動きと、そこにどう連動していくか。その中で狙いどおりの得点というものを短い練習時間の中でも体現してくれたと思いますし、すべてがうまくいったわけではありませんが、多くの場面で狙いの部分を出してくれたと思います。ハードワークしないと成立しないシステムでもあったので、それをしっかりやってくれました。－－相手はマンツーマンで守備をしてきた。難しさもあったと思う。
ちょっとしたところですが、前に出せるタイミングで前に出さなければいけない。フリーの選手がいるのに、そこに出せなかったり、１枚はがれている状況で運べば効果的だったところで、それができなかったり、そうした部分はあった。ただし、ひっくり返す作業を途中からうまくやってくれたと思う。それをもう少し早くできれば違った展開になっていたと思う。
