スタメン
川崎
山村が出場停止でジェジエウが出場停止明け。
ダミアン、小林、車屋、登里が負傷離脱中。
湘南
前節で足を気にしていた石原は問題なく先発。
大野がメンバーから外れ、中野が初のメンバー入り。
流れ
川崎は3トップが3バックとGKまでプレスをかける。湘南は相手を前に引き出しておいてロングボールからのセカンド回収を狙う。
2分、右から左へ展開し、畑とタリクで深さを取ってCK獲得。
4-5分、湘南がハイプレスで高い位置で奪取。小野瀬の折り返しを町野が狙うも川崎DFがブロック。決定的なチャンスだったが、若干判断が遅れて川崎のブロックが間に合った。川崎は開幕戦に続き、自陣の深い位置で危険なロスト。
立ち上がりは湘南ペース。プレスとロングボールからの押し上げでリズムをつかむ。
川崎がパス交換で落ちつかせようとするが、湘南が素早いプレスバックで密集を作り、ボールを奪い取る。
9分、川﨑のビルドアップ。2トップで中央をプロテクトし、サイドへ誘導していく。
川崎はプレスをかけるときにSBを押し上げるため、湘南はその背後のスペースを狙っているか。
10分、タリクが連係からうまく左を抜け出して折り返し、大橋が受けるもコントロールが決まらずにラインを割る。
11分、湘南が丁寧なビルドアップからプレスをしっかり外して前進。左奥からクロスを送る。
12分、マルシーニョがスペースで仕掛け。湘南も素早く戻って遅らせるも、家長のクロス→宮代で惜しいチャンス。触れれば1点ものだった。
14分、山根を内側に入れるビルドアップ。
14分、宮代がポケットで深さを作ってマイナスのパスから崩しを図ったがつながらず。川崎が徐々に攻撃のリズムを作ってきた。
19分、畑が2人の間を縫って突破し、クロス。
20分、川崎の敵陣保持。左サイドに人数をかけて崩しを図る。密集を細かく崩そうとする川崎の得意技。
21分、素早いパス交換で湘南の目線をずらして大島のシュート。湘南もブロック。川崎の攻撃リズムが出てきた。
23分、左サイドからの細かいパス交換から家長の右足シュートまで。川崎は左サイドを軸にワンタッチパスで崩そうとしている。
27分、大橋が左で起点を作って、大きなクロスをファーに走ってきた石原が合わせるも枠外。
湘南は大橋がラインブレイク役、町野がトップ下気味に中継役と前後の役割分担。
湘南は自陣でブロックを組む際は5-3で構えて、2トップは攻撃へ切り替える準備も含めてか気持ち前目。
31分、川崎の波状攻撃。大南が奪ってからそのままクロスに持ち込んで宮代のヘッドまで。
32-33分、大橋が深さを作って小野瀬のクロス。川崎がファーでクリア。川崎はチャンスを作り始めているものの、湘南もしっかりと押し返し、どちらが主導権を握るという展開にはなっていない。
35分、CKの流れからソンリョンがキャッチに行くもキャッチミスであわや事故に。少し日差しのまぶしさがあったかもしれない。
38分、川崎が大島と宮代で起点を作ってスピードアップ。マルシーニョが折り返して大島が飛び込むも湘南がクリア。中央での連係が完璧だった。
39分、湘南がトランジションからチャンスメイク。タリク→大橋でスペースへ抜け出してシュートも大南とソンリョンのブロックでバーの上へ。その流れで大橋が少し足を痛めたか。一度外へ出てメディカルのチェックを受ける。湘南は一時的に1人少ない状態に。大橋は自力で歩けてはいるが、プレー続行は難しそうな雰囲気。
42分、湘南交代
大橋→平岡
大橋は無念の負傷交代。平岡がIHに入り、タリクが2トップへ移る。
43分、ソンボムグンがパスミスで川崎にチャンスが訪れるも宮代の左足シュートはソンボムグンがキャッチ、自分でしりぬぐい。
44分、右からのクロスにニアで平岡が合わせるもソンリョンが触ってバー直撃。決定機。ロングボールのセカンド回収から素早くフィニッシュまでつなげた。
45分、山根のクロスにマルシーニョが飛び込むも枠へ飛ばせず。
互いに攻め合ってシュートシーン、ビッグチャンスも多く作ったが、スコアは動かずに0-0での折り返し。湘南は素早いプレスと流れるような速攻、川崎は得意の細かいパス回しから打開を図り、チャンスを作った。互いに2~3点くらい決まっていても不思議ではなかったが、両チームのGKとDFの粘りも光った。湘南は献身的な守備と攻撃の深さ作りで貢献していた大橋が負傷交代となったのは無念。平岡を入れたのは、2トップの片割れには背後へ走る役を置きたいということで、そうなるとタリクが最適だと考えたのだろう。
後半
川崎交代
脇坂→瀬川
47分、舘に警告。左のスペースへ走ったマルシーニョに当たりに行ったが、一歩遅れて後ろからのチャージに。
50分、大島のFKを家長が頭で合わせるも枠外。
52分、ライン際のボールをクリアしに行ったジェジエウが足をひねって痛める。間接周りにダメージが行ったか。川崎は一時的に1人少ない状態に。
55分、川崎交代
ジェジエウ→松長根
松長根が左SBに入り、佐々木が左CBに入る。
58分、川崎が左を縦に進んでタッチ際に流れた家長がクロス。ソンボムグンがキャッチ。
60分、大南が上がって攻撃参加したところから湘南がカウンター。町野→タリクとつないでシュートまで。
60分、小野瀬に警告。松長根へのアフターチャージ。
62分、平岡が左奥に流れて深さを作り、ニアゾーンに入ってきた町野のシュートまで。川崎DFがブロック。
63分、湘南先制、0-1。湘南が素早い切り替えで波状攻撃を仕掛け、二度目の折り返しを受けた平岡が右足を振り抜いてネットを揺らした。チームとしてのトランジションのバランスも最後のフィニッシュもお見事だった。
66分、大島に警告。連続トランジションの激しい奪い合いから永木へアフター気味に蹴ってしまった。
67分、石原が落としたボールを受けた小野瀬から質の高いクロス。大南がギリギリで触ってCKに。触れなければフリーで打たれていた可能性が高い。
69分、こぼれ球を杉岡が思い切り振り抜く。遠目からでも期待感のあるシュート。
70分、湘南交代
畑、タリク→中野、阿部
ともに古巣対戦の選手を2枚替えで投入。
71分、川崎交代
マルシーニョ、宮代→遠野、山田
73分、川崎が素早い切り替えから速攻。山根のクロスは質が伴わず。
川崎は3-4-2-1気味のオーガナイズに変更。左から松長根、大南、佐々木の3バック。遠野が左WB。
川崎がボールを持って攻め、湘南は受けながらカウンター狙い。川崎はトランジションでもリスクをかけてマンツー気味につぶしに行くため、球際でどちらが勝つかで流れが変わる。
80分、川崎同点、1-1。2トップ裏で前を向くと縦につないでこぼれ球を拾った瀬川が冷静に流し込んだ。湘南はまず中央のパスコースを消せず、カットできたと思ったところのこぼれ球が相手の下へ渡ってしまった。瀬川は恩返し弾。
83分、永木が中盤で回収してラストパス。阿部が角度のないところからダイレクトで狙うもうまくヒットし切れず。
84分、瀬川に警告。永木へのアフターチャージ。
85分、川崎交代
大島→シミッチ
87分、湘南交代
舘→岡本
湘南は保持であまりリズムを作れなくなっている。途中出場の中野が周りとの連係やタッチ感度があってこない印象で、ロスト場所になってしまっている。
90分、左に流れた家長から連続でクロスが上がるも湘南守備陣がしっかりと対応。
91分、川崎の波状攻撃。松長根からのインスイングクロスは湘南がなんとかクリア。
93分、山根がダイレクトで入れたインスイングクロスに山田が合わせるも枠へ飛ばせず、
93分、中野が左で仕掛けてPA手前でFK獲得。
→94分、阿部のFKははね返されるも阿部がダイレクトで入れると町野が反応。しかし、合わせきれずにクリアに遭う。結果的にオフサイド。
終盤は川崎が勢いを持って攻め込みながらも湘南はカウンターで対抗。終盤に関しては川崎のほうが2点目に近かった印象もあるが、湘南の粘りも光った。どちらも「勝ちたかった」が強かったと思うが、「負けなくて良かった」も少なからずあったと思う。互いに内容には一定の手ごたえがあるはずで、あとは最後のフィニッシュ精度をもう少し上げられれば、勝ちに近づくと思われる。湘南は大橋、川崎はジェジエウを負傷で失ってしまったことはバッドニュース。
個人的MOM
★平岡 大陽
途中出場ながら多くの決定機に関与。足りなかった最後の質をもたらして先制点を奪取した。守備でも献身的なプレスが目立ち、攻撃では中継役、深さ取りと多くの仕事をよくこなした。
中盤のフィルター役として激しい守備を見せ、先制点をお膳立てした永木、粘り強い守備と迫力のある攻撃参加で目立った石原も高評価。
川崎はデビュー戦ながら上々のパフォーマンスを見せた松長根が高評価。大岩相手に起点を作るなど、山田も一定のパフォーマンスは見せられたが、チャンスで決められなかったところは次への課題になった。
トピックス
大橋が負傷交代。シュートの際の接触で足のどこかを痛めた模様。
ジェジエウが負傷交代。足をひねって靭帯系のダメージに見えた。
ジェジエウに代わって投入された松長根がJデビュー。
監督コメント
（※Jリーグ公式サイトから引用）
[ 鬼木 達監督 ]
まずスタートのところから、もっと勇気を持って戦うところを押し出せるように、そういうものを作り出して送り出せれば良かったと自分自身で思っている。相手のプレッシャーに少し逃げるところがあった。それに対してのやり方もいろいろあったが、そこも含めてマネジメントをしないといけない。球際のところであらためて勝負の部分が出てくる。そこをしっかりやっていきたい。ただ最後、選手が最後まであきらめずに勝点１を拾った形になったので、この勝点１を次のゲームに生かしていきたいという思いでいる。
－－ハーフタイムに瀬川 祐輔を入れてシステムを変えたが？
中央の作りのところ、もう少しいろいろなところでタメを作りたいというのがあって、アキ（家長 昭博）を真ん中にもっていった。あとはほかの選手のところでポジションをとりながらということで、変更を行った。－－得点は中央を使ってからの流れだったが？
ゴール前でもビルドアップでも、怖がらずにやることが一番重要なところ。もう１つは質のところをもっと突き詰めていきたい。質があったときはゴール前まで行ける。判断の質、プレーの質を両方持ち合わせられれば、得点シーンのような組み合わせが生まれると思っている。－－ジェジエウの状態について。
たぶんひざ（を負傷した）。検査しないと分からない状況。
[ 山口 智監督 ]
前半の立ち上がりから、選手は自分たちのストロングとやるべきことを理解して、相手の良さを消すことを前面に出してくれ、チャンスも何度も作った。入りとしてはすごく良い試合になった。それを90分で勝ちにつなげられなかったのは反省で、良い試合をしながらももったいない。今日に関しては自分として選手交代で迷いもあったので、勝ちにつなげられなかった原因ととらえて、自分も成長しないといけない、そんな試合になった。－－ハーフタイムにはどんな声かけをした？
90分を通して勝ちにいかないといけないと。前半が良かったという話はしたが、それで終わらないように、トータル90分で勝つことを目指そうと話した。それと多少前半の守備、攻撃の修正は１つずつくらい入れて、後半に向かった。－－ここまで１勝２分という結果について。
選手に伝えているのは、34試合を終えてどうなのかということ。いまのところで負けなのか、３連勝なのかとかは考えていない。スタートダッシュすると掲げているが、34試合が終わった中でどうかということなので。捉え方が難しいが、あと34試合、自分たちのスタンスでコツコツできるか。３試合がどうだったかというのを振り返る余裕もないし、次に向けて今までの良いところ、悪いところを振り返る作業をしていきたい。その意味では楽しみなところが多い。結果に一喜一憂するよりも、結果を自分たちで引き寄せる、勝てるチームを作るのはそういうことかなと思っています。
－－平岡 大陽が途中出場でゴールをマークしたが？
彼は攻守において前への推進力がある。大橋（祐紀）にアクシデントもあったが、プランとしてあったところを最大限出してくれた。今日は途中出場となって悔しさがあるだろう中で、よりゴールへ向かっていった。それを求めていたので、結果につながったのは彼も自信になったと思う。彼にも、まだまだ乗り越えないといけないところはある。１つ良い経験をして、今日のように自分の良さを最大限出せれば、ああいうのパフォーマンスが出てくると思う。常に要求してやっていければいい。
