流れ
3分、後方からのビルドアップで東がライン間を取って運ぶ。京都が後ろからのチャレンジでファウルになり、東京がFK獲得。比較的蹴り合う展開だった中、足元でのつなぎで前進成功した場面。
5分、京都のビルドアップ。東京は東が中央をプロテクトしながら人を当てて、サイドへ誘導していく。ただ、SBの縦スライドがワンテンポ遅いような印象も。
6分、俵積田が仕掛けてポケットを取りに行くも、京都DFが対応して蓋。
7分、ディエゴが中盤でタメを作ってからパス交換で前に出ていき、シュートまで。やや角度がなくなった。少しずつ東京がペースをつかみ始めているか。
8分、東京のビルドアップに対し、3トップで最終ラインにプレスを掛け、中盤はマンツー気味でマークにつく京都。
京都は、プレスを強めに受けたときはシンプルに前線へロングボールを入れる。ただ、山﨑以外はそこまで競り合いに長けていないので、東京も回収には困っていない。
ここまでで京都がチャンスに持ち込めそうな局面は、高い位置で奪ってからのショートカウンター。
12分、東京がトランジションから相手陣へ入り込み、連続攻撃。ある程度回収して前に運ぶ計算がたち始めており、あとはどれくらい効率的にゴールへ向かえるか、という状況。
13分、ディエゴの懐キープからスルーパスに松木が抜け出すも、タッチが大きくなり、ソンユンが飛び出して処理。GKの好対応。
15分、東京が積極的にプレスを掛け、左サイドで奪い取るも、コントロールし切れず。京都は前進手段がなくなっており、東京が高い位置で主導権を握る時間が増えている。
16分、京都のゴール前の攻撃から、東京が奪ってカウンターを発動。ただ、中盤でのパスがズレて完結ならず。京都も個人での剥がしからシュートチャンスまであと一歩まで迫った。
18分、東が中盤で引き取ってスルーパス。俵積田が抜け出すも折り返しはDFに当たってCKに。森重の逆サイドへ展開するパスで京都の陣形の穴をうまく突いた。
19-20分、森重→白井とつないでクロス。はね返しのこぼれを渡邊がシュート。東京の時間が続く。
22分、飲水タイム。序盤は東京ペースの時間が長く、京都は安定した前進パターンを見つけられなかった。東京は東が中央をプロテクトし、相手に蹴らせることで回収に成功。ビルドアップでもハイリスクは避けながらうまくサイドへ展開してクロスや仕掛けからゴールへ近づいていた。
25分、トレヴィザンに警告。トラップで前を向いた豊川へのタックルがアフターで入った。トレヴィザンは次節出場停止。
→26分、谷内田の直接FKは野澤大がキャッチ。
31分、前プレを掛けて中盤で回収し、ディエゴがスルーパスを狙うも受け手と合わず。ショートカウンターはなかなか決まらないが、前プレからの回収はかなりうまくいっている。
32分、京都の波状攻撃。2人の連係から中央突破し、最後はこぼれ球を豊川が狙うも松木がブロックしてCKに。京都にとってはここまでで一番のチャンスだったか。
34分、京都が右サイドの連係から深い位置を取ってクロス。京都は右サイドで深さを取って、大外からでもシンプルにクロスを入れる攻撃が多い。
35分、ディエゴが収め、俵積田からのリターンをダイレクトで狙うもクソンユンがクリア。
35分、東京先制。白井が右サイドの深い位置へ抜け出してクロス。京都のクリアがこぼれ、東が落とすと渡邊が冷静に流し込んでゲット。白井の抜け出しが生きたシーン。古巣対決で一仕事。
37分、左のスペースで受けた俵積田がシュートまで。枠へ飛ばしたが、クソンユンが好セーブ。
38分、東京の外切りプレスに対し、東の脇に1人下ろして中盤に起点を作る京都。そこから前を向いて前進成功。
39分、野澤大の不用意なパスから京都が速攻。アリークロスを豊川が合わせるもわずかに枠外。結果的にオフサイド。
42分、左からのCKをトレヴィザンが頭で合わせるもバーの上。可能性を感じるシュート。京都DF陣も体を寄せたことで自由には打たせなかった。
45分、中盤でフリーを作った京都がスルーパス。山﨑が抜け出してシュートも野澤大が好セーブで阻止。結果的にオフサイド。東京はプレスが掛かり切らず、中盤で前を向かれ、ハイラインの背後を狙われるシーンがいくらか増えた。
46分、金子に警告。前にプレスに出ていき、立て続けにファウルで止めたため、繰り返しのファウルが対象になったか。
京都もスポットで数回のチャンスは作ったものの、おおよそ東京ペースで進んだ前半。ハイプレスで回収を続け、保持でもサイドアタッカーをうまく使いながらゴールへ迫る回収を増やした。東が中盤の中央へのパスを遮断することで京都のビルドアップはサイドへ行かざるを得なくなり、そこから東京はフィルターを掛けやすくなっていた。また、京都がWGとSBを前に特攻させるプレスを掛けてくることから、大外の奥をうまく利用し、俵積田の仕掛けと白井の突破からのクロスを生かしてゴールへ迫れた。京都は相手のビルドアップを捕まえるために、積極的に後ろから人を押し出して圧力を高めたが、松木らにうまくファウルを誘われて、思ったように奪い切れるシーンは作れなかった。
後半
45分、福田がスペースに抜けてクロスを送るも森重がニアではね返してCKに。
46分、京都のプレスを白井が個人で剥がして前進。
47分、ディエゴのプレスバックからボールを奪い、俵積田が抜け出しかけるも井上がギリギリでタックルを間に合わせた。
49分、左からの大きな展開で山田が深さを取り、落としからシュートに持ち込むもトレヴィザンがブロック。
51分、下りるディエゴが縦パスを受けてレイオフから前進。
トランジションからややオープン気味の展開になってきた。
53分～、敵陣保持からカウンタープレスで即時奪回を続ける東京。
55分、ディエゴの中央キープからオープンアタック。渡邊に展開して折り返しがくるも、パスの精度が上がらず。最終的にCKに。
57分、東京追加点、2-0。CKの流れから最後は東がうまいコントロールからボレーでファーサイドネットを揺らしてゲット。ゴールへ迫るシーンを増やせていた流れで追加点を奪える理想的な展開に。
59分、東と渡邊の連係から右サイドを取ってクロス。完全に東京が主導権を握って攻めている。
61分、京都交代
山田、豊川→木下、原
62分、森重が運び出そうとしたところを木下が引っかけるも、森重がテクニカルファウルでプレーを切る。ロストの仕方は悪かったが、直後の対応はさすが。
64分、左サイドに人数をかけたビルドアップでスペースを取る東京。その後ロストするも、素早いカウンタープレスで回収。
65分、東京交代
俵積田、渡邊→アダイウトン、仲川
67分、飲水タイム。キックオフ直後は京都が奇襲をかけるようにゴールへ向かうシーンを作ったが、徐々に東京がペースを引き戻し、オープンな局面を作り出してチャンスを創出。セットプレーの流れから東のゴールで追加点を奪取した。その後も素早いカウンタープレスで主導権は渡さない。
68分、京都交代
山﨑、佐藤→三竿、パトリック
70分、京都が右サイドを抜け出してクロス。ファーでフリーになった三竿が合わせるも野澤大が弾き、パトリックが押し込んだボールは森重がゴールカバー。体を張った決死のディフェンス。京都はこの日一番の決定機。
73分、松木が一連のプレで痛めた模様。腿裏を押さえているのでハムストリングのトラブルか。
74分、東京交代
東、松木→塚川、シルバ
シルバがやや下がり目配置。プレスバックで中盤の守備サポートにも入る。
76分、井上がパスを出そうとした際に足首をひねり、負傷。担架に乗ってピッチの外へ。
78分、京都交代
井上→アピアタウィア
井上は負傷交代。京都は交代カードを全て消費。
81分、東京交代
ディエゴ→木本
5-2-3にシステムを変更。アダイウトンがトップ、左シルバ、右仲川の前線。
82分、シルバのカットインミドル。枠はとらえるが、GKの正面。
東京は後ろの枚数を増やしても前から守備に出ていくやり方は変わらず。京都は相手の選手が前に出てきたところでパトリックに放り込んでセカンド回収を狙う。
87分、東京が自陣深くで奪ってからロングカウンター。仲川が個人での運びで中盤を突破し、長友へ展開。クロスをシルバが合わせるもソンユンが好セーブ。質の高いカウンター攻撃。
93分、アダイウトンが背後に抜け出してGKと1対1に。ループで狙うも惜しくも枠外。
終盤は東京がゴール前を固めつつ、前線3枚で陣地を回復して敵陣で時間を使い、危なげなく逃げ切り成功。
多くの時間で東京が主導権を握り、1点目、2点目と自分たちの時間を作れているタイミングでしっかりゴールを奪うことができた。また、京都に訪れたチャンスでは、シュートブロックや野澤大の好セーブなど、体を張って泥臭く守り、戦術だけでなくキワでのプレーも効いた。とりわけ、前半から東がプレス時に中央をプロテクトすることで京都の縦のパスラインを遮断し、前へ蹴らせたことが安定した試合運びに大きく貢献。また、プレスを受けた際に森重がリスクを取りながら空いたサイドへ供給できたことにより、俵積田の仕掛けや白井の抜け出しを生かすことにも成功。前からのプレスが効いたことで最終ラインの負荷も最小限に抑えられ、カウンタープレスが機能したことで敵陣でのプレータイムが増加。プレスを抜けられてオープン局面の守備を強いられるシーンもあったが、対京都という面では攻守において理想的なプランに持ち込めたと言える。
