広島は体調不良者が多く出た模様で大幅にメンバー交代。頭数がそろわなかったからか、サブにも2種登録の選手が入る。
流れ
1分、広島がロングカウンター。3人程度が一気に縦に持ち運び、コンビネーションから最後はベンカリファがシュートも早川の正面へ。
広島が積極的にプレスを掛け、鹿島も「相手が出てくるなら早く攻める」という姿勢なので、立ち上がりからゲームスピードが上がっている。
4分、鹿島先制、0-1。樋口のFKを関川が合わせてゲット。GKが出られないギリギリのスペースへ送り込み、関川が首をひねりながらうまく合わせた。
7分、ベンカリファに警告。サイドを運ばれたところで深くまで戻って背後からチャレンジした。
8分、セットプレー崩れから樋口のミドル。
9分、高い位置で大迫のパスをひっかけて仲間のクロスに鈴木が飛び込むもギリギリ合わず。広島はやや不用意なロストでピンチを招いた。
立ち上がりは圧力を高めて入った鹿島が押し込んでペースを握る。
10分、広島がビルドアップから森島が出口役になって前進。越道のクロスまで持ち込むが鹿島がはね返す。
11分、柏→エゼキエウで左サイドを縦に突破して折り返しも、ベンカリファは打ち切れず。徐々に広島がゴールへ向かえるようになってきた。
15分、松本大からのフィードを越道がうまくコントロールし、折り返しまで。惜しいチャンスメイク。
両軍とも、相手FWをつぶしに来たCBのチャージがファウルになりやすい傾向。
19分、ピトゥカが右ポケットを縦に抜けながら受けて折り返し。CK獲得。鈴木がかなり下りてくるため、そこと入れ替わるように中盤の選手らが背後を狙う動きを見せる。
21分、高い位置で奪って森島のクロスまで。中には枚数がそろっていたが、鹿島もはね返しが強い。
22分、越道のサポートに入る東に対し、プレスバックでつぶす鈴木。かなり深い位置まで戻って守備に参加していた。
24分、越道が自ら倒れ込む。特に接触はなく、どこかを痛めたようなそぶりも見られないため、体調不良的なアクシデントの可能性。すぐに茶島が準備。
26分、広島交代
越道→茶島
28分、後方からのロングボールを鈴木がサイドに流れて収め、陣地を押し上げる。
30分、スローインを受けた土居がそのままシュート。枠へ飛ばしたが大迫の正面。
31分、広島が後方からプレスをはがしながら前進し、柏が左からの折り返しを狙うもブロックに遭う。
35分、中盤で受けた鈴木が強引に突破してラストパスを狙うも合わず。広島はプレスに行くのか構えるのかが中途半端になり、プレッシャーに行けないまま前進を許した。
36分～、広島の保持。鹿島は鈴木が若干前残り気味だが、4-4-2ベースで構える。広島は2トップ脇から前進を図りつつ、斜めのクサビなどからコンビネーションでの打開を図る。
37分、右サイドへ振ってから落としを森島がミドル。バーの上へ。
42分、後方からのロングボールをエゼキエウがうまく収め、個人でのキープと突破からシュート。早川が好セーブでかき出す。
45分、広島が波状攻撃。鹿島は苦しいながらもゴール前の人数はしっかり確保し、ブロックとクロスのはね返しは確実に対応する。
立ち上がりは鹿島がテンションの高い入りで一気に圧力を掛け、セットプレーから先制に成功。ただ、広島も徐々にペースを握り始め、森島の起点作りとエゼキエウのアジリティーなどを生かしながら陣地を押し上げて惜しいシーンを作り出した。40分以降あたりからは両WBが大外で仕掛けのそぶりを見せながら中央のコンビネーションでの打開を図ったが、割り切った鹿島の中央の堅さを崩すことはできず。鹿島は鈴木が個人でキープして起点になることで、一方的に押される展開にさせず、押し返すターンも一定数作り出した。ただ、前半の終わり際はけっこう押されており、それが割り切った作戦だったのか、それとも前に出ていけなかったのか、のどちらなのかによって印象は変わる。
後半
47分、広島がCKの流れから波状攻撃。ベンカリファの落としを野津田が右足で狙うもバー直撃。枠内へ収まっていればゴラッソだったが…。
後半の立ち上がりは広島が迫力を見せた。
48分、ベンカリファがPA内右でうまくターンしてシュートまで持ち込むも早川が好セーブ。
50分、鹿島交代
名古、土居→佐野、垣田
後半立ち上がりの苦しい展開を見てか、早めに2枚替えを決断。佐野がボランチに入り、樋口が右SHへ移る。
54分、広島同点、1-1。鹿島の攻撃から奪ってロングカウンター。野津田の奪取からトライアングルでうまくつないでプレスをはがし、ベンカリファ→エゼキエウで完全に抜け出すと最後は早川との駆け引きを落ち着いて制した。鹿島は関川→鈴木でうまく深さを作ったあとの攻撃でほころびが生まれた。
58-59分、鹿島のパスミスを奪って広島がカウンター。茶島が右に抜け出してクロスを送ると、ベンカリファがニアで合わせるも枠には飛ばせず。後半はほとんど広島が一方的にチャンスを作り出しているイメージ。鹿島もボールを持つ時間こそあるが、ゴール前に入る回数はかなり少ない。
61分、広島が相手PA付近でパスを回し続け、最後は茶島の左足インスイングクロスに森島が飛び込むも鹿島DF（広瀬？）が絞って対応。
かなり強い雨が降ってきた。
65分、広島が縦に速い攻撃。森島が柔らかいパスをファーへ送り、エゼキエウが強引にゴールへ向かうが、CKに。
65分、茶島のアウトスイングCKを中野がGKの前で合わせるも、やや高さが合わず、枠外へ。
66分、森島に警告。佐野との競り合いで後ろからシャツを引っ張って止めた。
67分、広島交代
ベンカリファ→ヴィエイラ
鹿島交代
仲間→藤井
70分、鹿島のロングカウンター。垣田が個人で収めたところから藤井が運んで最後は垣田が狙うもバーの上へ。久しぶりに訪れたビッグチャンスも決め切れず。
71分、鹿島交代
関川、樋口→昌子、荒木
73分、藤井が左から仕掛けて相手DFを置いていき、逆の荒木へ。ワンタッチでの折り返しを狙うもDFに当たってCKに。藤井の仕掛けがアクセントになり、鹿島にもチャンスが生まれ始めている。
76分、鹿島が中盤のパス交換でうまくスペースを突き、鈴木がシュートまで持ち込むも大迫の守備範囲。70分過ぎあたりからは鹿島のほうがチャンスの数が増えてきている。
76分、ピトゥカに警告。森島へのチャージ。
77分、エゼキエウに警告。切り替えからサイドを突破しようとした藤井を倒した。
79分、セカンド回収から二次攻撃で柏がインスイングクロスを送るも中に合わず。
83分、藤井が縦に仕掛けるも茶島がついていって突破は許さず。広島サポーターからは藤井に対してブーイング。
83分、広島交代
野津田→松本泰
鹿島は垣田がハイボールの競り合い役になれることなどから、鈴木が起点役以外にもこなせるようなバランスになっている。
86分、鹿島がセカンド回収を続けて押し込み、広瀬の斜めのボールを垣田が合わせるも枠外。結果的にオフサイド。
87分、エゼキエウの運びから柏→森島でポケットを取ったが、折り返しがうまくいかず。疲労が現れ始めているか。
88分、荒木のFKの流れから藤井のシュートは枠を捉えるが、大迫学かき出す。
93分、広瀬のクロスを鈴木がファーで合わせるも大迫が好セーブ。鹿島は最も惜しいチャンスだったかもしれない。
後半立ち上がりは広島が圧倒的に押し込み、完璧なロングカウンター完結で同点に。そこから畳みかけたが、追加点は奪えず、70分過ぎからは鹿島も押し返す。藤井の突破で縦への推進力が生まれ、セットプレーのチャンスも増えたが、最後のところはこじ開けられず。広島にもチャンスがあったが、こちらも最後のところのもう一歩が足りなかった。
広島に欠場者が多数出たことを踏まえれば、鹿島は勝たなければならなかった試合だと言えるはず。逆に広島も当然勝ちたかっただろうが、急造メンバーで鹿島から勝点1を取れたこと、そして内容にも一定の手ごたえがあったことは収穫になったと思われる。
個人的MOM
★野津田 岳人
中盤でのボール奪取と、攻撃のスイッチを入れるパスで存在感抜群。同点弾も彼の奪取とパス交換でのプレス回避が起点だった。右足で放ったシュートが決まっていれば勝利の立役者といえたかもしれない。
トピックス
ベンカリファは累積警告4枚目で次節出場停止。
