がちゃのメモ帳

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2022 J1リーグ第27節 セレッソ大阪vsサンフレッチェ広島 メモ

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スタメン

C大阪

清武が負傷明けでベンチ入り。

直近の24節で負傷交代した原川が欠場。

タガート、鳥海がメンバー外。

メンデスが3試合ぶりのメンバー入り。

丸橋が負傷離脱中。

 

広島

メンバーは前節から柴﨑→青山の変更のみ。

前節に続き藤井が欠場。

東、塩谷が負傷離脱中。

 

流れ

どちらも前へ前へ圧力を掛けていく立ち上がり。ホルダーはなかなか時間をもらえないので、アバウトなボールが増える。

4分、広島のビルドアップ。様子見か、野津田が最終ラインのサポートに入って4-1で組み立てる。

5分、鈴木が遠めからシュート。まずは一本打っておこうといったところか。

5分、ベンカリファがヨニッチからボールを奪うもファウルの判定。アグレッシブにアタックしていくベンカリファの特徴が出た。

7分、広島の組み立てに高い位置からプレスを掛けて回収するセレッソ。全体を押し上げて強度も高めている。

8分、トランジションが続いた流れで加藤が強引にシュートまで。どちらも高い位置から圧力を掛けるため、自陣でのパス交換は緊張感が高まっている。

8分、毎熊のクロスは大迫がキャッチ。

広島の3-2から流動的に動いてくる組み立てに対し、セレッソは4-4-2セットからプレスを掛ける。2トップが中央を閉めてSHの押し上げから全体が連動していくイメージ。

10分、茶島のカットインから左足クロス。セレッソDFが触ってCKに。

11-12分、CK守備の流れからセレッソがカウンター。最後は右で受けた為田が左足でのミドル。揺らしたのはサイドネット。

13分、セレッソのビルドアップvs広島のハイプレス。セレッソが松田からのクサビを加藤が受けて回避。そこからのスピードアップで為田のシュートまで。やはりこの日も松田は組み立てのキーマンになりそう。

14分、山中から早めにゴールへ送るが加藤には合わせられず。

広島が非保持でもトランジションでもかなり前に出てくるので、セレッソは後方のスペースを素早く使おうとしている。そのため、ゲームスピードは上がりがち。

15分、毎熊→松田で右のスペースをとってクロスまで。やや落ち着いてからはセレッソが主導権を握って進める。

16-17分、セレッソパスミスを拾った広島がショートカウンター。左からのクロスは西尾がギリギリでクリア。ファーサイドで1人浮いていたので、触れなかったら危なかった。

広島は森島とベンカリファがセレッソから見て右に誘導していくようなプレスの掛け方をしている。

21分、セレッソがSHを押し上げて相手のパスミスを誘発。セレッソはセットからのプレスがうまくハマっていて、広島は思うように敵陣でプレーできていない。

22分、飲水タイム。5分あたりからはセレッソのほうがペースを握っている印象だが、どちらもゴールまでのチャンスシーンはほとんどない。両者ともに前からプレッシャーを掛けていく意識と、縦に速く攻め切る意識が高いので、安いロストをすれば一発で食われそうな雰囲気。

24分、広島先制、0-1。広島がPA付近でパスを回し、柏のクロスを大外から入ってきた茶島が合わせてゲット。広島はなかなか敵陣でボールを持てなかったが、初めてのシュートをゴールに結び付けた。

27分、鈴木のスルーパスに加藤が抜け出しかけるも佐々木がギリギリでカット。レベルの高い攻防。

27分、セレッソの波状攻撃。松田→為田でビッグチャンスが訪れるも大迫が好セーブ。

30分、CKをベンカリファがニアで合わせるも枠外。直接狙うにはさすがに角度がなさ過ぎた。広島はCK時にアウトスイングのキッカーを選んでいる。

広島は森島と満田の左右が入れ替わった。意図的か流れの中で替わっているだけか。

森島と満田は左右が入れ替わっても、プレスのスイッチ役は森島のまま。

34分、セレッソが右のスペースを突いてクロスまで。

35分、サイドに出てきたボールにジンヒョンが飛び出して対応するも、森島に当たって事故が起こりかける。

ともに30分を過ぎてもハイプレスを続ける。セレッソのほうがクリーンに回避できている印象。

36分、松田からのアーリークロスを為田が合わせるも大迫の正面。ボールの質の高さでチャンスを作るも決め切れない。

39分、自陣からのロングパスに加藤が抜け出すも大迫がカバー。ヘッドで味方につなぐ。

39分、広島がPA内で混戦を作って満田のシュートまで。

40分、柏は左サイドの深い位置を取り、仕掛けからクロスまで。ファーに流れて合わず。

40分、ルーズボールを収めて抜け出そうとした加藤を野上が倒してファウル。警告が提示。

42分、セレッソが左サイドの奥へ進入して折り返し。ニアに加藤が飛び込むも、当てきれずに逆サイドまで流れる。セレッソは何度もゴールへ迫っているが、ネットは揺らせない。

 

スコアは広島の1点リードだが、かなりの時間でセレッソが押していて、惜しいチャンスも作ったが決め切れず。組み立てでは松田のところから、崩しでは為田のところで良い流れが作れているため、あとはシュートの質を高めればゴールは生まれそう。為田のシュートも「良いところへ飛んでいれば…」というものだった。組み立てもプレスも安定しているので、後半も同じことをやり続けることが大事になりそうか。

広島は前線が一発で点を取れる怖さはあるものの、なかなか自分たちのペースに持ち込めずに苦しんだ。特にプレスの局面で、ハメ切れずに撤退させられるシーンが目立つ。もし高い位置での守備を続け、敵陣でのプレータイムを増やしたいと考えるのであれば、もっとリスクを負って人をがっちり当てにいくくらいしないとセレッソの組み立ては妨害できなさそう。

 

 

後半

広島交代

野上→住吉

45分、広島が中盤で奪ってからカウンター。最後はベンカリファのシュートまで。前節でハットトリックを達成しているだけに、シュートを打ったときの期待感がある。広島はプレスから相手ボランチのところにスペースを与えてしまったが、CBが縦パスを読んでカットできた。

広島はシャドーの左右がスタート時のポジションに戻った。

47分、満田が左で連続切り返しからクロスを狙ってCK獲得。

51分、セレッソが高い位置で奪ってショートカウンター。山中のクロスを毎熊が受けるもシュートまでいけず。PA内で倒れるもノーファウルの判定。

51分、背後へ抜け出した満田がジンヒョンとの球際を制したあとに倒されるもノーファウル。こぼれ球を拾った森島がダイレクトでシュートを狙い、無人のゴールへ向かうが西尾がスーパークリアで阻止。広島は難しい時間帯でもひょんなことから質の高いチャンスを作れる力がある。

→満田とジンヒョンの接触の詳細の確認で、VARと交信。オンフィールドレビューの末、ノーファウルの原判定支持。5分程度中断した。直前の毎熊のPA内での接触と、この満田とジンヒョンの接触、どちらも微妙な判定が続いたことで、ややナーバスになるかもしれない。

57分、松田のサイドチェンジで山中が受け、左サイドから攻撃。為田が切り返しからクロスを狙ったが、ニアに走り込む選手がおらず。

58分、広島のプレスをていねいに外すセレッソ。敵陣までは運べなかったものの、少しずつ押し上げる組み立てができている。

60分、広島の縦に速い攻撃。森島が右のスペースに抜け出してラストパス。中央で1人スルーして奥に走り込んできた松本が受けてシュートを打つもジンヒョンの正面。

62分、セレッソ交代

毎熊、上門、加藤→パトリッキ、北野、山田

64分、広島が左サイドでの連係から突破を図るも、セレッソも粘り強くついていってクロスは上げさせない。

広島は柏が相手のSBを引き出して空けたスペースに松本が後ろから飛び出していく。

66分、広島交代

ベンカリファ→ヴィエイラ

67分、飲水タイム。立ち上がりは前半同様にセレッソがペースを握ってゴールへ迫っていたが、60分あたりからは広島もボールを持てる時間が増えてきた。ただ、それでもゴールへ近づけているのはセレッソのほう。広島はセットされた局面では、まだ打開策は見せられていない。

73分、満田とヴィエイラが2トップ気味でプレスにきたところを見て、鈴木が最終ラインのサポートに入ってビルドアップの安定化を図る。

74分、森島が右に抜け出してクロスを流し込むもセレッソがクリアしてCKに。

74分、セレッソ交代

為田、奥埜→メンデス、清武

清武はボランチベースのような位置にいるが、攻撃時には比較的自由に動いているイメージ。

76分、パトリッキが左サイドへ斜めに出てきてCK獲得。

77分、満田→ヴィエイラで背後を取りにいくが、セレッソがスペースを狭めて対応。

広島は何度もプレスに出ていくも、サイドからボランチへ入ったところを捕まえ切れない場面が目立つ。

78分、山中の大外からのクロスで混戦を作り出し、ルーズボールをパトリッキが競り勝ってヘッドで押し込みにかかるも枠外。

80分、広島追加点、0-2。自陣からのロングカウンターで満田がシュートに持ち込み、ジンヒョンがはじいたところを松本が詰めてゲット。1人追い越したことで満田にシュートコースが空き、ファーへのシュートに1人詰めているといった、多くの選手がサボらなかったことで生まれた得点と言える。セレッソは全体の陣容もかなり攻撃に寄せた中、リスクが裏目に出てしまった。ただ、ある程度は割り切らなければいけない失点。

82分、広島がロングカウンターから再び決定機。野津田が粘ってシュートまで持ち込むもブロックに遭ってCKに。

83分、広島交代

茶島→川村

川村が左WBに入り、柏が右WBへ移る。

セレッソがかなり前がかりになっているので、広島はボールを奪えれば一気にチャンスを作れる展開に。

86分、左サイドを抜け出した川村の折り返しをヴィエイラが合わせるもジンヒョンが好セーブ。そのこぼれ球を満田が狙うも枠外。

広島は安易に時間を使うのではなく、追加点を狙っていくプレー選択。

91分、松田に警告。川村へのチャレンジがアフターチャージに。累積警告4枚目で次節出場停止。

セレッソはゴールを取りにいきたいが、なかなか敵陣へ入れなくなってきた。前の人数を増やしたことで、後方の組み立てが安定しなくなり、終盤でも前からくる広島の圧を外せなくなっているか。

94分、自陣でのインターセプトから川村がシュートまで。バー直撃。

94分、北野→メンデスとつないでチャンスを迎えるも佐々木がブロックして大迫がキャッチ。

95分、広島交代

森島、松本→ピエロス、青山

99分、広島追加点、0-3。CKの流れから満田が冷静に横へ渡してピエロスがゲット。ジンヒョンが判断を見誤って飛び出してしまい、ピエロスはゴールへ入れるだけだった。

 

前半から60分あたりまではおおよそセレッソのペースで進んだものの、ゴールを奪えずにいると、終盤は広島のペースに。勝点3欲しさに前がかりに出ていったセレッソの背後のスペースを突いた広島が追加点を挙げて試合を決めた。上位争いの行方を大きく左右するゲームは広島が勝利。スキッベ監督が「結果は3-0でしたけども、もう少し僅差が妥当な結果だったんじゃないかなと思います」と話すように、内容ではスコアほどの差はなかったようにも感じた。

セレッソはビルドアップもプレスも安定感と精度の高さを見せたものの、良い時間帯で点を奪えなかったことがすべて。また、タイスコアで終盤を迎えられれば、冒すリスクも最小限にとどめられ、2点目のような失点は生まれなかったかもしれない。

広島はやりたいことができる時間帯はいつもよりも少なかったと思うが、苦しい中でも少ないチャンスを決められたことで優位に進められた。終盤にカウンターが打てる展開になると、完全に自分たちの土俵になった。前線の選手を積極的に入れ替えるセレッソに対し、交代を後ろに引っ張っても運動量が落ちないのは強い。

 

個人的MOM

★茶島 雄介

少ないチャンスをしっかりと決め切った先制点、2点目につながる満田のシュートを“アシスト”したランニングで2得点に関与。メンバー外が続いた選手でもこのように結果に影響を与える選手が出てくるところに広島の強さを感じられた。

 

要所で防波堤になって守備を締めた佐々木、スピード感を持ったランニングで背後に脅威を与え続けた満田、ダイナミックな飛び出しで攻撃にアクセントを付け、貴重な2点目を決めた松本も高評価。

セレッソは攻撃の起点として機能し続けた鈴木と奥埜のボランチコンビ、多くのチャンスを作り出した松田が良かった。多くのチャンスを迎えた為田も存在感はあったが、決め切れていれば…といった印象に。

 

トピックス

松田が累積警告4枚目で次節出場停止。

広島はリーグ4連勝。消化試合に大きな違いがあるとはいえ、最大限のプレッシャーを掛けられている。

セレッソは前回対戦で広島に敗れて以来、8試合ぶりの黒星。

松本はボランチながら3試合連続ゴール。

ピエロスは加入後初ゴール。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 小菊 昭雄監督 ]
0-3という結果で敗戦してしまったのですが、失点するまではチームとしても攻守に素晴らしいパフォーマンスを発揮していたと思います。失点が、少し難しいゲームにしたと思います。2失点目、3失点目のところでは、バランスも崩しながら、リスクも背負いながら、重心を前に向けたのですが、相手の引き込んでカウンターというストロングポイントに沈んだ形で失点を重ねたところは課題です。どんな相手に対しても、はがしていく。ボールを奪う。そういったところは詰めていきたいです。

幸いにも、天皇杯でリベンジする機会がありますので、しっかりそこでリベンジしたい思いが1つです。もう1つは、成長するときには、このような悔しい思いや困難を乗り越えたときに、またチームとしても個人としても成長すると思いますので、今日の敗戦で、またチームとして強く、たくましく成長できるように、やっていきたいと思います。

--試合前日に話されていたように、「チームのレベルが1つ、2つ上がった」という言葉を体現する場面、時間も長かったと思うが、そういったプレーを広島相手にも出せた部分をどう評価されますか?
相手の試合巧者な部分に屈したところはあると思いますが、おっしゃるとおり、われわれとしても、個人としても、チームとしても、成長を感じさせてくれるプレーがたくさん見られたことはうれしく思っています。逆に課題が新たに出たところはポジティブに捉えて、全員で取り組んでいきたいです。

(課題を)具体的に言えば、リードされているという精神的な重圧の中、相手の強度もある中での技術ミス。コンビネーションのミス。そこはありました。良い時間を長く、リードを許しているときでもメンタル的に不安定にならずに。そこはわれわれの強みでもあったので、全員でブレずにやっていきたいです。

--リードされていることもあり、清武 弘嗣選手をボランチに近いポジションで投入されたと思います。パスのテンポが上がった一方、カウンターを受けて全体のバランスが崩れた部分もあったと思いますが、そういった現象をどう見ますか?
キヨ(清武)を入れて、ボランチの脇で受けて、攻撃のスピードアップを図りたい狙いがありました。ただ、2失点目をカウンターで取られてからは、時間の経過とともに焦りもあって、ロングボールも増えて、キヨの頭を越えていく場面もありました。そのあたりのチームの共有をしっかりやって、同じ絵を描けるように、リードされている状態での戦い方は共有していきたいです。

--広島には、アウェイでのリーグ戦に続く敗戦となったが、広島との対戦には難しさもありますか?
あらためて、いまのJリーグでも1、2を争う素晴らしいチームだと思います。その広島を相手に、今日の結果は0-3だったのですが、アウェイの試合よりもポジティブな面が多かったと思っています。先ほど申し上げたとおり、試合終盤、課題は出たのですが、チームとして良かった点も多く、ポジティブに捉えています。そのあたりはしっかりと修正して、全員の共有をもう一度図りながら、次の天皇杯で必ず勝利できるようにやっていきたいです。

 

[ ミヒャエル スキッベ監督 ]
本当にJリーグの中でも面白いゲームになったと思います。前半はセレッソさんがたくさんのチャンスを作り、自分たちの陣内でサッカーをやられる時間が長かったと思っています。後半は盛り返して自分たちのサッカーができるようになったと思います。最終的には3-0ということですが、それに値する試合だったと思っています。ただ、セレッソは長い時間、試合を支配していた。結果は3-0でしたけども、もう少し僅差が妥当な結果だったんじゃないかなと思います。

--前半はセレッソのゲームだった。ハーフタイムにどのような指示を出しましたか?
速くサッカーをやろうということを話しました。前半は自陣でのパスミスからボールを奪われてピンチを招くということが多かったと思います。ガク(野津田 岳人)と(松本)泰志がディフェンスラインに寄ってボールをもらおうとしてしまったために、すごく狭い試合になってしまいました。後半はそこのところが改善されて自分たちがすごく良いサッカーできるようになったと思いますし、後半から入ってきた住吉(ジェラニレショーン)に関しても素晴らしい活躍をしたと思っています。

--先制点を決めた茶島 雄介選手について。
チャジ(茶島)に関して言えば、前半に点を取ったところだけではなく、2点目もマコ(満田 誠)がシュートを打つ前に縦に抜けてくれた。彼が縦に抜けたためにマコがシュートを打てて、そこに対して詰めることができた。どっちの点にも絡んだ素晴らしい活躍だったと思います。