がちゃのメモ帳

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2023 J1リーグ第15節 ヴィッセル神戸vsFC東京 メモ

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FC東京

松木、熊田が代表活動により離脱中。

中村が負傷離脱中。ルヴァンカップで負傷交代したバングーナガンデがメンバー外に。

 

流れ

神戸は佐々木が2トップ気味になって4-4-2ベースで前プレをかける。

東京は森重からシンプルに前線の選手を目指すフィードを入れて様子を見ながらの攻撃。

5分、左で持った渡邊がファーへクロスを送り、仲川がダイレクトで折り返すも中には合わず。

神戸のビルドアップは、初瀬を少し高めに上げて本多が内に絞る右肩上がりの3バック化。

東京が最終ラインでボールを持つこともあり、高い位置での守備からリズムを作ろうとする神戸。保持ではバックラインで回しつつもシンプルに大迫に当てる形がメイン。

12分、武藤が徳元からボールを奪ってカウンター。トレヴィザンが大迫へのパスコースを消しながらタックルに出てシュートまでいかせず。好対応。

13分、右サイドでの連係から初瀬のカットインミドル。東京守備陣がブロック。徐々に神戸のペースになりつつある。

東京はディエゴがボランチを消しながらトゥーレルへアタック、WGが外へのパスコースを切りながら山川と本多へ寄せる。神戸は空きやすくなっている初瀬のところへどう届けるかがポイント。

18分、ショートコーナーから初瀬がインサイドで受けてクロス。中でトゥーレルが合わせるもわずかにバーの上。枠へ飛んでいれば1点もののチャンス。

19分、神戸先制、1-0。汰木が左サイドを縦に突破し、クロスを上げるとファーへ入ってきた武藤がボレーで合わせてゲット。エンリケがマンツーで大迫についていって空けたスペースに飛び込んだ。

22分、神戸がPA内でルーズボールを作り出し、大迫が反応して押し込みにかかるもスウォビィクがファインセーブ。神戸が一気に畳みかける展開に。

26分、東京がプレスをハメに行ったところでロングボール→大迫の落としで前進成功。神戸はリードしていることもあってリスクを掛ける必要がなく、相手が出てこなければショートパスでつなぎ、相手が出てきたら同数くらいになっている前線へシンプルに送って強さで勝って前進するというアプローチ。

30分、東京のビルドアップを神戸が高い位置で奪い、齊藤がそのままミドル。スウォビィクが好セーブ。完全に神戸ペースで試合が進む。東京はビルドアップがままならず、前線で起点が作れない。一方で神戸は高い位置での守備と大迫を起点にした前進が機能している。

35分、ロングボールを前線で収め、右から折り返すもディエゴには惜しくも合わず。こぼれ球をダイレクトで狙うもポスト直撃。折り返しのところも含めて東京はこの試合最大のチャンスだった。

40分、神戸追加点、2-0。神戸が前線からプレスを掛け、スウォビィクがサイドへ展開したところを前向きで奪い、初瀬の折り返しを大迫が合わせてゲット。東京は苦しくなったところで無理につなぎにいき、神戸の前向きの圧力をもろに食らった。全体的に人が前に出ていたため、ゴール前の人数も足りず。

43分、神戸追加点、3-0。神戸が中盤で球際の攻防を制し、ルーズボールを縦につけてカウンター完結。武藤がGKとの1対1を制した。

 

神戸が積極的に前線からプレスを掛けてハメに来るのに対し、東京が森重からのフィードでシンプルに前へ送り、セカンド回収から押し上げ、もしくは一気にゴールへ向かおうという攻めのアプローチ。一方で東京は3トップでパスコースを消しながら寄せていく守備で、神戸は浮きがちなサイドの選手を経由しながら前進を図る。人へのマークが厳しくなれば、前線が同数に近くなるので、その場合は大迫にシンプルに当ててセカンド回収から押し上げる。

神戸がクロス攻撃から先制すると、ボールを持って攻める必要が出てきた東京が多少のリスクをかけるようになり、神戸のハイプレスからのショートカウンターが機能。一気に畳みかけて3点リードでの折り返しに成功した。

東京はここ2試合でリスクを考えたプレー選択で手堅く勝点を取ってきていたが、齊藤と山口の中盤強度の高さ、大迫、武藤のフィジカルの強さを前に簡単には1対1で上回れず、思うように試合を運べなかった。

 

後半

東京交代

東、渡邊→青木、塚川

塚川がそのまま左WGに入る。

60分あたりからかなりオープンになってきた。東京が配置を自由に動かしながらボールを動かすので、トランジションで中盤に人がいなくなりがち。4バックが横並びでカウンターを食らうシーンが目立つ。

東京が敵陣でのプレータイムを増やす60分台。全体がかなり前がかりになり、最後方のリスク管理は2CBと青木の3人で行う。

神戸の前線からのプレスが弱まってきたことで、東京が保持から押し上げられるようになり、神戸がゴール前でブロックを敷く時間が増えてきた。

69分、神戸交代

山川→尾崎

山川は着地の際に足をひねった模様で負傷交代。

74分、神戸がカウンター。武藤が運び、汰木→武藤で折り返すも徳元が戻ってクリア。神戸は理想形のロングカウンターを1つ出して押し返せた。

77分、神戸交代

大迫、佐々木→パトリッキ、井出

パトリッキが右WGに入り、武藤が中央へ。

80分、東京交代

安部→ペロッチ

ペロッチとディエゴの2トップ、

84分、東京得点、3-2。汰木がPA内でハンドを犯し、得たPKをペロッチが落ち着いて決めた。

1点リードながら展開的に劣勢の神戸は高い位置で時間を使うプレー選択。

91分、神戸交代

汰木→リンコン

 

後半は終始東京が保持し、神戸がロングカウンターを狙う構図になった中、神戸の圧力が弱まったことで保持から安定して陣地を押し上げられるようになった東京が攻勢を強めた。アクシデント的なハンドも含め、2つのPKで1点差に迫ったものの、神戸がリードを保って逃げ切り成功。前半と後半でまったく異なるゲームになった印象ではあるが、テンションを上げた前半で一気に畳みかけた神戸の戦略勝ちと言える。東京もスコアだけ見れば「惜しい」と言えるかもしれないが、流れの中からゴールに迫れたシーンは多くなく、スコアの見た目よりも内容で課題が残ったように感じる。

また、東京は前節の鹿島戦に続き、CBが持ち場を離れたことによるクロスからの失点を喫していることが気掛かりなポイントの1つ。