がちゃのメモ帳

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2023 J1リーグ第12節 北海道コンサドーレ札幌vsFC東京 メモ

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スタメン

札幌

前節欠場の菅野が先発復帰。

キムゴンヒ、青木が負傷離脱中。

 

FC東京

東が累積警告で出場停止。

アウェイ連戦の中2日とあって、先発を7名変更。特別指定選手の安斎がリーグ戦デビューとなる先発起用。

中村が負傷離脱中。

 

流れ

札幌はいつもどおりマンツーマンで前線からハメていく。東京は中盤と渡邊が自由にポジションを変えながらズレを作り出そうとしているか。

立ち上がりはシンプルに前へ送っていた札幌だが、5分を過ぎたあたりから後ろでつないで組み立てる顔も見せ始める。

8分、札幌先制、1-0。渡邊が個人で剥がして打開しようとしたところで球際を作って奪取。最前線の浅野につけて1stタッチでDFを交わすと、そのまま流し込んだ。

東京がつないでくるため、札幌は前向きで奪えた時には一気にゴールを目指すプレー選択。

12分、金子が仕掛けてバングーナガンデを突破し、折り返しに小柏が合わせるも枠外。完全に札幌のペースで試合が進む。

東京は渡邊を自由に動かしながらも右の背後に走らせて深さを作るパターンが何度か見られる。

15分、松木のアウトスイングCKを森重が合わせるも枠外。

16-17分、安斎が縦に持ち出してマーカーを外し、陣地を押し上げる。マンツー攻略のために1対1ではがして突破する良いプレー。

東京は中盤の列落ちで札幌の選手を前におびき寄せてからのロングボールでセカンドを回収し、陣地を押し上げようとしているか。全体的にゴールへ急ぎ過ぎている印象で、ストレスなくボールを持てる時間が少ない。

23分、ロングボールから生まれたルーズボールを回収したアダイウトンが左足シュートも菅野が処理。

24分、3人の関係性で右サイドを崩した札幌がビッグチャンスもスウォビィクのセーブ。

アダイウトンが前向きでもって仕掛けるシーンが生まれてきた東京。札幌はマンツーで人が動かされるので、セカンドを回収されると中盤にオープンが生まれやすい。

27分、札幌追加点、2-0。背後からの配球に小柏が反応し、1つ内側へ入ってから折り返し。ゴール前には合わなかったが、ファーへ入ってきていた菅が強烈に蹴り込んでゲット。東京はオフサイドポジションにいた浅野に気を取られて反応が遅れ、ゴール前の対応で後手を踏んでしまった。

32分、アダイウトンのサイドチェンジから渡邊が抜け出してシュートも力なく、菅野が処理。

34分、札幌がトランジションからカウンターを仕掛け、福森がPA内で倒される。原判定はノーファウルだったが、オンフィールドレビューの末、PKの判定に。

37分、札幌追加点、3-0。金子がPKを決め切った。スウォビィクもコースは読んだが、キックのコースとスピードのほうが上回った。

41分、左サイドでの混戦からアダイウトンが抜け、最後は右に流れたボールを松木が右足で狙うもポスト直撃。東京はここまでで一番のチャンスだったか。

45分、東京が自陣トランジションから最前線に残っていた安部を背後に走らせるも岡村がカバー。札幌はスペースを空けている中でも、個人の守備範囲でカバーできている。

 

いつもどおりマンツープレスで前からハメに来る札幌に対し、東京は中盤を流動的に入れ替えながら前進を図ったが、札幌DFにはね返され続け、札幌がカウンターを仕掛け続ける。東京もロングボールのセカンド回収から押し上げるタイミングもあったが、ゴールに急ぐあまり安易にロストし、落ち着く時間を作れず。単発的にアダイウトンが仕掛けてシュートまで持ち込むシーンはあったものの、終始札幌がペースを握り、3点リードでの折り返しに成功。

 

後半

東京交代

安部、ペロッチ、渡邊→青木、ディエゴ、仲川

プレータイムコントロールの意図もあるだろうが、3点ビハインドの東京が思い切って動く。

47分、札幌がセットプレーのカウンターからファーサイドに荒野が飛び込むも合わず。

48分、札幌の波状攻撃。スウォビィクのビッグセーブで難を逃れる東京。

49分、札幌追加点、4-0。右で作り、PA内で密集を抜けると左でフリーになっていた菅が右足で流し込んだ。反撃に転じようとした東京にとってはダメージの大きい4点目。

52分、小柏がPA内右に抜け出すも折り返せずにゴールキック。札幌のペースが続く。

54分、東京交代

安斎→徳元

徳元がそのまま右に入る。

55分、自陣トランジションからアダイウトン→ディエゴでロングカウンターを狙うも、田中駿が戻ってカバー。CKに。

58分、金子に警告。足裏でのチャレンジがラフプレーになった。

札幌のエネルギーが落ちてきたこともあり、東京がボールを持てる時間ができてきた。

63分、札幌交代

小柏→ルーカス

ルーカスはそのままシャドーのポジションに入る。

69分、森重に警告。ルーズボール処理でボールを蹴りに行った際に延長線上にいた駒井も巻き込んでしまった。

東京は4-2-1のようなブロックを組みつつ、右は仲川が状況を見ながら戻ってくる守備の構築。アダイウトンは基本的に戻らず前目に残る。左サイドはボランチとトップ下でカバーし合う。

71分、右からのクロスを岡村が折り返し、田中駿が飛び込むもスウォビィクがブロック。チャンスはいずれも札幌に訪れる。

72分、東京得点、4-1。アダイウトンが右サイドを突破して折り返し、ファーでフリーになった仲川が押し込んでゲット。オープンな局面でようやくスムーズにゴールまで向かえた。

73分、札幌交代

駒井、宮澤→小林、馬場

東京は数分前からか、アダイウトンと仲川がサイドを入れ替えている。

76分、東京交代

アダイウトン→俵積田

俵積田が左に入り、仲川が右に戻る。

80分、バングーナガンデのクロスを松木が合わせるもバーに阻まれる。前半に続き、枠に嫌われるのは2度目。

82分、札幌交代

浅野、福森→トゥチッチ、中村

85分、東京の波状攻撃。仲川がPA内右をうまく潜って折り返し、エンリケのシュート→こぼれ球を森重がシュート。いずれも枠に収め切れず。

90分、札幌の速攻。最後はトゥチッチが狙うも枠外へ。

終盤はかなりオープンになり、互いに一気にゴール前に迫る展開。両ゴール前をいったりきたり。

91分、仲川がスペースに抜け出し、シュートを狙うも菅野が好セーブ。こぼれ球を詰めに行くも枠外。

92分、札幌追加点、5-1。オープンな展開から金子が仕掛けてゴールまで。ビッグチャンスが互いに多く訪れていた中、次の1点を決めたのは札幌。

 

3点ビハインドになり、3枚替えで流れを変えにきたFC東京だったが、早い時間で4点目を失い、そこで試合の結果はほぼ決した。時間の経過とともに札幌が落ちてきたことで徐々にボールを持つ時間を作って敵陣へ入り込めるようにはなったが、トランジションが頻発するオープンな殴り合いの末、その後1点ずつを取り合って終了。アウェイ福岡からアウェイ札幌の中2日で難しいスケジュールだったことはあったにせよ、各局面の攻防で勝てず、ゴール前での踏ん張りも利かずとなれば主導権を握ることは難しかった。札幌のフィニッシュ精度が上振れして確実に決めてきたことを差し置いても、スコアに差がつくことは妥当な内容だったと言える。

 

 

個人的MOM

★菅 大輝

フリーだったとはいえ、チーム2点目となったゴールのインパクトは強烈。逆足の右足でもゴールを決め、勝利を手繰り寄せる2点を記録。

 

トピックス

特別指定選手の安斎がJリーグデビュー。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ペトロヴィッチ監督 ]
先日の(前節・)鹿島戦同様に素晴らしかった。先日の試合でも立ち上がりに決定機があり、そこで先制点が取れていれば今日のような試合になったかもしれない。今日はそこで先に点を取れた。それにより、思いどおりの試合にもっていけたと思う。素晴らしい展開になった。ここ最近、選手たちが見せてくれているパフォーマンスは素晴らしいものがあると思います。敗れた試合を評価するのは難しいとは思うが、私は監督として結果だけでチームを評価していない。われわれはリーグで最も得点を取れているのではないでしょうか(※この試合が終了した時点でリーグトップ)。札幌がそうしたチームになったという、この変化は大きい。われわれの攻撃的なスタイルが成熟されている。私がニュートラルなファンだったならば、私は札幌の試合を好んで観るだろう。そのくらい攻撃的な試合を見せられている。

前半に3点をリードしたが、「後半も攻め続けよう」という話をした。リードすると守備的にしてカウンターに出るのがセオリーかもしれないが、われわれは前半と同じような姿勢で戦った。こうした試合を見せてくれた選手を誇りに思います。日頃から積み重ねているものを表現してくれた。積み上げてきたことがこうした舞台で出せたことをうれしく思います。

--菅 大輝が2得点。その評価は?
われわれのチームの戦いではポジションは関係ない。どこに入ってもコンセプトどおりにプレーをしなければいけない。なので、どのポジションの選手にも得点のチャンスはある。菅が2点取ったが、それがほかの選手に起きることもある。次の試合では馬場(晴也)が2点取ってくれるといい。

 

[ アルベル監督 ]
最初の数分間で流れが決まってしまったと思います。しっかりと集中した形で試合に入れなかったというのもありました。そして中盤でもボールロストがあり、それを札幌が生かしてインターセプトしていたという展開になりました。最初の15分ほどはもっと背後を突こうというゲームプランを立てていましたが、それがあまりできておらず足元でボールをもらうことが多くなり、そこでボールロスト。そういうことが続き、札幌の先制点、追加点が生まれてしまいました。

もちろんこの過密日程、遠征が続いた疲労も影響していたと思います。中2日という中で九州、北海道。回復がうまくできていなかったと思います。今まで何度もコメントしてきたとおり、J1はきっ抗したリーグです。それゆえ、どのチームがどのチームに勝利を収めても、敗退してもおかしくはない。だからこそ、先制点が試合の流れに大きな影響を及ぼします。今日は先制点、そして追加点も奪われてしまった。後半は前半の内容とはまったく違った形で立ち向かった45分間だと思います。複数の決定的なチャンスも作ることができていました。それが入っていれば、もっと違った展開になっていたと思います。やはり早い時間に先制点を取られてしまうというのは、許してはいけない部分です。修正して次に向かいたいと思います。サッカーではこういう試合もあります。すべてがうまくいかずに、相手のすべてがうまくいくという展開でした。

--ハーフタイムにはどういう修正をしたか。
まずはボールロストを減らすこと。そしてテンポよくボールを動かすということをあらためて確認しました。事前にゲームプランとして準備していたものではありましたが。1つの得点を取られてしまったことが、これほどまでにわれわれに影響を与えるようなことはあってはならないと思います。

--失点の仕方について。
サッカーというのは人生と同じようにメンタル的な状態がアクションに影響を及ぼします。物事がうまくいっているときは適切な判断やアクションを行える。一方で、うまくいかないことが続いている場合には、なおさら判断やアクションにミスが増えてしまうというサイクルが起こり得る。そして今日はそのような展開だったと思います。あらためて、最初の15分のところでの失点が試合展開、そしてわれわれのプレーに大きな影響を及ぼしたと思います。