2023 J1リーグ第9節 ヴィッセル神戸vs横浜F・マリノス メモ
スタメン
神戸
川﨑に替わってベンチ入りのリンコンが今季初のメンバー入り。それ以外は前節と同じ先発、サブ。
菊池、飯野が負傷離脱中。
前節と同じ先発。サブは上島、井上→エドゥアルド、吉尾の変更。
小池龍が負傷離脱中。
流れ
40秒、大迫がプレスバックから奪ってカウンターを仕掛けるも、汰木へのパスはつながらず。
神戸の非保持は4-2-3-1気味。
1分、マリノスの縦に速い攻撃。マルコス→エウベルの折り返しで素早くゴール前まで。
2分、右での作りから中に運んだ武藤から井出にスルーパス。ループで狙うもサイドネット。惜しいチャンス。
ゴールキックでつなぐマリノスに対して高い位置からプレスを掛ける神戸。
マリノスもハイプレスを掛けていくので、ゲームスピードが上がりやすい。
5分、大迫が収めて井出のシュートまで。神戸のほうが効果的にゴールへ向かえている序盤。
6分、山口のサイドチェンジから汰木が縦に抜けてクロス。
6分、酒井が右サイドを抜けてクロス。神戸が立て続けにゴール前へボールを送り込む。
大迫と井出はボランチ2枚を意識しながらCBへアタックしていく。
マリノスもプレスは4-4-2セットから。
12分、右で前進してから逆へ展開して初瀬のクロスまで。神戸は多くのクロスを供給しているが、マリノスもクロス対応はうまくできている。
ロペスが右の少し下がり目の位置で受けてポイントを作ろうとする市0んが増えてきた。
13分、マリノスの速攻。ロペスが中盤で前を向いてスペースのエウベルへ。深さを取ってから横につないで、最後はロペスのコントロールショット。神戸守備陣もブロック。
15分、神戸が自陣保持からうまくプレスをいなして右へ展開。クロスははね返されるも、高い位置で奪って混戦を作ると最後は汰木がフリーでシュートもブロックに遭う。ビッグチャンス。神戸は中が整っていなくてもアバウト目にスペースを狙ってクロスを入れてくる。
17分、永戸の直接FKを前川がはじき、マリノスが連続攻撃も神戸がクリア。
18分、神戸先制、1-0。本多が背後へ送ったボールに汰木が走る。対応した山根がバックパスで戻すも、一森が飛び出してきており、入れ替わるような形で抜け出した汰木が無人のゴールへ流し込んだ。本多のボールが絶妙だったという言い方もできるが、神戸はラッキーな形で先制成功。
25分、自陣でのトランジションから神戸がロングカウンター。酒井がスペースに抜けてクロスを送るも、精度が伴わず。
26分~、マルコスとロペスがライン間で受けて前進成功。連続攻撃からゴールへ迫るも、前川が好対応でかき出す。
28分、神戸追加点、2-0。自陣から陣地を回復して汰木が左サイドから仕掛けてクロスを送ると、ファーで大迫が合わせてゲット。
30分、齊藤に警告。
32分、マリノス得点、2-1。インサイドに入って受けた水沼が中央を通してロペスが流し込んだ。中央突破でマリノスが追撃。神戸はボランチの戻りが間に合わなかったところを突かれた。
マリノスが得点前後の時間あたりから息を吹き返したように攻めていく。
神戸は後方から大外に開く武藤や汰木へ届けようとしているが、オフサイドにかかるシーンが増えた。
43分、初瀬の展開から酒井が大外で受けてハーフスペースを抜ける武藤へ。クロスはクリアに遭う。
46分、畠中の縦パスを受けたロペスがライン間で前を向き、左へ展開。この日はロペスが相手ボランチ近辺で受けるシーンが多い。
47分、マリノス同点、2-2。水沼が右サイドで深い位置を取って折り返すと、バイタルへ入ってきた渡辺がコントロールショットをファーサイドネットに流し込んでゲット。ゴールから逃げていく軌道のシュートで、針の穴を通すように隅へ決めた。
序盤から神戸がゲームをコントロールし、ボールを持たれることを許容しながらトランジションと保持からの疑似カウンターでゴールへ迫り、2点を先行。その後も強固な守備を築きながら前線のタレントを生かす攻撃でペースを握っていたが、マリノスが一瞬の隙から中央突破で1点を返すと、前半終了間際に渡辺のゴラッソで同点に。自分たちに流れが来たタイミングで互いに2ゴールを奪い、タイスコアでの折り返しとなった。神戸としては途中まで理想的な展開に持ち込めていただけに、悔やまれる2失点。逆にマリノスは苦しい流れから一気に息を吹き返す2得点で気分よくハーフタイムに入れた。
後半
立ち上がりは神戸ペース。左の大外で待つ汰木に届けて仕掛けさせる。
47分、マリノスのビルドアップを奪った武藤が素早く折り返し、中で待っていた大迫がヒールショットでゲット。神戸が良い入りを見せた中、ハイプレスから相手の致命的なミスを誘発し、突いた。
→VARのチェックでオフサイドに。かなりギリギリの判定。マリノスは意図的にとれたものではなかったので命拾い。
神戸が4-4を内に絞ってくるため、マリノスはWGを大外で張らせて起点作りを図る。SBは基準ずらしでインサイドへ移動する。
52分、サイドチェンジから酒井が運んで最後は内で受けた武藤のシュート。神戸は前半同様、サイドチェンジからのスピードアップ、クロス攻撃を軸にする。
55分、ルーズボールを前向きで回収したマルコスがシュートまで。前半よりもマリノスがボール保持から前進ができている印象。
57分、マリノスが人を当ててプレスに出てくる中、山川→武藤の縦パスで前進成功。
61分、大迫のフリックから酒井が抜けて、逆サイドの汰木へ展開。角度が少ないところから狙うも一森が触ってCKに。ビッグチャンス。マリノスは人にタイトにつくぶん、1つ外されるとスペースを突かれやすい。
64分、セットプレーの流れから汰木が仕掛けて折り返すも一森が処理。
65分、山口に警告。ロペスへのタックル。ボールにいったように見えたが、主審の判断はファウルで警告。
67分、マリノス交代
水沼、マルコス、→マテウス、西村
マテウスが左WGに入り、エウベルが右へ移る。
神戸交代
井出→佐々木
佐々木が右SHに入り、武藤と大迫の2トップに。
69分、汰木のインスイングクロスに佐々木がファーへ飛び込むも永戸が体を寄せて打たせず。
70分、永戸のクロスは誰も触れずにファーへ流れて神戸のDFに当たり、ゴール方向へ向かうも枠外へ。互いにチャンスを作り合う一進一退の攻防。
73分、後方からのアバウトなボールに武藤が反応し、飛び込むも畠中が先に触ってなんとかする。
75分、神戸交代
汰木→パトリッキ
78分、齊藤のクロスを佐々木がファーで折り返すも中には合わず。
82分、マリノス逆転、2-3。ボールを持った酒井を3人で囲い込んで奪ったところからカウンター。マテウスが仕掛けてクロスを送り、中でロペスが合わせてゲット。
83分、右から左へ展開し、マテウスの仕掛けから西村の落としをエウベルが狙うも齊藤がブロック。マリノスがゴールの流れからイケイケに。
84分、神戸がロングカウンター。パトリッキが1人で運び出し、クロスを送るも大迫には届けられず。
84分、初瀬のクロスを武藤が合わせるもポスト。どちらにも決定的なチャンスが訪れるも決め切れず。激しい殴り合いの様相に。
85分、神戸交代
武藤→イニエスタ
マリノス交代
山根→エドゥアルド
エドゥアルドが左CBに入り、角田が右SBへ回る。
86分、右サイドで巧みに外して前進し、左サイドへ送ると最後は初瀬のクロスが角田の手に当たるもノーハンド判定。神戸が続けざまで惜しいチャンスを作り出す。
マリノスが攻撃的な姿勢を貫くことで、神戸がスペースをもらえて、攻めに出ていける。神戸が猛攻を仕掛ける中、マリノスが守り切れるか、もしくはとどめを刺せるか。
92分、マリノス交代
エウベル、ロペス→吉尾、杉本
マリノスが逃げ切り態勢に入らずにアグレッシブに前を目指したことから、終盤もゲームスピードが上がったまま進んだが、神戸もオープンバトルで刺しきれず、マリノスがリードを守り切って勝利。神戸は良い入りを見せた後半立ち上がりでゴールが取り消され、そこでスコアを動かせなかったことが痛かった。マリノスは選手交代で高強度を維持しながら前線のアタッカーが躍動し、攻撃の迫力を出せた。神戸も最後のところでブロックに入るなど、粘りを見せていたが、得点場面ではフィニッシュ精度が1枚上手。PA内でのハンド疑惑もあった中で、神戸は紙一重の勝負をものにできなかった。
個人的MOM
★アンデルソン ロペス
追撃の狼煙となるゴールと殊勲の決勝点で2得点の活躍。前半の苦しい時間で下りてきて起点を作るところでも効いていた。
トピックス
リーグ戦ではマリノスが対神戸5連勝に。
神戸は9試合目にして初の複数失点。
監督コメント
(※Jリーグ公式サイトから引用)
[ 吉田 孝行監督 ]
自分たちがやろうとしていることは出たゲームだと思います。ただ、勝点3を取れなかったことはサポーターの皆さんに申し訳ない思いです。やはり一瞬のスキを見せると、そこで仕留める力は持っているなという印象を受けました。自分たちも下を向かず、またホームでできますし、次勝点3を取って、サポーターの皆さんと喜びを分かち合いたいと思います。--後半途中から武藤 嘉紀選手を中に入れて、2トップにした狙いは?
少しFWでパワーが欲しいというところで中に入れました。--アンドレス イニエスタ選手の投入は、ある程度劣勢の展開というのがポイントだったか?
全体的にお互い我慢の時間というか、両チームとも難しかったのかなと思う。お互いにインテンシティーの高いゲームでしたし、バランスも崩したくない中で、なかなか交代のところはお互いに難しかったと思います。--約22,000人の観客が入ったスタジアムの雰囲気はどうだったか?
やはり良い雰囲気を作ってくれましたし、こういうゲームこそ勝点3が必要でした。ただ結果というものは帰ってこないので、次の試合に切り替えていきたい。
[ ケヴィン マスカット監督 ]
ゲームの入りだったり、スタートはすごく良いパフォーマンスを自分たちは切れたなと感じました。相手にストレスを与え、しっかりボールを握り、前方向に行ったところもあったのですが、いくつかのミスを自分たちは犯してしまい、早い段階で2失点してしまいました。その中でも一人ひとりのキャラクターが強く、とても高いレベルで選手たちがこの試合を振り出しに戻し、そこで結果を出していく、そこでも素晴らしいゲーム内容だったと思います。そして、この試合のキーになった部分では、90分を通して波のあるゲームではなく、全員が高い強度でやれたところは本当に良かったなと思います。--前半に同点とした中で、ハーフタイムに何を伝えたのか。後半への向かい方を教えてください。
先ほどもお伝えしたのですが、良いスタートを自分たちが切れたと思います。サッカーではどうしてもミスを起こしてしまいます。2点ビハインドになりました。そこで前半のうちに2-2の同点にできたところは良い形で終えられたと思います。そしてハーフタイムに自分たちが言ったのは、相手は自分たちがプレスを掛ければロングボールで対応してきました。そこでセカンドボールもどういうふうに拾うのかが神戸戦では重要でしたし、そこをしっかりと自分たちで拾えた部分もありました。後半に向けては、とにかく勇敢な気持ちを持ち続けること。そして、自分たちがボールをしっかり握ってやっていく。アグレッシブな部分を出していこうと言いました。最後の最後まで続けて、波のないようにこの強度の部分で戦っていく。そういうところでした。
その中でもGKの一森(純)、CBの畠中(槙之輔)、角田(涼太朗)、そしてボランチの2人もそうですけど、しっかり競り、セカンドボールを拾う姿勢は素晴らしかった。勇気を持ってやらなければこれはできないと思います。そして彼らは勇敢な気持ちを持って挑みましたし、それを伝えました。
--アンデルソン ロペス選手がJリーグYBCルヴァンカップでやっていたゼロトップのような形でプレーしていた印象。2得点を含めて評価をお願いします。
ゼロトップでやったのではないかとのお話ですが、2点を決めました。ゼロトップであれば得点は取れません。彼がやったパフォーマンスは彼個人のところではないです。彼はチームのパフォーマンスを出してくれた。その中で素晴らしいポジション取りなどもあり、ボールをコントロールする、ボールを握るところもしっかりできていましたし、競り合いでも体を入れて、取られない強さを見せてくれました。彼は彼の能力としてあそこにスペースがあって、そこに入ればチームのためになると思って入っていったと思います。その中でポジショニングのところもそうだし、キープをし、前方向を向いたときに自分勝手に前にもっていくのではなく、人を使い、また自分で得点を取れるポジションにつく。そういうところは本当にハイレベルな、本当に素晴らしいパフォーマンスをしてくれました。それまでの質が高かったので、2点は彼にとってボーナスみたいなものです。