がちゃのメモ帳

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2022 J1リーグ第34節 ヴィッセル神戸vs横浜F・マリノス メモ

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スタメン

神戸

トゥーレルが負傷明けで5試合ぶりのメンバー復帰。

山川が欠場し、初瀬が第23節以来の先発に。

佐々木がメンバーから外れ、ムゴシャが久しぶりのメンバー入り。

サンペール、飯野が負傷離脱中。

 

横浜FM

先発、ベンチ入りともに前節とまったく同じメンバー選考。

外国籍枠の都合でマルコスがメンバー外。

宮市が負傷離脱中。

 

流れ

立ち上がりから勢いを持ってプレスを掛ける神戸。

2分、後方からのフィードでロペスがスペースに抜けて菊池とバトル。神戸は前からいくぶん、CBのカバーエリアの広さは重要になる。

6分、左からのカットインミドルの跳ね返りを水沼が触ってロペスが押し込むも、VARとの長い交信を経てオンフィールドレビューの結果、ロペスのファウルで認められず。水沼がオフサイドポジションに見えたが、チェックはファウルのほうだった。約8分間の中断。さすがに時間がかかり過ぎでは…。

立ち上がりは神戸がプレスに出て行ってマリノスにストレスを与えたが、数分たてばマリノスが敵陣でプレーをし始める。ここの修正力の高さが今季の強さの1つ。

15分、ショートコーナーで始め、左から汰木がクロスを上げ、山口がバイタルからボレー。

17分、ロペスの寄せで菊池のパスミスを誘い、マリノスが速攻。喜田がファウルをもらってPA手前でのFK獲得。

神戸は自陣へ押し込められてからのトランジションで武藤と大迫が背負ってキープして押し返す。

大迫は小池龍のところへ流れ、高さの部分でマッチアップの優位を作ろうとしているか。

21分、マリノスが中盤での攻防を制してエウベルの仕掛けに持ち込むが菊池がうまく対応して奪取。

25分、マリノスが右でのパス交換から小池龍がスペースに抜けてスピードアップ。

25分、マリノス先制、0-1。水沼がアーリー気味にきわどいコースにクロスを入れ、こぼれたボールをエウベルがヘッドで押し込んでゲット。水沼のクロスの質によって神戸は難しい対応を強いられ、はじくことはできたが、二次攻撃を防ぐことはできなかった。

マリノスは右サイドでのパス交換で安定してプレスを外せている。

28分、渡辺に警告。小林祐との球際の競り合いで足を上げたチャレンジがラフプレーになってしまった。

神戸は長いボールや大迫への縦パスが前進のメイン手段になっている。確率的な要素が強くなるので、ショートパスで外していくマリノスよりも押し上げが安定しない。

33分、山口が少し下りて浮くポジションを取るが、受けてからの前の選択肢がなく、時間がかかり、マリノスのプレッシャーを食らう。

神戸は小林祐が下りたり、大﨑が最終ラインに入ったり、ビルドアップに変化をつけようとしているが、マリノスの1stラインを越えられずに困っている。

43分、西村のセカンド回収からロペスが個人技でマーカーを外してシュート。ミートがやや甘く、枠外へ。

神戸は個人でキープするような局面にも持ち込めず、ひたすら自陣で守る流れが続く。

46分、右CKをニアですらしてエウベルがファーで詰めようとしたが当てきれず。フリーだったので、ミートできれば1点だったかもしれない。

47分、神戸同点、1-1。酒井のインスイングクロスを武藤が合わせてゲット。神戸は防戦一方の展開だった中、ワンプレーの質の高さでこじ開けた。マリノスもマークにはついていたが、競り合いで勝てず。酒井のクロス精度が見事。

51分、縦に速い攻撃で水沼が早いクロスを送るも中が間に合わず。クロスは神戸守備陣が触れない完璧なコースに流した。

 

序盤はともにボールを持ったほうが攻撃のチャンスを得るような流れだったが、20分あたりから神戸が保持で前進できなくなり、マリノスが一方的に押し込む展開に。立ち上がりのゴールは取り消しになってしまったものの、エウベルのゴールで先制に成功し、その後も主導権を掌握。チャンスもシュートも増やしてゴールへ近づいたが、終了間際のワンチャンスを神戸が決めて振り出しに。マリノスが良い時間を過ごした中、神戸も我慢を続けながらイーブンで折り返せたことはかなりポジティブ。ただ、ペースはマリノスが持てているので、神戸はハーフタイムを挟んで押し返せるかどうかがカギ。

 

 

後半

神戸交代

小林友→トゥーレル

48分、大迫がバイタルで前を向いてシュート。後半は神戸ペースとまでは言えないまでも、イーブンなバトルに持ち込めている。

50分、酒井と武藤のコンビネーションで前進し、クロスを受けた大迫がシュートを狙うも高丘の正面。マリノスのSBが前に出てくる守備を逆手に取ってうまくスペースを使えた。後半は神戸が良い攻撃を見せられている。

52分、マリノス勝ち越し、1-2。PA手前で得たFKで水沼が強いシュートを狙い、坪井がこぼしたボールに西村が素早く詰めてゲット。手前でバウンドするボールで処理が難しかった。

神戸の右での作りに対し、永戸がSBまで出てくるマリノスのプレス。エドゥアルドが後方で広いエリアをカバーする。マリノスは得点後、かなりプレスの勢いが増した印象。

56分、エウベルが1人で力強く運んでカウンター。永戸のクロスははね返される。ここ数試合のエウベルはドリブルさせたら止められない。

59分、マリノスのFKをエドゥアルドが合わせ、トゥーレルの手に当たったように見えたが、手の位置的におとがめなし。

61分、永戸が左サイドの攻防で粘ってパス。エウベル→ロペスとつないで、最後は水沼が詰めにかかるも神戸守備陣がブロック。マリノスはシュートチャンスでもより確実な選択肢を選ぶプレー選択。

62分、神戸交代

小林祐→イニエスタ

63分、マリノスのロングカウンター。エウベルの運びから最後は西村にチャンスがくるも打ち切れず。得点後からはマリノスが一方的に攻撃を続ける。自陣で下げられても一撃でひっくり返せる術がある。

68分、神戸のカウンター。武藤→山口で右サイドをとってクロスも中に合わず。マリノスはスペース管理が甘くなった。

69分、マリノス交代

エウベル→仲川

70分、右からのグラウンダークロスに仲川が飛び込むもわずかに届かず。

72分、マリノス追加点、1-3。水沼が右のスペースに抜け出し、1つ中に運んでからの折り返しに仲川が飛び込んで合わせた。ギリギリでオフサイドをかいくぐった抜け出しと、仲川がギリギリでニアに入ってくる駆け引きが素晴らしかった。

73分、神戸交代

汰木→小田

3点目を取ってからも勢いが落ちないマリノス。前線からの激しいプレスとテンポの速いパス回しでペースを渡さない。

78分、初瀬が足を攣る。

79分、神戸交代

武藤、初瀬→ムゴシャ、槙野

神戸は前線の枚数を増やしてパワープレー気味に攻める。

83分、素早いトランジションで奪って、喜田がゴール前まで飛び込む。2点リードの状況でボランチを攻撃参加させるマリノスのスタイルの一貫性。

84分、マリノス交代

水沼、ロペス→マテウス、セアラ

87分、ムゴシャがPA内に抜け出して折り返すも、中でうまく合わせきれず。決定機。

89分、マリノス交代

渡辺→藤田

92分、仲川がPA内で仕掛けてシュートを狙うもトゥーレルがスーパーカバーでブロック。

最後までエネルギーが落ちないマリノス。自陣で受ける時間はほとんどなく、前でのプレスで制限をかけて押し上げ続ける。

 

前後半ともに立ち上がりは神戸がペースを握った時間があったが、いくらかたてばすぐにマリノスのペースに。同点で迎えた後半も早い時間帯に勝ち越し、プレーでもメンタル面でも優位に試合を運ぶことができた。仲川の投入後すぐにダメ押しできた時点で勝負あり。引き分けでもおおよそ優勝が決まるというシチュエーションで、2点リードはこれ以上ない余裕を生み出した。神戸も攻撃の選手を投入した終盤は惜しいシーンを作り出したが、最後までマリノスのプレスに苦しみ、なかなか自分たちのペースに持ち込ませてもらえなかった。

 

 

個人的MOM

★水沼 宏太

直接的な得点関与こそ1つのみだが、全3ゴールが彼のキック起点で生まれた。ハードワークやピッチ内での鼓舞など、プレーでも姿勢でもチームを引っ張った。特に3点目を取った直後の「まだ終わってないぞ」といったアクションが印象的。

 

1得点と抜群の推進力で押し返しで存在感を見せたエウベル、豊富な運動量でエネルギーを高めた渡辺&喜田のボランチコンビも高評価。

エドゥアルドは左サイドのプレスを機能させる上で重要な役割を担い、つぶしで守備版ランスを支えた。

神戸は1得点を生み出した酒井と武藤の右サイドが奮闘していたが、マリノスのパワーを上回ることはできず。

 

トピックス

マリノスは川崎に勝点2差まで詰められてから2連勝を果たし、自力優勝を達成。3年ぶりの戴冠。

神戸は5連勝で残留を決めた後、上位2チームに連敗してフィニッシュ。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 吉田 孝行監督 ]
終戦を勝利で飾れず、サポーターの皆さんには申し訳なく思っています。試合に関してはもったいない失点が1点目、2点目とあったんですが、それ以外のところで言うと、われわれも十分戦えていたし、良いゲームができたと思う。終盤にパワーダウンして3失点目をして、悔しい気持ちもあるし、残念な結果になってしまった。

--ACLラウンド16・横浜FM戦で勝利したが?
リーグ戦の首位ですし、実力も自分たちよりもあると思っています。自分たちのプランどおり、速くサイドチェンジしたりとか、そういう良い部分もたくさんあった。ACLのときと比べて一概に何が良くて、何が悪いかではなく、そういう緊張感のある試合というのは途中まではできたと思う。

--今季は途中から監督を務めた。総括を。
自分が就任してからの話になるが、本当に苦しい状況で引き受けたと思います。いろんな覚悟、もちろん残留を目指してやる中で、残留する覚悟もありましたし、逆にあの状況でしたから降格というのもすべて、非難を浴びる覚悟で臨みました。その中で選手たちがみんな、最初の(第19節・)鳥栖戦から気持ちを見せてくれて、ガラッとチーム全員が変わった姿を見せてくれた。それが残留につながったのかなと思います。

 

[ ケヴィン マスカット監督 ]
終わったばかりで、興奮冷めやらず、振り返るのも難しい状況ですが、とにかくうれしいです。Jリーグのタイトルを獲ったこともそうですし、今日勝ったこともそうです。何より、どのように勝ったかという内容が攻撃的で、かつ自分たちのサッカーを見せられました。全員で獲った選手たちを誇りに思います。

--一戦一戦積み上げてたどり着いたタイトルの意味をどう感じていますか。
今夜、そして明日はこの喜びをかみしめようと思います。今後に関しては、このあと考えていきます。振り返ると、今季は挑戦をし続けなければいけませんでした。自分が常日頃、伝えてきていたのは小さな結果をどうつかむか。それを積み重ねた先に最後の頂点が見えてくると言ってきました。目の前のチャレンジを一つひとつ消し、結果を残してきたことは大変喜ばしいことです。

そして、今日のような大一番でも自分たちがやってきたことをすべてピッチ上で表現し、歴史に残るタイトルを、サポーターの皆さま、クラブ、チーム全体でもたらすことができました。この優勝は歴史上にずっと残るものだと思いますし、忘れ去られることはないとも思います。

--5年間、アタッキングフットボールを続け、立ち返る場所ができました。ゲームモデルを確立できたということでしょうか。
自分はこのサッカーを理解した上で仕事を受けました。そして、このサッカーを信じています。このクラブが哲学を持っていることも知っていましたし、自分が仕事を受ける前にも、だいぶでき上がっていたと皆さまも思っていたはずです。ただ、そこに満足するのではなく、自分が大事にしているのは成長です。とどまることなく、常に積み重ねていくことも大事です。

このサッカーにはフィジカル的にも高いレベルが求められます。そして、メンタルも強く求められます。今日の試合も20本近くのシュートを打ったはずです。アウェイの地でも、難しい状況でも、結果を残しました。常日頃、自分たちがやってきた練習を変えることなく、やってきました。それがタイトルをもたらしたのだと思います。