スタメン
外国籍枠の問題でマルコスがメンバー外に。マテウスが4試合ぶりのメンバー入り。それ以外の17名は前節と同じ。
宮市が負傷離脱中。
浦和
負傷が発表された関根がメンバー外に。
リンセン、モーベルグもメンバー外に。
馬渡が4試合ぶりのメンバー入り。
松尾、江坂が3試合ぶりの先発。
犬飼が負傷離脱中。
流れ
浦和は非保持時、大久保が大外に戻って5バック気味に構える二段構え。最初は4-2-3-1気味で、プレーエリアによって守り方を変えているか。
立ち上がりからマリノスが保持する展開に。
浦和はユンカーが最前線に残り、マリノスは2CBでそこのリスク管理を行う。
5分、松尾のカットインミドル。高丘の正面へ。
マリノスは保持しているだけでなく、かなり深くまで攻め込んで、ゴールへ近づいている。
7分、浦和が自陣からつないでスピードアップ。ユンカーがスペースで仕掛けてゴールへ向かうも、足元を滑らせて打ち切れず。
ここまでユンカーと松尾はマリノスのハイラインに効いている。
9分、酒井が運んで江坂につけるもエドゥアルドがカバーしてCKに。
立ち上がりはマリノスが持つ展開だったが、徐々に浦和も持てるようになってきた。
浦和はユンカーがアンカー位置の選手を見て、松尾と江坂がCBにプレスを掛ける役。大畑は小池龍を捕まえるためにかなり高い位置まで出てくる。
14分、右からのクロスをエウベルが優しく落としてロペスにつなぐもロペスが打ち切れず。流れは完璧だった。
15分、江坂のクロスが流れ、ファーで浮いた大畑のシュート。浦和は手数をかけずに攻め切る意識が高い。
16分、マリノス先制、1-0。縦に速い攻撃から水沼が仕掛けてシュート。こぼれ球をエウベルが反応して押し込んだ。
18分、浦和のプレスを高丘→ロペスでつないでキープ。エウベルのクロスを西村が合わせるも枠外。
またマリノスが保持する時間になってきた。
19分、西村がPA内で受けてシュートまで。西川がキャッチ。
20分、マリノスのプレスを西川→江坂のフィードで回避。ともにGKからの配球がプレス回避の肝に。
浦和はかなりはっきりめに5-2-3の形に見える。最初からなのか、途中からはっきりさせたのか。
浦和は自陣撤退の色が濃くなり、5-4ブロックで構える時間が増えた。マリノスはSBも高い位置を取って、最終ラインは手薄になっているので、切り替えで上回ればカウンターは効くはず。
31分、スローインの流れから細かく繋いで永戸が抜け出しかけたところを酒井が倒してマリノスがPA手前でFK獲得。酒井には警告が提示。
→32分、水沼の低くて鋭いボールはそのまま西川の下へ。誰かが触れれば…というボールではあった。
34分、大久保のパスから浦和がオープンで勝負に。松尾→ユンカーとつなぎ、最後は横パスを受けた伊藤のシュートまで。浦和は1stプレスをかいくぐれれば前線3枚の速い攻撃を繰り出せる。
36分、CKの流れからエウベルが個人で仕掛け、こぼれ球をロペスが押し込んでゲット。西川は1つ目のシュートは好セーブで防いだが、さすがにはじくコースまではコントロールできなかった。
39分、高丘からのロングボールにロペスが反応してシュートまで。プレスで追い込まれたところから一気にチャンスを創出。
43分、後方からの素早いつなぎで西村→水沼とつないでゴール前へ入るもシュートは打ち切れず。
44分、西川→ユンカーでスペースを狙うも、エドゥアルドががっちりブロック。
46分、水沼のクロスをロペスが頭で合わせるも西川の正面。
序盤のマリノスの攻撃を耐えた後は浦和も保持の時間を作ったり、カウンターや疑似カウンターからゴールへ迫ったりと押し返した時間もあったが、再びマリノスのペースになるとエウベルがこじ開けて先制。序盤の浦和は前3枚でプレスを掛けながら前からいくアプローチだったが、徐々に5-4ブロックの要素が強くなり、マリノス保持の構図がはっきりした。それでもユンカーや松尾で一気にゴールへ迫るシーンもあったが、おおよそマリノスが支配して進み、2点リードで折り返し。浦和はいつもと違う面白いアプローチではあったが、プランの遂行がなかなか難しくなってしまった。
DAZN集計で、西村は驚異の走行距離7.0kmを記録。
後半
浦和は松尾が前に残り気味になり、5-3-2っぽいセットの仕方に。カウンターの脅威は増すが、中盤のスペース管理は難しくなる。
浦和はプレス時に江坂がアンカー位置を捕まえるような立ち位置を取る。マリノスのボランチが横幅も広く動くため、マンツー気味に捕まえるのではなく、アンカー位置に入ってくる選手を見るようなイメージ。
52分、自陣での組み立てから酒井→ユンカーでスペースをとりにいったが、高丘がカバー。
53分、大久保と酒井の連係で右のスペースを取るも、戻ったエドゥアルドが突破を阻止。
54分、トランジションからスピードに乗ったエウベルが仕掛け、敵陣でFK獲得。
56分、マリノス追加点、3-0。渡辺の寄せから高い位置で奪い取り、ショートカウンターでエウベルが個人でこじ開けた。浦和はビルドアップを安定させて押し返しにかかっていたが、中盤でひっかかりかけるシーンが続き、失点につながった。
60分、浦和交代
江坂、大畑→小泉、明本
62分、大久保の右からのクロスをユンカーが頭で合わせるも枠外。
63分、渡辺が2トップ脇で受けたところからうまく運んで右での厚みのある攻撃に。CK獲得まで。
64分、マリノス追加点、4-0。CKをニアでフリックし、中でロペスが合わせてゲット。直前に西川のビッグセーブで1点をしのいだが、結局直後のプレーでゴールが生まれた。
66分、左からの展開を小池龍が受けてミドル。浦和は中盤のスペースを埋め切れていない。
66分、浦和得点、4-1。大久保のスルーパスに反応したユンカーがワンタッチで高丘の股を抜いてゲット。大久保のパスも、ユンカーの動き出しも、エドゥアルドをうまく出し抜いた。
69分、セットプレー崩れで、左からのインスイングクロスを酒井が合わせるも枠外。浦和はユンカーのゴールからメンタル的に少し立て直した雰囲気がある。
70分、明本が縦に強引に仕掛けたところを喜田が倒して警告。
72分、マリノス交代
水沼、エウベル→仲川、マテウス
70分あたりからは浦和がボールを持って敵陣へ入り、攻撃の時間を増やせている。
75分、渡辺が足を攣る。すぐに藤田が準備。ただ、プレーは続行。
77分、セットプレー守備の流れからユンカーが1人で運び出すも、仲川が戻って奪取。
78分、ルーズボールの回収から大久保がコントロールショットを狙うもギリギリ枠外。
79分、マリノス交代
喜田→藤田
準備していた藤田は足を攣った渡辺ではなく、警告を受けていた喜田との交代。
浦和交代
伊藤→柴戸
80分、酒井が仲川にレイトタックル。佐藤主審から注意。すでに警告を受けているので、次やったら2枚目が出そうな雰囲気。
70分過ぎから5分程度は浦和が攻撃の時間を作れていたが、80分前からはマリノスのペースに。
84分、背後からの配球に仲川が抜け出しかけるも、浦和DFがギリギリで対応。
85分、ロペスが収めてマテウスが抜け出しかけるも西川が飛び出してカバー。
互いに間延びが大きくなり始め、ボールを持ったら敵陣まではスムーズに進めるような展開に。
86分、マリノス交代
ロペス、渡辺→セアラ、松原
最初はエドゥアルド→角田の交代が準備されていたようだが、ばたつきながらもギリギリで交代を変えた模様。渡辺の疲労を考慮したか。
89分、マテウスが右サイドを抜け出して折り返し、西村が飛び込むも西川がギリギリでかき出す。
最終盤は浦和も点を返そうと前がかりになったが、最後までマリノスがゲームをコントロールして終了。浦和は良い時間もいくらかは作り出したものの、マリノスが「我慢の時間」と言えるほどの流れには持ち込めず。マリノスの一時的な劣勢をすぐにはね返す力が上回ったと言える。浦和がカウンターで早く攻めようとしても前線の選手がすぐに戻り、最後方ではエドゥアルドが対人で奮闘。また、後方のスペースは高丘のカバーで埋めるシーンも多かった。浦和は途中から保持にこだわって押し返そうとしたものの、ビルドアップでのロストから3点目を奪われてかなり苦しくなってしまった。
マリノスはホームで下位に連敗と嫌な流れがあったが、3試合ぶりの勝利で首位を堅持。勢いを持って最終節に臨めるはず。
一方の浦和は、保持がうまく行かない試合が続いたことである程度縦に速く攻めるスタイルに切り替えたが、それでも4失点での大敗を喫し、サポーターからも厳しい反応が飛ぶ。積み上げの余韻は感じるものの、魚でも肉でもないようなサッカーになってしまっている印象を受ける。
個人的MOM
★エウベル
3得点に関与。特に2点目につながった仕掛けからのシュートと、3点目のゴールへのドリブルは彼にしか出せないプレーであり、文字どおり違いを見せるプレーだった。
2得点に加え、前線でのキープ、守備でのチェイシングでも存在感があったロペス、組み立てとプレスで全体をまとめた渡辺、1失点は悔やまれるがユンカーら相手アタッカー陣をおおよそ封じたエドゥアルドも高評価。
トピックス
酒井は累積警告4枚目で次節出場停止。
西村が前半の走行距離7.0km、トータルで13.6kmを記録。驚異的な数字。
監督コメント
(※Jリーグ公式サイトから引用)
[ ケヴィン マスカット監督 ]
特別な日になりました。ホーム最後の試合で選手たちは素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。ファン・サポーターに良い試合を見せ、良い結果になり良かったです。--下位相手に1点も取れず、2連敗していた中、先制点が大きいように感じました。先制点について、どのように感じていますか。
どのゲームも先制点は重要です。それによって、ゲーム展開が左右されます。特に今日のゲームでは選手たちがエナジーを十分出し、表現し続けてくれました。どうゲームに入っていくかをサッカーで語ってくれ、努力が実りました。このようなビッグゲームで、このようなパフォーマンスを出せる選手たち、クラブを誇りに思います。続けてやってきたことは重要だと感じました。--次の神戸戦も厳しい戦いになりそうです。どのような準備をしますか。
この3、4カ月間、選手たちにも伝えてきましたが、目の前のゲームをどうするかが大切でしたし、一歩一歩進んでいくことが大事でした。人生でも飛び越えて進むことはありません。選手たちは慌てずやってくれました。そして、ファン・サポーターが良い雰囲気を作ってくださった中、みんなで喜びを分かち合えるサッカーを見せてくれました。今季もたくさんの印象に残る試合がありました。例えば鹿島のアウェイ戦は長年勝っていないと聞いていた中、たくさん点を取り、良い結果が出ました。語り継がれる思い出をみんなで作り上げてきました。その瞬間を今季最後の試合でも作ることが大事です。皆さまにとって、特別な最高の瞬間を見たいと思っています。
[ リカルド ロドリゲス監督 ]
マリノスがわれわれを上回った、そこに尽きると思います。われわれも前半はチャンスがありましたが、短い時間に2点を奪われてしまい、チャンス数でも彼らが上回っています。激しさや球際の部分も足りていなかったと思います。 後半は前線の枚数を増やして攻撃的に出ていきましたが、それでもやはり、チャンスの数もゴールの数も、相手の攻撃のほうがよりダメージを与えてくる形でした。--後ろは3枚で守っているように見えたが、どのような意図だったか。
狙いのすべてではありませんが、前からのディフェンスでボールを奪う、1対1で完全にハメにいくという狙いがありました。うまくいった形もありましたが、それをやり続けるのは簡単ではありません。シーズン前半戦で戦ったときに、ディフェンスライン4枚では簡単にもっていかれる場面があったので、その修正としてこういう対策をしました。--全体的に試合をどう組み当てるかの意図は伝わったが、局面でかなり負けてしまっていた。足りないのは例えば、トレーニングなのかモチベーションなのか。
1つは、プロファイルの部分もあると思います。マリノスは局面の強さ、強度の高さといった構成でできていますし、われわれはよりテクニカルな部分で秀でているところもあると思います。その一方で強さに欠けるところもあると思いますし、 相手の良い部分とわれわれの良い部分は違うところにあります。広島も強さがありましたが、そこでうまくやられてしまいました。良いところと悪いところの違いが出てしまいました。