がちゃのメモ帳

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2022 J1リーグ第33節 京都サンガF.C.vsセレッソ大阪 メモ

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スタメン

京都

前節途中交代の武富が欠場。

31節の負傷から2試合欠場していた山﨑が先発復帰。

メンデス、三沢がベンチから外れ、宮吉と本多がメンバー復帰。

 

C大阪

負傷が発表された山中がメンバー外に。舩木が3試合ぶりのメンバー入りで先発。

直近の公式戦であるルヴァンカップで退場したヨニッチが出場停止。

鳥海が出場停止明け。

ルヴァンカップで復帰していた奥埜がリーグ3試合ぶりの先発。

メンデスがメンバー外に。加藤はリーグ戦2試合連続で欠場。

原川、丸橋が負傷離脱中。

 

流れ

55秒、京都が左の密集でのパス交換から荻原が抜け出し、クロスをにおわせながら自らシュートまで。いきなりビッグチャンスが訪れた。

ボールサイドに密集を作って奪いにくるセレッソに対し、京都がうまくサイドを変えながら前進できている。

4分、ジンヒョンのミドルパスを下りるFWにあててプレス回避。為田の仕掛けでファウルを誘って敵陣でのFKを獲得するセレッソ。京都は山﨑と豊川を軸にプレスを掛けるが、ジンヒョンからの配球を断たないといけないので、枚数を増やして強度を上げないといけない。

5分、上門のブレ球FKは上福元がクリア。

8分、中盤での競り合いからセレッソが回収して、スペースへ毎熊が抜ける。折り返したが、京都も粘ってクリア。

10分、京都が中盤で奪ってからカウンター。松田がスペースに抜け出したが、西尾がカバーして止める。

セレッソは最近ベースになっている4-3-3ビルド。鈴木がアンカー位置に入り、清武と奥埜がIHになる。

12分、右でつないでから中央へ刺して豊川の振り向きざまのシュート。徐々に京都がペースをつかんできた。

京都のトランジションは縦パス→落とし→縦パスとテンポよく繋いで縦に速く攻め切ることを意識。全部前選択ではなく、一度落としを挟むことでタメを作るのと、相手の目線を動かす。

18分、京都の波状攻撃。豊川が右ポケットのスペースへ引き出して競り勝ち、クロス。流れたボールを荻原が再びクロスで中に入れ、豊川が押し込みにかかるもジンヒョンがブロック。こぼれ球を詰めた松田のシュートは枠外へ。

20分、武田が負傷したか、メディカルがピッチに入る。松田へ寄せようとしたときに足を痛めたようなそぶりを見せた。

京都は一時的に1人少ない状態に。

京都はセレッソの4-1ビルドの横幅を3トップだけでカバーする設計。スライドが間に合わず、1トップ脇から運ばれそうなときはIHを押し上げて対応。

25分、ピッチ外で治療していた武田がプレーに復帰。

26分、京都のプレスをジンヒョンの縦パスで回避。

セレッソはボールを持てる時間自体はそれなりにあるが、高いエリアでプレーできる時間が少ない。京都のにらみが効いている。

27分、松田の外切りプレスから全体が連動。SBが縦スライドでSBに出て、IHが中盤を捕まえる。

京都のプレスの構造上、セレッソはSBが空きやすいので、京都WGを引き出した上でGK→SBと届けることを狙う。

多少アバウトに入れても山﨑が収めてくれるので、京都はプレスで詰められたらシンプルに前へ蹴る。

35分、京都が武田を押し上げてプレスを掛けるも、ジンヒョン→松田でクリーンに前進成功。毎熊でSBをピン止めし、うまくフリーマンを作り出した。

40分、京都がプレスで選択肢を奪い、ジンヒョンからのパスをカットしてカウンター。CK獲得。セレッソはジンヒョンからサイドへのフィードが1つの逃げ道になっているが、安定して収まるポイントがまだ見つかっていない。京都が敵陣でのプレータイムを増やす。そこまで前線のプレス強度だけに頼っている印象もないので、普段の京都と比べるとやや省エネもできているかもしれない。

42分、川﨑が2トップ脇で前を向いて左へ展開。

45分、京都が左ポケットを取って折り返し。こぼれ球を荻原が拾って、シュートを狙うも、1つ運ぶところを読まれて打ち切れず、CKに。

→45分、CKから豊川のシュートが福岡のほうへ向かい、押し込もうとしたがうまく当てきれず。

 

セレッソも何度かは良いプレス回避で前進できたものの、そこから先のスピードアップがスムーズにできず、ほとんどシュートが打てなかった。京都は3トップでうまく制限をかけながら相手のビルドアップにけん制をかけ、中盤で奪ってカウンター。もしくは保持の時間を増やして押し込む時間を増やすことができた。チャンスは多く作ったものの、決定機と呼べるものがあったかは微妙なところで、セレッソは自分たちの思いどおりにいかないなりに守備は安定させることができたともいえる。

セレッソは現状ロングカウンターがそこまでないので、ボール保持を安定させるか、タイスコアで終盤まで引っ張り、パトリッキで仕留める形に持っていけるかの勝負。

京都は同じ流れに持ち込めれば主導権は握れているので、あとは最後の質を高めることが肝。山﨑の収めが効いているので、彼が代わるとなった場合は攻撃の設計を調整する必要はあるか。

 

 

後半

後半も京都が高い位置でのけん制でセレッソの保持を封じる。京都が敵陣へ入り、セレッソが自陣で苦労する展開が多い。ただ、セレッソも崩れない。

52分、高い位置で奪って山﨑のポストで押し上げるも、ラストパスはつながらず。

53分、白井の縦突破からクロス。

54分、麻田のフィードを豊川が収めて武田→山﨑とつないでシュートまで。ギリギリ枠外。CKに。

京都はバイタルに差し込むところまでは連続でできているが、そこからブロックを外す作業が足りない。

57分、上がってきた荻原のミドル。ファーポストに当たって外へ。ブロックの外からかまわず狙って惜しかったが、完璧なコースでなければジンヒョンが触れていたようにも感じる。

58分、セレッソ交代

為田、清武→パトリッキ、北野

59分、トランジションから北野が運んでグラウンダークロス。嫌な場所へうまく通したが、中が間に合わず。

61分、京都のプレスを舩木→上門で外すセレッソ。浮き球で中盤をうまく使えれば回避できる。

64分、後方からのFKのこぼれ球を奥埜がミドルで狙うも上福元が好セーブ。なかなかチャンスを作れていなかったセレッソがセットプレーの流れから1つ惜しいシーンを作った。

67分、セレッソが右でうまく作ってパトリッキの仕掛けまで。京都は圧力が足りず、一番の脅威であるパトリッキのところまで運ばれてしまった。

69分、京都交

福岡、松田→金子、パウリーニョ

70分、セレッソ交代

上門→タガート

74分、セレッソのロングカウンター。タガートが低い位置で収めて起点を作り、パトリッキのドリブルでスピードアップ。最後はクロスを送ってタガートが飛び込むも、上福元が出てきてギリギリカバー。セレッソはパトリッキを生かしたカウンターの脅威を示した。京都も前がかりになりすぎると危ないという考えが生まれたはず。

77分、京都交

山﨑、豊川→荒木、イスマイラ

荒木が右CBに入る3バックに変更。

79分、京都の波状攻撃からセレッソのロングカウンター・オープンでパトリッキが運んで松田のシュートクロス→こぼれを北野が押し込みに行くもギリギリ枠外へ外れる。京都が右サイドを軸にゴールへ近づいてきている一方、セレッソのカウンターの脅威も増している。

81分、セレッソの波状攻撃。パトリッキの縦突破からの折り返しに毎熊がフリーで合わせるも上福元が距離を詰めてブロック。こぼれ球をセレッソが再びシュートまで持ち込むも井上が好ブロック。前半から後半途中までチャンスをほとんど作れなかったセレッソだが、終盤に入って一気にチャンスを量産し始めた。京都は前線に外国籍選手が入ったことで一撃の怖さは出た一方、組織的守備に穴が生まれ始めている。

82分、セレッソ交代

毎熊→中原

都交

荻原→本多

本多が左CBに入り、荒木が左WBに回る。

83分、セレッソのインスイングCKをパトリッキが合わせるも上福元がビッグセーブ。

85分、中原のカットインからのミドル。上福元がキャッチ。

京都はプレスの局面がかなり少なくなり、5-4ブロックで受ける時間が増えてきた。セレッソは終盤にきてようやく攻撃のターンが巡ってくる。

88分、イスマイラとの連係で左から荒木がクロス(シュート?)を入れるも外まで流れる。

89分、バイタルでもったパウリーニョがトゥキック気味に狙うも枠外。

92分、中原のカットインミドルを上福元が好セーブ。遠目からだったので反応する時間はあったが、枠内シュートには確実に反応してくる。

93分、パウリーニョが左で仕掛け、マイナスの折り返しをフリーで荒木が合わせるも舩木がブロック。

 

キックオフから60分くらいまでは京都のペースで進んだものの、セレッソがパトリッキと北野の投入あたりから押し返し始め、京都の波状攻撃→セレッソのロングカウンターという構図に。80分が近づいてくるとセレッソが一気に攻勢を強め、惜しいチャンスを連続で作ったが、京都も上福元のビッグセーブでしのぐ。両者ともに勝点3を目指した最終盤はオープンな戦いになり、互いに惜しいシーンを作り出したものの、最後の守備の集中力も落ちず、スコアレスドローで決着した。

京都は統率の取れた強度あるプレスから多くの時間で主導権を握れたため、その時間帯で先制できなかったことが痛かった。オープンになったあとは1点を取るチャンスもあり、失点しそうなピンチもあり、と勝点が3にも0にも転ぶ可能性はあったので、1を取れたのは最低限の結果と言える。

セレッソは60分あたりまでまったくと言っていいほど自分たちのペースにできなかったが、その中でも無失点でしのげたことは好材料。それによって終盤はパトリッキの突進を中心にカウンターを仕掛けて勝利への道筋を見いだすことができた。うまくいかないなりに90分でのプランをうまく組めた印象がある。終盤のチャンスで決め切れれば最高の結果だったが、そこは京都守備陣の執念を褒めるべき。

 

 

個人的MOM

★上福元 直人

途中まではそこまで仕事が多くなかったが、終盤は連続好セーブでゴールを割らせず。間違いなく勝点1の獲得に最も貢献した選手。

 

前線の起点役として機能した山﨑、両サイドからの積極的な攻撃参加で存在感を見せた荻原と白井も高評価。前線3枚と中盤3枚のハードワーク、強度も光った。

セレッソは途中出場で攻撃のけん引役となったパトリッキ、積極的なシュートでゴールへ迫った中原が目立った。苦しい時間で粘りの対応を続けた守備陣も評価させるべき。

 

トピックス

セレッソは5試合勝ちなし。3試合連続無得点。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 曺 貴裁監督 ]
これだけ勝点差が詰まった最終節になるのは、史上稀に見る混戦のJ1リーグだなと感じています。その中で、ちょっとしたものが勝負を分ける試合だったと思います。前期のC大阪さんとの試合と比べて、ホームゲームということもありましたが、選手たちは非常に堂々としていました。最後はカウンターの応酬というプレミアリーグのような展開になりましたが、最後のシュートがどちらかに入っていれば勝点が3とゼロの試合になっていました。内容的なもの、お互いの出したインテンシティーは監督として充実感のある試合でした。交代選手も含めて、サンガが勝点3を取るために何か1つ足りなかったものを来週の練習でみんなで埋め合っていきたいです。最終戦は磐田さんのホームへ乗り込みますが、最後に勝点3を取って京都へ戻ってきて、皆さんと喜び合える時間にしたいです。

--前半から相手にシュートチャンスをほとんど作らせなかったが。
セレッソさんはGKのビルドアップ能力を生かして、ロングボールとショートパスを織り交ぜて相手コートへ入っていくのが得意です。そこをなんとかフタをしたかったです。ある程度はうまくいったかなと思います。最後の15分は戦術や戦略というよりは、お互いに思いというか勝ちたいという気持ちがどう出るのか。それがイーブンだったからこそ、0-0という結果が生まれたんだと思います。

 

[ 小菊 昭雄監督 ]
両チーム、われわれはACL(出場権獲得)、京都はJ1残留に向けて勝点3が欲しいゲームの中で、意地と意地のぶつかり合いでした。死闘、この一言に尽きると思います。前半は、現在の順位、ホームの雰囲気、チームのスタイルも含め、彼らが重心を前にかけてくることは想定していた中で、そのゲームプランで入ったのですが、強度の高い守備、そして攻撃も素晴らしく、距離感よくボールを握ってきた京都に対し、前半は苦労する時間が長く続きました。その中で、全員が耐え忍んで(失点)ゼロで抑えたことは選手の成長を感じました。あの前半をしのいだからこそ、後半はわれわれの展開に持っていけたと思います。その流れの中で、交代選手がギアを上げてくれたことも大きかった。今季、われわれは18人全員でゲームを勝ちにいく、戦う。そういったことはまっとうしてきました。今日も先発で出た選手がしっかりと役割をまっとうして、ダメージを与えた中で、途中から入ってきた選手たちが自分たちのパフォーマンスを最大限に発揮して、自分たちの内容に持っていけました。キャンプからずっと大切にしてきたことが今日のゲームにも表れたことはうれしく思います。ホーム最終戦、まだACLの可能性はありますので、最後は全員で勝って、笑って終われるように準備したいと思います。

--京都の圧力が強く、内容的には厳しかった前半。「相手の出方は想定内」という話もありましたが、こちら側の誤算もありましたか?それとも、相手のパフォーマンスが素晴らしかった?
京都のこの試合に対する心技体、すべての圧を感じました。その中で、われわれも相手のプレッシャー、強度の高い守備に対して、SBやボランチを基準に出ていく、出口になりながら出ていくことは準備してきたのですが、それ以上に京都の素晴らしいパフォーマンスが上回った前半だったと思います。

--交代選手を含めて活性化した後半。特に北野 颯太選手の気持ちを強く感じたが、彼に限らず、ルヴァンカップ決勝を経て、選手個々の気持ちに変化は感じましたか?
2日間のオフのあと、活動を再開するときに、不安な要素も私の中にはありました。選手たちも、あの激闘の中での敗戦、精神的な悔しさ、心も揺れたでしょうし、難しい状況の中で練習に来るのではないかと。その中で私がどうマネジメントしていったらいいのかと、不安があったのですが、その不安をかき消してくれるような準備をしてくれました。もちろん、心の中ではつらい気持ちもあったと思うのですが、本当に明るく、強度も集中力も高く、全員が、メンバーに入らなかった選手も含めた全員がファイティングポーズを取ってくれた。それは私も本当にうれしかったですし、このチームで、もう1つの目標は達成したいと強く思いました。あの敗戦を糧に、選手はたくましく成長してくれたと実感した4日間でした。