スタメン
喜田が負傷明けで先発復帰。8試合ぶりのメンバー入り。
實藤が9試合ぶりの復帰。
ロペスは長期出場停止明け後初先発。
代表帰りの畠中と小池龍はメンバー外。対して、西村と岩田は先発。
鹿島
キムミンテが出場停止。
アラーノが7試合ぶりのメンバー入り。
安西が4試合ぶりの先発。
舩橋が今季リーグ初先発。
荒木、名古、松村が負傷離脱中。
流れ
芝がかなりはげており、ピッチコンディションは悪そう。
互いにテンション高めの立ち上がり。特に鹿島はかなり強度高く球際へ寄せてくる。
マリノスは4-4-2の形で相手に合わせて人を当てるプレス。
鹿島は自陣では4-4-2気味のブロックでセット。プレス時は和泉が前目に出て中盤ダイヤモンドのような形に。
両者ともに奪ったらてた意識強め。マリノスのほうがサイドからの仕掛け意識が高いか。
鹿島はいつものように、クロスが上げられるタイミングではゴール前に枚数をかけて、シンプルに入れていく。
8分、CKの流れから舩橋が遠めから狙うも高丘の守備範囲内。初シュート?
高丘が前に出てくる傾向があることから、鹿島は積極的にロングシュートを狙う。先に見せておくことで、高丘のプレー判断を迷わせたい狙い?
10分、トランジションから鈴木が1人で収めてカウンター。広瀬のクロス→鈴木の折り返し→土居とつないだが、シュートは当たらず。鈴木の個の能力からのチャンスメイクは迫力がある。
高い強度の中で拮抗した時間が続いたが、10分前後からはややオープン気味の展開に。
14分、ルーズボールをつないだロペスから西村のシュート。遠目からでもいまの西村だと可能性を感じる。
16分、マリノスのビルドアップミスから鹿島のショートカウンター。右からシンプルにクロスを上げるも合わず。ただ、カイキと鈴木が入れており、試行回数を増やせればゴールには近づけそうな攻撃。
19分、マリノスがスローインから仲川がゴール前に抜け出しかけるも折り返しは押し込めず。鹿島も決死の守備。
19分、CKを素早く始め、低いボールをニアで合わせるも蹴り直し。鹿島側は準備ができておらず、意表を突く良い攻撃だった。
20分、CKをファーで西村が合わせるも、体勢が悪く、力が伝わらず。
21分、前からプレスに来るマリノスに対し、右に流れた鈴木をダイレクトに狙って前進する鹿島。クリーンに前へ運び、CK獲得。
22分、ルーズボールを土居が拾ってシュートも当たらず。その後、樋口が狙うも相手DFに当たって枠外へ。結果的にオフサイド。
23分、敵陣PA手前からエウベルがミドルも枠外。互いにシュートチャンスが増えてきているため、あとはより深い位置まで入り込むことと、シュートの質を上げられるかの勝負。
24分、鈴木のプレスを受けた高丘から松原にピンポイントでつないで前進するも、松原からのパスがズレる。鹿島はこれを見せられると、プレスに行きにくくなりそう。
25分、カイキに警告。實藤との競り合いで肘が入り、その後に強い異議も見られた。どちらが警告の対象になったかは不明。
27分、マリノスがパスワークで打開し、岩田が左ポケットから折り返すも和泉がゴールカバーで阻止。その後、カイキがゴール前に抜け出しかけたところを松原が倒し、鹿島がゴール前でFK獲得。松原には警告。ピンチが一瞬でチャンスに変わる激しい攻防。
35分、エウベルのクロスにロペスが飛び込むも、当てきれず。
35分、マリノス先制、1-0。相手のゴールキックをはね返すとそのまま縦に速くゴールへ迫り、ロペス→エウベルでゲット。鹿島は真ん中に蹴った中で強くはじき返されたところで苦しくなった。
得点後からマリノスのほうが押し込むようになった印象。
43-44分、鹿島が敵陣に入ってクロスを送ったと思いきや、マリノスが素早いリスタートで一気にCK獲得まで。展開が速い。
45分、バイタルに入ってきた松原からのクロスに西村が飛び込むも、広瀬が体を寄せて打たせず。
ピッチ状況の悪さもあり、マリノスはショートパスでテンポを上げることが少し難しくなっているが、その中でも自分たちのスタイルを貫いて先制に成功。鹿島も決定機はそこまで作らせていなかったが、失点シーンでは蹴った場所と、落下点での対応がうまくいかなかった。
マリノスは転がすと時間がかかるのであれば、浮かせて進めればいいといった具合に、浮き球をうまく使いながら前進し、サイドを軸に攻撃を展開。ロストからの被カウンターはやや気になるが、CBの出足の良さやプレスバックの速さでカバーしている。
鹿島はカウンターや、敵陣での圧力を強めた際にチャンスを作れていた。いつもどおり、サイドで持ったときにはゴール前の人数を優先的に増やし、シンプルにクロスを入れていく。序盤は何度か雰囲気のある攻撃を見せられたが、時間の経過とともにややトーンダウンした印象。ただ、1点ビハインドで折り返せたことは悲観しすぎる必要はないだろう。また、土居に何度かチャンスがあったが、シュートは当てきれず。土居のコンディションやフィット感がなかなか上がってこないのは気掛かり。
後半
45分、エウベル→西村→ロペスで素早く攻めたが、西村のワンタッチパスにロペスが反応できず。
48分、自陣でのビルドアップからエウベルで起点を作り、永戸が敵陣へ運び出す。斜めのクサビを入れ、ロペス→西村でゴール前へ入れたが、鹿島DFがギリギリクリア。先ほどとは出し手と受け手が逆の似たようなコンビネーション。
立ち上がりはマリノスが良い入り。安定したつなぎで敵陣へ入り込む。
50分、マリノス追加点、2-0。FKのこぼれ球を岩田がダイレクトで狙い、鹿島DFに当たったボールがネットを揺らした。鹿島は2人で寄せにいったが、わずかにブロックが間に合わず。クォンスンテはかなりのブラインドがあった上、コースも変わったのでノーチャンス。
鹿島はワンテンポ遅れて飛び込んでファウルになるシーンが目立つようになり、かなり後手に回っている。
マリノスは敵陣でパスを回しながら相手の隙を伺う。
56分、松原の浮き球スルーパスに仲川が抜け出してシュートも枠外。鹿島DFもギリギリまでついていってプレッシャーは掛けた。
57分、鹿島交代
土居→エヴェラウド
59分、エドゥアルド→永戸で前進し、左に流れたロペス→エウベル→西村とテンポよくつなぎチャンスメイク。シュートまでは行けなかったが、質の高い崩しを見せる。
鹿島はプレスの強度をいくらかあげた印象もあるがなかなか奪えず。また、攻守において敵陣でプレーする時間が作れずにいる。
61-62分、マリノスが中盤で奪ったところからカウンター。ロペスが個人で収めて西村にわたし、シュートまで。シュートは枠外へ。西村は代表帰りで疲労もあるか。
63分、鹿島交代
舩橋、安西→ピトゥカ、常本
常本が右SBに入り、広瀬が左SBへ移る。
64分、マリノスがCK守備からロングカウンター。仲川が1人で運んで、エウベルへラストパス。GKと1対1になったがシュートはポストにはじかれる。マリノスはピンチから一気にゴールチャンスを作り出した。鹿島もできるだけの対応はして3失点目は阻止。
2CBを残して攻めに出ていく鹿島に対し、マリノスはロペスを最前線に残してトランジションから時の起点役にする。
69分、カイキが松原にアフターチャージ。フラストレーションがたまっている様子。すでに警告を受けているので気をつけたいところ。
71分、鈴木がプレスバックで強引に寄せてファウル。その後、永戸となにか絡みに行ったところをクォンスンテが注意しに行く。「早く次のプレーの準備をしろ」ということか。鈴木にものを言える貴重な存在。
74分、奪ってからマリノスが遅攻に切り替え。左サイドでパスを回し、喜田→岩田で左ポケットを攻略して折り返しまで。
74分、マリノス交代
喜田、ロペス→藤田、セアラ
マリノスは時間を使うよりもあくまでもゴールへ向かう姿勢は変えないが、オープンになりすぎないようにコントロールしているようには見える。
78分、實藤が足を攣る。マリノスは一時的に1人少ない状況に。
78分、鹿島交代
カイキ→アラーノ
79分、マリノス交代
エウベル、實藤→水沼、山根
山根がボランチ、水沼が右WGに入り、岩田がCB、仲川が左WGへ移る。
80分、広瀬の運び出しから鹿島がチャンスメイク。右からのクロスにエヴェラウドが合わせに行くも届かず。直後にマリノスが素早く攻めて西村のシュートまで。DFを外せず、クォンスンテがキャッチ。結果的にオフサイド。マリノスの切り替えからの攻撃が抜け目ない。
84分、右サイドからのクロスにエヴェラウドが飛び込むも、先にエドゥアルドがクリア。鹿島は右からのクロスにファーからエヴェラウドを飛び越せる形を狙っている。
85分、マリノス交代
西村→マルコス
代表帰りながらひときわ走っていた西村がお役御免。終盤はさすがに疲労の色が見えていたが、走ることはやめなかった。
88分、PAの深い位置まで入った鈴木が柔らかいクロスを上げるもマリノス守備陣がしっかりはね返す。
90分、水沼のロングシュート。枠外だったが、雰囲気はあった。
90分、右からアラーノが鈴木へ渡すもハンド。ただ、鹿島もゴールへ近い位置までは入り込めるようになっている。
前半はマリノスがゴールを奪いながらも、鹿島も一定のチャンスは作っていたものの、後半はマリノスが完全に掌握。早い時間で2点目を奪ってからはゲームをコントロールしてチャンスを作り出した。鹿島も選手交代などでエネルギーを高めたものの、切り替えでもマリノスのほうが上回り、なかなか押し込むフェーズへ移れず。終盤こそゴールへ近づくシーンを作れたものの、ほとんど攻撃のチャンスをもらえないまま、完封負け。最後は互いにまともに走れなくなるくらい体力を使い果たしたゲームだった。
劣悪なピッチ状況もあってマリノスはいつものようなパス回しはなかなか出せなかったが、切り替えの速さとゴール前でのコンビネーションはさすがのものを見せた。また、代表帰りの選手が多い中、負傷した宮市を含めて3人をメンバー外、2人をサブに置く判断。その状況でもチーム力が落ちず、2位に完勝を収めたことはこれまでの積み上げの力を感じざるを得ない。
鹿島は鈴木とカイキを狙ったクロスには迫力があったが、そこまで運べなければ攻め手を失い、防戦一方の展開を強いられた。前半の立ち上がりは圧力を高めて中盤で互角以上のバトルを見せたが、徐々にトーンダウンすると、マリノスからボールを奪えなくなり、フラストレーションを溜めるといった悪循環に陥ってしまった。
個人的MOM
★岩田 智輝
代表帰りながら何事もなかったかのように先発し、フル出場。疲労を感じさせず、貴重な2点目を奪って見せた。後半途中までは中盤でパスを配球しながら機を見た攻撃参加、終盤はCBに移ってクローズと、その役割も多岐にわたった。
岩田と同じく代表帰りながら両チーム合わせてトップの走行距離を記録した西村、終盤は疲労の色を感じさせながらも、要所でのスプリントで存在感を保ち続けた仲川、出足の良さとゴール前のはね返しで守備の安定に貢献したエドゥアルドも高評価。
鹿島は三竿の安定した守備が光った。彼がいなければ、もっと早くにとどめを刺されて心を折られていたかもしれない。
トピックス
試合後、土居が鹿島サポーターと真剣な表情で話し合いをしている姿が映し出される。
古巣対戦の広瀬はマリノスゴール裏へ挨拶へ。
代表で大ケガをして帰ってきた宮市をマリノスの面々が迎える。宮市の目には涙が浮かぶ。
首位攻防戦を制したマリノスが勝点差を8に広げる。
監督コメント
(※Jリーグ公式サイトから引用)
[ ケヴィン マスカット監督 ]
パフォーマンスも、結果も素晴らしいです。2週間の準備期間も簡単ではありませんでした。7人が日本代表に招集されましたし、宮市(亮)は大ケガをしてしまいました。その中でチームに残って準備した選手も、代表に選ばれた選手もメンタルの強さを見せてくれた試合でした。選手たちのことを誇りに思います。--宮市の大ケガをどう受け止めていますか。
彼のことを考えれば、感情的になってしまいます。彼がチームに戻ったときに話しました。内容はプライベートなことで多くは話せませんが、1つ言えるのは話して2、3分経ったときに、彼はもうチームのことを気にかけていました。あれだけの大ケガを負ったにもかかわらず、にです。彼は素晴らしいパーソナリティの持ち主です。「走ったり、ピッチに立つことはできないが、ピッチ外で最大限、貢献していきたい」と言ってくれました。「素晴らしい」の一言に尽きます。チームのことだけを考えて行動する彼がクラブにいることを誇りに思うべきです。--先日、横浜FM勢が中心の日本代表が韓国代表を下してEAFF E-1 サッカー選手権を制し、横浜FMもリーグ戦で首位に立っています。
素晴らしいプレーをして、結果を残してくれています。私は代表に選ばれた選手も、残って準備した選手も、全員を必要としています。代表スタッフと連係して、選手のデータを見ながら疲労度を把握し、出られるのか、出られないのかを見極め、選手を送り出しました。グラウンドコンディションが良くない中、3ポイントに値する素晴らしいパフォーマンスをしてくれたと感じています。
[ レネ ヴァイラー監督 ]
--チームとしての差が出た結果になったと思います。どのようなところが試合を分けたのか、その差をどう埋めていかないといけないと考えていますか。
ロッカールームでも同様のことを伝えました。現状ではマリノスさんのほうが強い。結果として相手のほうが強かった。ただ、自分たちのゴールはリーグで一番強くなることだと明確にしました。今日に関しても前半チャンスを作った中で決め切れず、自分たちから招いてしまったミスから失点を重ねてしまい、結果、こういう試合となりました。自分たちの目標はリーグ1強くなることを掲げていきたいと思います。--後半に相手の勢いが増した。どのように分析していますか?
おっしゃってくれたとおり、前半はお互いにチャンスを作れたと思います。後半になって立ち上がりに自分たちが失点してしまい、2点ビハインドの中で相手の交代で入ってくる選手もチームに勢いを与えるような交代ができていましたし、その中で2点、3点と失点する危険もある状況になってしまいました。今日の試合の展開としては厳しい状況でしたし、難しい状況でした。--前回対戦でも同じように前半でチャンスを作りながら、後半に足が止まり失点を重ねる展開でした。前回対戦をどう生かすつもりでしたか?
前回対戦のときに前半は良い戦いができ、後半に入って相手は選手交代を生かしたところがありました。現状、この2週間というのも簡単な状況ではありませんでした。コロナが数名出てしまい、またキープレーヤーだった(上田)綺世も抜けてしまいました。難しい状況だったと思います。ただ、ケガで離脱している選手たちも帰ってくると思いますし、一つひとつ自分たちの課題を明確にしながら、チームを向上させていきたいと思います。