2022 J1リーグ第31節 清水エスパルスvsジュビロ磐田 メモ
スタメン
清水
前節で途中交代した権田が問題なく先発に入る。
原がベンチスタートで片山が4試合ぶりの先発。
西澤、オセフン、髙橋、神谷らが負傷離脱中。
磐田
前節から先発、サブともにまったく同じメンバー。前節途中交代で状態が心配された山田も先発に入る。
大森が負傷離脱中。
流れ
1分、白崎のミドル。三浦は前にこぼすも、素早く処理。
序盤は中盤での球際の攻防が激しく、トランジションが生まれやすい展開。
磐田は5-4-1セットで守備。杉本はアンカー位置の松岡を気にしながらCBに制限を掛けていく。ライン設定は低め。
4分~、磐田が前向きに圧力を掛け続けて、敵陣でのプレーを続ける。ダービーということもあってか、いつも以上に激しさや前向きの勢いを感じる。
山田がプレスのスイッチを入れたらシャドーやボランチが押し上げていく磐田。
清水は長いボールも使いながら前進を図る。
9分、上原のFKを杉本が合わせるも枠外。清水はセットプレーからの失点が続いているとのことで、磐田はセットプレーに力を入れてきているか。
10分、磐田がビルドアップから山田のシュートまで。清水は4-4-2セットで守っていたが、2トップ裏のボランチが浮き、そこから1つずつずらされた。
13分、鈴木雄の連続切り返しから左足の柔らかいクロス。CK獲得。
→14分、CKのこぼれ球を山田が狙うも枠外。
14分、磐田のプレスに対し、権田のフィードで外へ流れた北川へ届けてプレス回避。
16分、磐田が細かいパス交換から打開を図ったが、中山が戻って蓋。松本が抜け出しかけたが、しっかりと対応していた。
磐田はプレス時の形が4-4-2に近くなった。山田を2トップ気味にし、鈴木雄をSHのように押し上げる。
18分、トランジションから山田→金子でラストパスを狙ったが、立田がついていって蓋。清水も守備で集中できているが、磐田のほうが良い形を作れている。
19分、清水の波状攻撃。サンタナのシュート→こぼれ球を白崎がプッシュ→その流れから中山の縦突破クロス→サンタナのヘッドと連続でゴールへ迫るがいずれも決め切れず。清水はうまく行かない時間が続いていたが、先に決定機を作った。
清水は中山に右の深い位置を取らせる攻撃が多くみられる。
22分、飲水タイム。磐田のほうがやりたいことをやれている時間が多い印象だが、清水はワンチャンスの質が高い。展開的にストレスが少ないのは磐田のほうに見えるが、清水も点が入る雰囲気はある。
25分、立田のフィードをカルリーニョスが収め、山原の仕掛けからCK獲得。
27分、右からのコンビネーションでカルリーニョスがシュートまで持ち込むも三浦が好セーブ。飲水明けからは清水のペースになりつつある。
28分、中山のアーリークロスをサンタナが合わせるも枠外。磐田は高い位置で制限を掛け切れなくなってきており、清水が保持を安定させてきた。
29分、カルリーニョスが1人で運んでカットインシュートもブロックに遭う。その後右からのクロスにカルリーニョスが飛び込むも森岡がついていって阻止。
31分、CKに森岡が合わせるも枠外。磐田は枠へは飛ばせていないものの、セットプレーでほとんど味方に合わせられている。
33分、清水先制、1-0。CKをニアでフリックし、中での混戦からのこぼれ球をサンタナが押し込んでゲット。清水が攻撃を続けていた良い時間帯で先制に成功した。磐田は踏ん張り切れず。
38分、森岡のロングボールを杉本が落とし、金子が反応するも立田がクリア。杉本の落としを金子が拾うという共通認識の意識付けはかなり高そうに見える。
40分、森岡→右奥に流れた上原で深さを取り、金子の落としから山田が切り返して倒されるもノーファウル。磐田のビルドアップは森岡からの配球が1つのポイントになっているか。
立ち上がりは磐田が守備を安定させながらプレータイムを押し上げ、ペースを握っていたものの、飲水明けからは清水ペースに。ボール保持を安定させながらゴールへ迫っていき、セットプレーから先制に成功。ともに自分たちの時間を作った中、よりその時間の質を高めた清水がスコアを動かした。序盤は悪くなかった磐田だが、迫力不足は否めない。セットプレーでの雰囲気はあるだけにその数を増やすことも重要になるか。
後半
46分、磐田が右サイドでのパス交換から鈴木雄が抜けて金子へ預けるが、キープできずロスト。清水はサンタナを最前線に残してカウンターへの準備をさせる。
48分、北川に警告。山本康に対してのレイトタックル。
52分、中山が右のスペースに抜けて折り返し。清水のプレス、磐田のカウンタープレスと球際の激しい攻防を清水が制してチャンスを作った。
54分、清水のビルドアップ。サンタナを使ってスピードアップし、中山のクロスまで。相手の守備構造を把握しながらうまく前進できた。
55分、磐田がハイプレスをハメ切ってショートカウンターを狙うも、中央でロストしてカルリーニョスの単騎カウンターへ。
磐田はビハインドもあって、プレスのラインをかなり上げてきた印象。
清水はポジトラ時にサンタナにあてることさえできれば押し返せるので、一方的に攻め込まれる時間がほとんどない。
58分、磐田交代
山田、金子→ジャーメイン、大津
磐田がボールを持ち、清水が構える構図になってきた。磐田はハイプレス、清水はブロックと、磐田がボールを持ちやすい展開にはなっている。ただ、磐田は相手の1stラインを越えるのに苦労している。
63分、上原に警告。カウンターに出て行ったカルリーニョスを倒した。
64分、杉本と立田が空中戦の競り合い時に痛める。
66分、磐田交代
上原、松本→遠藤、松原
勝利のみが必要な磐田は早めに交代策を打つ。これで4枚目。
67分、飲水タイム。1点リードの清水がリスクを減らしながらゲームをコントロールし、カウンターから追加点のチャンスをうかがっている。磐田はボールを持てる展開ではあるが、より危険なエリアにはなかなか入り込めず、チャンスの数は少ない。遠藤というスペシャルな選手を入れてどう変わるか。
69分、大津が右サイドの深い位置を取って速い折り返し。杉本が反応したが、権田がキャッチ。きわどいボールだった。
71分、中山が座り込む。アクシデントか、ただつっただけか。自力で歩いてはいるが、メディカルからは×印が出る。
72分、清水交代
中山→ピカチュウ
73分、三浦からのフィードにジャーメインが抜け出しかけるも、カルリーニョスが戻ってゴールキックに。好守。
74分、カルリーニョスのドライブボレー。枠へ飛んだが、三浦がかき出す。カルリーニョスがかなり良い感触でプレーできていそう。
75分、CKの流れから松岡が遠めからミドル。枠へ飛んだが三浦がキャッチ。
清水が良い守備からペースを握る。磐田はボールを保持できる時間すら奪われ始めている。
78分、山原のCKに鈴木義がフリーで合わせるも枠外へ。ややブラインドになって合わせきれなかったか。
78分、磐田交代
山本義→古川
磐田は交代カードを全て消費。システムを4バックに変更。大津をトップに入れた4-4-2。
得点が必要な磐田はゴール前に人数をかけ、サイドからクロスを上げていく。ある程度カウンターを受けるリスクは許容。
81分、清水交代
北川→コロリ
磐田は古川の個人技からのクロスを1つの狙いどころとしている。
84分、プレーと関係ないところで杉本と白崎がやり合う。佐藤主審が一度プレーを止めて落ち着かせる。磐田は押し込み始めていたので、流れを止めるのはもったいない気がするが…。
86分、渋谷監督に警告が提示。詳細は不明だが、テクニカルエリアから出た?
清水は時間帯も考えて無理にプレスへいかず、自陣のスペースを埋めることを優先。磐田はその壁を叩き切れるかという状況。
89分、片山が足を攣る。
90分、清水交代
片山→原
91分、磐田同点、1-1。左で作った流れから松原が仕掛け、つぶれたところを古川が拾って折り返し、ジャーメインが強烈なシュートでニアを抜いた。松原の仕掛けで倒れた瞬間に一瞬清水の動きが止まり、磐田がその隙を逃さなかった。
92分、サンタナのシュートはバー直撃。清水も勝ちに行く姿勢を見せてゴールへ一気に迫った。
94分、右サイドを鈴木雄が抜けて折り返し、古川が連続で狙うも最後は枠外。決定機だったが、枠へ飛ばせず。
95分、立田に警告。杉本との競り合いでファウルを取られた。警告は強い異議のほうに対してだったかもしれない。
96分、磐田のFKをはね返した清水がカウンターでゴールへ迫ったが、決死の対応でしのぐ磐田。プレーが切れたところで終了のホイッスル。
後半は1点のリードを生かしながら清水がゲームをコントロールし、カウンターで追加点を狙ったが、スコアは動かせず。磐田はうまくいかないなりに1点ビハインドで時間を進め、選手交代でギアチェンジを図る。最終盤はなりふり構わずゴール前に人数をかけ、ジャーメインのゴールで同点に。清水は最後は1点を守り切る姿勢を見せたが、一瞬のスキから追い付かれてしまった。追い付かれたあとも2度ほど惜しいチャンスがあったが決め切れず。磐田も古川に訪れた決定機を決め切れず。ともに勝利が欲しい一戦で、文字どおり痛み分けの引き分けとなった。
個人的MOM
★ジャーメイン 良
投入から存在感を放つシーンはそれほど多くなかったが、前半から足りなかった思い切りの良さとフィニッシュの質をもたらし、最低限の勝点1をもぎ取った。古川が最後の決定機を決め切って入れば間違いなくヒーローだったが…。
古巣対戦の金子はバイタルでうまく受けるシーンは多かったが、サポートがうまくいかずにロストしてしまう場面が多かったか。
清水はサンタナが相変わらずのキープ力と得点で絶大な存在感を見せたが、勝利にはつなげられず。カルリーニョスもキレのある動きと献身的な守備で大きく貢献した。
トピックス
上原が累積警告4枚目で次節出場停止。
清水は5試合勝ちなしに。
監督コメント
(※Jリーグ公式サイトから引用)
[ ゼ リカルド監督 ]
まだ頭がしっかりと働いていない状態で、正直コメントをするのは難しいです。ただ、またしても終盤に失点して、このような形で終わるという形を繰り返してしまいました。前半は良い流れでゲームを進めることができて、追加点を奪ってもいい場面があったと思います。ただ、相手GKのセーブもあり、それが奪えませんでした。われわれがしっかりと勝点をモノにすることで、サポーターに対して喜びを与えるという使命をなんとしても果たしたかったが、それができずに非常に悔しいです。--終盤、相手が圧力を強めてきた中で、試合の締め方のプランは?
相手が前線に人数をかけて圧力を掛けてくるというのは想定していました。そこをまたわれわれがひっくり返して、カウンターの形で追加点を奪うチャンスもあったと思います。そこで奪えなかったのは悔しいです。失点のシーンはスローインからだったと思いますが、エリア内のスペースを埋められず、相手にシュートを打たせてしまいました。ベンジャミン(コロリ)を投入したことも含めて、攻守にわたりバランスよく戦って、ベンジャミンには守備の面では中央を閉じるというだけでなく、攻撃面ではスペースを突いてもらうというのもプランとしてありました。
ただ、チーム全体として多くのチャンスを作ることはできませんでした。失点をして悔しい形で終わりましたが、まだまだ自分たちの姿勢を崩してはいけないと思います。29日にまた別の決勝戦になるので、そこにすべてを出し切りたいです。
[ 渋谷 洋樹監督 ]
最初に工藤(壮人)くんが、サッカー仲間の選手が現役の中で亡くなってしまい、私自身も非常に悲しんでいます。本当にお悔やみ申し上げます。今日は“静岡ダービー”という称号がついた戦いの中で、選手たち、ファン・サポーター、すべての静岡県民が注目したゲームでしたので、本当ならわれわれが勝利して、Jリーグをより盛り上げていきたいと思ってゲームに入りました。選手たちもその思いを持って戦ってくれたと思います。
ただ、前半は私自身が守備のところで前線からのプレッシャーのタイミングを計らせてあげられなかった。相手がボールを持って、相手がやりたいことをやらせてしまった。後半はわれわれがボールを持って、つないだサッカーができることを選手たちと確認して、その形ができて、ビッグチャンスを何度か作っていけたのは今後につながる。もっと臆病にならずにプレーさせてあげれば良かった。そこは私自身の反省です。
ただ、今日は最後まで選手も粘り強く戦い、ファン・サポーターの後押しがあって1-1。この結果に満足していないが、この勝点1を意味あるものにするために、ラストでG大阪と京都にしっかりと勝って、ほかのチームの結果を含めて目の前の一戦ということで、次のG大阪戦に準備して次に向かっていきたい。今日は満員のIAIスタジアムで選手たちは躍動できた。これを次につなげていきたい。
--前半はなかなかプレッシャーが掛からなかったが、どんな難しさがあったか?
簡単にいうと、左サイドはプラスワンで北川(航也)選手がバイタルにいて、そこにプレッシャーが掛けづらく、そこでボールを保持されることが続いた。そこの対応をしっかりとすること。その後、逆サイドは白崎(凌兵)選手が上がってくる。失点シーンは2列目で向こうのやりたいことをやらせてしまって、CKを与えてしまった。それを私も伝えていましたが、相手の良さが出てしまって、サイドで片山(瑛一)選手にドリブルを仕掛けられてしまったので、左から右に展開を簡単にされてしまったことで、プレッシャーの緩さではないし、選手たちはイメージを持ちながらやってくれたが、そこでの対応が遅れてしまった。そのタイミングがズレてしまった。
そこは後半修正して、向こうも立ち位置が明確にならず、攻撃できなかったところがありましたが、前半は守備のところでプレッシャーが掛からず、特に山原(怜音)選手に遅れながらプレッシャーに行ってしまったところで、相手にチェンジサイドをされてしまった。そこに難しさがあった。後半はもう少しボールに対してプレッシャーに行ってくれということを伝えて、何度かピンチはありましたが、そこは許容の範囲内で、攻撃のところでボールを保持して、攻撃に転じる部分はよくやってくれたと思う。