がちゃのメモ帳

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2022 J1リーグ第31節 セレッソ大阪vs湘南ベルマーレ メモ

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スタメン

C大阪

ルヴァンで復帰していたジンヒョンがリーグも先発復帰。

清武、メンデスがメンバー外に。

U-19日本代表の活動で離脱していた北野がリーグ4試合ぶりのメンバー入り。

原川と丸橋が負傷離脱中。

 

湘南

日本代表ドイツ遠征帰りの町野はベンチスタート。

U-21日本代表イタリア遠征帰りの畑はメンバー外。

福島が5試合ぶりのメンバー入り。

第29節で負傷した大野は前節に続き欠場。

舘がメンバー外に。

 

流れ

セレッソの組み立てに対して強みにプレスを掛ける湘南。ラインを上げて、強度も高くいく。セレッソはサイドからの斜めのクサビでアンカー脇にポイントを作ろうとしている。

湘南が5-3-2でプレスを掛けてくるのに対し、セレッソはジンヒョンをCBの間に入れるような形を取って、相手2トップのプレスに出るタイミングを迷わせる。CBが開くと、距離が遠くなるので、どこまで深く追うかが難しくなる。

3分、茨田の縦パスを池田がライン間で受けてスピードアップ。中野に展開して仕掛けまで持ち込むがシュートまでは行けず。

6分、ヨニッチが開いた位置で受けた際にIHがプレスを掛ける湘南。SBのところにWBが出ていったことでずれが生じ、セレッソはそのずれを生かしながら逆まで展開。湘南のプレスをコントロールするような駆け引きが見られる。

7分、セレッソの右から左への展開。為田が斜めに抜けてWBを引きつけ、山中にスペースを空けた。

8-9分、湘南のビルドアップ。セレッソは2トップが横幅も広く見ながら深めに追って制限を開ける。湘南は茨田が間で受けてそのまま縦に加速させるパスを出すシーンが作れている。

10分、湘南がライン間で受けてからスピードアップ。中野から瀬川でシュートまで。ともに積極的なプレスを見せるが、ビルドアップで良い形を作れている。

11分、岡本→茨田で2トップ裏を取るが、上門が素早いプレスバックで捕まえる。ただ、その後すぐにロスト。レベルの高い攻防。

12分、松田が中野のマークを個人で剥がして逆へ展開。山中のクロスをタガートが合わせるも枠へ飛ばせず。

13-14分、池田がバイタルで受けて左足シュート。

18分、上門がスプリントをかけてGK谷にプレッシャーを掛けるも、切り返したところに足がかかってファウルに。怖さは与えたが、奪うまでには至らず。谷も冷静に対処。

21分、杉岡の持ち出しからの縦パス。瀬川から右に展開し、石原の仕掛けでCK獲得。2トップはMFもこなせる2人なので、下りてポイントを作る動きがよくみられる。

24分、杉岡に毎熊が寄せに行ったが、下りる中野を捕まえる選手がおらず、プレスが空転。

ここ5分くらいは湘南が良いリズムで保持を続けながらペースを握る。

28分、セレッソが右サイドで良い連係で密集をくぐって左へ展開。前に5人くらい張り付いている形なので、ロストすると中盤が空いており、カウンターは受けやすいが、密集をくぐれれば、ゴール前の枚数は十分。

ともにセットされた攻防が多く、保持からチャンスをどう作るかがポイントになっている。

33分、ジンヒョンが体をひねって逆サイドへ展開し、為田のインスイングクロスまで。湘南は2トップと中盤で片方のサイドに圧縮していく守り方なので、サイドに寄ってから逆へ展開されると、陣形を整えるのに時間がかかる。

36分、ジンヒョンから下りる上門にあてて、落としを鈴木が受けてプレス回避。ルヴァン浦和戦と同様、上門と奥埜がIHに近いタスクを持っている。

38分、上門に警告。自身のロストから池田に運ばれ、後ろからチャレンジして倒した。

球際の攻防は湘南のほうが上回っている印象。一瞬のスキで寄せきって奪ったり、出足の速さで先に触ったりというシーンが多くみられる。

42分、湘南のプレスを松田のキープから斜めのクサビで剥がし、スピードアップ。左からのクロスに奥埜が飛び込んで混戦を作り出すも、湘南が粘ってかき出す。

43分、松田のフィードに上門が抜け出し、タガートを狙った折り返しが湘南のオウンゴールを誘うが、追うサイドの判定。かなりギリギリだったが、VARとの長い交信を経て原判定支持。ここまでは2トップの動き出しをなかなか使えずに迷いがあったセレッソだが、ここはシンプルに背後を突いて2トップだけで完結できるシーンを作りだした。

47分、茨田が奥埜を倒して、PA手前でセレッソがFK獲得。

→48分、上門の直接FKは壁に当たって枠外へ。

 

チャンスやシュートの数自体は少なかったものの、ビルドアップとプレスの面白い攻防が繰り広げられた45分。互いに停滞している印象はなく、工夫を凝らしながら前進し、敵陣へ入っていっていた。ただ、最後のところを崩すところではもう一歩であり、後半はそこをどう打開するかが見どころ。1人だけで打開するようなタイプが先発にいないため、チームとしての完成度が担保されていた印象だった。サブに控えるパトリッキ、町野、ウェリントンら、一芸を持つ選手たちがプラスαをもたらせるかどうか。

 

 

後半

セレッソ交代

上門、為田→北野、パトリッキ

上門は警告をもらったため、カードトラブルも考慮したか。

立ち上がりはセレッソが敵陣でプレーして押し込む。

47分、パトリッキのインスイングクロスにファーで松田が飛び込むも届かず。入りはセレッソペース。

49分、ジンヒョン→鈴木で湘南のプレスを回避。これをやられると、湘南は安易に前へ出づらくなる。

52分、湘南が左で密集をくぐり、中野が抜け出してクロスを送るも、鈴木が戻ってCKに逃げる。

開始5分はセレッソペースだったが、50分を過ぎたあたりからは湘南も押し返し始める。

54分、右での作りから平岡が左足でミドルを狙うがジンヒョンの守備範囲。

55分、左からスペースに流してパトリッキを走らせるも石原が良いカバーで対応。

56分、北野のインスイングクロスは谷が飛び出してキャッチ。

57分、左から平岡がラストパス。阿部が反応するがつながらず。

後半も前半と同じく、互いに保持からチャンスを作ろうとする構図だが、やや中盤での強度向上の意識が高まったか。

59分、松田のフィードをファーで受けたパトリッキの折り返し。CK獲得で湧くセレッソゴール裏。

61分、湘南交代

茨田、池田→米本、タリク

セレッソ交代

毎熊→中原

62分、中原のインスイングクロスでパトリッキを狙うも湘南がクリアでCKに。中原が入ったことで、右からのクロスの球種が2パターンになった。

湘南は米本と平岡が横並びの3-4-2-1気味に変わった?

65分、タガートがルーズボールを粘ってキープし、シュートまでCK獲得。セレッソが連続CKでゴールへ迫る。ゴール裏も声援を大きくして後押し。

66分、中原の仕掛けを中野がファウルで止めてFK獲得。セレッソの押せ押せペースになっている。

67分、湘南交代

瀬川、平岡→町野、山田

69分、タガートがどこかを少し痛めた模様。自力で歩いており、そこまで重くはなさそう。

70分、セレッソ交代

タガート→加藤

71分、SHを上げてプレスを掛けるセレッソ。湘南は相手SB裏に2トップを流してきてを作ろうとする。

72分、湘南が敵陣でパスを回し、町野が華麗なターンからクロスを送るも中野が頭でうまく当てきれず。セレッソは自陣撤退時は、2トップも深くまで戻ってしっかりめに4-4-2を形成。

73分、ヨニッチからのアバウトなボールをパトリッキが競り勝ってシュートまで持ち込むもブロックに遭う。パトリッキには多少アバウトなボールを入れても、湘南側からしたら迫ってくる怖さがありそう。

74分、タリクから阿部に預け、PA内右で受けた町野がシュートもジンヒョンがブロック。町野はワンテンポ持ったことで角度がなくなった。

76分、ヨニッチが足を攣った模様。セレッソは奥埜→喜田の交代を準備していたが、アクシデントを見て判断を変える。

77分、セレッソ交代

ヨニッチ→舩木

セレッソは交代回数、交代枠ともにすべて消化。

79分、ジンヒョンを使いながら相手2トップを外し、フリーの舩木から背後を狙うも加藤にはつながらず。

79分、鈴木の縦パスから加藤→中原→北野とつないでシュートまで持ち込んだが、谷がセーブ。セレッソが惜しいチャンスを作った。

80分、岡本が座り込む。足を攣ったか。以前は足を攣ってもプレーを続けられることが印象的だった岡本だが、ここは下がる模様。

81分、湘南交代

岡本→福島

湘南も交代回数を全て消化。

82-83分、湘南がセットプレー守備からカウンター。最後は町野がシュートを狙うもジンヒョンがセーブ。

84分、ロングボールに中原が抜け出して折り返し、北野がマイナスのボールをダイレクトで狙うも大きく枠外。形は完璧だったが、フィニッシュの精度が伴わず。

87-88分、連続トランジションで湘南が攻撃。タリクが右からクロスを狙うもはね返される。

終盤に入ってトランジションからのやり合いが増えてきた。

89分、セレッソが押し込み、湘南が奪うも、加藤がプレスを掛けて山本のファウルを誘ってPK。背後から迫る加藤に先に触られて、山本が倒す形に。加藤の抜け目ない守備が上回った。

91分、セレッソ先制、1-0。パトリッキがPKを決め切った。谷が手でコースを誘導するような駆け引きをし、わずかに触ったがはじき切れず。コースの良さが上回った。

92分、加藤が右サイドを抜け出して折り返すも、湘南DFが戻ってカット。

点を取るしかない湘南はタリクがチェイシングを掛けてボールを奪いに行く。セレッソは背後にできたスペースを使いながら時間を使うプレー選択。

95分、湘南同点、1-1。FKをクリアしようとした加藤のヘディングが枠内へ飛び、オウンゴール。ジンヒョンも反応して触ったが、はじき切れず。FKのボールの質が良かった。加藤は価値あるPK獲得に貢献したが、最後に悔やまれるオウンゴール

 

均衡したゲームは終盤に大きく動いて引き分けで決着。押し込んだからこそ生まれたPKでセレッソが先制したものの、湘南が執念で勝ち取ったFKからゴールを生み出して勝点1をもぎ取った。後半でセットプレーを多くとるなど、敵陣へ押し込めたセレッソのほうがどちらかと言えば勝ちに近い内容だったかもしれないが、引き分けが妥当とも言えるようなせめぎあいだった。得点シーン以外だと、湘南は町野に訪れた決定機、セレッソは北野のシュートチャンスを決め切れれば、というたらればはあった。

セレッソはタガート、ヨニッチが、湘南は岡本がアクシデントで交代カードを切らざるを得ず、最後の采配に影響が出た。山口監督は試合後インタビューで「本音を言えば最後にウェリントンを使いたかった」と言っていたが、岡本の交代時に入れなかったあたりに、勝点1もにらんだ采配を感じさせた。

 

個人的MOM

★松田 陸

この試合でもビルドアップの脱出場所として機能。個人での剥がし、球離れ良いつなぎ、背後への配球と、バリエーションも多く、湘南のプレスを受けながらも主導権を握れたのは彼の存在が大きかった。

 

松田と同様に後方からの球出しでビルドアップの質を高めたジンヒョン、攻守で中盤を支えた鈴木も高評価。加藤もオウンゴールしてしまったとはいえ、持ち味である前線での守備からPK獲得につなげたプレーは評価されるべき。

湘南は途中出場から前線を活性化させたタリク、ラストプレーの質を高めた阿部が高評価。町野も一度決定機を迎えたが決め切れず。プレーにキレはあった。

 

トピックス

タガートが負傷交代。自力で歩いているところや、表情を見てもそこまで重くはなさそう。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 小菊 昭雄監督 ]
14時からのこの暑さの中、連戦の蓄積疲労もある選手もいた中で、大一番(ルヴァンカップ準決勝)のあと、メンタル的にも肉体的にも難しい状況ではあったのですが、痙攣する選手が続出した中で、最後まで勝利を目指して走り、戦ってくれたと思います。最後、勝ち切れなかったことは、これからACL出場権、ルヴァンカップのタイトルを獲得するために宿題を与えられたとポジティブに捉えて、全員で課題を共有して、自分たちの目標であるタイトル、ACL(出場権)をダブルで獲得できるように、全員で準備していきたいと思います。

--前半から、ボールは握りながらも堅い展開になった中、普段より早いタイミングで選手交代もされたと思います。実際、途中から入った選手が機能し、いくつもチャンスを作ったが、交代の狙いについて。
先発で出た選手、プラスα途中で出た選手が、全員素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれたことをうれしく思います。ここからのラストスパート、明日からまた高い競争が生まれるなと、うれしく思っています。前半は、スカウティングした中で、堅い試合になると思っていました。向こうも負けられない中で、この暑さで、強度を高く守備してくることも想定して、われわれはボールをしっかり握りながらもカウンターには気をつけないといけないと。そういったゲームプランも想定内で進みました。連戦の疲れもある中で、早めにフレッシュな選手を入れて、後半は自分たちからゲームを動かしていく。そういった狙いはありました。

--途中で交代したアダム タガート選手とマテイ ヨニッチ選手について。気候が暑く、その影響もあったのかなと思うが?
まだハッキリとは聞いていませんが、脱水の症状もありました。彼らだけではなく、たくさんの選手が、試合後の控え室でも倒れるくらいの状態で戦ってくれたこと、勝利を目指してくれたことを誇りに思います。

 

[ 山口 智監督 ]
暑さの中、難しい戦いになりましたが、終盤まで無失点に抑えたところは評価できます。ただ、攻撃のところで、奪ってから単純なミスだったり、呼吸が合わなかったり、準備不足だったり、まだまだ足りないところもあるので、トレーニングを含めて選手とやっていきたい。ハッキリした問題点と、できる部分と、やらないといけない部分が出た試合になったと思います。結果に関しては、最後によく追いついた。もちろん勝点3を目指している中で、難しい評価ですが、自分としてはポジティブに考えたい。この1がどうなるかは、この先の戦いにもよる。前向きに捉えたい。そんなゲームになりました。

--町野 修斗選手を途中起用されたが、狙いは?
試合は相手もあることで、それまでのトレーニングの流れ、関係性の中でのスタメンなので、その意図を詳しく言うつもりはないです。実際、シュートチャンスも作ってくれて、決めてくれたらな、というシーンもあったと思います。

--前半は守備でしっかり入ったが、これまでのC大阪との3試合の教訓を生かせた?
セレッソとの3試合の結果を受けて、だけではないので。選手にはそういう言い方もしましたが、セレッソだけと戦うわけではないし、自分たちはそこだけに対してやっているわけではない。ただ、そこへの悔しさはあったので、なんとか結果を出したいというところは準備してきました。難しい戦いになったのは事実ですが、準備してきた中での結果だと思います。

--マイボールから、ゴール前での勝負に持っていくことができなかったが、C大阪の守備が良かったのか。
僕が外から見て感じることと、中でやっている肌感覚は違うと思いますが、まだまだ視野を広げていかないといけない、選択肢も増やしていかないといけない。それぞれベストなプレーをしてくれていますが、もっとベストなプレーがあると思います。あとは、やり直す勇気や、やり直すタイミング。前に行けない場合の判断など、まだまだ足りないことも事実。単純なパスミスもあります。細かいことで言うと、体重の比重がどっちにあるかまで気にしないといけない。距離でパススピードも変えないといけない。多くを言ったらキリがないですが、サッカー選手である以上、やらないといけない。ただ、グループでの関係性はできているので、どう使うか。良いものを生めるかは判断にかかっている。ただ、フリーで3メートルのパスをズラしてほしくない、という思いは正直あります。そこはプロとして、追求させないといけないと思います。