2022 J1リーグ第28節 ガンバ大阪vsサガン鳥栖 メモ
スタメン
福岡が6試合ぶり、小野瀬が4試合ぶりにメンバー入り。
福田が負傷明けで5月8日以来の復帰。
ダワンが出場停止明け。
黒川、山見、石毛、倉田、シウバらがメンバー外。
宇佐美、山本理が負傷離脱中。
中2日での連戦もあって直近の試合から先発を4人入れ替え。
前節の川崎戦は契約上出られなかった宮代が先発復帰。
森谷がメンバーから外れ、堀米が3試合ぶりにメンバー入り。
田代のメンバー外が続く。
流れ
2分、髙尾が右ポケットへ抜け出してクロスを送るも朴がキャッチ。
戦前の予想どおり、鳥栖が持ってガンバがブロックを組む構図。
4分、中野がインサイドに入ってきて右足でミドル。
鳥栖は中野が高め、原田が低めのしぼり気味で、左肩上がりの3バック可変といった形。
6分、中野のクロスに宮代が飛び込むも高さが届かず。鳥栖が敵陣での保持を続ける。
6分、ガンバのロングカウンター。パトリック→鈴木とつないでシュート(クロス?)がゴール前に入るも鳥栖がギリギリでカバーしてCKに。
ガンバは大外の対応には極力SHに見させる。また、バイタルに入られてもシュートコースには絶対に誰かがいるようになっている。
10分、クイックリスタートからアラーノが背後に抜け出しかけるも、GKを抜きにいったコントロールが流れてカバーに遭う。
鳥栖の非保持は前から積極的にプレスを掛けて蹴らせて回収する狙い。
12分、バイタルで受けて前を向いた本田がミドルを狙うも枠外。
14分、鳥栖先制、0-1。右からの速いクロスを中で西川が合わせてゲット。ガンバはビルドアップミスから痛恨の失点。鳥栖は完璧なショートカウンター完結。ガンバはブロック守備ではやらせていなかっただけに、陣形が崩れたところで攻め切られてしまったのは悔やまれる。
16分、鳥栖のビルドアップをダワンが前向きで奪ってカウンター。鈴木へのラストパスを狙ったが、鳥栖のカバーが間に合う。ダワンらしい力強い奪取からチャンスを迎えたが、最後のプレー選択に迷った分完結できなかった。
17分、齊藤に出血?があった模様で外へ出て処置。
18分、CKを三浦が合わせるも伸びきってしまい、うまくミートできず。
ガンバは鳥栖が縦パスを狙ってきたときに前向きでとってやろうという意志が見える。
20分、パトリックに警告。ジエゴへのアフターチャージ。自身も足を滑らせていた結果でそのまま突っ込んでしまった?
23分、鈴木の落としからアラーノが狙うも朴の正面へ。ガンバがカウンターや速い攻撃からペースを握り返しつつある。
25分、鳥栖が右サイドでの連係から押し込んで敵陣での保持へ。長沼のカットインからの左足ミドルまで。
27分、左での連係から中野が抜け出してクロスを送るも東口がキャッチ。
27-28分、ガンバの組み立て。鈴木が下りて受けに行ったところをファンソッコがつぶしてカウンター。ジエゴのミドルまで。その後ガンバがカウンター。セットさせた攻防よりも、トランジションから刺したい思惑を両者から感じる。その中でも鳥栖のほうがボールを持ってコントロールしようとはしている。
鳥栖は人は当てていくが、序盤ほど強くはプレスを掛けなくなった。
ガンバの保持は相手を前に引き出すため。後ろで回して相手が前に出てきたらスペースがある状態で2トップが収める、もしくは優位なセカンドボールを作り出す。
36分、ガンバが敵陣で保持して齊藤→髙尾でうまくポケットを取ってクロス。ファーにパトリックが飛び込むもファンソッコが前でクリア。
37分、中盤で収めてからアラーノ→齊藤でポケットを取ってCK獲得。ここ数分はガンバが良いリズムで進めている。
40分、ダワンが力強く運びだして敵陣へ。
41分、ガンバがプレスをハメ切ってショートカウンター。食野が1人で運んでシュートまで。ガンバが攻守においてペースをつかみ、ゴール前まで入れている。鳥栖はコントロールできる時間が減ってきた。
42-43分、ガンバがロングカウンター。アラーノが運んでパスを預けるもカットされる。
鳥栖は保持はできるが、相手の嫌がるところまで入り込めず、ロストからカウンターを受けるシーンが目立つ。
46分、ガンバのビルドアップにプレスを掛ける鳥栖。東口→パトリックで回避するとガンバが疑似カウンターへ。左からのマイナスを鈴木が合わせるもブロックに遭う。
最初は鳥栖がボールを持って主体的にゲームを進めていたが、ガンバもカウンターで対抗。ただ、先に試合を動かしたのは鳥栖。前プレスから素早くゴールへ迫り、ショートカウンターで先制点を奪った。その後はガンバがプレスと保持で安定した戦いを続け、主導権を握ったものの、ゴールは奪えず。良い流れに持っていけていただけに追いつきたかったが、そこまでうまくは運べず。鳥栖は保持を安定させるところ、前線の強度を上げてプレスからボールを回収するところを修正できないと苦しい。
後半
鳥栖交代
中野→岩崎
3-4-2-1に変更。右から原田、ファンソッコ、ジエゴの3バック、岩崎と長沼のWB、本田と西川が2シャドー。
46分、背後へ送ったボールがパトリックへつながりかけるも朴がカバー。
48分、デザインされたCKで小泉がミドルを狙うも枠外。フリーを作り出すところまでは完璧だった。
システムを変えたことでかみ合わせが変わり、鳥栖の保持がいくらか安定した。
50分、連続トランジションからガンバが敵陣へ入り、食野がスルーパスを狙うが通らず。
51分、長沼がシュート性のクロスを送るが東口がキャッチ。2人飛び込んできており、きわどいシーンだった。
51分、鳥栖追加点、0-2。岩崎が仕掛けて速いクロスを送ると逆まで流れて長沼が回収。右からクロスを送り直し、宮代が合わせてゲット。東口の正面付近へ飛んだが、至近距離からのシュートで、外へかき出すには難しかった。鳥栖は修正が効いた時間帯でうまくゴールまで結び付けた。交代で入ってきた岩崎も違いを出した。
55分、ロングボールをパトリックが落としてPA内へ抜け出しかけるもファンソッコがカバー。
56分、ガンバ交代
鈴木、パトリック、ダワン→小野瀬、ペレイラ、山本悠
小野瀬が右SHに入り、アラーノが左SH、食野がトップ下気味に移る。
58分、ドリブルで抜け出しかけた西川をクォンギョンウォンが止めて警告。累積警告4枚目で次節出場停止。
62分、ガンバがハイプレス。鳥栖は蹴らずにつないでファウル獲得。前に出ないといけないガンバはリスク覚悟でラインを押し上げる。一方で、自陣での守備では2トップを前に残さず、ある程度4-4-2を保つような距離感。
64分、鳥栖が高い位置で奪ってゴールへ向かうが、本田と周りの選手の息が合わず。敵陣の保持に移行し、最後は藤田のミドル。
65分、鳥栖交代
藤田、本田→福田、堀米
66分、山本悠のターンでプレスを外し、良い流れで食野がシュートまで。強烈だったが、朴の正面。山本悠がらしいプレーでアクセントを付けた。
71分、ファンソッコに警告。リスタートに時間をかけて遅延行為を取られた。
72分、ガンバ交代
食野→福田
74分、後方からのロングボールにペレイラが抜け出してGKとの1対1になるも、朴がうまく対応して阻止。ガンバは決定機で決め切れず。
74分、鳥栖交代
宮代→小野
77分、鳥栖追加点、0-3。右サイドで奪って縦に素早くつけ、西川が抜け出してクロス。ファーでフリーになった小野が押し込んでゲット。ガンバはリスクをかけて前に出ていった中、うまく押し込めずにカウンターからやられてしまった。松田監督も思わず苦笑い。
鳥栖はまずは前からプレッシャーを掛ける。外されたらラインを下げるが、最初の選択肢はあくまでも前から。途中出場の小野と堀米は多少の追い直しがきくが、西川にはいくらか疲労が見える。
81分、ガンバ交代
クォンギョンウォン→福岡
鳥栖交代
西川→菊地
82分、鳥栖が縦に速く攻めて小野のシュートまで。
ガンバはある程度ボールは持てているものの、シュートまで行ける回収は少ない。
83分、アラーノ→髙尾でポケットを取って折り返し、山本悠が合わせるも鳥栖DFが決死のゴールカバーで阻止。結果的にオフサイド。ガンバは久しぶりにゴールへ近づけた。
86分、右サイドから齊藤が折り返すも朴が処理。ガンバが敵陣で持てる時間が増えてきたが、鳥栖の守備陣も崩れていない。
87分、福田湧が左からドリブルで仕掛けてCK獲得。
前半の途中からはガンバが攻守で上回って主導権を掌握したものの、後半はシステムを変えてきた鳥栖が押し返す。ペースを握った時間帯に追加点を奪い、ガンバが前がかりになったところをカウンターで刺して3点目。決めるべきところで決め切れるかどうかの差がスコアに反映された。ガンバは前半の終わり際にゴールを奪えていれば…という展開だったが、90分を通じてみれば鳥栖の勝ちが妥当な結果だったと感じる。中2日で苦労する部分もあったが、先発起用の西川が2ゴールに絡む活躍を見せるなど、選手層の底上げを感じさせる内容を見せ、勝利を収めたことは大きい。また、0-4の大敗を喫したあとのリカバリーとしても意味のあるゲームだった。
個人的MOM
★西川 潤
徐々に序列を上げてきた中、連戦によって巡ってきた初先発のチャンスを生かすゴールとアシスト。また、所属元がC大阪の彼にとっては“疑似ダービー”であり、そういう意味でも良い活躍になった。
トピックス
クォンギョンウォンが累積警告4枚目で次節出場停止。
鳥栖はパナスタ初勝利。鬼門突破。
試合後、小野がガンバサポーターに挨拶。
監督コメント
(※Jリーグ公式サイトから引用)
[ 松田 浩監督 ]
非常に残念な結果になりました。なんとか3連勝を、それもホームでファンの皆さんの前で勝利をと、いうのがどうしてもやりたかったことですけども、それがかないませんでした。鳥栖さんの良さが出た試合でもありますけども、そこのところは特に強度というところ。攻守にわたって、鳥栖さんのほうがやっぱり上だったなというのは認めざるを得ないかなと思います。それによってミスを誘われたということですかね。やられた感覚はないんですけど、やっぱりミスをすればそこをしっかりと突いてくるということ。ただ、そのミスも、より高いレベルを目指そうという上でのミスだったかもしれないし、そこはドライに判断して別に難しいことをしなくても良かったかもしれないし、ちょっと分からないですけどね。単なる技術的なミスなのか、とか。その辺り、やっぱり失点の仕方が勝ち試合にはつながらない試合だということは感じました。そういうところで、安い失点というか、そういうものがなくゲームを進められれば、これまでの勝利のような試合展開には十分持って行けたと思いますし、良いカウンターであるとか、相手の前がかりになったところを裏返すというような攻撃もできていなかったわけではないので、その辺りで点が入るという形になれば、また別の試合展開になったと思いますけども、今日はそういう日でなかったんだろうなと思います。
--リードを許したあとの攻撃ですが、最後のゴール前までは行くが、そこから焦りがあったように見えた。その辺りはどのように感じておられますか?
そうですね。やっぱり、焦りだとか、ちょっともったいない終わり方をするだとかいうのはあった。やはり、リードされている状況でいわゆる焦りだとか、落ち着きのなさとか、力が入ったということになったのかなとも思います。やっぱり、そこでメンタルの部分のコントロールが1点ぐらいリードされていても「まだ前半じゃないか」とか、したたかに戦えるような状況であれば十分に逆転とか、次の1点でそういう流れになったと思うんですが、やっぱり後半の最初のまた1点というのも痛かったですね。もう交代は十分にしないといけないなと。10分でも持ってもらえればという気持ちでしたけども、それまでに入ってしまったので、ちょっと本当に後手後手を踏むような形になってしまった。あとから出た選手たちも、もっと焦るというか、そういう感じになってしまったかなという気はします。選手はすごく気持ちを見せて、1点返して、そして同点に、そして逆転にというような気持ちを持って最後までやってくれたと思います。ただやっぱり、リードしたチームの余裕と、追いかけるチームの焦りみたいなのが最後まで出た試合かなと思います。
[ 川井 健太監督 ]
前回の川崎F戦から中2日というところで、非常にわれわれがチャレンジした中で敗れたゲームからこういう素晴らしいゲームを展開してくれた選手たちに感謝したいですし、何より川崎F戦に来ていただいたファン・サポーターが今日も来てくださったと思うので、その方々に勝点3をプレゼントできてうれしく思います。--守りの部分ですが、川崎F戦で4失点したあとどのように指示を?今日は無失点でしたが、その評価を。
そうですね、守備に関してはやはりハードワークをすること。そしてハードワークとはわれわれにとって何かということを、もう一度再認識してもらいました。何よりも攻撃の部分でもっともっとボールを動かすことですね。--西川 潤選手を今季初めて先発で起用しましたが、その意図と評価をお願いします。
素晴らしいパフォーマンスだったと思います。何より彼は毎日のトレーニングで意識も高くやってくれていますし、最近はベンチスタートが多かったですが、スタメンで出られる力があることは分かっていました。本当に期待に応えてくれたと思います。