がちゃのメモ帳

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2022 J1リーグ第26節 湘南ベルマーレvs鹿島アントラーズ メモ

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スタメン

湘南

鹿島から期限付き移籍中の杉岡は契約上出場できない。

池田がメンバー外。

ウェリントンが4試合ぶり、平岡が3試合ぶりのメンバー入り。

畑、大橋、タリクが久しぶりの先発。岡本も実戦復帰後初先発。

前節に続き、田中がメンバー外。→8月22日に海外への期限付き移籍が発表。

高橋がメンバー外に。

控えGKが馬渡→富居に変更。

 

鹿島

ピトゥカが出場停止で、三竿が出場停止明けで先発復帰。

前節欠場の和泉がメンバー復帰。

新加入のエレケが初のメンバー入り。

中村が久しぶりの先発。

荒木、松村、名古、常本、林が負傷離脱中。

 

流れ

3分、敵陣で回収した仲間がそのままシュートまで。立ち上がりは鹿島が効率よく敵陣へ入って押し込めている。前節同様、鈴木が下りる動きで起点を作り、2列目の選手が中央3レーンで背後を狙っていく。

4分、右サイドからのクロスに大橋が合わせるも枠外。戻りながらのヘッドで難しいシュートになった。

6分、ダイレクトな展開で仲間が背後に抜け出しかけるも湘南DFがギリギリで対応。ともに縦に速い攻撃を狙っているか。なかなかビルドアップの局面にならない。

7分、鈴木が中央で収めて右のスペースへ展開。クロスを土居が合わせるも谷の守備範囲。鹿島はそれぞれの選手の強みが生きた良い攻撃。クロスが上げられそうなシーンではゴール前に人数をかけるやり方は前体制から継続。

8分、大橋がGKの位置を見てロングシュートを狙うも枠外。枠へ飛んでいたら入っていたかもしれない。

どちらもビルドアップの局面になっても、プレスを受けるとすぐにロングボールを蹴る傾向が強い。中盤でのトランジションでアンストラクチャーを作り、そこでどちらが上回るかの勝負。

11分、岡本→大橋で右奥のスペースを取って折り返し。中に入ってきた瀬川が合わせるが、鹿島DFも体をつけて自由にさせず。湘南は手数をかけない効率的な攻めを見せた。

鹿島がルーズボールの回収から背後へ抜け出しかけているが、湘南DFも粘り強く対応してチャンスを作らせない。

14分、PA内の混戦からタリクがシュートまで持ち込むもクォンスンテがはじき出す。CKに。

15分、大橋が顔の手当てで一時ピッチを出る。鼻血?

15分、茨田のCKをファーで大野が合わせるが枠外。伸びきった状態になり、力が伝えきれず。

→大橋がプレーに復帰。

17分、鹿島の組み立てで安西に入ったところを石原が強く当たって奪いに行くがファウル。

19分、鹿島のビルドアップ。湘南は5-3-2セットで構える。ようやくゲームが落ち着いた。

20分、大橋が中盤で奪ってカウンター。石原→茨田とつないでシュートまで持ち込んだがブロックに遭う。左でタリクが浮いていたが、茨田はシュートを選択。

21-22分、鹿島がCK守備からカウンター。カイキが運ぶがパスは通せず。

22分、飲水タイム。両軍、縦に速くゴールを目指すため、なかなかゲームが落ち着かず、トランジションの回収がかなり増えた立ち上がり。20分前あたりから少し落ち着いたように見えたが、セットプレーのトランジションからも直線的にゴールを目指すので、休む間がない。どちらかというと湘南のほうが良い場所でセカンドを回収して攻撃へ転じられているイメージ。

26分、中央を経由してから石原へ送り、折り返しまで。鹿島がはね返したが、テンポがあって良い攻撃。

27分、湘南がCKからゴール前に混戦を作り出して押し込みに行くも三竿がブロック。さすがの危機察知。

序盤は鈴木の起点作りが目立ったが、時間の経過とともに湘南DFのタイトなマークで収めるシーンが少なくなってきた印象。

どのタイミングからかは分からないが、カイキがトップ下、土居が左SHになっている。

34分、湘南が中央での細かいコンビネーションで打開を図るも合わず。

36分、鹿島のビルドアップ。樋口と中村が列を下ろしながら後ろを安定させる。最終ラインで横に回すだけになるシーンが多く、なかなか前進のパターンを見つけられない。

41分、カイキがロングシュートを狙うも枠外。

鹿島はなかなか敵陣でプレーする時間が作れずにいる。15分あたりからは湘南のペースが続いている印象。

44分、中央での連係から茨田が右サイドを抜け出してクロス。ラストパスまではスムーズだが、最後シュートのところは自由にさせてもらえない。

 

立ち上がりこそ鹿島がチャンスを作ったものの、10~15分あたりからはおおよそ湘南のペース。トランジションで上回って良いシーンを多く作り出したが、鹿島も最後のところはやらせずにスコアレスでの折り返しに。鹿島は時間の経過とともにほとんどチャンスを作れず、もっと言うと敵陣にもなかなか入れない状況が続いた。

湘南は保持でもトランジションでも一本の縦パスからスピードアップして3人程度が絡んだ連係で打開を図る。PA付近でのコンビネーションのレベルが高く、ラストパスやクロスまではスムーズにいくが、鹿島の粘りもあってフィニッシュは良い状態では打たせてもらえなかった。点は取れなかったものの、プランとしてはかなり遂行できているのではないか。あとはベンチに控えるアタッカーがアクセントを付けてゴールを奪えれば理想的な展開だろう。

鹿島はボランチにテクニックタイプを置いたが、組み立ての局面をあまり作らず、ダイレクト志向が強かった。序盤は鈴木の起点からゴールへ迫るシーンを何度か作れたが、徐々に沈黙。鈴木はタイトなマークで封じられ、中盤でロストすればカウンターを受けるという悪循環に陥っていた。湘南のペースにお付き合いしている部分もいくらか感じられるので、中村と樋口をもっと生かせる展開に持ち込みたい。

 

 

後半

鹿島交代

仲間、土居、中村→和泉、エヴェラウド、キム・ミンテ

エヴェラウドが最前線に入り、そのすぐ下に鈴木。ミンテがCBに入り、三竿がボランチに移る。

湘南交代

大橋→町野

46分、舘の持ち運びで敵陣へ入って米本のスルーパスで瀬川が抜け出すもシュートはスンテがブロック。最大の決定機を決められず。

48分、町野が自陣で収めてから右へ展開。石原が運んでラストパスを狙うがミンテがカット。後半も湘南のペース。

50分、畑が縦に仕掛けてクロス。ゴール前で混戦を作るも鹿島がかき出す。

51分、湘南がPA内へ進入してタリクがヒールで落としを狙うがヒットせず。最後のところが決まらない。

52分、安西が左サイドで運んでカットインミドル。枠へ飛んだが谷が好セーブ。

54分、鹿島の組み立て。鈴木が下りて右サイドへ展開して前進。前節でも見られた左で作って右へ開放する攻撃。

56分、町野の直接FKは大きく枠外へ。

鹿島は鈴木がボランチのような位置まで下りてきて組み立てに参加する。

58分、鹿島先制、0-1。エヴェラウドが右サイドで強引にキープしてポケットへ走った樋口へ。折り返しをエヴェラウドがダイレクトで合わせてゲット。湘南は球際で取り切れなかったことが痛かった。鹿島はそこまで良い流れではなかったが、絶好のチャンスを仕留め切って先制に成功。

60-61分、湘南が左で回すが鈴木がプレスバックしてきて囲まれてロスト。

61分、タリクが持ち運んで瀬川へのラストパスを狙うがつながらず。

「器用に」というよりは「強引に」というイメージだが、エヴェラウドが体を張ってボールをキープしてくれるので、鹿島は鈴木ともう1つのポイントが作れている。

66分、米本のミドルはサイドネット。可能性は感じさせた。

67分、飲水タイム。湘南が良い立ち上がりでPA付近での攻撃試行回数を増やしていたが、最後のところが決まらないうちに鹿島が先制。ここまでは「内容は良いが、スコアでは負ける」という今季の良くないパターンになりつつある。

71分、広瀬がクロスを入れてファーでカイキが飛び込むも合わせきれず。

鹿島は左SHのカイキはかなり前向きに出ていくが、右SHの和泉は畑を監視すべく、後ろ向きの守備意識が高い。

73分、湘南同点、1-1。CKをファーで大野が折り返し、中にいた瀬川がコースを変えてゲット。大野の打点の高いヘッドで勝負あり。湘南はここまでで多くチャンスを作っていたカウンターからでもPA付近でのコンビネーションからでもなく、セットプレーでこじ開けた。

74分、湘南交代

タリク、茨田、石原→平岡、阿部、中野

中野が左WBに入り、畑が右WBに移る。

湘南が得点と3枚替えの勢いをそのままにゴールへ迫る。

77分、鹿島交代

樋口→舩橋

78分、縦パスを受けた阿部から畑へのスルーパス。流れは良かったが、パスが長くなって間に合わず。鹿島は前からのプレスの勢いを強める。下りる米本に対しては舩橋が深くまでついて行くが、それが裏目に出て中盤のスペースを使われた。

79分、畑がふくらはぎを攣った模様。一時的にピッチの外へ出て処置を受ける。

80分、町野が左に流れてポイントを作ってCK獲得。

82分、湘南交代

畑→福島

足を攣った畑を下げる。福島を右CBに入れて岡本を右WBへ移す。

82分、鹿島交代

カイキ→エレケ

エレケは右WGのような位置に入る。

83分、瀬川がPA内へ抜け出してシュートを狙うも、枠へ飛ばせず。

84分、中央でつないで阿部から左へ走る平岡へ。中野との連係でクロスを狙ったが、パスが少しずれる。ここ数分は湘南がボールを握って攻め立てている。

85分、右へのロングボールを岡本が落として最後は阿部のミドル。湘南が攻撃の試行回数を増やしてゴールへ近づいている。

85分、中野が縦に仕掛けてクロス。

87分、鹿島のカウンター。逆サイドで鈴木が完全に浮いていたが、エヴェラウドのパスは意図したところへ送れず。エヴェラウドはパスを出したあとに頭を抱える。

88分、岡本が足を攣る。湘南は交代カードを消化済で、新たに選手を入れることはできない。

→岡本を2トップに入れて、瀬川を右WBに移して対応。岡本はスプリントをかけるのは難しいかもしれないが、ランニング程度はできそうな雰囲気。

90分、エヴェラウドが右サイドを強引に突破してクロス。怖さはあったが、湘南もはね返す。

92分、岡本が瀬川と話して元のポジションに戻す。

93分、阿部が中盤で奪われて鹿島のカウンター。エヴェラウドのクロスに鈴木が後ろから飛び込むも湘南DFがブロックしてCKに。

94分、鹿島がセットプレー崩れから右へロングボールを送り、被った米本が手で止めて鹿島がPA前からFK獲得。米本には警告が提示。

→デザインプレーでマイナスのパスを狙うが、瀬川が読んでカット。地味だが、ピンチの芽を事前に摘むスーパープレー。

 

最後はどちらが得点を取ってもおかしくないような激しい攻防になったが、勝ち越しゴールは生まれず、引き分けで決着。90分トータルで見れば湘南のほうが内容は上回り、シュート数も倍近く放ったものの、最後の質が足りず。逆に鹿島はチャンスの数はそこまで多くなかったが、その中で決め切った。エヴェラウド→鈴木のパスが合っていれば…のたらればはあったが、それは話がうますぎるのかもしれない。湘南は勝ち切りたかっただろうが、残留争いを考えると価値ある勝点1。鹿島は上位争いにおいては半歩後退の勝点1。

湘南はゲームプランの遂行においてはうまくいったが、得点を奪うところが足りず。ただ、先制を許しながらそこで崩れずに引き分けに持ち込めたのは進歩。また、阿部、中野と新戦力がしっかりとアクセントを付けられているのも今後に向けての好材料だろう。

鹿島は前節と比べてやりたいことをなかなかやらせてもらえず、内容には課題が残った。その中でも守備陣が粘って無失点の時間を長くしたことは良かった点。やはり三竿がいると頼りになる。エヴェラウドが復調気味、エレケが実戦デビューを果たしたことも次につながる要素だろう。中村や樋口など、ボールスキルに長けた選手の起用にはまだ悩みがありそう。

 

個人的MOM

★瀬川 祐輔

1ゴールに加え、多くの決定機に絡んだ。本人も悔やんでいたようにもう1点、2点決められていれば理想的だったが、貢献度は十分。ラストプレーのFKを防いだのもファインプレー。

 

トピックス

米本は累積警告4枚目で次節出場停止。

 

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 山口 智監督 ]
札幌に負けてから、マリノス戦に向かうところで自分たちが立ち帰る場所を確認して向かうつもりでしたけど、その試合が(台風の影響で流れて)よりそれを強調できた週になって、選手はよく表現してくれました。ゲームで言うと、良い試合をしてくれたにもかかわらず、自分の交代のところで迷惑をかけてしまった。そういうところで個人的に力がないなと思いました。

ただ、選手の攻守で用意してきたもの、相手を見ながら相手のシンプルなサッカーに対して心構えという意味で、最後に何人か足をつったというのはそういうことだと思います。出し切るというところで、結果だけが残念で、チャンスもたくさん作り、良い形の攻めもできていたぶん、欲を言えば勝点3を取りたかったですけど、よく追いついてくれましたし、次につなげないといけないゲームになりました。

--今日の試合は岩政 大樹監督の鹿島をかなり分析して臨んだのか、自分たちに重きを置いて戦ったのかどちらでしょうか?
表現が難しいですけど、鹿島は鹿島なので、もともと知っている部分と監督が代わって何をしてくるか。それに対して自分たちがそこにどれだけ対策を持っておくかというのがすごく難しかったのは事実です。

1試合目を見させてもらった中で、今までとやり方をガラッと変えるようなことはしていなかった。鹿島の伝統的な良さは対策として持っておきつつ、札幌戦でだらしない試合をしてしまった反省と、そこに立ち返って自分たちがやっていることを残り10試合で表現しようというのは確認できました。

それは相手を見ることもそうですし、戦術的に守備で奪うところもそう。今日みたいに複数人絡んでチャンスを作ることもそう。課題はゴール前の決めるところや守る際のところなので、そういうところを次の試合以降、今日をベースにしながら残り9試合を戦いたいです。

 

[ 岩政 大樹監督 ]
--引き分けという結果をどう受け止めていますか?
はい。勝点3を取りたい状況でしたが、試合内容からいくと致し方ない結果と捉えています。

--うまくいかなかった原因は?
自分たちの要因と相手の要因の両方があると思います。相手がかなり徹底してきた背後へのボールですね。特にSBの背後にほとんどすべてと言っていいくらいボールを入れてきたというところで、自分たちがそれに対して後手に回ったというところが1つ。

それと同様に自分たちも前進していきたかったところで、セカンドボールを拾いやすい状況を作る準備をしたつもりでしたけど、みんなには、ちょっと今日の相手と状況で、思うようにいかなかったところは僕の責任かなと思います。

--先制点を勝利につなげられなかった要因は?
前半から試合に入るに当たって、選手たちにこのようにすれば前進できる。このようにすれば相手のゴール前に入っていける。そのような絵を見せられなかった。その準備に問題があったと思います。