スタメン
札幌は菅野が出場停止明け。前節で負傷したシャビエルがメンバー外。小柏、ルーカスが負傷離脱中。深井がメンバー外。
鹿島は仲間と鈴木がメンバー外。連戦もあって数名入れ替え、関川がベンチに回り、三竿が再度CBへ。名古、荒木、松村が負傷離脱中。
流れ
札幌も鹿島もテンションを上げて入り、落ち着かない展開が続く。
札幌は荒野が前で、駒井がボランチに入る。
4分、金子が右で持ってコントロールショット。札幌が1stシュート。
6分、右からの流れで興梠が抜け出してシュートもクォンスンテの正面。結果的にオフサイド。局地でのバトルが続く中、よりオープンで攻撃の流れを作れているのは札幌のほう。
徐々に札幌が持つ流れになってきた。
鹿島はボールを持たれることを許容しつつも、中盤では強度を上げて奪いに行く。
12分、札幌の波状攻撃。PA付近でパスを交換してシュートチャンスをうかがう。
14分、鹿島が保持の時間を作って攻める。斜めに入ってきた土居が抜け出しかけたところを宮澤が倒すも判定はオフサイド。
16分、エヴェラウドが岡村との競り合いを制して土居が抜け出しかけるが、エヴェラウドのファウルを取られる。正当な競り合いにも見えたが、腕が入ったという印象からとられたか。
18分、金子の縦の仕掛けからクロスを送って興梠がファーで合わせるも鹿島DFがブロック。そのあと田中駿がミドルを狙う。よりゴールに近づけているのは札幌。
19分、右に流れた宮澤から興梠と金子のコンビネーションで背後へ抜け出すがキムミンテが対応。ただ、札幌らしい良い崩しを見せた。
19分、キムミンテのロングフィードに土居が抜け出してシュートもオフサイド。1stタッチが完璧だったが、シュートは枠へ行かず。
21分、興梠をクッション役に使ってから菅への展開。速いクロスを送るも中に合わず。
札幌は選手を流動的に動かしながら、縦パス→落とし→展開で前進。
26分、和泉に警告。菅へのアフターチャージ。
札幌はマンツー守備を続けるが、がっちり人について行くというよりも、まずはスペースを埋めた上で後ろから出ていくようなイメージ。特に最終ラインのホルダーへの寄せはやや甘くなる傾向。
鹿島は2トップ脇にSHを押し出して、高い位置で押し返そうとする守備。札幌は後ろに人数をかけながら相手SHを押し下げて全体を上げていく。
30-31分、中盤をワンツーで抜け出してから菅のクロスから田中駿の折り返し。中で合わなかったが、折り返しまではきれいな流れ。
札幌の保持が続く。鹿島はいって剥がされるシーンがあったので、ある程度割り切ってブロックを組んで我慢する戦いにシフト。札幌は相手2トップ脇やアンカー位置を配球どころにしながら大外をうまく使ってゴールを目指す。
39分、札幌が左のコンビネーションから逆サイドの金子に展開してスピードアップ。田中駿がミドルでフィニッシュ。札幌は落としを3人目がうける連動がスムーズで、プレスにこられてもテンポよく外すことができている。
43分、鹿島がカウンターから土居が運んで樋口のミドル。その後も攻めてCK獲得。
44分、CK守備から札幌がロングカウンター。金子が長い距離を運び出して敵陣でファウルを受ける。止めた広瀬に警告。
札幌が保持して鹿島が受ける構図が続いた前半。札幌は保持を安定させて支配率を高め、ゴール前まで迫るシーンも多く作ったが、決定的なシーンはそれほどなかった。鹿島も受けることを許容しながらゴール前での守備は粘り強く対応できた。
札幌はサイドでの仕掛けまではそれなりにスムーズに行けているため、あとは鹿島の中野選手をどのようにどかすか。興梠もスペースのないところでCBに競り勝てる感じではないので、いかにスペースを素早く突けるかがポイント。
鹿島は途中から消耗を抑えながらまずは守備を固めるプランで進行。崩されずに無失点で折り返せたことはポジティブだが、押し返して攻撃に転じる回数が少なかったことは課題。鈴木が不在で、収める場所がないことが悩ましい。エヴェラウドも競り合いは強いが、収めて時間を作るようなプレーはそこまで得意ではない。勝ちに持っていくためには後半で強度を高める時間を作り、主導権を取り戻すことが必要。
後半
45分、空中戦で岡村へアフターチャージを見舞ったエヴェラウドに警告。前半にもファウルを取られるシーンがあったので、繰り返しも含んでのカードだったかもしれない。
47分、キムミンテのフィードに和泉が抜け出すも、その前の高嶺へのファウルを取られる。
後半は鹿島がボールを持つ時間を作って、シンプルにエヴェラウドを目指していく。札幌もボールを持てるが、前半よりもサイドで圧縮されて思うように前進できなくなった印象。
徐々に札幌が持ってコントロールする流れになってきた。
55分、鹿島交代
エヴェラウド、樋口→安西、舩橋
安西が左SHに入り、カイキが2トップの位置へ。
56分、荒野の折り返しを興梠がバイシクルを狙うも鹿島DFが対応。札幌のペースに傾いてきた。
鹿島がトランジションや球際での強度を上げてきて、少し押し返す。
62分、札幌交代
荒野→福森
福森がボランチに入り、駒井がシャドーへ移る。
63分、青木がスペースへ抜け出すも三竿が遅らせて常本と2人で奪い切る。落ち着いた守備対応。
64分、鹿島の縦に速い攻撃で土居からファーの広瀬を狙うも精度が上がらず。
65分、中盤で奪って前へ出て行ったピトゥカを田中駿が止めて警告。札幌が中央のコンビネーションから打開を図ったが、鹿島も中央を固めてうまく攻撃に転じた。
71分、右からのクロスに福森がファーで折り返すも中で合わず。札幌は折り返しまではいけるので、あとは中で合わせるだけ。
札幌がよりゴールに近づいている雰囲気。鹿島はなかなか攻撃の時間を作れずに我慢の展開が続く。
74分、鹿島交代
土居→中村
中村がアンカー位置に入り、ピトゥカと舩橋が0,5～1列上がった。
75分、鹿島が奪って攻撃に転じるも高嶺が素早く潰して時間を作る。
77分、札幌交代
興梠→中島
77分、PA内に入った中島が早速シュート。ゴールへの意欲を感じる。
80分、久しぶりに鹿島のターン。安西のインスイングクロスにカイキが飛び込むも宮澤が対応。
札幌が押しているが、鹿島も相変わらず一発の怖さがある。
81分、カイキが右を抜け出してシュートも菅野が好セーブ。角度のないところから枠内へ飛ばしたが、菅野も落ち着いて対応した。
84分～、鹿島が持って攻める時間。
85分、キムミンテ→和泉で背後を狙うが、菅野がカバー。
86分、札幌交代
青木→西
西はそのままシャドーの位置に入る。
87分、鹿島が右サイドを抜け出して常本のクロスからゴール前で混戦を作り出すも札幌も粘りの対応。
93分、安西がPA左で持ってシュートを狙うも枠外。
両者決め手を欠いてスコアレスドロー。札幌はボールを持ってクロスから折り返しまでは持ち込むも、シュートまではなかなかいけず。鹿島はカウンターやシンプルなゴール前へのボールからチャンスを作り出そうとするも、試行回数も少なく、決定的なシーンもほとんど記憶にない。カイキが抜け出して角度のないところから狙ったシュートくらいか。札幌の得点力不足、鈴木を欠いた鹿島の攻撃の手の少なさを感じさせる、野球でいうところの「貧打線」に近い内容だったように思う。
個人的MOM
★岡村 大八
エヴェラウドとのマッチアップで一歩も引かず、鹿島に攻撃へ転じさせるスキを与えず。気づけばすっかり3CBの真ん中に定着した。
トピックス
ゴール裏へ挨拶へいった鹿島。詳細は不明だが、サポーターの言葉に反発した安西が熱くなり、チームメイトがなだめる。
監督コメント
（※Jリーグ公式サイトから引用）
[ ペトロヴィッチ監督 ]
アウェイで連敗した中で迎えた試合ということで、非常に難しい状況だった。加えて昨日の練習で深井（一希）と小柏（剛）が今日の試合に出場できない状況となってしまった。誰かが戻ってくれば誰かがケガをしていなくなるという、現在の流れそのままに、厳しい状況での試合でした。しかし、選手たちはその中でも立ち上がりから試合をコントロールし、チャンスを作ってくれた。守備でもコンパクトに守り、相手にほぼチャンスを与えていなかったと思う。自分たちの作ったチャンスも４～５回あったが決め切れず、引き分けに終わりました。試合結果に対しては不満である。ただ、選手たちが見せた、こういう状況の中でもチーム一丸となって戦う姿勢は評価していいはずです。厳しい状況の中で気持ちを出して、１つにまとまって素晴らしいゲームをしてくれたと思う。
－－鹿島相手に守備が機能していたと思うが。
スコアだけを見ると守備が不安定だと見られがちである。例えば前節は前半で２失点。でも、相手にチャンスらしいチャンスを与えていなかった。もちろんわれわれはリスクのある攻撃を仕掛けていくチーム。その中で危険な形でミスをすれば失点しやすい戦い方でもあるし、反対にチャンスを多く作れる戦い方でもある。ただ、作ったチャンスを決め切れていない。それがいまの状況であり、順位を反映している。守備については今日もハードワークできていて、ほぼ完璧な戦い方をしてくれた。
深井と小柏は練習時のアクシデントで欠場になった模様。
[ レネ ヴァイラー監督 ]
－－チームとしてスピードアップできなかった印象だが。
自分たちのFWのところで、前半戦に得点を重ねていた２トップが不在で、得点力のところが足りていなかった。エヴェラウドもコンディションがまだまだ。ただし、札幌とのアウェイはどこがやっても難しいので、勝点１はうれしく思う。残り30分間、ストライカー不在の中で選手たちはよくやっていた。悲観すべきではないと思う。－－鈴木 優磨が不在だったが。
今日は体調不良でした。
鈴木は体調不良による欠場だった模様。
