がちゃのメモ帳

Jリーグをメインに、いろいろな感想を残していきます

2022 J1リーグ第19節 柏レイソルvs鹿島アントラーズ メモ

www.jleague.jp

youtu.be

スタメン



柏は高橋とドッジが出場停止。椎橋が出場停止明け。川口は14試合ぶりの先発。中村は6試合ぶりのメンバー入り。土屋は初の、山田は第7節以来のメンバー入り。

鹿島は植田の移籍が決まり、今節から離脱。カイキ、和泉、ピトゥカをサブスタートにするなど、メンバーも変更。土居は14試合ぶりの先発。林が初のメンバー入り。

 

流れ

ミンテが左、関川が右、三竿がボランチでスタート。

柏は最初から5-4-1セット。

鹿島は高い位置からプレスに出ていく。柏はギリギリまでは安易には蹴らず、ショートパスでのつなぎで前進を図る。一方で鹿島は比較的アバウトに前線へ入れていき、こぼれ球を拾って押し上げていきたい狙いか。

6分、サヴィオと川口のワンツーでポケットへ進入して折り返すが、鹿島がシュートは打たせず。

柏は上島のフィードからWBが大外の高い位置で受けるパターンが何度か見られる。鹿島は4バックが中央にしぼっているので、大外への対応が少し遅れがち。

8分、サヴィオのインスイングのCKが直接ゴールに向かうも、クォンスンテがかき出す。

9分、関川から背後へ抜ける鈴木と土居を狙うが通らず。その後にキムミンテも土居を狙って深い位置へ落とす。鹿島は完全にダイレクト志向。

12分、鹿島がサイドを大きく振った攻撃から、常本がアウトサイドでクロスを入れて土居がファーで合わせるも枠外。鹿島が初めて(?)シュートシーンを作る。

13分、ミンテ→鈴木の落としから前進。柏はあまり前から追わずにセットしているが、鹿島は積極的にCBからは背後を狙って、ダイレクトな前進を図る。

14分、上島に警告。鈴木を起点としたカウンターに出かけたところを腕を使って止めた。

16分、鹿島がカウンターに出るも柏が自陣でカットして逆に敵陣へ。鹿島は自陣撤退時は、土居が左WBのような位置まで下りて5-4-1に近いセットに。互いにあまりプレスには出ていかず、各レーンを埋めることを意識している様子。

18分、ここは仲間が左WBの位置へ。土居が戻っていたのは流れの中で一時的なものだったかもしれない。

22分、鹿島が後方で回して相手の1stラインを外しながら、ミンテ→背後へ抜ける安西狙い。相手を外すパス回しは行っても、最終的な狙いはあくまでも背後。

23分、細谷がスルーパスに抜け出しかけたところを関川が止めて柏がFK獲得。関川には警告が提示。ミンテが並走していたため、カードの色が黄色で済んだが、ドグソすれすれのファウルだった。

26分、サヴィオの直接FKの流れから、三丸が右サイドを突破して逆足でのクロスまで。

28分、飲水タイム。立ち上がり10分ほどまでは柏のペースで進んでいた印象だが、そこからは拮抗した展開に。互いにシュートシーンは少なく、セットされた状態をいかに崩すかで打開策を見つけられない。柏はコンビネーションやクロス、鹿島はダイレクトプレーからシンプルにゴールを目指すケースが多い。

30-31分、サヴィオと細谷の連係でシュートを狙うが、関川が阻止。

34分、柏が左での密集をくぐって、逆サイドで浮いた川口へ預け、ファーへのラストパス。小屋松が飛び込むもわずかに届かず。この試合一番の決定機。触れば1点。

36分、細谷が1人のチェイシングで蹴らせて回収。小屋松の出ていく動きなど、柏は少しプレスの意識を高めた?

36-37分、鹿島が右からのクロスを鈴木が落とすも誰も入り込めず。鈴木の強さはPA内で脅威になっている。

39分、樋口の速いインスイングクロスは佐々木が飛び出してクリア。結果的にオフサイド。鹿島のセットプレーは迫力がある。

40分、柏が素早いスローインのリスタートから小屋松がポケットに入ってクロスまで。クォンスンテがキャッチ。

43分、細谷、サヴィオ、小屋松でカウンターに出ていくも、サヴィオ→小屋松のパスが通らず。

45分、ロングボールに抜け出した鈴木の落としに土居が走り込んでシュートを狙うも佐々木が好セーブ。鹿島にも1つ決定機。

46分、鹿島先制、0-1。直前の決定機で得たCKをミンテが合わせてゲット。柏もマークにはつけていたが、一番高いミンテに点で合わせられると対応が難しかった。決定機阻止の直後だったので、もしかしたら潜在的に気の緩みが生まれてしまっていたかもしれない。

49分、鹿島がコンビネーションからまたしても土居が抜け出し、GKを外してクロスを狙うが柏DFがブロック。

 

互いにリスクをかけないプランでチャンスシーンが少ない45分。拮抗した勝負の中、鹿島がセットプレーからしたたかにこじ開けて先制に成功。前半終了間際という、柏にとってはメンタル的にダメージのある失点になった。

柏は、相手が背後を狙ってくることを分かっていながら、前線に追わせてラインを上げるアプローチで対抗。全体を下げて鈴木にゴールに近い位置でプレーされるよりも、そこから遠ざけたいというアプローチだったかもしれないが、それで背後を取られた流れで生まれたCKから失点を喫してしまった。

鹿島は徹底した背後狙いが実を結んで先制に成功。保持の局面での打開には困っている印象だったが、リードを得たことでよりリスクをかける必要がなくなった。後半はどのようにコントロールするか。この日はまだテンションを上げていない印象だが、後半にエネルギーが落ちることが多いため、そのマネジメントも重要。

 

 

後半

鹿島交代

安西→カイキ

リードしている鹿島が先に交代カードを切る。

46分、小屋松の間受けから一気にスピードを上げて、サヴィオへラストパス。1stタッチも決まってうまくシュートまで持ち込めたが、クォンスンテがセーブ。

47分、クォンスンテの低空フィードに土居が抜け出すが、コントロールが大きくなって佐々木の下へ。ほぼ1対1となっていただけに悔やまれるミス。土居は久しぶりの先発でアピール失敗とも言えるワンプレーに。

49分、柏の保持。間と外をうまく使いながらサヴィオのポケット進入からのクロスにファーで三丸が受けてシュートも枠外。

鹿島はカイキ投入によって、大外を埋める守り方をやめた。ただ、それによって非保持の局面が安定しなくなった印象。

鹿島の非保持は、際の強さはあれど、スペースの管理が甘く、間を簡単に使われている印象。

柏が保持の局面から攻め立てる展開が続く。

53分、サヴィオと戸嶋で中央を取ってから小屋松→三丸とつないでクロスまで。

55分、鹿島が三竿の背後へのパスから広瀬が抜け出して最後は仲間のシュートまで。

57分、鹿島交代

土居、仲間→ピトゥカ、和泉

後半に強度が落ちる傾向を踏まえてか、交代カードを切るのがいつもより早い。樋口をトップ下に移して、三竿とピトゥカのダブルボランチに。

60分、柏交代

細谷、戸嶋→武藤、中村

保持の局面でアクセントをつけられる2人を投入。

61分、CK守備で三竿と広瀬が接触し、広瀬が痛む。手を踏まれた?

62分、柏同点、1-1。右でのスローインの流れからサヴィオの左足インスイングクロスに武藤が飛び込んでゲット。鹿島は関川が被ってしまい、間でフリーにしてしまった。武藤は投入後すぐに結果を出した。

65分、右サイドの連係から大南が抜け出してクロス。柏が一気に畳みかけるように攻勢を強める。

柏の保持が続くが、鹿島もタイミングを見てプレスへ出ていく。

67分、小屋松が間で受けてからミドル。

67分、飲水タイム。柏が立ち上がりから保持でリズムを作って、追い付いた。その後も柏のペースが続き、飲水タイムで流れを切られたようなタイミングに。鹿島もプレスを掛けて押し返しにかかっているが、どれだけ流れを引き戻せるか。

鈴木はブロックに参加せず、前線に残ってトランジションでの起点役に専念。

71分、ピトゥカにしつこくマークする椎橋。局面でのマッチアップは激しく、どちらも引かない。

72分、CKの守備から武藤が個人でマーカーを外してカウンターへ移行。一気にゴール前まで迫ったが、クロスはブロックに遭う。もうワンテンポ早く入れるタイミングもあったが、運んだ分だけスペースを埋められてしまった。

73分、鹿島交代

樋口→エヴェラウド

74分、トランジションの連続から武藤がループで狙うも枠へは飛ばず。互いに切り替えがかなり早くなっており、不用意にロストすると一気にゴール前まで迫られる展開。

76分、武藤の浮き球パスに抜け出した小屋松の戻しを武藤が狙うも枠外。柏が押し込む時間が続く。

79分、鹿島交代

広瀬→舩橋

79分、PA内へ進入した鈴木を上島が倒してしまい、PK。鹿島は苦しい時間でも一発でチャンスを作れる力を見せた。

81分、鹿島勝ち越し、1-2。エヴェラウドがPKで強烈なシュートを突き刺してゲット。佐々木はコースを読んで触ったが、シュートのパワーが勝った。

鹿島は和泉が左SBに入り、船橋が中盤へ入る。

84分、柏交代

川口→森

森は指で4-4-2の合図。

87分、常本が足を攣る。鹿島は交代カードを使い切っているため、替えられない。

88分、スローインを小屋松がうまく受け、武藤がシュートもバー直撃。はね返りを頭で折り返して森が押し込みに行くが枠外。柏がチャンスを作るも決め切れず。

鹿島は無理に前へ出ていかず、自陣で人数をかけながら、奪ったら前の強い選手へ放り込んで時間を作ってもらう。

90分、PA内で森が倒されるもノーファウル。これでは取ってもらえない。

91分、鹿島のダイレクトな展開から舩橋のクロスに鈴木がボレーで合わせるも枠外。トドメはさせず。

92分、中央でのコンビネーションから森がシュートまで持ち込むも、力が乗らずにGK正面へ。

 

局面での激しいバトルが繰り広げられた白熱の一戦は鹿島に軍配。トータルで見れば内容は柏に分があったように感じたが、劣勢の展開を強いられる中でも一撃でゴールを陥れられる鹿島の強さはさすが。前半はセットプレーからこじ開け、後半は圧倒的に押される中で鈴木がPKを奪取と、要所を押さえた鹿島らしい勝ち方だと感じた。ただ、後半のカイキの投入から守備の穴が目立ってしまったことは反省材料。一方、これまでの反省材料を生かして、パワーが落ちる時間を極力落ちないように選手交代を早めに、そして安西をSHに起用することで(意図は不明だが結果として)サブに厚みを出すなどのアプローチは良かった。

柏は後半は特に保持の局面で相手守備網をうまく攻略して多くのチャンスを作り出したが、決められたのは1点のみ。ひょんなことから生まれた2失点と、チャンスを決め切れなかった決定力に課題が残った。上位直接対決で敗れてしまったことは痛恨だが、内容は決して悲観するものではないはず。川口、中村、武藤らの奮起でチーム力の底上げができたととらえたい。

DAZN集計でシュート数は柏16(枠内7)-鹿島8(枠内4)と柏が2倍を打っていた。

 

個人的MOM

★鈴木 優磨

文句なし。「鹿島のチャンスには鈴木優磨あり」といった絶大なる存在感を示した。先制点のCKにつながったチャンスも彼の落としから、決勝点のPK奪取も彼の仕掛けから。そして最後まで戦う姿勢を見せ、チームを鼓舞し続けた。

 

柏は途中出場の武藤、中村が保持にアクセントをつけて流れを変えたが、勝利には持っていけず。小屋松もライン間で起点を作って攻撃を活性化させた。

 

トピックス

常本のフェイスガードがなくなった。

キムミンテは加入後初ゴール。

エヴェラウドは今季初ゴール。

柏は3連勝後、痛恨の連敗。

試合後インタビューでエヴェラウドもネルシーニョ監督も長尺でしゃべりすぎて通訳さんが大変そう。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ネルシーニョ監督 ]
前半から非常にきっ抗した内容の試合になったと思います。ウチとしては序盤からスピーディーで、良いテンポでゲームを運べていました。ただ、前半の最後にああいった形でセットプレーから失点を許してしまいました。

ハーフタイムに入り、選手たちには「もちろん1点を返さなければならない状況だが、早く点を取ろうと攻め急ぐのではなく、前半と同様にしっかりチームとして組織的に戦う必要がある」と伝えました。今日の試合は細谷 真大にとって、点が取れなかったという意味で彼自身も非常に悔しい思いをしていると思います。代わって入った武藤(雄樹)が彼の良さでもある前線での球の引き出し、随所に良い形で彼が相手のイヤなポジションを取るようになってからはウチが優勢になって、攻撃を作る時間帯が多くなったと見ています。相手も後半のほうが押し込まれる回数は多くなったと思いますし、よりカウンターに出て空中戦に持っていくだけの一辺倒な攻撃になったと思います。その中でウチが押し込んだ状況でしっかりと決定機を決め切れず、流れの中でPKを献上してしまったところが今日の敗戦の一番の要因だと思います。ただ、今日のゲーム全体を見直したときに1点ビハインドになってからも、しっかりと選手たちが最後まで戦う姿勢を見せてくれました。チャンスも作れていて、相手のエリアに進入するような状況も何回も作れていたと思います。

結果にはもちろん満足していないのですが、ウチが不利な状況でも選手たちは動じることなく、最後まで戦い抜いてくれました。前節よりも間違いなく良いゲーム内容だったと思うので、結果こそついてこなかったですが、次につながる試合だったと思っています。

 

[ レネ ヴァイラー監督 ]
--上田 綺世選手がいなくなり、いろんなことにトライした。敵地での勝点3をどう評価しますか?
まず、アウェイで強い相手に勝利を収められたことはうれしく思います。上田 綺世選手が抜けたところはチーム一丸となって、一致団結して戦った結果、2点を決められましたし、また1失点で抑えられました。アウェイで勝てたことはものすごくうれしく思います。

--前からガンガン行くのは難しいですか?また、暑さの中でどのような戦い方をしようとお考えですか?
暑さに関しては、自分たちももちろん相手も同じ状況なので、その中で自分たちがより多く選手を入れ替えながら、今日も早い時間帯を交代しました。その中でシステムを変えたり、戦い方を少し引いたりとか、いろいろな戦い方を工夫しながらやっていこうと思います。また一試合一試合振り返って、課題を修正しながら今後も戦っていきたいと思います。

--安西 幸輝選手が中盤の前めの位置で出場したが、守備を意識したのでしょうか。後半で代えたのは少しバランスを変える狙いがあったのでしょうか?
狙いの1つでした。1つは安西の運動量を生かそうと思っていました。彼はSBですがより攻撃的な選手です。広瀬(陸斗)も前回の試合でものすごく良いプレーをしていますし、常本(佳吾)も継続的に良いプレーをしています。安西が4バックのポジションだけでなく中盤でプレーできることで、自分たちのオプションが1つできたと思っています。