がちゃのメモ帳

Jリーグをメインに、いろいろな感想を残していきます

2022 J1リーグ第17節 ガンバ大阪vs横浜F・マリノス メモ

www.jleague.jp

youtu.be

スタメン

ガンバは東口が負傷明けで先発復帰。倉田も負傷明けでメンバー入り。髙尾も久々にメンバー入り。昌子は前節に続きメンバー外。宇佐美、福田、一森、山本が負傷離脱中。

マリノスはエウベルが負傷明けで先発復帰。ロペスが出場停止。藤田がU-21日本代表招集中により欠場。喜田、宮市、小池龍が負傷離脱中。畠中は久しぶりの先発復帰。

 

流れ

1分、マリノスのファーストシュート。縦に素早く攻めて最後は岩田のミドル。ガンバはトランジションでバランスが崩れたところを一気に突かれた。

マリノスの保持が続く立ち上がり。ガンバはある程度高い位置から制限をかけていくが、マリノスがそれを逆手にとって疑似カウンター気味にゴールへ迫るシーンが何度か。

4分、ガンバが高い位置で奪って敵陣でFK獲得。受けに下りてきた西村をダワンが食った。西村が先にボールに触っているようには見えたが、判定は西村のファウル。ただ、ガンバが球際を作り出せたからこそ生まれた。

6分、ガンバ先制、1-0。マリノスの低い位置でのビルドアップをパトリックがカットしてダワンが無人のゴールへ流し込んだ。マリノスは危険な場所にバックパスを入れたことがあだとなる。リスクを恐れないからこそ、1つのミスが失点に直結してしまった。

9分、山見のチェイスで回収してから石毛のクロスまで。ガンバはプレス時に中盤にスペースを作りやすいが、ボランチのところで球際の勝負に持ち込めれば分は悪くない。

10分、クォンギョンウォンが痛んで一時中断。プレーは続行。

12分、敵陣へ攻め込んでダワンのシュートまで。ガンバがプレスでリズムを作って、マリノスに前進を許さない。マリノスは敵陣まで一気に入れるシーンも見せているが、ミスでの失点も多少影響してか、つなぎでのリスクをかけにくそうにしているようにも見える。

14分、小野瀬のインスイングクロスにパトリックが合わせるも高丘が好セーブ。ガンバが一気に畳みかける。

17分、水沼のクロスからチャンスメイク。ガンバは保持からのロストで左サイドの守備のセットがやや遅れた。

19分、セアラのシュートがネットを揺らすもオフサイドの判定。エウベルがシュートコースに入っており、プレーに関与したというジャッジ。ガンバは命拾い。ガンバは2トプが相手2CB、ボランチがそのままボランチマンマーク気味についていた中、西村にクッションを作られてうまく前進を許した。CBが強く当たってつぶしきれないと、中盤のスペースを差し出しているような状態になってしまう。

ガンバのボランチがかなり前に出て人を捕まえにいくので、マリノスはその背後で動く西村のポイント作りが肝。

24分、スローインのリスタートの邪魔をしたパトリックに警告。そこまで危険なシーンではなかったのでもったいないイエロー。

26分、中盤でルーズボールを回収したあと左サイドで打開を図るガンバ。低くて速いボールをゴール前に送ってチャンス創出。

27-28分、素早くゴール前まで運んだマリノスが水沼の左足クロスまで。

29分、ガンバミドルカウンターで小野瀬のシュートまで。最後は畠中と松原がギリギリで寄せて自由にさせなかった。ガンバはダワンを軸に中盤でボールが奪えると良い流れで攻撃に移れる。

32分、西村が起点になって連係から抜け出しを図るがガンバ守備陣が阻止。

36分、マンツー気味のマークをギリギリで外してエウベルで前進してクロスまで。ガンバは奪えればカウンターに移りやすいが、外されるとスペースを与えてしまうので、ハイリスクハイリターンな戦い方。

37分、トランジションから奥野が右奥のスペースへ抜け出して、最後は山見のカットインシュートまで。ここはリターンが良い感じで出た。

40分、渡辺の鋭いパスからエウベルがサイドを抜けてスペースにクロスを送るもガンバ守備陣がカット。ガンバもピンチ自体は何度もあるが、最後のところはフリーにさせていない。

43分、ダワンの奪取からカウンターで山見のフィニッシュまで。ダワンの奪取能力が効きまくっており、戦術の中で欠かせない存在になっている。

45分、松原から一本のパスで西村が抜け出してシュートまで。ガンバはDFが最後まで制限して東口の守備範囲内に収めた。

47分、髙尾と小野瀬の連係で右ポケットを攻略してクロスまで。パトリックの折り返しには誰も入れず。

 

ガンバがリスクを負った積極的なプランで入り、1点リードでの折り返しに成功。ガンバのマンツーマン気味のプレスに対してマリノスもさすがのパス回しでシュートシーンは多く作ったものの、最後を外す作業までは至らず。ガンバは進入を許したあとの2CBを中心としたゴール前での粘りが素晴らしかった。また、ダワンの個人での奪取能力がかなり際立ち、カウンターのきっかけは大体そこでの奪取。山見のアジリティーもカウンターで良く生きた。

マリノスは構造上浮きやすい西村がうまく顔を出して起点になった。ガンバもCBを深くまで押し上げて対応させたが、なかなか捕まえ切れず。

ここまで自分たちのプランに近い形で進められているのはガンバのほうだと思うが、ゲームをコントロールできているといった戦い方ではないので、守り切るよりも追加点を取ることが重要になるはず。マリノスは逆転に持ち込めるだけのチャンスは作れており、ガンバが引き続き前に出てくるやり方でくるならば、短時間で逆転まで持ち込む流れに持っていくことも難しくないだろう。

 

 

後半

後半も前半と構図は似た感じ。ガンバは自陣でもマンツー気味で、ボランチがどんどん人に出てくる。

49分、左からのインスイングFKをダワンがファーで合わせるも枠外へ。

52分、セアラとの1対1で奪い切る三浦。この戦術でやっていく中でCBが1対1で互角以上にやれているのが大きい。

54分、マリノスがカウンターから決定機。水沼のクロスをファーで西村がフリーで合わせるも枠へ飛ばせず。バウンドが上がってきたところだったので、やや難しいミートになってしまった。

55分、マリノス同点、1-1。右からのクロスをエウベルが合わせたシュートは東口がセーブ。そのこぼれ球を渡辺が拾い、マイナスで待っていた西村が落ち着いて流し込んだ。トランジションでオープン気味になる展開の中、右サイドからの攻撃で刺しきった。

57分、ガンバ交代

奥野、髙尾→齊藤、柳澤

58分、山見と藤春の連係で左サイドを抜け出し、折り返すも、石毛にはわずかにズレて打ち切れず。

60分、マリノス逆転、1-2。エウベルのインスイングのラストパスを水沼が受けて流し込んだ。ガンバは出所も塞げず、ファーも埋めきれず。そこを突いたマリノスの質の高さもお見事。

62-63分、ガンバが球際を作って一気にゴール前まで。

ガンバのプレスがはまるか、マリノスの前進が成功するかのバトルで、上回ったほうが一気にチャンスを作り出す構図。いまはマリノスが上回り、敵陣へ押し込む時間を増やす。水沼のクロスがメイン。

66分~齊藤のPA内でのハンドを巡って一時中断。オンフィールドレビューの結果、ノーハンド。

68分、マリノス交代

セアラ、エウベル→マルコス、仲川

71分、ガンバ交代

山見、パトリック、シウバ、ペレイラ

74分、マルコスに深いタックルを見舞ったクォンギョンウォンに警告。ガンバは球際を作り出しても回収し切れない場面が出てきて、どうしてもファウルが増えてしまう。また、トランジションで落ちつける時間が作れず、セットしてプレスを掛けるような流れに持ち込めない。

76分、右で作って永戸のミドルまで。

78分、右の追い越しをおとりに使って右からマルコスの左足コントロールショット。マリノスが攻め立てる。

79分、抜け出しかけた西村を手を使って止めた齊藤に警告。ガンバは後手に回る時間が続く。

82分、自陣からスムーズに運び出してマルコスのシュートまで。マルコスはシュートの質自体はそこそこ高く、キックのフィーリングは悪くなさそう。

84分~、久しぶりにガンバが敵陣で攻める。クロスでペレイラを狙うもCBは越せず。

85分、マリノス交代

水沼、永戸→樺山、小池裕

永戸が足をつったため、急きょ小池裕も追加された模様。

86分、ロングスローの流れから、こぼれ球をダワンが狙うも高丘の正面。ここにきて決定機が訪れるも決め切れず。

89分、背後に抜け出しかけた渡辺を止めたクォンギョンウォンが2枚目の警告で退場。手で止めた感じではなかったが、チームとして抜け出された時点で彼が責任を取るしかなかった。ガンバは少しずつチャンスを作り出していたタイミングで、水を差すような退場になってしまった。

92分、マリノス交代

渡辺→山根

 

前半はガンバが粘りを利かせながらプランを遂行し切って1点のリードを得たものの、後半はマリノスが主導権を握って逆転まで持っていった。一気にゴールへ迫る攻撃もあったが、敵陣で保持する時間を伸ばした上でトランジションで上回ってすぐに回収することで、つなぎでのリスクを減らすアプローチがうまくいったことで、ガンバにチャンスを与えずに進められた。3点目を取るチャンスも多かったため、2点差をつけられるとなお良かった。

ガンバは後半は思うようにチャンスを作れず、防戦一方のような展開に。トランジションでの落ち着きどころを作れなかったことで自陣でのプレータイムが伸びてしまい、プレッシングから一気に相手ゴールを脅かすようなシーンも、時間の経過とともにほとんど見られなくなっていった。終盤に訪れたダワンの決定機やクロスからペレイラを目指した攻撃で、少ないチャンスを決め切れていれば勝点1のチャンスは十分にあったものの、決め切れず。

 

 

個人的MOM

★水沼 宏太

後半は彼のクロスからチャンスを量産。1点目の起点、そして逆転弾を自らが決める活躍で勝利に大きく貢献した。

 

前半で起点になり続け、同点弾を決めた西村、相手にポイントを作らせず、カウンターの芽を摘んだ角田、苦しい時間帯に余計な失点を許さなかった高丘も好評価。

ガンバはダワンが得点も含めて出色の出来だったが、勝点にはつながらず。後半途中までは三浦とクォンギョンウォンの守備対応も粘り強さが目立ったが、結果的に守り切れなかった。

 

トピックス

マリノスは二度目の3連勝。

ガンバは3連敗。

 

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 片野坂 知宏監督 ]
中断明け最初で首位・マリノスさん相手のゲームで、まず準備してきたところを選手は臆せず、良いチャレンジをしてくれたと思います。そして前半の早い時間に先制点を取れましたし、内容的に決して下を向く、悲観する内容ではなかったと思います。ただ、結果は1-2で悔しい逆転負けをしました。たくさんのファン・サポーターが今日のゲームを楽しみにこられた中、ホームで悔しい思いをさせてしまったことは私自身も申し訳なく思いますし、非常に悔しい思いをしております。

いま選手がチャレンジしていることを信じて、本当に切らさずに戦ってくれたと思います。ただ、後半の5分間で2失点という、そこはやっぱり自分たちが課題としていた失点してからの姿勢、そして取り返すところのパワーがまだ首位のマリノスさん相手にはかなわなかったなと思います。

皆さんがどう思われているか分からないですが、先発の11人だけではこれからのリーグを含めて、勝つためにはやっぱり戦力が非常に必要です。そして代わった選手、途中から出る選手がどれだけチームの勝利に貢献できるか、それまで戦ってくれた選手のぶんまで走れるか、戦えるか。そういったところが今後も非常に大事になると思うので、しっかりと選手全員でまた次のリーグ戦は札幌戦、そして天皇杯のアウェイ・大分戦に向けてチャレンジしていきたいと思います。

--今日見せてくれたような前からアグレッシブに守備に行ってというスタイルが、中断期間中に共通認識として持ったものだったのでしょうか。
守備に関しては、やはり敵陣で奪うようにすることがすごく大事だと思いますし、いまわれわれがチャレンジしているところだと思います。そこは選手もやっぱり前から奪いにいきたいという思いの中で、共通していたのでそこをトライするようにしました。ただ、本当に前から行くということで、やっぱりリスクはあると思いますけど、そのリスクも十分に分かった中でトライしています。実際今日も首位のマリノスさん相手に前からプレスに行って、奪って得点を挙げて、その得点というところも、どういう得点だろうがあの得点は僕にとっては素晴らしい得点だったと思いますし、狙いがしっかりとあった得点だったと思います。

ああいう守備をやはり90分切らさずに、最後までどれだけできるかが今後の課題になるでしょうし、いま私自身がそういうところにトライしているので、選手の意識も高めながら、そして先ほども言ったように11人だけではその強度、狙いは最後まで合わせることができないので、代わる選手を含めて、そういった高い意識、高い強度をハイテンポでできるゲームをやれるようにしていきたいと思います。

「いまチャレンジしている」という高い位置での積極的な守備が前半は機能したが、後半は相手にうまくコントロールされてしまった。「狙いがしっかりとあった得点だった」の言葉のとおり、うまくいった部分もあり、「悲観する内容ではなかった」という言葉に間違いはないと感じた。

[ ケヴィン マスカット監督 ]
率直にうれしい気分でいっぱいです。まずはグループとして本当に努力を見せた素晴らしい試合内容として、良い結果が残せました。前半はG大阪に押し込まれてしまったり、プレスのところでそうですし、簡単にボールを奪われてしまい、相手にチャンスを作らせてしまう場面があったと思いますが、後半は自分たちが支配し、ゲームをコントロールした。本当に強いキャラクターをグループとして見せた結果、このような素晴らしい内容でできたと思いますし、本当に素晴らしい内容で選手たちが取り組んだ結果が勝利に導いたと思います。

--前半はG大阪が積極的にプレスに来たが予想外だったのか、そして後半どう修正して試合を支配できたのでしょうか。
後半は本当にアグレッシブにやれていた部分は大きいですし、ボールを要求する部分をもっともっと出していこうと、勇敢な気持ちを持ってやれば自分たちはできるんだというところで、しっかりと選手たちはそれを見せてくれたと思います。

もちろん相手が前からプレスに、リスクを負って前から来ていた部分はあるかもしれませんが、そうなったとしてもそのアグレッシブさをしっかりと利用して、自分たちが前を向いてターンできればもっとチャンスは作れるとハーフタイムに言いました。そういうところでもしっかりと選手たちがピッチ上で見せてくれたと思います。

そして後半は特にたくさんのチャンスを作りましたし、本当に選手の努力と勇敢な気持ちを持ってしっかりとやれた。そして、このアウェイの地に自分たちのチームのサポーターも駆けつけてくれました。そういう人たちに一試合一試合強くなっていくというところも見せることができましたし、選手を誇りに思います。