2022 J1リーグ第13節 湘南ベルマーレvs横浜F・マリノス メモ
スタメン
湘南は瀬川が出場停止。
流れ
45秒、ロングボールを大橋が落としてタリクが抜け出し、GKと1対1を迎えるが高丘がセーブ。湘南はいきなりビッグチャンスを迎えるも決め切れず。
4分、湘南が中盤で奪ってショートカウンター。大橋の折り返しはカットされるが、素早く奪い返して大橋のフィニッシュ。高丘がセーブ。立ち上がりは湘南ペースで進む。
5分、またしても湘南が中盤で奪ってからショートカウンター。石原のクロスに大橋が飛び込むも当てられず。フリーだったが、強く当てにいきすぎて触れなかった。これを決められないのが湘南の課題。
6-7分、エリア内で舘の処理が甘くなったところをロペスが拾って仲川へクロス。
7分、畠中→仲川で一気に左のスペースを取って、仕掛けからシュートまで。
湘南は高いラインを設定しているが、前プレはそこまでいかないでセットの意識が強い。
10分、敵陣で奪った湘南が石原からすぐにクロスを送る。
10~11分、タリクがプレスバックで奪ってから畑が運んで最後は抜け出した大橋がシュート。湘南は徹底してて縦に速い攻撃を狙う。
湘南は最終ラインもかなり出足よく出てくるため、マリノスは受け手が後ろ向きで満足に受けられないシーンが目立つ。
13分、マリノス先制、0-1。湘南が自陣でパスミスをおかすとロペスに拾われると、最後はこぼれ球を水沼がうまく流し込んだ。湘南は完全に主導権を握れていた中で安いミスから先制を許した。
ゴールシーンの中で米本に接触があって痛める。ひざか内ももあたりに相手の足が入っていた。
米本は問題なくプレーに復帰。
18分、杉岡がゴール前まで上がってきてドリブルからシュート。
19分、マリノス追加点、0-2。小池龍のところを起点にしてプレスを回避し、一気に左へ展開。仲川の仕掛けからゴール前に混戦を作り出して、最後はマルコスのヒールパスに上がってきた小池龍が合わせた。湘南はプレスがワンテンポずつ遅れてしまい。そのわずかな遅れをマリノスは見逃さずに仕留めきった。
23分、喜田がワンタッチで背後へ入れると水沼が抜け出してダイレクトでゴール前へ送る。仲川が飛び込んだが少し合わず。攻撃の意図はチームで一致させられていた。
25分、湘南がGKまでハイプレスをかけるが、高丘のキックから少ないタッチでつないでマルコス→背後へ走る仲川と展開。パスは長くなったが、プレス回避からの疑似カウンターまでは完璧な流れ。
26分、湘南のビルドアップを奪ったマリノスがロペスのシュートまで。湘南はゲームプランが一気に崩れたこともあって、バランスを崩さざるを得なくなり、マリノスは中盤より先のスペースを使いやすくなっている。
27分、右からのクロスにウェリントンが合わせるも枠外。
29分、仲川のコントロールショットは谷がキャッチ。湘南はプレスラインをかなり上げて仕掛けているが、マルコスでフリーを作られて空転させられている。
30分、仲川の抜け出しからアウトサイドのクロス。湘南が前からくるようになってから仲川がスペースで受けて仕掛けられるシーンがかなり増えた。マリノスとしてはそこからの逆算で攻撃を組み立てているかもしれない。
31分、畑が左の大外を駆け上がってクロスを送り、ウェリントンがドンピシャで合わせるが枠外。なぜこれが枠に飛ばないのか、というシーン。
34分、杉岡のクロスに大橋が合わせるも高丘がキャッチ。
湘南は再び立ち上がりのような、中盤で奪ってショートカウンターというシーンを作り出せるようになってきた。無理に前に出ていくのではなく、まずセットして相手にバックパスを選択させたところでジワジワと全体を押し上げていく。
永戸が受けたときに石原のスライドがしっかりと間に合えば窮屈にさせることができており、そこから出したパスを奪えている湘南。マリノスは再びビルドアップに停滞感が生まれ始めている。
42分、タリクのスルーパスに大橋が抜け出すも高丘の正面。やや角度がなく決めるには難易度は高かったか。
43分、右でのパス交換からマルコスの平行サポート→小池龍の抜け出してポケットへ進入して折り返しまで。
43分、大橋がスペースで受け、縦に走るタリクに出したが畠中が阻止。畠中の手がタリクに当たって止めているようにも見えるが、ノーファウルの判定。
45分、マルコスとロペスの連係からマルコスのコントロールショット。谷がはじいたが、自分で外へかき出した。
立ち上がり10分は湘南が非保持からのショートカウンターで完全に主導権を握ったが、ビルドアップミスからマリノスに先制を許すと、その後は半端になったプレスを裏返されて追加点を献上。1つのミスからスコアを動かされるとともに流れも持っていかれた。途中からは再びリズムを取り戻して中盤での奪取からカウンターに出ていく攻撃を繰り出したが、チャンスをことごとく決め切れず。当てられれば1点、枠内へ飛ばせれば1点というようなチャンスもあった中で、決まらないように仕組まれているのかというくらい決められない。
マリノスは立ち上がりこそ苦労したが、相手の隙を見逃さずに2点を取りきったのはさすが。相手のプレスが少しでも緩まれば一気にゴール前まで持っていける攻撃も見せることができているため、リードを得られたことが非常に大きかった。ただ、SBまでしっかりと寄せきられたときの脱出手段は課題に挙げられるか。
後半
湘南交代
大橋、米本→町野、田中
46分、トランジションから町野が左サイドを抜け出してカットインからシュートを狙うも枠外。後半も立ち上がりは湘南が良い入り。
47分、畑が仕掛けて縦に抜け出すも小池龍が対応。
48分、藤田が中盤底、喜田が左サイドに流れてボランチ同士のパス交換でプレス回避。
49分、オープンで受けたマリノスの攻撃。水沼が広いスペースで受けて縦に運びクロスを送るも谷が呼んでキャッチ。3対2のような状況になっていたがシュートまでいけず。湘南はWBをかなり高くまで上げてリスクをかけているので、プレスが掛かり切らなければこのようなシーンは起こりえる。
50分、タリクが左ポケットに抜け出してクロスを送るも中には通らず。湘南側はハンドをアピール。
そのシーンの中で畠中が座り込む。担架が要請されてプレー続行不可の模様。
53分、マリノス交代
畠中→角田
畠中は負傷交代。角田とエドゥアルドの左利き同士のコンビに。角田が右に入る。
58分、マリノス追加点、0-3。自陣での奪取からマルコス→仲川で開放し、水沼へのスルーパス→折り返しをファーでロペスが合わせてゲット。水沼の上がりが+1を作り出して効いた。湘南は点を取るためにリスクをかけていたので、ある意味割り切らないといけない失点。ただ、この1点は限りなくゲームオーバーに近づけた失点だと感じる。
60分、湘南交代
タリク、茨田→山田、永木
61分、PA内で持った仲川が相手DFを外しながら内側へ持ち込んでシュートも枠外。
66分、マリノスが角田の切り返しから中央を使ってプレス回避。マルコスが中央から運んでPA内まで進入したがシュートまでは行けず。角田は左利き右CBに入っていることをうまく利用したつなぎ。
67分、舘とのマッチアップで接触した仲川に警告。ボールをカットしに行った舘の顔に仲川の足が事故的に入ってしまった。
脳震盪によって担架で外へ運び出される。
湘南交代
舘→池田
脳震盪による交代のため、交代回数と枚数は消費しない。システムを4-4-2に変更し、池田が右SH、石原が右SBに?
マリノス交代
喜田、ロペス、仲川→渡辺、セアラ、宮市
75分、宮市がカットインからのシュート。枠外だったが、可能性は感じさせた。宮市に連続で好機が訪れているが、1stタッチが決まらなかったり、スムーズにシュートまで持ち込めていない部分は気になる。
76分、池田が左足でミドル。ウェリントンが縦に走って中のコースをうまく空けた。
77分、ウェリントンの落としに反応した町野がシュートも高丘がギリギリで触って枠外へ。
80分、畑のクロスのルーズボールを田中がボレーで狙う。湘南が中盤で奪って敵陣で攻撃を仕掛けられているが、高丘の壁を破れるほどのシュートは打てていない。
81分、マリノス交代
永戸→松原
松原が右SBに入り、小池龍が左へ回る。
82分、湘南得点、1-3。中盤でCBが前向きで奪うとそのままカウンターへ出て、一度目は合わなかったが田中がサポートに出てきてクロスを上げるとウェリントンが押し込んだ。マリノスは高丘が飛び出したが触れず、クロスを許してしまい、ゴールががら空きになってしまった。
85分、足をつって倒れていたマルコスの下にボールが渡り、倒れたままボレーを狙う。
湘南は1点で勢いが生まれ、一方でマリノスには疲労が見えてきた。湘南が押せ押せのムードになってきている。
87分、湘南交代
石原→大野
大野が左CBに入り、杉岡が左SB、畑が右SBへ移る。
89分、クロスのクリアを永木がボレーで狙うも枠外。可能性は感じさせた。
90分、マリノス追加点、1-4。渡辺のパス1本でセアラが抜け出し、谷も飛び出して頭には当てたが、こぼれ球をセアラが拾ってそのまま無人のゴールへ流し込んだ。完全に勝負が決まる1点。セアラは今季初ゴール。
湘南はなかなか前に出られなくなっており、半端に出ていくようならマリノスのボランチ2枚が2トップの背後で受けてプレスを回避する。
95分、セアラに警告。
後半は前がかりになる湘南に対して、マリノスがしたたかにカウンターを決め切って突き放し、終盤に湘南が1点を返して雰囲気を変えるも、マリノスが追加点を挙げてとどめ。湘南は完全に1失点目が敗因で、1失点目がなければ2失点目の弱気で中途半端なプレッシングもなかった可能性があり、3失点目も2点ビハインドでなければおそらく生まれなかったもの。また、前半のチャンスを1つでも決めて1点ビハインドで後半を迎えられていたらまた違った展開になったかもしれない。
一方でマリノスは立ち上がりこそうまくいかなかったが、先制後の試合運びのしたたかさはさすが。2点リードにしてはややリスクをかけすぎな印象もあったが、そのスタイルがあったからこそゲームをコントロールしながら追加点を奪えたとも言える。
個人的MOM
★水沼 宏太
1ゴール1アシスト。得点シーン以外でも得意の右足のキックから多くのチャンスを演出し、受け手が決めていればプラスでいくつかアシストがついていた可能性もある。限られた出場機会の中でしっかりと結果を残す職人。
水沼と同じく1ゴール1アシストのロペス、1ゴールと組み立ての部分で大きく貢献した小池龍、立ち上がりのセーブで流れを渡さなかった高丘、中盤で落ちついたボールさばきを見せ続けた藤田らも高評価。仲川もシュートこそ決まらなかったが、彼の仕掛けから多くのチャンスを演出した。
湘南は途中出場から中盤の強度と保持でのポイントを作った田中、前線を活性化させた町野が好評価。
トピックス
畠中が負傷交代。自力で歩けてはいるので重くはなさそうだが、筋肉系の違和感か何かか。
舘が脳震盪で交代。衝撃は大きそうだったので、次節に間に合うかは微妙なところ。
→試合後のリポートによると、意識はあり、病院に行く必要もないとのこと。
湘南は清水戦に続き、ホームで4失点の大敗。
監督コメント
(※Jリーグ公式サイトから引用)
[ 山口 智監督 ]
なんと表現していいか分からないですけど、非常に申し訳ない結果になりました。前半の最初のうちは相手のミスもありましたけど、自分たちの理想としている高さで奪えて、シュートまでいく回数が何回もありました。やはりフィニッシュのところは大きな課題です。1点を取られてから、ミス絡みも多かったので、すべてが悪いとは思わないですけど結果が大事。ダメージの大きな敗戦になりました。--いま仰ったように立ち上がりはとても良かったと思います。ですが先制されてからは主導権を握られ、苦しくなった要因はどこにありますか?
ミス絡みでの失点ということで、(メンタル的な)ダメージが大きかったと思います。ただ、前半に関しては0-2と良くはないですけど、ガタガタっと崩れてすべてが悪かった前半ではありませんでした。立ち上がりに1つでも取れていたら。フィニッシュの状況もゴールへの確率が高い状況でした。ミスなので責めはできないですけど、点を取れなかった状況が良い状況だっただけに、ゼロで進んでしまったことが非常にもったいなかった。それはいまのウチにとっては大きなポイントになります。
--監督の目に今日の選手の姿勢はどのように映りましたか?
どんな試合でも前向きにやってくれるところは評価しています。ただ、結果が出ていない中で、いろいろなものを背負い過ぎているというのもあります。最後の失点もミス絡みで、普通なら起こり得ないミスだと思いますけど、それが失点につながってしまっている。すごく評価が難しいところですけど、やろうとしていることは常にやろうとしてくれる選手はいますし、なんとか勝たせてあげたい気持ちが強い。その責任をすごく感じて、自分自身は悔しい気持ちでいます。
「自分たちの理想としている高さで奪えて、シュートまでいく回数が何回もありました。やはりフィニッシュのところは大きな課題」。このコメントがすべて。良い内容でも決め切れないと勝てないという今季のチーム流れがこの試合でも表れた。ただ、「ガタガタっと崩れてすべてが悪かった前半ではありませんでした」と言うように、清水戦とは違って、前半終わり際にペースを取り戻したことはせめてもの好材料。
[ ケヴィン マスカット監督 ]
こうなるであろう試合展開の予想はついていました。特に前半、湘南は前からアグレッシブさを出してきました。しかもラインを高く、強く上げてきました。0-0の段階ではGK高丘(陽平)が素晴らしいセーブをしてくれ、そこからようやく自分たちのペースを取り戻せました。ゴールは時間の問題と感じていました。しっかりと勝利でき、勝点3を取れたのは良かったです。--今季初の3連勝となりました。
もちろん結果は大事ですが、Jリーグの全チームが勝利を目指す中、自分は相手がどの順位かは関係ないと思っています。上位だろうが、下位だろうか簡単な試合はないと肌で感じています。その中で今日の試合でも苦しい場面がありました。ハーフタイムにはスピード、パスの質、動き方をもっともっと要求しました。それを後半、ピッチで表現してくれました。今季は多くの新加入選手を迎え、新しいチームになり、まだまだできる部分は多いと思っています。3連勝よりも今日の勝利が大事だと選手には言ってきたので、それが実現して良かったです。
--前半、10本以上のシュートを打たれました。それはビルドアップがうまくいかなかったことと相関性があるように感じます。見解を聞かせてください。
仰ったように、特に前半は足りていない部分がありました。ビルドアップで自信がなかったのか、後ろ向きな気持ちになっていたのか、すべてのボールを前方向に動かしたいにもかかわらず、後ろに戻すシーンが目立ちました。左の仲川(輝人)にしろ、右の水沼(宏太)にしろ、良い動き方があった中で前方向ではなく、セーフティーな横パスやバックパスが多い前半だったと思います。怖がってプレーしていれば、何も始まりません。大事な場所でボールを失わず、いけるときは前方向に向かっていかないと、自分たちの良さも出せません。特に前半はそのような部分が目立ってしまいました。
後半部分にあるように、前半はバックスから前に運べずにカウンターを受けるシーンが頻発。特に永戸のところで詰まってしまったのは反省材料だろう。