がちゃのメモ帳

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2022 J1リーグ第13節 名古屋グランパスvsセレッソ大阪 メモ

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スタメン

前節脳震盪&鎖骨を痛めていたキムジンヒョンが先発。

 

流れ

立ち上がりは酒井を狙ってロングボールを入れていく名古屋。柿谷から酒井に代わったことでシンプルに酒井の強さを生かす攻撃も使っていく。

3分、パトリッキの突破を防いだ藤井に警告。カバー役の藤井が早々にカードをもらったことは痛い。

5分、名古屋先制、1-0。マテウスが個人で1枚剥がしてから仙頭にスルーパスを送り、仙頭がGKとの1対1を制してゲット。コース自体はやや甘かったが、ジンヒョンが止め切れず。不思議な抜かれ方をしたが、ジンヒョンに脳震盪やケガの影響がある?

名古屋がペースを握る序盤。保持も安定し、非保持もバランスを保ちながらプレスを掛けて前向きで奪い取る。

仙頭が最終ライン近くまで下りてきて組み立てをサポート。セレッソは2トップでアンカーのマークを受け渡しながらCBへプレスを掛けていく。

16分、相手の組み立てをを前向きで奪ってカウンターに出る名古屋。少し時間がかかってしまったのでやり直す選択。

名古屋は自陣でブロックを組むときは5-3ブロックに酒井がボランチケアで下がる。

19分、セレッソが少ないタッチでパスを回すが、名古屋がタイトなマークで受け手の自由を奪って奪取。セレッソらしい連係だったが、名古屋の守備をくぐるにはもう1つ個のスキルやマークを外す工夫が必要。

セレッソはSHとSBの2枚でWBの背後を取っていきたい狙いを感じるが、名古屋CBの横スライドも速く、起点を作るまでには至れない。

24分、山中のクロスをパトリッキが合わせるもうまく当てきれず。山中の独特な質のクロスの軌道を読み切れなかったか。ブラインドはあったが、フリーになっていただけに枠へ飛ばしたかった。

25分、稲垣が中盤で浮いてプレスを回避し、オープンな右の森下へ届けるが森下のクロスは精度が伴わず。

26分、ヨニッチの運び出しからサイドへ流れた山田へスルーパス。人についてくる名古屋は後ろにスペースを作りやすいので、後ろから運び出せると違いを生み出せる。

27分、CK守備からロングカウンターに出る名古屋。マテウスの運びから一度はロストするも再び拾ってマテウスのシュートまで。マテウス祭り。森下の追い越すサポートも良かった。

28分、縦に速くゴールへ迫ったセレッソが清武のシュートまで。ランゲラックの正面。

32分、左サイドを縦→縦でとった名古屋。左に流れた酒井のグラウンダークロスをマテウスが合わせてネットを揺らすがオフサイドの判定。ただ、完璧に崩した良いシーン。セレッソは命拾い。

名古屋が各所の1対1のデュエルで上回り、セレッソは球際を作られてしまうとかなり分が悪い状況。

SHを押し上げてCBにプレスを掛けてくるセレッソに対して、中谷がWBに預けてから列を挙げるサポートで工夫する。

38分、毎熊に警告。

39分、名古屋の組み立てをカットしてショートカウンターを狙ったセレッソだが、パスがつながらず。名古屋の守備の隙を見つけられない。

41分、鈴木が上がって右サイドに厚みをもたらす。セレッソは前の選手が基本的にマンツー気味で捕まっているので、後ろから出していくのは有効。

名古屋のCBが高く、セレッソはターゲットタイプを置いていないので、シンプルなクロスでは得点の可能性をあまり感じない。

名古屋は1点リードもあってか、WBをそこまでプレスに出さず、バランスを重視か。

 

名古屋が終始主導権を握り、前半早々の先制点によって、ある程度守備に重きを置きながらカウンターを狙うというプランでうまくゲームを進めた。前はしつこく追う感じではなく、コースを限定しながら寄せていき、後ろが人に強くつく守備でパスが入ってきたところをつぶしきる守備が機能。セレッソはなかなか背後を使えずに地上でのつなぎに終始すると名古屋の土俵での勝負が続いた。レオシルバ、丸山、中谷と比較的広く動いて人を捕まえる選手たちの球際の勝率が圧巻。また、セレッソはプレッシングもあまりハマらないことが多く、それによって名古屋が保持でコントロールする時間も増えた。セレッソがSHを押し上げてくることでサイドにずれが生まれやすく、攻撃的な涼WBが生きやすかったとも言える。

シュートは名古屋2、セレッソ3とかなり少なめ。

 

 

後半

セレッソ交代

山田、鈴木→タガート、北野

交代選手2人が2トップに入り、清武がボランチへ下りる。

45分、稲垣のミドル。

45-46分、北野のスルーパスにパトリッキが抜け出し、タガートが中で完全にフリーになるが触れず。触れば1点の攻撃。直前でランゲラックが少しコースを変えていたか。名古屋守備陣は一瞬のスキを突かれた。

49分、毎熊の左足ミドル。後半立ち上がりはセレッソがペースをつかむ。名古屋は中盤で人を捕まえられなくなっている場面が目立つように。

50分、タガートがPA内で前を向き、シュート。藤井がブロック。

52分、セレッソが敵陣でパスを回し、最後はタガートのシュート。名古屋が完全に押し下げられてセレッソが敵陣でプレーする時間がかなり長くなっている。

名古屋が重心を下げているので、セレッソは2トップ脇から安定して運んでいける。名古屋は中盤へのパスもワンテンポ寄せが遅く、前へつながせてしまっている。マテウスを最前線に残してロングカウンターに出るプランなのかもしれないが、やや消極的になりすぎている印象。

58分、名古屋交代

仙頭→石田

石田がトップに入り、酒井が中盤気味の位置へ下がった。3-4-2-1?

石田が入り、スペースへの抜け出しや、背負ってのキープで攻撃に変化が生まれ始めている。

62分、ショートコーナーの流れからレオシルバのシュート。名古屋が少しずつ押し返し始める。

64分、石田が右サイドを抜け出し、クロスを上げ、ファーサイドに入ってきたマテウスに当たってゴールに吸い込まれたが、石田のところがオフサイド。ディレイで見ていた。前半に続き、わずかなオフサイドによってゴールが認められず。ただ、石田が確実に攻撃を活性化させている。

名古屋が保持の時間を作って攻める。セレッソの一方的なペースは終わり、拮抗した展開に。ただ、セレッソが持って名古屋が受ける構図がベースにはなっている。

70分、セレッソ交代

毎熊→中原

73分、名古屋交代

酒井→吉田豊

吉田豊が左WBに入り、相馬がシャドーに上がる。

セレッソ交代

パトリッキ→上門

76分~激しいトランジションの攻防が続く。

77分、右で持った上門のシュート。セレッソが切り替えで上回り、ペースをつかみ返している。名古屋はラインを下げてロングカウンターで対抗を図るが、個人でキープできないと苦しい状況。

名古屋はそこまで圧力を掛けに来ないので、セレッソは敵陣までは安定して運べる。あとは最終ラインにどうやって穴を空けるか。

83分、左に抜け出したマテウスのクロスに相馬が飛び込むもジンヒョンが先にキャッチ。

85分、丸山のラストパスに吉田豊が抜け出す。83分にカウンターに出たあとには名古屋が保持して時間を使った。

名古屋はボールを奪ったら無理して速く攻めず、ボールを持つ時間を増やして時間を使いにいくプレー選択。セレッソも強度をそこまで高められないので、窮屈なつなぎにもならない。

89分、相馬が右を抜け出して折り返しを稲垣→石田とつないでシュートまで持ち込むが枠へは飛ばせず。名古屋も隙があればゴールを狙う姿勢を見せる。

90分、名古屋交代

相馬、マテウス→内田、阿部

 

後半はセレッソが押し込んで攻める時間が続いたものの、カウンターを見せながら時間を使った名古屋が逃げ切り成功。わずかなオフサイドで得点が認められなかったアンラッキーが二度もあった中で後半は割り切って守りでしのぎ切った。追加点が取れていれば理想的な流れにできたとはいえ、1点を守り切れたこと、そして勝利を手にできたことは今後の自信につながるだろう。

セレッソは後半立ち上がりのチャンスを量産した時間帯でこじ開けられなかったことが痛かった。小柄で機動力がある選手が並ぶ中で、比較的スペースをもらえた時間帯はシュートまで行けたが、ゴール前を固められるとなかなか打開策を見つけられなかった。前線にフレッシュな選手を入れた中でプレスで押しつぶせなかったことも課題に挙がられるか。

試合後インタビューでニコニコの長谷川監督。前節の緊張感ある機嫌とは対照的。

 

個人的MOM

★レオ シルバ

90分を通じて中盤でボールを刈り取り続け、さらには自陣から持ち運んで陣地回復の役割をこなす万能っぷりを披露。後半の苦しい時間でも彼が中盤に君臨したことで休息の時間が作れたり、一気にカウンターまで持ち込めたりと、存在感は非常に際立っていた。このゲームの支配者と言っても過言ではないだろう。

 

苦しい時間帯での投入で一気に流れを引き寄せた石田、受ける時間が長くなった中でハイボールなどをしっかりキャッチして安心感を与えたランゲラックも好評価。ゴール前でフリーの選手を作らなかった守備陣の粘りも良かった。

 

セレッソは後半頭から入った北野とタガートが前線を活性化させたが、終盤はやや尻すぼみになってしまった。

 

トピックス

名古屋は7試合ぶりの勝利。

 

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 長谷川 健太監督 ]
2点目は取れなかったですが、最後までゴールに向かうという意識を持ちつつ、後半になってしっかり勝ち切るというバランスがとれ、最後まで戦うことができたと思っています。善戦しても追いつかれるゲームが続いていましたが、2点目が取れないなら、勝つためにという、そのバランスを選手はやってくれたと思います。途中から入った選手、特に石田(凌太郎)が、後半少し流れの悪い中で、前線で持ち味である運動量を出してくれたことも大きかったと思います。ベンチメンバー含めて全員の気持ちが(勝利に)つながったと思います。

--石田選手を投入した狙いは?
システム変更に関しては、ここ数試合やっていますが、守るだけでは守り切れないので、酒井(宣福)とマテウスカストロ)を残して、彼らの走力を生かしたいと思いました。それで奪ったボールを押し返せたと思います。少しバイタルを使われる時間帯もあったので、そこを補填しながら(追加点を狙う)ということで、石田をあの時間に入れました。雨が上がって非常に蒸し暑く選手の消耗もあったと思いますし、最近勝っていないということで、プレッシャーもあったと思います。石田を入れてからは選手も割り切りながらプレーできたと思います。

--耐えるというメッセージを込めた交代だったのか?
耐えるならもっと早く両ウイングバックを守備的な選手を入れているので、そういうメッセージではないですね。追加点を狙いながらしっかりと締めるところは締めるというところで、今週の1週間はいろんな確認をしたので、それがうまくいったと思います。

やはり追加点を取りに行った中で2点目が取れなかったことは1つ難しくさせたポイントだったようだが、それならそれで押し返す術を見せつつ1点を守り切るというプランが実行できたことは大きかった。受ける流れになっても決して守備的な選手を入れるのではなく、バランスを変えながらも前線に攻撃的な選手を残すことで相手にペースを渡さないようにする長谷川監督らしい手の打ち方が奏功したと言える。

 

[ 小菊 昭雄監督 ]
今日のゲームは、攻守で私たちがいかにゲームコントロールできるかになると思っていました。その中で、早い時間帯に失点をしてしまった。FKのあと、自分たちのスローインを少しクイックでやってしまい、バランスが悪い中で、相手のスローインから失点をしてしまう、もったいない失点の仕方でした。細部ですが、もう一度、チームで規律を共有しないといけないという学びもありました。その中でも、前半、ゲームは握れたのですが、スペースを共有することができなかった。後半は、人の配置、立ち位置、システム等を変えて、相手の5バックを2人、3人と関わって破っていく、危険なエリアにボールを運んでいく(ことを狙った)。そういった作業を選手たちはしっかりとしてくれたと思います。残念ながらゴールを割ることはできなかったのですが、今日、出た課題を次の“大阪ダービー”に向けて、しっかりとやっていきたいと思います。

--特に前半は、球際で競り負ける場面も多かった。今季、ここまで戦えるチームだっただけに、前半の内容が気になったが?
球際のところですね、セカンドボールのバトル、1対1のバトル、そのあたりで名古屋に主導権を握られたと思います。ここは日々のトレーニングの積み重ねでしか改善していくことはできない。いま、強化していますので、そこはしっかりと、選手たちとともにトレーニングで取り組んでいくしかないと思っています。

コメント後半部分にもあるように、前半に球際でほとんど勝てなかったのは気になった。名古屋が強く来ていたことを差し引いても、そこでイーブンにわたり合えなかったことが、前半劣勢に立たされた要因といえるだろう。