がちゃのメモ帳

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2022 J1リーグ第12節 柏レイソルvs浦和レッズ メモ

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スタメン

 

流れ

浦和は相手3センターの背後や間に2列目の選手がもぐってくる。関根は徹底してアンカー脇、IH裏で待つ。

浦和が保持して柏が受ける構図。柏は比較的前から行くため、浦和は中盤で浮く場所を見つけながら前進していく。

6分、モーベルグが背後へ抜け出すも柏DFが角度を消して好対応。

8分~、柏が敵陣での圧力を強めて押し返す。椎橋がボランチに強く出ていくため、浦和としては中盤で球際を作らせないことが重要。

モーベルグが外で張るぶん、馬渡のインサイドワークが増える。

浦和は相手2トップに対して、ボランチ1枚を下ろして3-1ビルドでズレを作り出す。

柏はアンカーを背中で消しながら横幅も広めに見る。ただ、間に合わない場合はIHが縦スライドで対応。

13分、中央突破からモーベルグが抜け出しにかかるが、三丸が絞って好対応。

14分、ロングカウンターでサヴィオ→中村→細谷でスペースを取って、シュートまで。IHの2人はボールを運べて出せるので、カウンター時に彼らをどれだけ有効活用できるかがカギ。

柏IHが外への意識強め、椎橋はボランチへのマークに専念するため、椎橋が動いた脇を江坂がのぞくとフリーが生まれやすい。柏はIHにスペースを埋めさせるか、CBをマンツー気味で江坂につけないと対処が難しいはず。

22分、左から中央へ進入し、最後はこぼれ球を関根がフィニッシュ。浦和はかなり安定して敵陣までは入れている。また、中央で起点を作れているので、そこからダイレクトにゴール前を狙っても良し、サイドに振っても良しという選択肢がある。

25分、高橋に警告。椎橋の脇に出てくる江坂を捕まえに出ていったが、後ろからの無理なチャージになってしまった。柏は江坂対策の1手を見せるが、江坂が1枚上手だった。

27分、前からハメに来た柏を丁寧にはがしていく浦和。寄せが少しでも遅れるとワンタッチでつないでしまう。

27分、細谷が右サイドをゴリゴリと進入し、折り返しに森が合わせるもブロックに遭って枠外へ。柏が2トップだけでチャンスを作りだした。

28分、江坂をつぶしに行く古賀。江坂のところへ人を押し出す意識が上がった?

29分、三丸が浮いてクロスを送るも合わず。少しずつ柏もチャンスを作り始めている。

30分、逆サイドまで江坂にぴったりとついていく古賀。

36分、平野→江坂で中央をとった浦和だが、上島が素早く潰してカウンターへ移行。柏がブロック守備を安定させながら前向きで奪ってカウンターを狙う。最終ラインも出てくる傾向が強まったぶん、外されると中央に穴を空けるリスクもある。

38分、オープン勝負になったところで細谷→森でシュートまで。森は広島戦のように多少角度がなくとも自分でフィニッシュまで。

41分、ショルツ→馬渡で一気に右奥を取ったところから江坂がポケットをえぐってクロスにシャルク。キムスンギュビッグセーブ。

43分、森の落としから細谷がスペースに出ていくも平野の好タックルで奪取。

44分、ショルツの運びから敵陣深くへ進入。CBに出てこないなら運んで変化を加えられる。

 

チャンスの数こそ少なかったが、浦和の保持と柏の非保持の駆け引きが終始続いた45分。浦和はどのように椎橋の脇を使ってゴールへ向かうか、柏はどのように前向きに潰してカウンターを打つか。序盤は浦和が的確に中央へ刺して前進に成功していたが、途中からは柏が江坂を明確に捕まえにくるなど対抗。基本は浦和が持って攻める流れではあるが、柏も奪い方は悪くなく、一刺しを狙える状況を作れていた。

 

 

後半

後半立ち上がりも前から強度を上げる柏。

46分、浦和のビルドアップをかっさらった森の落としに細谷がシュートもショルツのブロック。浦和は自陣ゴール前で危険なミス。

48分、ショルツ→平野で中央を突破し、モーベルグへのスルーパス狙い。

50分、明本が1人で運び出して敵陣へ進入。

51分、サヴィオ→上がってきた大南で右サイドを攻略するもクロスは合わず。

51分、カード覚悟で江坂を止めた椎橋に警告。江坂のどつきから両軍やや荒れ気味に。もみ合いのきっかけを作った江坂にも警告。

56分、左へ抜け出したシャルクが自らゴールへ向かってコントロールショットをきれいにファーへ流し込んだが、オフサイドの判定。ディレイで見ていた。

58分、シャルクへ突っ込んだ古賀に警告。

60分、サヴィオが個人で右サイドをするするっと抜け出してクロスまで。

61分、森に前で追わせて細谷でアンカー位置監視を図るも、柴戸にうまくターンされて前進を許す柏。2トップの役割がやや縦関係気味になってタスクの振り方も変えたかもしれない。5-3-1-1っぽいオーガナイズに見える。

62分、柏交代

中村→小屋松

65分、左サイドから縦に刺して一気にゴールへ迫るがシュートまでは行けず。その後再び細谷がシュートを狙うが、西川がコースを消してブロック。柏が攻守においてリズムをつかみつつある。

67分、浦和の波状攻撃。関根のシュートの流れから、右ポケットを取ってからの折り返し。柏DFのブロックとキムスンギュの好対応で阻止。捕まっていない平野を起点にしてスピードアップに成功した。柏は細谷が素早く寄せて対応したが、紙一重で浦和が上回った。

68分、浦和交代

モーベルグ、平野→松尾、伊藤

関根が右に回って、松尾が左に入る。

柏が保持するターンになってきた。

73分、関根のドリブルから松尾→シャルク→松尾でシュートまで。浦和は1stプレスのところさえくぐれればオープンを作り出せる。

シャルクの直接FKは枠外。落とすには距離が近すぎた。

76分、ベンチからの指示で松尾とシャルクのポジションを逆に。

77分、松尾が左サイドをぶち抜きにかかるが、上島が好対応で突破を阻止。

78分、サヴィオのミドルは枠外。互いにオープン気味な局面が増えてきている。

78分、柏交代

森→アンジェロッティ

松尾は1トップをベースポジションにはしているが、かなり左に流れて受ける傾向。

80分、浦和交代

シャルク、馬渡→小泉、宮本

82分、サヴィオが足をつる。

柏交代

ヴィオ→戸嶋

83分、浦和交代

関根→松崎

84-85分、三丸の低いクロスに小屋松がニアに飛び込むも合わず。柏の時間。

86分、柏が大南の奪取からカウンター。ロスト後もカウンタープレスを連続で決め切ってアンジェロッティのシュートまで。

柏は一気に敵陣での強度を高めて浦和を押しつぶしにかかる。

前半から対応が一歩遅れ気味だったのは柏のほうだったが、ここにきて柏が出足の良さと思い切りの良さで上回る。

95分、ゴール前に上がっていたショルツのボレーはバー直撃。浦和が少し押し返す。

 

終盤は柏が勢いを強めてゴールへ迫ったが、得点は生まれずスコアレスドロー。途中までは互いが自分たちのカラーを出しながら一進一退の攻防が続いていた中、80分あたりからは柏がペースをつかんで押し込んでいたので、どちらかというと勝点3を逃したと感じるのは柏のほうかもしれない。序盤は浦和のビルドアップに苦戦した柏も、徐々にオーガナイズに修正を加えてしっかりと対抗。最終ラインの当たりの強さを生かして前に出ていき、効果的にカウンターが打てた。

浦和は持ち味の“立ち位置で崩す”ことがよく表現できていたが、ラストパスが惜しくも合わなかったり、相手DFの好カバーに遭ったりでゴールを脅かすシーンは多く作れなかった。新加入のシャルクも純粋なFWという感じではなく、作りの部分の完成度は高いながらも「誰が点を取るのか」という部分で悩みを抱えているか。

 

 

個人的MOM

★柏最終ライン

誰か1人をというのが難しいので、まとまりで選出。全体的に前に出てつぶす守備が効いており、カウンターの起点にもなった。また、中盤を突破されたあとの対応も光り、相手に決定的なチャンスを作らせず。5人全員の安定感と強さが戦術の遂行と押し返すきっかけを作ったと言える。

 

浦和は平野と柴戸で組み立てを安定させ、江坂がもう1つ前でチャンスを作りだす中央突破が機能。ただ、柏の修正が効いてきてからは中央突破と被カウンターが紙一重になってしまい、リスクも大きくなってしまった。

 

トピックス

ネルシーニョ監督は松葉杖を使わずにベンチ前へ出てくる。先週までは車いすでの移動だったらしいが、いまは松葉づえで移動もできるようになった模様。驚異的な回復力。

 

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ネルシーニョ監督 ]
点こそ入りませんでしたが、非常にきっ抗した良い内容のゲームだったと思います。勝利を懸けてお互いにハードワークし合いながら、スペースの奪い合いがゲーム序盤から続いていました。前半は守備の部分で相手のボランチにボールを引き出されて、そこから前向きにクサビを入れられるという時間帯が続いたので、前半から選手たちに声をかけながら、ハーフタイムで修正しました。後半に入ってからは良いテンポでボールを動かせていましたし、良い守備からの攻撃という良いサイクルも見られました。

この厳しい戦いの中で勝点1をしっかりと積めたことは私自身満足しています。選手たちは終始、それぞれの役割のもとでハードワークしてくれました。次につながる引き分け、勝点1だったと思います。

--言われたように守備のやり方が変わっていたと思うが、後半にかけての修正点はどういったものだったか。
今日の相手の浦和は非常に精度の高いビルドアップができるチームでした。中盤にスペースを空けてしまうのは致命的なので、そこをケアしようとしていました。最初は2トップが横関係で前からプレスをハメにいくというゲームプランで入りましたが、相手のゴールキックで高い位置でハメる際、相手のボランチが流動的に動いてボールを引き出していましたので、2トップを縦関係に変えることによってケアするよう、相手の2CBに2トップの1人がプレッシャーに行く、SBに入ったボールに対してはオフェンシブハーフが連動してハメにいくプランに変えました。

ハーフタイムの修正を(細谷)真大、(森)海渡のどちらも理解してピッチに入ってくれたぶん、前線からうまくスイッチが入って、前からプレスがはまる時間帯が増えたと思います。

 

[ リカルド ロドリゲス監督 ]
全体的に良い試合だったとは思います。いくつか作ったチャンスの中でどれか1つでも決まっていればというところでした。柏は途中からディフェンスのやり方を修正してきていましたが、それに対してわれわれも選手たちがしっかり判断しながらプレーできていたと思います。

ただ、相手のプレスを突破したあとのゴール前のラストパスやシュートの質を欠いてしまいました。全体的には相手を少し上回っていて、われわれのほうが勝利に近かったと思いますが、相手もいる競技ですし、サッカーではよくあることです。決定力のところは改善点だと思いますが、チーム全体、選手全員がピッチの中で戦ってくれたと思いますし、その部分はすごく良かった点だと思います。

--ラスト30mくらいは課題が続いていると思うが、どのようなアプローチをしているか。
まず、相手がどういったチームなのかもあると思います。引いた相手に対してどう戦うかは練習していますが、実際の試合の中では今日のように相手のCBが対応を変えてきて、われわれがやろうとすることを防いできます。ライン間のつぶしや、使いたいスペースを消されたところもありましたが、ラストパスやシュートの改善点はいま取り組んでいるところです。

力関係でより崩しやすかったなど、ACLで戦っていたときよりもやはり難しさはあると思いますが、われわれもコンセプトのところ、いかに引いた相手を崩していくか、相手がどういう人数でレーンを守ってくるのか。それに対してどう崩していくかは、全員が連動する必要があるプレーですので、トレーニングしています。引いてくる相手を崩すのは簡単ではないですが、われわれとしてはそこを改善すべくトレーニングしています。