がちゃのメモ帳

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2022 J1リーグ第12節 サンフレッチェ広島vs鹿島アントラーズ メモ

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スタメン

 

流れ

5分、満田が左奥を取って折り返しからサントスがシュートまで。広島が主導権を握る立ち上がり。

サントスはサイドに流れるなど自由にポジションを取るのに対し、ベンカリファはゴール前にとどまってクロスやラストパスを待つ。

7分、野津田がカイキを止めてカウンターを阻止するも警告は出ず。

8分、鈴木の落としから松村のシュート。シンプルな放り込みからチャンスを演出。

8分、藤井の右からのクロスに佐々木がファーに飛び込んでくる。かなりゴール前に枚数を掛けられていた。

9分、鹿島が中央突破から松村が抜け出すも、GKを交わしたあとに塩谷がしっかりとついていってブロック。

12分、関川にうまく体をぶつけて奪ったサントスがゴールへ向かったが、シュートを打ち切れずに時間がかかってロスト。

広島が保持し、鹿島が受けながらダイレクトなカウンターでゴールを狙う構図。鹿島は2トップが強いこともあって、ショートパスで細かくつなぐよりも、プレッシャーが掛かったときにはシンプルに前へ送ることも多い。

17分、広島のロングカウンター。サントスがゴリゴリと運んで、満田につなぐがラストパスはつながらず。自分で打っても良かったがパスを選択。

18分、スンテからの素晴らしいフィードで鹿島がカウンター。どちらもダイレクトにゴールへ迫る攻撃に迫力がある。

19分、中盤から小気味良くつないで満田が左サイドからコントロールショットを狙う。鹿島はプレス時とネガトラ時にスペースが空きやすく、広島にそこを突かれるケースが多い。

広島は3-1ビルドがベースで、森島が中盤サポート、満田が前線での起点作りと役割分担。

25分、ベンカリファの落としから藤井の仕掛け。鹿島が奪うとカイキのゴリゴリドリブルからサイドへ流れた上田へ。一瞬で局面が変わるスピーディーな展開。

27-28分、樋口の列落ちサポートと、和泉の中盤での引き出しからプレス回避で押し上げ。

29分、左に流れた鈴木から上がってきた安西を使うが、藤井が戻って好対応。

31分、鈴木のラストパスはカットされるも、切り替えからサイド奪った鈴木がゴール前へ入り込む。

33分、広島がプレスを掛けて蹴らせ、はね返したところから満田へつないでロングシュート。広島は蹴らせるところまで持っていければほぼ自分たちの土俵へ持ち込める。

37分、広島先制、1-0。サントスが右から仕掛けて倒されるも、満田が拾って柏へつなぎ、フリーの状態でしっかりとファーサイドへ流し込んだ。広島はクロスに入ってくる人数の多さも目立つが、後ろから上がってくるスピードも速い。

40分、中盤でカイキを止めた野津田に警告。何度か見逃してもらっていたが、繰り返しが響いてか前半のうちに1枚もらってしまった。

鹿島がスペースを与えてくれるため、サントスが前向きで仕掛けられる場面がかなり多い。

42分、常本が負傷し、一時中断。体を入れてボールを守りにいこうとしたベンカリファの足裏が常本に入った。

 

広島ペースで進んだ45分。鹿島もひょんなことから一気にシュートまでといったシーンを作って怖さは見せたが、やりたいことはあまりできていない印象が強い。前へ蹴っても簡単には広島の3バックは上回れず、ショートパスでのつなぎも構造で崩せている雰囲気はなく、個人の馬力を生かして進んでいくようなイメージ。前線の選手にシュートを打たせるところまで持っていければ間違いなく一発はあるので、そこまでの過程をどうするか。

広島は主にトランジションや疑似カウンターに近い形からチャンスを量産しており、スペースをもらったサントスが躍動。仕掛けが失敗する回数も多いが、鹿島の守備陣は嫌がっているはず。そのサントスの仕掛けがきっかけとなって先制点を奪うことができ、満足いく前半の内容と結果だったのではないか。

 

 

後半

広島交代

野津田→松本

警告を1枚もらっていた上に守備の負担がやや大きい役回りなので、カードトラブルを考慮したか。

鹿島交代

常本、松村→広瀬、ピトゥカ

常本は接触時の負傷の影響、ピトゥカ投入は中盤の構成力向上を狙う意図か。和泉が右サイドに出て、ピトゥカと樋口のダブルボランチに。

50分、左に流れた鈴木のクロスにファーで和泉が待つもその前でDFがカット。後半立ち上がりは鹿島が保持して攻める展開。

51分、満田が自陣から長い距離を1人で運んでクロスまで。

55分、柏がオープンな左でもってインスイングクロスを送り、ベンカリファが合わせるも枠をとらえきれず。

広島もベンカリファの収めやサントスの突進で押し返す。

58分、CKからカイキが合わせるが、バーの上。

60分、一時的か、手を入れたか、広島はベンカリファを右に下ろして5-4-1気味のオーガナイズに変えた。

→おそらく一時的。ベンカリファが横幅を広めにみることはある。

62分、広島追加点、2-0。佐々木の縦パスをサントスが背負って収めると、満田が引き取ってそのままミドルを突き刺した。安西が対面に間に合っていたが股を抜かれ、スンテも正面気味だったが、ブラインドになったこととシュートの威力があったことでかき出しきれず。

64分、サントスに警告。藤井からのクロスを合わせにいったサントスの足が関川に入る。

68分、柏に後ろからチャレンジした広瀬に警告。

広島はプレスに行かず意図的にラインを少し下げて受ける。機動力がある選手が多く、カウンターに出ていける計算がたつので、割り切って守りに入れる。

70分、鹿島交代

樋口、関川→アラーノ、キム・ミンテ

キム・ミンテがボランチに入ってピトゥカがCBに移る。

73分、松本の好奪取からサントスがPA付近で仕掛けてフィニッシュまで。対面のピトゥカを完全に外しきったが、惜しくも枠外へ。

74分、広島のビルドアップミスを拾って上田へのラストパスを狙うが、広島DF陣が決死のディフェンスで阻止。広島は柏戦の悪い再現になりかけた。

77分、鹿島が相手2トップ脇からアンカー脇に入った上田を狙うがパスが合わず。

78分、広島追加点、3-0。藤井が右のオープンスペースで仕掛けて折り返しをサントスがプッシュ。こぼれ球を柏が巧みに詰めた。ヴァイラー監督は思わず苦笑い。

広島が前に出てこないことから鹿島は敵陣までは入れるが、奪われると簡単に陣地回復を許すので、中盤と最終ラインの負担はかなり大きそう。

81分、広島交代

サントス、ベンカリファ→永井、柴﨑

85分、鹿島交代

上田→染野

一瞬のスキをうかがい続けていた上田だが、ほとんど見せ場を作れないまま交代。

広島は前線のキャラを変えたことで、守備で終える範囲が広がった。後ろが整っていれば放り込まれてもそこまで怖さはない。

89分、広島交代

柏→東

92分、広島交代

満田→浅野

 

1点ビハインドで後半を迎えた鹿島が選手交代から勢いを持って入ったが、広島もカウンターを打つことでしっかり押し返す。最初の10分程度は鹿島の勢いに押されるシーンもあったものの、徐々に広島が安定した守備からカウンターをガンガン打っていく展開に。鹿島はボールは持てても、危険なエリアへ入っていくことができず、リスクをかけたぶんだけカウンターで跳ね返ってくる形になった。ピトゥカをCBへ下げるなど奇策も打った中でそれも裏目に出てなすすべがなかった。

広島はシステムを変更して初めてサントスとベンカリファの2トップを組ませた新布陣が奏功。鹿島との相性もあるだろうが、サントスの良さが引き出せたことは好材料になった。ただ、配置取りがうまいチームとの対戦でもこの構成で通用するかは未知数。これを軸にするというよりはオプションとして持っておくようなイメージになるだろうか。

 

 

個人的MOM

★満田 誠

3-5-2のIHという縦にも横にも運動量が求められるポジションで攻守において貢献。守備でも運動量が増える中でも攻撃に転じたときにはしっかりと敵陣へ入っていき、前線に厚みをもたらした。また、受ける時間が続いていた中での2点目には大きな価値があり、3得点目も2点目があったからこそと言ってもいい。

 

2得点でフィニッシュ精度の高さを見せた柏、スペースをもらえたことで躍動したサントス、相変わらずの運動量とスプリントで右からのクロスと陣地回復を繰り返した藤井も好評価。上田と鈴木にほとんど仕事をさせなかった3バックもさすが。

 

トピックス

常本がベンカリファとの接触で負傷。靭帯に触れていなければ、強めの打撲や裂傷などで済んでいると思われるが…

関川もサントスとの接触で頭部を負傷。バンテージを巻いていたが、プレーに大きな支障はなさそう。

 

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ミヒャエル スキッベ監督 ]
今日のウチは、Jリーグの中でもすごく良い試合をしたと思います。(前節・)柏戦の後半よりも自分たちはコンパクトにして戦うことができました。それゆえに鹿島のほうはチャンスがあまり作れなかったという感覚を覚えたのではないでしょうか。ウチのオフェンスに関しても、満足のいく出来でした。リーグ戦で3点を取って勝つ試合はまだ今季なかったので。今日は選手たちがどの面においてもトップレベルのパフォーマンスを見せてくれました。この勢いに乗ったまま次の浦和戦までやっていきたいと思います。

--ジュニオール サントスとナッシム ベン カリファの2トップにはどういう意図があったのでしょうか?
鹿島と対戦するにあたって、前に勢いが欲しかったというのがあります。鹿島相手にオフェンシブでアグレッシブなサッカーを見せることが非常に重要でした。コーチ陣との話し合いの中で柏戦のあとに1つのアイディアとして出てきたことでもあります。いつも選手交代のときに同じポジションの選手を同じポジションに入れる交代をしていて、選手は代わりますけど、戦術的には違いを作れなかったことが反省点でした。近代サッカーにおいては、戦術がしっかりとその試合に合っていることが非常に重要なポイントでもあります。今日はウチの選手たちが新しい戦術変更をしっかりとフィールドで表現してくれたと思っています。

 

[ レネ ヴァイラー監督 ]
--広島が違う形をとってきた。2トップでタメを作られたことが要因となったように思うが?
システムうんぬんというよりは相手のほうがデュエルを競り勝っていました。相手の判断のスピード、動作のスピードも非常に速かったのが問題だったと思います。われわれはそれに対して遅れていったことが多かったと思います。判断だったり動作スピードだったりを上げていかないと難しい。彼らはずっと勝ち進んでいた中で、前節(・柏戦)で負けて、今回はホームで試合をするため非常にモチベーションが高く、勝つということを目指してきました。心理的な部分でも、彼らのほうが動き出しは速かったのではないかと思います。そういう影響もあったと思うので、システムうんぬんよりも心理的な部分の影響と、われわれが怠ってしまったことで、自然にパフォーマンスのところで低くなったと思います。

--ディエゴ ピトゥカをCBでプレーさせたことは準備させていた?
以前、ピトゥカ選手も練習でCBをやっていたし、それができるだろうと思いました。あとは0-2のビハインドということでチームを押し上げたい思いがあったので、そういった配置にしました。残念ながら関川(郁万)選手のケガがあったことも影響して、そういう選択肢をせざるを得なかった感じです。

--ボールを運べず、奪うことも難しい前半だったと思います。どこを改善してほしかったのでしょうか?
確かに、前半は厳しい部分はありましたけど、忘れてはいけないのは3回くらい決定的なチャンスがありました。それを決めていればまた違うゲーム展開だったと思います。サンフレッチェさんは強かったですし、タフな相手であったことは間違いありません。ただ、細かなディテールが試合を決定づけることがサッカーにはあり得ることです。それを怠ってしまったり、できなくなってしまったりすると難しくなってしまう。ただ、ビハインドの中でも同点に追いつこうとする姿勢を見せられたのではないかと思います。