がちゃのメモ帳

Jリーグをメインに、いろいろな感想を残していきます

2022 J1リーグ第12節 北海道コンサドーレ札幌vs京都サンガF.C. メモ

www.jleague.jp

youtu.be

スタメン

 

流れ

札幌がボールを持ち、京都がプレッシャーを掛ける。どちらも前向きの矢印が非常に強く、オープンスペースがあればダイレクトにゴールを目指すので、かなり速いゲーム展開になっている。

2分、金子がカットインからシュートもアピアタウィアがブロック。

菅野が背後のカバーを広めに担当しているので京都は遠めから狙ってけん制する。

6分、最終ラインから左に流れたウタカへ一発で展開。折り返しを入れるがDFがカット。

6分、白井の左足クロスをファーで松田が合わせ、菅野がかき出したところをウタカが詰めるが枠外。徐々に京都もゴールへ迫れるように。

7分、青木が敵陣深くまで入り込んでポイントを作り、右に送ってから再び青木に渡ってシュートまで。

どちらもすぐにゴール前まで運ぶのでかなりせわしない。

10分、青木のシュートは上福元の正面。札幌が攻める時間帯。

10-11分、ルーカスのクロスは駒井にあわず。フリーで入ってこられたので、あっていれば1点もの。

13分、ウタカが岡村から刈り取ってゴールへ向かうが、田中駿が冷静にカバー。

京都は保持でポイントを作れていないため、カウンターと前プレの質を高めたいところ。

14分、札幌がうまくプレスを回避して疑似カウンターの局面を作り出すが青木が判断に迷って詰まる。金子にも菅にも出せるタイミングがあったが、キープして戻す判断をした。

16分、京都のロングカウンター。カウンタープレスを外してうまくウタカへ届け、フィニッシュまで持ち込んだが菅野の正面。

京都は中盤が前に出ていくが、最終ラインが背後のケアに意識がもっていかれがちなのでバイタルが空きやすい。金子や駒井がしきりに背後を狙っていることが効いている。

18分、高嶺のラストパスから駒井のシュートまで。札幌が攻め立てるが、京都もウタカから逆算されたロングカウンターを見せているため、どちらも一刺しは突き付けている状況。

23分、金子が右ポケットに抜け出して折り返し。オフサイドになったが崩しは完璧だった。金子へ浮き球で届けた田中駿のパス精度もさすが。

25分、高嶺のインターセプトから金子のフィニッシュまで。上福元の正面へ飛んだが、トランジションから直線的にゴールへ迫れた。

京都はウタカを軸にして時間をかけずにゴールへ向かう。人につく札幌の陣形が整う前に攻め切りたい狙いが見える。そのため、敵陣で保持して押し込むようなシーンはほとんどない。

29分、ルーカスが松田を抜いて右サイドを突破してクロス。金子が合わせるも枠へ行かず。アピアタウィアもしっかりと体を寄せる。

32分、金子で背後を取って内の青木につなぐが打ち切れず。札幌が相手ゴールまでの時間を増やす。

34分、京都がサイドで密集を作るも札幌がワンタッチでつなぎながら高嶺のところで外してルーカスへ展開。京都は前で奪いたい意志を感じるが、ここまでは札幌のほうが上手。

35分、京都がウタカでポイントを作って最後は上がってきた白井の折り返し。前でポイントさえ作れれば、後ろからのサポートは速い京都。

38分、接触した福森と宮吉が痛がる。アフターチャージを取られたか、宮吉のほうへ警告が提示。

札幌は左から右へ大きく展開してルーカスが仕掛ける攻撃が増えている。

40分、京都が武田の奪取からスピードアップして白井が仕掛けるも福森が阻止。

福森と白井のマッチアップが続く。

46分、福森の直接FKはギリギリ枠外。

 

終始札幌が保持してゲームを支配。主にルーカスの仕掛けを軸にした右サイドからチャンスを作り、金子、青木、駒井がゴール前に入っていく形。チャンスは多く作り出したが、上福元を脅かすフィニッシュの精度は見せられず、スコアレスでの折り返しに。

京都は保持でうまくいかないぶん、ロングカウンターからチャンスを見いだした。ウタカで起点を作れればそこからの追い越しで厚みをもたせることができる。ただ、なかなか高い位置で奪えないことで長い距離を運ばなければならず、精度の高さとエネルギーが求められる。井上がアンカーに入ることで中盤にポイントを作りづらいこと、密集で奪い切れないことが難しくさせている印象。また、速く攻め切る以外の選択肢を持てないがために、相手の攻撃を受ける時間が長くなってしまう点も悩ましい。

 

 

後半

菅だけいち早くピッチに出てくる。

46分、金子が右サイド奥で1人交わしてクロス。田中駿がマイナスをケアしてブロック。

後半立ち上がりは京都が良い入り。

47分、金子の落としから青木が抜け出してシュートも枠外。決定機。京都は人に強くついたことが裏目に出てスペースを突かれた。

京都が前から強度を高めてくることを逆手にとって背後を狙う札幌。

49分、菅が背後を取ってグラウンダーでGK-DF間へ送り金子が飛び込むが、上福元が好セーブ。金子は押されたとアピール。

立ち上がり早々は京都の勢いが上回ったが、すぐに札幌がペースを奪い返す。

51分、札幌先制、1-0。福森の低くて速いCKに高嶺がニアでしっかり合わせた。

52分、京都交

宮吉→山田

54分、金子が右ポケットに抜け出して折り返すも青木が中で足を滑らせる。前半にも合った形で、かなり練習していそう。

札幌がややラインを下げ始めた?

57分、菅の奪取から福森→背後へ抜け出す菅とつないでニアを抜きにかかったが上福元がセーブ。

58分、ショートコーナーで福森→菅→金子とつないでからクロスに深井が飛び込む。デザインされたプレー。

59分、ここは前からハメに行く札幌。

60分、札幌がトランジションからルーカス→深井で右奥を取る。

61分、京都交

メンデス、井上→山﨑、荒木

麻田が左CBへ移って荒木が左SBに入る。金子がアンカー、松田がIHに下りて、山﨑が前線へ入る。

62分、山田が右から入ってきて左足のシュート。枠へは飛ばなかったが可能性は感じさせた。

64分、福森→ルーカスでポケットを攻略して折り返し。福森のキック精度でしかできない攻撃。

65分、札幌交代

金子→トゥチッチ

京都は札幌ディフェンスの矢印の逆をとろうとしているが、マーカーを外せずに前向きをなかなか作り出せない。

69分、トゥチッチがゴール前でシュート体勢に入るが、アピアタウィアが戻ってきて対応。

70分、高嶺が座り込み、腿裏を抑える。自力で歩けてはいるので重くはなさそうだが、スタッフから×印が出されて交代。

71分、札幌交代

高嶺→中島

駒井をボランチへ下ろして中島を前線に入れる。

71分、ウタカが左を抜けて荒木がポケットに入り折り返すもはね返される、京都はひさびさに相手ゴール前でプレーできた。

72分、CKの流れから上福元が敵陣まで入ってくる。

76-77分、武田がライン間で縦パスを引き出して前進成功。そこから中央でのコンビネーションで打開を図り、最終的には荒木のシュートまで。

札幌の圧力が落ちたor落としたことで京都は少しずつフリーの選手を作れるようになって、安定して前進できるように。

79分、京都交

白井、松田→長井、大前

81分、札幌がカウンターで中島が仕掛けまで持ち込むも戻ってきたアピアタウィアがカット。札幌は重心を下げながらある程度バランスを崩さないアプローチで、奪ったらトゥチッチと中島を起点にして攻め切る。

83分、札幌交代

菅、青木、深井→西、シャビエル、中村

85分、トランジションから福森が背後へ送るも上福元の弾丸カバー。

札幌はラインこそ下げるが、要所では前向きに出ていって良い形で攻撃につなげようとする意識は高い。

京都はクロスからゴールを狙うが、ターゲットタイプが少ないこともあってそこまで迫力を出せていない。

 

前半から60分ころまで札幌がゲームを支配し、保持からチャンスを量産。ゴールはセットプレーからだったが、押し込んだからこその得点だったとも言える。終盤は札幌がテンションを落として自陣に構えながらトゥチッチと中島で押し返しながらうまく時間を消費。京都にターゲットタイプが少なかったことも含めて危なげなく逃げ切った。

京都はプレッシングや、保持のところで苦しみ、ロングカウンターを打てるシーンはあったが、自分たちらしさを出せなかった。最後は選手交代でギアを上げにいったが、それもあまり機能せず、苦しかった。

 

個人的MOM

★高嶺 朋樹

ドンピシャヘッドで貴重な決勝点をマーク。持ち味のターンや逆サイドへの展開も要所で見られ、チーム力の上に個人のスキルが乗っかる形で京都との中盤の攻防を制したと言える。

 

得点にはつながらなかったものの右のポケットを取り続けた金子、攻守に安定感をもたらした田中駿も及第点以上。

京都はピンチの芽を何度も積んだアピアタウィアが好評価。

 

トピックス

高嶺がももうらを抑えて交代となったが、自力で普通に歩けているので大事をとっての交代か。→試合後インタビューで「(無理してケガするのが?)怖かったから交代しただけ」と話す。

中村がJ初出場。

ペトロヴィッチ監督が通算500試合目の指揮。

札幌サポーターへ挨拶に行く宮吉と白井。白井は感極まっている様子。

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ペトロヴィッチ監督 ]
今日の試合は日程的な条件が厳しいものだった。われわれは中2日で今日を迎えているわけですが、相手は中3日。中2日と中3日ではやはりコンディション面での差があるだろう。そこに加え、常にケガ人がいる状況。厳しいゲームになると予想はしていたが、そのとおりになった。今日の相手だった京都は走る、戦うというところを前面に押し出してくるチームであり、そういった相手に対してコンディション面でのハンディがあるというのは非常に厳しい。ただ、立ち上がりからわれわれの選手たちはアグレッシブな姿勢を見せてくれましたし、走る、戦うというところでは負けないんだという姿勢が見られた。前からのプレッシング、ショートカウンター、ロングカウンター。アップテンポな試合の中でコンディションのハンディがありながらも、素晴らしい戦いを見せてくれました。

今季ここまで12試合を戦ってきた中で、非常に安定的な試合を1試合以外では見せていると思います。3勝8分1敗という成績ですが、誰が出ても自分たちのベースを出してくれている。今日もサイドチェンジからの攻撃、背後を取ってからの攻撃が効いていた。精度のところが若干欠いていたが、狙いは出せていたと思う。精度が上がっていれば得点につながっていてもおかしくないようなシーンは作れていたと思います。

われわれ、今日は典型的なFWを前に置かない形でスタートしました。普通であればその中でどのようにシュートまで持っていくのかという部分で疑問を持つ人もいるかもしれないが、これまで積み上げてきた形があるので、そうした中でも相手の守備に対して上回っていけることを見せられたと思う。中と外をうまく使い分けて相手のディフェンスラインを動かすことができた。モビリティーを生かした戦いを見せることができたと思う。バリエーションのある攻撃ができていると思うし、積み上げてきたものが形になっていると思う。

--京都はロングボールを多用していたと思うが、そこについて選手にどういった指示をしたか。
われわれのプレスが効いていた証拠だと思います。プレスを外すことができないから、相手は長いボールが多かったのではないかと思います。例えば相手が川崎だったとしてもわれわれのプレスをかいくぐるのは難しいのではないかと思います。そのくらい前からの守備が効いていたのだと思います。

--85分に3枚代えをしたが。
私は以前、過去にバイエルン・ミュンヘンなどの監督をしていたブランコ ゼベツという監督から教わったことがあります。私がディナモ・ザグレブでプレーをしていたときの監督でもあるのですが、彼がハンブルガーSVの監督時に1-0でリードしている試合があり、終盤に押し込まれている状態になった。選手が監督のところに来て「FWを削ってDFを投入してほしい」と伝えてきた。そこでゼベツさんは「分かった」と言いながらも、逆にDFを削ってFWを投入したそうです。そして、そのFWが追加点を奪い、2-0で勝利をした。

考え方としては“攻撃は最大の防御”だということ。相手が前がかりになった中で足の速い選手を入れれば、大きなチャンスが生まれる。守備的に戦って守り切るという考え方もあるが、攻撃的にいって追加点を奪うという考え方もある。攻撃は最大の防御というのは私のベーシックな考えの中にありますし、いろいろな考え方があるが、私はそうした志向を持っているということです。

 

[ 曺 貴裁監督 ]
後半途中に相手選手がボールを出したあとにこちらがつないでコーナーまでいった場面で、監督として選手交代のことを考えていたので把握できておらず、ああいうときはルールうんぬんではなく、相手にボールを渡すべきだと思います。札幌の選手、関係者の方々に申し訳なかったと思っています。

試合のほうは、相手の特徴ある攻撃に対してわれわれも引かずにコンパクトにしようと準備してきた。選手はそれを体現すべく前後半やってくれたので1点、2点取れればハッピーでしたが。CKからやられてしまいましたが、それ以外の守備の集中力は今季一番だったと思う。内容的なところでは、負けた試合で言うのも変ですが、進歩しているという手ごたえがあります。だからこそ、こういう試合で勝点3を取って選手に伸びてほしかったと思っています。

われわれの選手は、まだJ1での試合経験の多い選手があまりいないことで試合ごとに波があるが、4月以降、どんな相手でも堂々とやるべきことをやっていて、進歩は私の想像以上に速い。だからこそ、アウェイでもしたたかに勝点を取れるようにしたいし、今日の試合については采配も含めて私の責任だと思いますし、選手をねぎらってあげたいと思います。

また、今日はアピアタウィア(久)が90分プレーしましたが、彼が今後基準とすべきプレーでした。1対1で負けず、ボールを持っても堂々としている。日本中を探しても、そのような選手はなかなかいないと思うので、今後彼が大きく羽ばたくと予感できましたし、今日の彼はスーパーな働きをしたと思います。

--序盤から斜めのロングボールが多かったように思うが。
サイドのところはしっかり拾ってやっていこうという意思統一はできていた。サイドチェンジを怖がって相手と人数を同数にしてしまうとやりたいことをやられてしまうので、そこはリスクを負ってやったつもりです。クロスを上げさせないのが一番良いのですが、相手のクロスをゼロにするのは難しいので。良い対応をしてくれたと思っています。

--カウンター以外の場面でなかなか良い形を出せなかったように見えた。
全然そのようなことは思っておらず、カウンター以外の攻撃でも厚みのある攻撃がやれるのならば、レアル・マドリーでもバイエルン・ミュンヘンでも勝てると思うので。それはそういったふうには感じていないです。