2022 J1リーグ第9節 サガン鳥栖vs清水エスパルス メモ
スタメン
流れ
立ち上がりから鳥栖が保持して清水が受ける展開。清水も前から追っているが、鳥栖がそれをかいくぐるパス回しを見せる。
鳥栖は強烈に前プレスをかけて回収を図る。清水は苦し紛れに前へ送るが、個人でキープできない限りは囲まれて奪われる。
6分、鈴木唯は左奥でポイントを作ったが、鳥栖の帰陣が速く攻め切れない清水。
どちらもハイプレスを仕掛けているため、プレスvsビルドアップの構図がはっきりした序盤。
清水は2トップの脇にSHを押し上げて圧を掛ける。鳥栖はその背後にシャドーをもぐらせて出口を作る狙い。
13分、原田→飯野で背後を取ってダイレクトでクロス。WBが駆け引きで抜け出せそうであれば前選択を優先。
17分、右サイドのパス交換から崩した清水が鈴木唯→後藤でチャンスメイク。
鳥栖も前に人数をかけるぶん、プレスをくぐられるとスペースで晒されやすい。
オ・セフンの左流れでポイントを作ろうとしているか。
少しずつボールを持つ時間が作れるようになってきた清水。
20-21分、山原のクロスから鈴木唯がシュートまで持ち込むも、シュートはGK正面。中山が抜け出したところからのカウンター。
鳥栖が不用意なロストからカウンターを受けるシーンが増えている。
23分、右CBのような位置で持ったパクから岩崎へのフィードで一気に前進。
23分、本田が右からカットインで左足ミドル。
25分、鈴木唯のラストパスに中山が合わせるも枠外。鳥栖はPA前でラストパスを許している。
清水のSH押し上げプレスに鳥栖が前進できなくなってきており、単純に背後を狙うボールを入れるが、清水も準備が十分にできた上で対応できる。
20分を過ぎたあたりからやや清水ペースになりつつある。清水は鈴木唯を少し下ろし気味でビルドアップの中継役にする。
31分、オ・セフンへのスルーパスを朴がかなり高い位置まで出てきてカバー。
33分、左からのクロスに垣田が合わせるも枠外。後ろでのつなぎから原田→岩崎で一発でサイドの奥を取ってからスピード感を持ってクロスまで。やはり堀米のクロスには可能性を感じる。
かなりテンションを上げてきた鳥栖。清水も奪ってからのロングカウンターを狙うが、鳥栖の勢いが上回っている。
40分、本田のクロスから垣田がニアで合わせるも枠外。再び鳥栖が落ち着いた保持からゴールへ迫る展開。
垣田負傷により、一時的に1人少なくなる鳥栖。
→1分足らずで戻る。
47分、中盤の攻防を制した鳥栖がスピードアップ。互いにトランジションからの攻撃には迫力を感じる。
鳥栖が保持する時間は長かったが、清水も主導権を握る時間を作り、一進一退の攻防。オ・セフンの加入によって鈴木唯が少し下がっても前でポイントを作る事ができ、適材適所の役割で戦えている印象が強まった。そしてチャンスシーンにはほぼほぼ鈴木唯が絡んでいる。
鳥栖は小気味良いパス交換で保持を安定させているが、不用意なロストやプレッシャーのかかりが甘くなったときには背後を突かれてピンチを招くことも。朴のカバーとキックの遅れが何度かあったため、その紙一重が清水側に転がると失点に直結しそうな雰囲気も。
後半
46分、左での作りからPA内を攻略して堀米のシュートまで。清水はハーフスペースを崩された。
鳥栖は相手2トップ脇を安定して使えるようになったことでWBが駆け引きをしやすくなり、それに伴ってシャドーがライン間を使いやすくなった。
50-51分、飛び出してカバーに出た朴がパスミスで鈴木唯が無人のゴールへシュートを放つも枠外へ。鳥栖は致命的なミスが出たものの命拾い。
52分、清水が中盤で奪ってショートカウンターもオ・セフンがオフサイド。鳥栖は悪くないつなぎを見せるが、1つ歯車がズレると致命的なピンチになりかねない状況。
54分、セットプレーの流れから垣田がシュートまで持ち込むもGK正面。互いにシュートの質がもう一歩足りない。
57分、ビルドアップから本田のクロスまで。清水はボールホルダーへアプローチへ出ていったが、そこを1つずつ剥がされて簡単に前進を許した。
60分~、清水保持の時間。右で作りながら最後は後藤のシュート(ラストパス?)まで。鳥栖は後ろに人数を割きながらも人を捕まえながらボールにはしっかりと出ていく。
63分、鳥栖交代
堀米→小野
66分、清水交代
オ・セフン→サンタナ
オ・セフンは抜け出す役回りが多いように感じ、なかなかターゲットとしての見せ場がなかった。
71分、清水は右サイドのビルドアップで鈴木唯がサイドへ流れて出口作り。
鳥栖のプレスの勢いが落ちていることもあり、清水はビルドアップの安定感が出てきたか。清水のペースになりつつあるが、鳥栖もサイド起点のカウンターはちらつかせている。
74分、鳥栖交代
本田→藤田
清水交代
後藤、ホナウド→神谷、竹内
鳥栖は小野と垣田を2トップ気味にして、[5-3-2]のようなセットに変更。
鳥栖は選手交代を機にプレッシングの強度を上げた。また、システム変更によって、よりマークがはっきりした。2トップが2CBへ、2IHがボランチへ、WBがSBへ縦スライドで寄せる。
79分、清水がプレスをくぐってスピードアップすると最後は神谷→サンタナのシュート。鳥栖は連続スライディングで時間をかけさせてコースをなくした。
鳥栖はプレスに出ていくが、寄せが少し遅れれば清水も外せるだけのパス回しを見せるため、互いにリスクを負った勝負になっている。ここまでは清水のビルドアップのほうがうまみをもらえている状況。
85分、鳥栖交代
福田、原田、飯野→森谷、ソッコ、荒木
ソッコは肘にサポーターをつけており、まだ少し痛々しく見える。
86分、清水交代
中山、宮本→片山、松岡
どちらも全体が連動できるほど強いプレスに出られず、ボールを持てたほうが攻撃できる権利を得るような流れに。
最後は消耗戦の様相になった中で両者ともに決定打が出せずにスコアレスで終了。終盤は鳥栖が失点覚悟で前へ出てきたことでややオープン気味な戦いになったが、決定機は少なかった。守備陣が踏ん張ったとも言えるが、どちらかというと最後の質がともなわなかった印象のほうが強い。
個人的MOM
★福田 晃斗
攻撃の組み立ては、彼の流動的な動きからの引き出しで形を変えながら行う。止める蹴るの技術にターンにも優れ、パス交換を潤滑にする働きをこなした。
原田も対角フィードや飯野の飛び出しを生かす背後への球出し、2トップ脇からの運び出しなど攻撃面で目立った。
監督コメント
(※Jリーグ公式サイトから引用)
[ 川井 健太監督 ]
引き分けというところでファン・サポーターの皆さんに勝点3を届けたかったなと。それが前回、ルヴァンカップの柏戦ではホームで敗戦してしまったので、その借りを返すというところでしたが、それが達成できずに残念に思います。ただ、やはりこういうふうに勝てなかったけれども、負けてしまうのか、勝点1をしっかり取って前進するのか。そこは大きな差があると思います。明確にわれわれはやはり、1点、2点、3点と取るチャンスがあったと思いますので、そこの部分はまた選手たちと楽しみながら改善をしていきたいと思います。--公式戦3試合ぶりの無失点ですが、守備の評価を。
これは評価すべき点だと思います。われわれには優秀なコーチングスタッフもいますし、守備の部分は非常にコーチングスタッフのスカウティング、分析かつ、そこからのトレーニングの落とし込み。非常に良かったと思います。チーム力というものが表れた結果だと思います。それに対して、あとはわれわれを信頼してくれて、選手たちが実行してくれるので。そこは改善されたなと思います。--具体的な指示は?
全部、言えます。オ セフン選手の高さや彼に少し動きのクセがあるので、そこは意識してやってくれました。それにプラスして鈴木 唯人選手も付随して、オ セフン選手が空けたスペースを狙うという特長があったので、そこはちょっと危ないかなというシーンはありましたが、ほぼパーフェクトにやってくれたのではないかなと思います。--得点はなかったが相手の倍近くのシュートを打つことができましたが。
フィニッシュを打つのが良い、悪いというのはちょっと置いておいて、間違いなくゴールに向かう姿勢はあったと思いますし、その数をまだまだ倍にしなければいけない。あとは良い課題が出てきたのが、スペースがある中でフットボールを展開していくと、札幌戦のように入るときもある。ただ今日の清水さんは下がってブロックを組むシーンが多かったと思いますが、スペースがなくなったときにどうするか。また想定内の課題が出てきて、そこを次は取り組まなければいけないかなと思います。
[ 平岡 宏章監督 ]
90分間、選手たちは非常に集中してやってくれたと思います。前回の試合の反省点を踏まえながらやってくれました。ボールを握る時間はある程度相手の方が多くなるのは分かっていたことで、その中でどうやって相手の攻撃を摘むのか、またはボールを奪ってカウンターを狙うのか。そういうところを短い時間の中でやってきて、それをうまく表現できたところがあったと思います。クロスからの得点が多いということで、前半ピンチもありましたが、ノリ(鈴木 義宜)だったり、ヴァウドが最後に体を張って相手を自由にさせなかった。後半は途中から入ってきた選手を含めて流れをつかみながらやってきましたが、堅いチームを崩すということで、もう1つ精度を高めていくこと、連係を高めていくとことに尽きると思います。
--守備面で安定してきていると思うが?
攻守において、ここ数試合できてきていると思っています。前回はああいう形で失点してしまいましたが、集中してやってくれています。--チームとして前進できているか?
オ セフンとの連係面、あとはホナウドも連係面が深まってきていると思います。お互いがどうするかというのはミーティングで伝えていても、中でやるのは選手たちになります。その連係面が少しずつ垣間見えるようになってきました。