がちゃのメモ帳

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2022 J1リーグ第4節 清水エスパルスvsセレッソ大阪 メモ

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スタメン

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流れ

立ち上がりはセレッソがボールを持って主導権を握る。清水は自陣で受けると最前線にフィジカルに長けるタイプがいないので、しっかりつなぐかファウルをもらう必要がある。

セレッソはボックスビルドで相手2トップをどかそうとする。序盤は切り替えのスピードもこぼれ球への反応もセレッソのほうが上。

敵陣でセットプレーをもらえるセレッソ。山中が速いボールを入れてなにかを起こす狙い。

11分、ようやく清水の保持局面。竹内と白崎で2トップ裏を取ろうとするが、そこから先の前進手段がまだ見えない。

清水は自陣では[4-4]で構え、2トップは1人がやや低めにはいるものの、守備にはほとんど参加せず、カウンターに備える立ち位置。

13分、2トップ脇を配球ポイントとして、サイドへ抜け出す神谷へ届ける。清水は2トップがサイドへ流れるので、そのあとに誰が中に入っていくかの整理が重要。

清水は2トップがMFタイプなので、縦パスのクッション役として受けてくるシーンも見られる。

セレッソは大外を見せてからのチャンネル進入を狙う。清水はボランチをバイタル埋めなのかサイドサポートなのか、役割が整理できていないように見える。

23分山田に警告。

29分、神谷がボランチの裏で受けてスピードアップ。中央でポイントを作れれば敵陣でのプレータイムを増やせる。

セレッソは中央をがっちり固めながらサイドへ誘導してボランチとSHで圧縮する。また一度セットした状態から相手のバックパスをスイッチにプレスを掛ける。

31分、中盤でのルーズボールを拾った清水が神谷のシュートまで。

清水は竹内を下ろして3バック化し、鈴木か神谷を相手ボランチ付近まで下ろしてポイントを作る形がパターン化し始めている。

純粋なFWがいない清水は奪取後にカウンターを狙いたいはずだが、なかなかスピードが上がらず、縦にいけないシーンが目立つ。

セレッソは相手の3バック化に対して為田を前上げして対応。後ろのバランスよりもプレスを掛けることを優先。

44分、山田のゴールでセレッソ先制。山中が髙橋をはがしてクロスを上げると山田が中でうまく合わせた。清水はセットできていたが、山中のクロス精度が一歩上を行った。

 

多くの時間でセレッソが主導権を握った前半。ボール保持を安定させつつ、セットとプレスを使い分けた守備でゲームを安定させた。清水はセット意識が強いためブロックの位置が低くなり、受ける時間が長くなる。また、保持の局面でもうまく前進できず、竹内サリーで神谷と鈴木唯を引き出し役に据える一手もセレッソに対応されると効果は薄まった。

 

後半

49分、白崎の右下りでズレを作ってから下りる鈴木唯とのパス交換で前進成功。清水の前進手段は結局このパターンに落ち着く。

53分、髙橋のゴールで清水同点、1-1。神谷へのパスはズレたが、難しい体勢からスルーパスを通して、うまく抜け出した高橋が流し込んだ。セレッソはCB-SB間が空いており、ボランチは重心の逆をとられてフィルターになれず。

清水はゴールで元気が出てきた。積極的なプレスで一気に流れを引き寄せにかかる。

56分、奥埜のゴールでセレッソ勝ち越し、1-2。またしても山中からのクロスで得点が生まれた。山中のクロスは特殊能力的なものなので、ゴール前である程度準備していてもそれを無効化する威力がある。清水は同点ゴールの勢いを削がれるような展開に。

セレッソが攻勢を強める。サイドを起点にしてPA付近へ進入し、ゴール前の圧力を高める。

64分、セレッソ交代

山田→上門

清水交代

山原、髙橋、井林→滝、岸本、コロリ

原がCBへ移り、滝と神谷のSH、鈴木唯とコロリの2トップ。

67分、ジンヒョンのミドルキックで清水のプレスを回避。

68分、カウンターから神谷の仕掛けまで持ち込んだが、西尾が好対応。

70分、清水交代

竹内、神谷→宮本、中山

清水は早くも交代カードをすべて消費。

71分、滝が右から個人で上げ切ると、コロリが合わせに行くも届かず。

72-73分、右から左へ大きな展開でつなぎ、片山→コロリで決定機を作り出したが、ジンヒョンが好セーブ。清水が良い時間帯を作り出している。

75分、セレッソ交代

為田、中原→新井、北野

片山のカットインからゴール前の選手へ浮き球で届けるパターンが確立される。

76分、北野を止めた片山に警告。

81分、右からのボールをゴール前に送り、最後はコロリのフィニッシュ。コロリがシュートを打つシーンを増やしている清水。セレッソはサイドで閉じ込められないシーンが増え始め、そうなるとゴール前のファーサイドは手薄になりやすい。

82分、上門のゴールでセレッソ追加点、1-3。奥埜が清水最終ラインの奥へ送ると、上門が抜け出してGKとの1対1を制した。清水はDF4枚がそろった対応だったが、ホルダーに寄せ切れず、高精度のボールを出されてしまったのがまずかった。

清水は大外でポイントを作ってから前線の動きで変化をつける。セレッソはSHが前へ出てこないため、清水はそこまで圧力を感じずに持てる。

87分、セレッソ交代

清武、原川→毎熊、鈴木

清武は負傷交代。筋肉系のトラブルか強めの打撲とみられる。

 

後半は清水がゴール前で迫力を見せる場面も多くあったが、得点は高橋の1点のみ。3失点を喫した守備はもちろん課題に挙げられるが、チャンスで決め切れていればまた違った展開にできていたという言い方もできるだろう。

セレッソは良い時間帯と良くない時間帯が割とはっきりしていた印象。プレスがかかり全体をコンパクトにして圧縮できるときは持ち味が発揮されるが、運動量が落ちたり、少し受けに回るメンタルになってくると、自陣で受けすぎる傾向があったように感じた。ただ、点差に応じた戦い方ができたことも事実で、先発の山田が先制ゴール、そして途中から出た上門や北野らがスペースを突く攻撃で存在感を示せたことは収穫だろう。

 

 

個人的MOM

★山中 亮輔

良い時間帯で「どう点を取るか」を簡単に解決する質の高さを見せ、2アシスト。ともに先発のチャンスをつかんだ山田と結果を出し合い、多大なる存在感を見せた。今後は丸橋との熾烈なポジション争いに注目。

 

トピックス

清武が負傷交代。ももうらあたりを押さえていたように見え、筋肉系のトラブルか強い打撲とみられる。

 

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 平岡 宏章監督 ]
試合の立ち上がり、前節の試合を分析した中で、おそらく相手は前からプレスを掛けて奪ってということを考えていたと思うので、そこは選手たちにもシンプルに背後を狙っていくことを意識させて、まずしっかり守備から入ることが大事だと思いました。でもそればかりでは、なかなか攻撃の形にはならないので、しっかりとビルドアップのところでつなぐところはつなぐこと。そこを意識しながらでしたが、前半どうしても劣勢になりがちなところがあって、3失点とも「安い」と言ったらおかしいかもしれませんが、簡単に失点してしまいました。それが今回の敗因かなと思います。

--髙橋 大悟選手のパフォーマンスは?
彼を起用したのは得点に関わるところ。そこに関しては、期待していたとおりにやってくれたと思っています。

--同点に追いついたあとの2失点目に関しては、どう感じているか?
得点を奪うことができて、良い流れに自分たちが持ってきているところで、ちょっとした判断で相手に流れを渡してしまったと思います。

--結果として連敗になったが、この状況で選手に求めたいことは?
先ほど選手たちに伝えたのは、横浜FM戦よりもできたことが増えたということ、得点を奪うことができたということ、でも簡単な失点で試合が壊れてしまったということを伝えました。でも、できることが増えてきていることは非常に大事だと思うし、進歩するために変化が必要だと思うので、そこは選手たちにもこだわりをもって継続していくこと。もちろん立ち返るところは立ち返らなければいけませんが、上位を目指すのであれば、さらに進歩というか、続けていくことが大事だと思います。

 

[ 小菊 昭雄監督 ]
5連戦が終わって今節に向けて、準備する時間がありました。特に攻撃のところ、ゴールを奪うという攻撃の優先順位を全員で共有して準備してきました。選手たちは準備してきたことをグラウンドで表現してくれました。この1週間、素晴らしい競争、良い雰囲気の中でトレーニングができました。試合前の雰囲気も含めて、必ず勝てるという確信を得て今節に臨みました。最後まで素晴らしい戦いをしてくれたと思います。

--クロスから2得点をお膳立てした山中 亮輔選手を先発で起用した意図について。
亮輔に関しては、キャンプから非常に高いパフォーマンスを発揮してくれていました。丸橋(祐介)という素晴らしい左SBがいるのですが、切磋琢磨しながら良い準備をしてくれていました。日々、競争を促している中で、このタイミングで、亮輔がポジションを勝ち取って、試合に出場したということです。