がちゃのメモ帳

Jリーグをメインに、いろいろな感想を残していきます

2022 J1リーグ第3節 横浜F・マリノスvs清水エスパルス メモ

www.jleague.jp

スタメン

f:id:brgacha:20220318164307p:plain

 

流れ

清水は磐田戦同様に縦に速い攻撃を狙う。マリノスは基本的にCBのみで最終ラインのリスク管理を行い、相手2トップとマンマーク気味。

マリノスはハイプレスを掛ける。それに対して清水も安易に蹴らず、つないで回避を狙う。

5分、吉尾のシュートは権田がセーブ。

マリノスが敵陣で回して、スキをうかがう時間帯。

6分、藤田の縦パスを永戸がライン間で受けて宮市からのクロスまで。清水は引いて守るが、その間を縫うようにパスを通して前進していくマリノス。かなり積極的にシュートまでいっており、CKの数が増えている。

10分頃から少しずつ清水が持つ時間を作る。マリノスはサイドへ誘導してからボランチとプレスバックで閉じ込めたい意図を感じる。

清水は両SBが相手WGに走られるスペースを空けないように、後ろのポジションを埋める意識が強いように見える。足元で持たれても、背後を空けなければ問題ないと思っていそう。

清水は奪ってから直線的にゴールへ向かいたいが、ここまでは角田と岩田がタイトなマークで起点を作らせていない。

マリノスはWGが前向きに出てくるため、清水は保持でSBのところが空きやすく、主にGKからの逃げ道として使う。相手SBが縦スライドで出てくれば、SHやFWがそのスペースを狙って走る。

16分、宮市を起点にしたカウンターから松原→エウベルでネットを揺らすもオフサイド

清水は、SB前に入ってくる選手に対してボランチが横スライドで対応。SBは不用意に前へ出さない。対してマリノスはそれを感じ始めているのか、吉尾がその辺をうろつき始めた?

22分、清水のビルドアップミスを誘ったマリノスショートカウンターからエウベルのシュートも権田が好セーブ。自身のミスのケツを拭いた。

マリノスは神戸戦ではトップ下を中盤の監視役にしていたが、この試合ではCBへのプレス役になっている。

清水は2トップで2CBを見切る。SHを前に出させないようにコントロール

宮市と吉尾が片山から少し離れた位置で間接的に2対1を作るような立ち方。

32分、マリノス先制。右で持った小池龍がカットインからの左足ミドルで逆サイドのネットへ突き刺した。清水は横をふさげず、シュートコースを消しきれなかった。ただ、シュートはお見事。

35分、マリノスがプレスを掛けて清水のビルドアップミスを誘発。ショートカウンターから西村→小池龍で決定機もシュートはギリギリ枠外。

39分、宮市がサイドの奥へ走って起点を作る。おそらく吉尾がサイドへ流れたことで片山が引っ張られてスペースが空いた。

41分、永戸のFKからこぼれ球をエウベルがプッシュも枠外。

42分、マリノス追加点、2-0。バックパスを受けた立田が逆サイドへのフィードを狙ったところに吉尾が詰め切って足に当て、それがそのままゴールへ吸い込まれた。

 

マリノスは強気に前プレを掛けるが、不用意なリスクはかけ過ぎず、的確に回収を続ける。特に2CBはともにフィジカル自慢のタイプではない中で相手2トップをしっかりと抑え込み、仕事をさせていない。2トップも前へ出ていく中で中盤にスペースを空けずにサイドへ誘導し、窒息させている。決め切れなかったシーンも多かったが、ショートカウンターからチャンスを量産できているのも好材料で、保持・非保持の両面で良い部分が出ている。

清水はある程度プレスを外してからのスペース勝負を狙っているが、縦への前進をうまく阻まれて、ビルドアップにこだわりすぎるあまり危険な位置でのロストも増えた。非保持では相手WGに走られないようにSBがスペースを埋めるやり方を取ったのは悪くなかったが、それゆえに前の圧力がかけにくくなったのも事実。プレスで勝負を仕掛けずにリスクをかけないやり方を選んだ中での2点ビハインドもかなり苦しいはず。

 

 

後半

横浜FM交代

宮市→小池裕

小池裕が左WG、エウベルが右WGに入る。

清水交代

コロリ→岸本

岸本がそのままFWへ入る。

後半もマリノスペースは変わらず。清水はプレスを掛けるが、マリノスが難なく外していく。

51分、マリノスビルド。相手SHが前へ出てきたところを脇にWGが下りてボランチへ落としてプレス回避。清水は次のサポートへ動くボランチを見切れていない。

清水は変わらずに保持は後方からショートパスでのビルドアップ、非保持は前からにプレスを狙っているが、どちらも中途半端なまま進んでいる印象がある。

56分、マリノスのWGがCBへ、SBがSBへ出てきたのを見て、中央を使ってからサイドへ落としてプレス回避。これができればもう少しリズムが作れそう。

57分、マリノス追加点、3-0。オープンな攻撃から西村、小池龍、エウベルでゲット。清水はエリア内に人はいたが横へ流されてシュートのブロックにまったく入れなかった。

→オンフィールドレビューの結果、少し前のファウルを取られてゴール取り消し。

64分、清水がSHをCBまで出してサイドを押し上げ。それを見たマリノスが中央を経由しながら空いたサイドへ小池裕を走らせて決定機。

65分、マリノス交代

西村→ロペス

66分、清水交代

神谷、中山→滝、髙橋

68分、権田→片山でポイントを作って滝の仕掛けに持ち込むも、岩田がストップ。清水は片山へのロングフィードに頼るケースが多い。

69分、岸本にチャンスもシュートは大きく枠を外れる。

70分、マリノスが右サイドで前進して左へ展開。清水はプレスに行っているが、まったくボールを触れないまま前進を許す状況・

72分、マリノス交代

松原→山根

山根がボランチに入り、小池龍が右SBへ移る。

74分、鈴木唯の個人技からのクロスを岸本が合わせるも当てきれず。鈴木唯は初めて「らしい」プレーが魅せられた。

清水が時間の経過とともにリスクをかけるようになる。マリノスは2点リードもあってか少しバランスを気にし始めたのか、マスカット監督から「ラインコントロール!」という声が聞こえる。

78分、マリノス交代

吉尾、藤田→樺山、エドゥアルド

エドゥアルドが右CBに入り、岩田が1列上がる。

79分、エウベルの右サイド突破からクロスに樺山が飛び込むも間に合わず。

マリノスは敵陣でボールを持ってゲームをコントロール。清水はボールを持てないと話が始まらないが、なかなか奪う術を見つけられていない。走らされていたからなのか、相手の連係を勢いだけで上回れるほどの気迫も出せない。

87分、清水交代

原→山原

90分、右の奥をとってから山原のクロスに岸本が合わせるも枠外。少ないチャンスを生かせない。

 

後半はスコアこそ動かなかったが、マリノスペースで進み、完勝と言っていいだろう。清水は極力リスクを減らした戦い方で入った中で2点を失い、プランが遂行できなかったことが痛かった。受ける時間が長くとも、スコアレスのまま進められれば相手が焦れてきてカウンターのチャンスも生まれただろうが、基本的には的確なリスク管理でシャットアウトされた。

マリノスは負傷者が多く出ていたり、連戦で万全ではない選手がいたりする中でも角田や吉尾などバックアップに回っていた選手たちが奮闘して勝ちを引き寄せたことも大きい。また、どの程度意図があったかは不明だが、小池龍のボランチコンバートが問題なくこなせたことにも助けられている。

 

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ケヴィン マスカット監督 ]
短い間に5試合目が行われました。今日はメンバーを替えましたが、強くプレッシャーに行くことができ、良いスタートを切れました。後半はなかなかコントロールできませんでしたが、選手は最後まで戦ってくれてハッピーな気持ちでいっぱいです。

--プレーモデルの浸透を感じます。手ごたえを聞かせてください。
リーグ戦もAFCチャンピオンズリーグも過密日程が分かっていた中で、J1の質が高まっているのもあり、自分は「全員が必要だ」と話してきました。ある選手はいつもと違うポジションで出ないといけなかった状況もありますが、良いレベルで試合をこなせていると感じます。今日の後半はもっとアグレッシブに行きたかったのですが、疲れもあってそうはいきませんでした。その一方、良い結果につながったのは良かったです。

--多くの選手が活躍した5連戦の総括をお願いします。
いくつかの修正点や伸ばさないといけない部分を見つけることができました。一方、今日起用した西村(拓真)や吉尾(海夏)が良いプレスを掛けてくれ、コントロールに寄与しました。それを見ても全員がやるべきことを理解し、ピッチ上で表現することができれば、うまくゲームを運ぶことができます。

残りのシーズンに向け、選手たち全員が緊張感を持って取り組んでいかないと感じたはずです。なぜなら、いろいろな選手がどのポジションで出てもレベルを落とさず、自分たちのサッカーができるからです。ポジション争いは激しくなると感じているはずで、日々の練習で集中し、ピッチに立つために何を表現しなければいけないのかを学んだはずです。選手たちはポジションをつかむためにしっかりと戦ってくれるでしょう。

 

[ 平岡 宏章監督 ]
前半、相手のハイプレスに対して受け身になってしまったところがありました。後半は、より背後を狙うということを意識しながら、逆にチャンスを作れたところもあったと思うので、そこで決め切れるかどうかというのは今後の課題になってきます。あとは、勇気を持ってプレーするところは良かったと思います。

--リーグの中でも高い完成度を誇る横浜FMとの差、ピッチで感じたことは?
前半に関してはプレスに屈してしまったところがありましたが、私自身はそれほどネガティブに考えていません。私たちの選手は十分できると思っているし、1つはがせればビッグチャンスも多く作れていたと思うので、そこで勇気を持ってはがせるかだと思います。

--岸本 武流選手を本職ではないFW起用した意図、パフォーマンスは?
彼をFWにしたのは、背後への飛び出し。最近はSBだったり、徳島ではサイドハーフが多かったかもしれませんが、彼の前の推進力を期待して、トレーニングとしては少ない時間しかできませんでしたが、彼自身は狙いを持ってやっていました。最初はあたふたしていましたが、途中から良い動き出しだったり、シュートに絡めたと思っています。

--今後もオプションの1つとして考えていくか?
ゼロではないと思うが、そのうちチアゴサンタナ)、レレ(ディサロ 燦シルヴァーノ)、カルリーニョス(ジュニオ)、またオ セフンも来るし、(千葉)寛汰、(栗原 イブラヒム)ジュニアもいるので、うまく競争しながらやっていきたいです。1つのオプションとしては、ゼロではないと思います。