がちゃのメモ帳

Jリーグをメインに、いろいろな感想を残していきます

2022 J1リーグ第21節 名古屋グランパスvs清水エスパルス メモ

www.jleague.jp

youtu.be

スタメン

名古屋は藤井が出場停止、チアゴが欠場で河面が初先発。2種登録されたばかりの貴田がメンバー入り。長澤、甲田、酒井が負傷離脱中。

清水は前節から先発の入れ替えはなし。ホナウドが7試合ぶりのメンバー復帰。岸本は5試合ぶりのメンバー入り。髙橋、中山が負傷離脱中。ヴァウド、立田、後藤、鈴木唯が引き続き欠場。

 

流れ

50秒、マテウスのキープからマイナスのパスをレオシルバがミドルでポスト直撃。権田は一歩も動けなかったが、ポストに救われた。名古屋が良い入りを見せる。

名古屋は丸山が3バックの中央に入り、河面が左CB。

2分、マテウスが右に流れて受けてから、速いインスイングクロスを送って柿谷が合わせうも枠外。名古屋が立て続けに好機を作り出す。

4-5分、山原のサイドチェンジから片山のクロス→カルリーニョスで決定意を作るも、カルリーニョスがうまく当てきれず。押し込めれば1点だった。清水も保持からチャンスを作る。

清水は守備時4-4-2セット。保持時4-1-2-3の可変。

名古屋はミドルゾーンで5-3-2ブロックを作って守り、ほとんど前プレに出ていかない。IHもスペース管理意識が高めで、制限役は2トップのみ。

清水はアンカーの宮本でうまく調整しながらCBを2トップ脇から運ばせようとしている。

徐々に清水の保持、名古屋の非保持構図が強まる。清水のほうが攻めにいけている雰囲気だが、名古屋も崩れておらず、拮抗状態といえるか。

名古屋がほとんど出てこないこともあって、清水はSBを高く上げて、SHをインサイドに入れる立ち位置取り。

清水はボランチをレオシルバに当てないため、2トップが動いたときの背後に起点を作られがち。

16分、名古屋が中盤で奪ってからカウンター。柿谷とマテウスの連係でシュートまで持ち込むも権田がセーブ。名古屋が久しぶりにゴール前まで迫った。

17分、名古屋がラインを上げたタイミングで権田→サンタナで前進し、縦に速く攻め切る。最後は神谷がコントロールショットを狙うも枠外。良い攻撃。

20分、サンタナ起点でスピードアップを図るも稲垣がカバー。清水はサンタナを中央の起点にしたスピードアップを狙っている。ただ単にサンタナのパワーに頼るのではなく、相手を動かしてスペースを作ってから、サンタナが受けやすい状況を作っている。

20分、原のインターセプトからの強烈なミドル。ランゲラックがセーブ。

22分、柿谷を軸にした中央での連係で突破を図るも引っかかる。その後相馬が仕掛けて折り返し、マテウスのシュートは相手DFに当たってCK獲得。

徐々に名古屋もボールを持つ時間を作って守備一辺倒ではなくなってきた。

28分、森下が奪ってカウンター。柿谷が抜け出すもシュートまでは行けず、遅攻へ移行。清水は後ろが手薄な状態でカウンターを受けたが、なんとか対応した。

29分、飲水タイム。清水が保持から、名古屋がカウンターからチャンスを狙う。互いに決定機を1つ、2つ作り出したがゴールは生まれず。清水は10分~20分頃に良い攻撃からゴールへ迫れていたが、徐々に詰まり気味になってきている。

31分、権田→カルリーニョスで前進。名古屋が前に出てきた際には権田からの展開でうまく前進できている。

清水が保持して敵陣でどうやってブロックを攻略するかを探る時間が続く。名古屋は奪ったらすぐにマテウスを狙い、それができなければ、保持を安定させるフェーズへ移行。

37分、清水先制、0-1。名古屋の攻撃をはね返したあとカルリーニョスが左奥へ運び出して折り返し、西澤がワンタッチで押し込んでゲット。名古屋が前がかりになったところでアンストラクチャーを偶発的に作り出し、スペースをもらった状態でうまく攻め切った。名古屋は落ち着いて守れていただけに、陣形が崩れた中で攻め切られたのは痛い。

名古屋はビハインドになったこともあってか、IHが前に出ていってプレスを掛けるように守備バランスを変えたように見える。

44分、マテウスと鈴木義の接触。やや危険なシーンだったが、何事もなく両者問題なし。

 

序盤は両者がチャンスを作りながらも決め切れず。20分以降からは清水保持、名古屋非保持の色がはっきりとしたが、名古屋が自陣で守りを固めてゲームをクローズな展開にし、コントロールできていたが、トランジションから清水がこじ開けて先制。その後は名古屋も少し重心を上げて攻めに転じたが、スコアは動かず、清水のリードで折り返し。

清水は保持からの打開は時間の経過とともに減ったが、オープンな局面から得点を奪えたことは大きい。ただ、リードを守り切るようなスタイルではないので、我慢を続けながらも追加点を奪いに行きたい。

名古屋はゲームをコントロールしながらも、一瞬のスキから先制され、重心を上げざるを得なくなった。ビルドアップからのスピードアップの質は上がってきているが、相手に固められたときの崩しはまだまだ。選手交代も含めてどのように打開策を見いだしていくか。

 

 

後半

46分、清水が鈴木義の奪取からショートカウンター。横パスをダイレクトで西澤が左足で狙うもポスト直撃。ビッグチャンスも決め切れず。名古屋は命拾い。

48分、コンビネーションから右サイドを崩してポケットから折り返し、こぼれ球を稲垣が押し込んでネットを揺らすが、オフサイドの判定。稲垣らしいこぼれ球への反応だったが、その前の突破のところでわずかに出ていた。形自体は良かった。

52分、名古屋が全体を押し上げたところで権田→西澤で背後を狙う。清水は権田からのフィードが徹底されている。

名古屋は前半途中からの流れを継続して、全体を押し上げて圧力を掛けていく。

54分、敵陣でパスを回してから相馬のカットインシュートまで。権田が正面でキャッチ。

清水は前半と同様、2トップ裏に入るレオシルバを捕まえ切れていない印象。

57分、左でルーズボールを回収した神谷が強引にクロスを上げてサンタナが競るも河面もタイトなマークでクリア。神谷のボールの質、サンタナの強さがあるとターゲット1枚でも迫力がある。

名古屋はWBに預けられたら、誰かが相手SB裏に走って深さを取りにいく。マテウスや仙頭ら。

60分、仙頭の縦パスを受けて反転したマテウスが強引にシュートまで。

名古屋もシュートは打てているが、やや無理目な狙いが多く、質の高いチャンスが作れているとは言えない。

62分、サンタナのポストからスピードアップし、カルリーニョスが抜け出しかけるが、中谷が好対応でブロック。

63分、カルリーニョスが倒れ込む。中谷とのマッチアップで足を踏ん張った際にどこかに負荷がかかったか。担架に乗せられて外へ出る。

65分、清水交代

カルリーニョス、神谷→ホナウド、コロリ

白崎が神谷の位置へ移り、ホナウドが非保持時ボランチの場所へ。

名古屋交代

柿谷、仙頭→阿部、内田宅

66分、名古屋の攻撃で原と権田が味方同士でぶつかって少し痛む。

68分、飲水タイム。名古屋が前の圧力を強めたことで、名古屋が敵陣でのプレータイムを増やし、清水はカウンターでの押し返しも選択肢に。清水も保持の時間を作れた際にはサンタナを生かしたスピードアップでチャンスをうかがう。

71分、素早いリスタートでスローインの流れから阿部のクロス→ニアで中谷がすらしてマテウスが飛び込むも押し込めず。ポストに当てってはね返される。名古屋は着実にゴールへ近づいているが、あと一歩足りない。

72-73分、阿部が背後へ抜けてパスを引き出して落としをマテウス→内田宅とつないでシュートまでいくも力が伝わらず。名古屋は阿部が入ったことでゴール前での一工夫が生まれ、攻撃に流れができつつある。

76分、清水交代

西澤→井林

井林を最終ラインへ加えて3バックシステムに変更。サンタナを最前線に残す5-4-1ブロックで受ける。残り時間も考えて守りのほうにかじを切ったか。

78分、名古屋交代

河面→吉田豊

そのままのポジションに入る。

79分、セットプレーの流れでコロリが負傷。ランゲラックとの接触で、打撲系の強いダメージがあったか。担架で外に運び出される。

清水は一時的に1人少ない状態に。応急処置は5-3-1セット。

82分、清水交代

コロリ→岸本

コロリは途中出場だったが、負傷によって途中交代に。

83分、マテウスのFKにファーで丸山が入り込むも合わせられず。距離は間に合っていたが、難しいバウンドになってしまった。

85分、名古屋交代

森下→宮原

中谷が最前線へ移って、最終ラインが右から宮原、吉田豊、丸山の並びに。また、右WBには内田宅が入る。

87分、吉田豊にドグソでレッドカード。サンタナが収めて岸本が3人目の動きで飛び出したところをスライディングで止めた。周りのカバーも間に合っておらず、完全に決定機阻止。ビハインドを背負った名古屋が1人少なくなるという苦しい状況に。

90分、山原が1人で自陣からコーナーフラッグ付近まで運び出して陣地回復。さらにはファウルをもらって時間を作る。

名古屋はマテウスに預けて時間を作ってもらうが、清水もそこにはファウル覚悟でタイトにマークを付けて自由を与えない。

1人少ない名古屋だが、ボールを持ってパワープレー気味に出ていく。1人多い清水は出ていかずにまずは自陣のスペースを埋めることを優先。

94分、清水追加点、0-2。自陣からのビルドアップでうまく出ていったサンタナがミドルでランゲラックの壁を破ってゲット。左右に味方が走っていたが、自分で完結し切った。トドメの一撃。

96分、マテウスの遠目からのクロスをファーで折り返すも権田がキャッチ。

 

後半は多くの時間で名古屋が攻め込んだが、チャンスを生かせずにいると攻撃的に出ていった終盤に吉田豊が退場に。1人少なくなった中でも1点を目指して前に出ていったが、サンタナのゴールでとどめを刺された。決定機とは言えないまでも、ゴールに結び付けられそうなチャンスは何度かあっただけに、名古屋は決定力に課題が残った。一方で清水は、やりたいことを表現しながら2得点を奪い、無失点で抑えられたことで手ごたえのある内容だったのではないか。また、前節の敗戦で最下位へ転落した中、直後に勝点3を積み上げられた結果が一番大きい。内容の向上を結果につなげたことで選手の自信も深まったはず。

名古屋は阿部の投入で攻撃にアクセントがついたタイミングで奪えていれば流れは違ったように思う。ただ、その阿部は移籍が決まっている。彼がいなくなったときにどのように攻撃に変化をつけていくか。清水がボランチを前に出してこなかったこともあるが、レオシルバや稲垣を経由したビルドアップの向上は見られる。

 

 

個人的MOM

★チアゴ サンタナ

とどめの一撃ももちろん大きかったが、保持でもトランジションでも中央に起点を作る役割をこなし続けた。彼が軸になって攻撃が構築されているといっても過言ではない。その上で一発も持っているのだからなにも言うことはない。

 

前方ではアグレッシブな、自陣ゴール前では粘り強い守備で存在感を示した鈴木義も高評価。福岡戦で見せたはね返し起点のカウンターに似たシーンも作り出し、彼の守備が攻撃のスイッチを入れるシーンも見られる。

 

トピックス

新加入のレオナルドがスタンド観戦している姿が映像に抜かれる。同じく重廣の姿も。

カルリーニョスが負傷交代。おそらく足のどこかを痛めた。程度は不明だが、自力ではなく担架で外へ出ていったため、もしかしたら少し長引くものかもしれない。

コロリが負傷交代。ランゲラックとの接触でおそらく打撲系のダメージ。

吉田豊が一発退場で次節出場停止。

片山が累積警告4枚目で次節出場停止。

 

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 長谷川 健太監督 ]
ファミリー、サポーターの皆さんはホームゲームで勝利を期待して集まってくれたと思いますが、勝利を届けることができなかったことを非常に残念に思います。いろんなことが試合前に起きましたが、それを言い訳にはできないと思います。本当に悔しい敗戦だと思っています。

チャンスの数はお互い同じくらいあったと思いますし、先制のチャンスも作れました。どちらが決めるかという展開だった。後半の最初に良い形で相手に圧力を掛けることができました。強いて言えば、前半からああいう形でプレッシャーが掛けられていたらなと思います。ただ、選手たちはハーフタイムに切り替えて、スイッチを入れてくれたと思います。もう一歩ところで決め切れなかったことが、最終的に(吉田 豊の)退場につながり、追加点を与えることになってしまったと思います。切り替えてやっていくしかないと思います。

--終盤に中谷 進之介選手を前線に入れた意図は?
中に高さのある選手がいないですし、さすがに高校生の貴田(遼河)に1点を託すわけにはいかない状況でした。勝っている状況なら貴田の投入もあったと思いますが、1点負けている状況だったし、少しは考えましたが、さすがにそこはもうちょっとかなというところで、決定力というか、シュートもうまい中谷を前に出して、少しでもクロスが合えばという形にしました。

--柿谷 曜一朗選手の評価は?
よく今日も頑張ってくれたと思います。決定機も2回くらい(あり)、若干角度がなかったと思いますが、ああいうシュートに至る局面に最近のゲームでは顔を出すようになってきてくれたと思います。あとは得点を待つしかないと思っています。

 

[ ゼ リカルド監督 ]
非常に難しいゲームになったと思います。立ち上がり、相手が危険な場面を作り出してきて、苦しみました。ですが、その後ボールを保持することができて、安定した戦いに持っていくことができたと思っています。後半に入り、前がかりになった相手に圧力を受けましたが、苦しみながらもわれわれは高い集中力を保って、しっかりとコントロールできていたと思います。カウンターを仕掛けることもできたし、それによって良い結果を得ることができました。これが自信につながると思うので、また次にはずみをつけられたと思います。

--終盤の選手全員のハードワークが勝利を導いたと思うが?
この順位に置かれているということは、チーム全員にとって苦しい状況でした。われわれはそこから抜け出すためにハードワークを続けて、成長、向上し続ける必要があると認識はしています。過去の試合でアディショナルタイムに失点したゲームがあったので苦しかったのですが、そこから学ぶ姿勢、そして「今度こそ、この状況を変えるんだ」という新たなモチベーションが全員にあったと思います。今日は無失点でゲームを終えられたこともポジティブな要素だと思っています。今まで失点が続いていたので、無失点で終えられたことでさらに自信がついたと思うので、またこれからの試合につなげていきたいです。

--井林 章選手を入れて5バックにしたと思うが、その狙いは?
相手も並びを変えてマテウスカストロ)選手の後ろに、4人の選手が四角形を作るような形で布陣を取っていたと思う。そして、ウイングバックの選手が積極的にクロスを入れてくるという攻撃を仕掛けてきて、そこで4バックで苦しんだ場面もあったので、井林を入れて、クロスを入れさせないことも1つですが、入ってしまったときにはそのエリアの中で高さのある選手ということも含めての交代でした。