がちゃのメモ帳

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2022 J1リーグ第3節 サンフレッチェ広島vsヴィッセル神戸 メモ

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スタメン

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流れ

広島は最終ラインを3バックだけで管理させるハイプレス。人を当てて前から強く追う。神戸はサイドを経由しながらサンペールやイニエスタを起点にプレス回避を狙う。

4分、サイドの広いスペースに小田が走り込む。3バックの脇は大きく空くため、ホルダーがフリーになれば、深さを取るのは難しくない。

広島は前向きの圧力は強いが、一度自分のラインを越されるとプレスバックはやや甘い印象。また、目線が切れたときにマーカーについていけないところも気になる。サンペールはそのあたりを利用して、プレスに出終わったあとの選手の背中側に潜り込んで受けようとしている。

神戸はIHを下ろしてCBを引き連れ、その背後に2トップを走らせる狙い。

12分、浅野が着ゴール前で抜け出すも折り返しに味方が入り切れず。

17-18分、サンペールのパスからゴール前でのコンビネーションで中央を突破し、小田のシュートまで。林が連続で好セーブ。

広島はシャドーとWBのプレスのつながりが弱まっている場面が見受けられ、ホルダーにプレスが掛からなくなっている。

広島のプレスがハマらなくなってきたことも含めて神戸が自分たちの時間に持ち込んでいる。

23分、神戸のゴールキックを前からハメに行く広島。足元でつながせれば奪える雰囲気はあるが、スペースへ流されてしまうと厳しい。ホルダーの選択肢をどれだけ減らせるかが広島プレスのポイント。

27分、神戸先制。後方からのつなぎで広島の選手を前へ引き出すと、小林→小田でサイドのスペースを取って、最後はゴール前でのパス交換から崩し切った。神戸は再三狙っていた野上を引き出した背後のスペースを突いてゴールへ結び付けた。広島はスライドが間に合わず、小林へプレスが掛かり切らなかったところから歯車がズレた。

広島はサントスで2CBの前進をけん制し、シャドーがSB、ボランチがサンペールを見る形に。後ろがズレにくくなる一方、前向きの圧力は掛かりづらい。

31-32分、飯倉→リンコンで人が薄いエリアへ運び、セカンドを回収してイニエスタ→山口でチャンス。広島はホルダーへプレスが掛かり切らないと薄いスペースを使われ続ける。

41分、塩谷→森島でシュートまで。狭いエリアでのプレーだったが、個人の能力でシュートまで持ち込んだ。

広島の保持は森島の間受けで起点を作る。

 

広島はプレスからのショートカウンター、またはサントスを起点に深さを取った攻撃を狙ったがうまくいかず、神戸が保持しながら背後のスペースを突いていく戦略がうまくいった前半。サントスが最前線に入ると追い切れる範囲が狭く、周りの選手が1つずつズレなければならない。それにともなって、後方にスペースが生まれやすく、プレスを掛け切れないときは簡単に前進を許していた。サントスは前残りを命じられているのか、個人戦術の問題なのか、プレスバックはあまりしないため、3トップの背後に顔を出す選手にはボランチを押し出さないといけなくなり、それもスペースを作る一因になっていた。一方でカウンターの先鋒になれていたかと言われればそうでもなく、攻守にどう使えばいいのかが見えにくい状況。

神戸はサンペールやイニエスタのキープ力に依存する面もあるが、野上を引き出す狙いが徹底されており、その背後に流れた小田が仕事をして得点に結びつけたことは大きい。また、リンコンもコンディションが良さそうで、背負うプレーや間で受けるプレーなど、存在感がある。

 

 

後半

50分、山口とリンコンで右サイドを突破してクロスからチャンスも合わず。

直後にサントスがサイドから抜け出しかけるもタッチを割る。

53分、藤井の仕掛けからゴール前での連係からシュートまで。

広島がリンコンのところを潰せるか否かでどちらのペースになるかが決めるような後半。

54分、CKをニアですらして小田がファーで合わせるも決め切れず。

保持からチャンスを作り始める広島。

58分、前がかりになった広島の背後をカウンターで突いた小田だが、荒木がギリギリで対応。広島が自分たちの時間に持ち込んでいる一方、神戸も武器を突くつけられてはいる。

後半はサントスが左に流れて受けるシーンが目立つようになった。

互いにチャンスを作り合う60分前後。

64分、広島交代

柏、浅野→柴﨑、満田

65分、神戸交代

リンコン→藤本

広島はロングカウンターのチャンスが増えている印象。神戸のネガトラがハマっていない&バランスが悪い?

70分、藤井の縦突破からチャンス。広島は藤井のところを武器にしてゴールへ迫り始める。神戸は左サイドに疲れがあるか。

72分、神戸交代

佐々木、小田→扇原、汰木

75分、サンペールのスルーパスから山口が抜け出すも、ラストパスが精度を欠く。

汰木は守備時はSHのような立ち位置を取る。

神戸は前からプレスを掛ける元気は残っておらず、ボールを持ったほうが攻撃のターンをもらえるといった流れ。広島はプレスを掛けようとする意志があり、神戸は敵陣で持てないと息継ぎができないような状況。

広島は藤井と満田の両ワイドを生かしながらチャンスを作りたい意図を感じる。

神戸はなかなかボールが持てない&持ってもスペースがないので、藤本が生きる状況がない。ポジトラでは屈強な相手CBにつぶされてしまう。

81分、佐々木のゴールで広島同点。野津田のFKに直接頭で合わせてたたき込んだ。広島は完全に主導権を握れた中でしっかりと得点につなげた。

85分、藤井が2人をぶち抜いてチャンスメイク。広島は得点でメンタル的にも上向いたのか完全にゲームを支配。奪われてもカウンタープレスを完全にハメ切って、相手に攻撃のチャンスを与えない。

自陣撤退で我慢の時間が続く中、神戸は藤本もPA付近までプレスバックしてゴールを死守する。

89分、左での作りから中央のコンビネーションで柴﨑のシュートまで持ち込むが、最後がうまくヒットせず。

90分、広島交代

野津田、藤井→川村、青山

神戸交代

イニエスタ、初瀬→槙野、山川

神戸は後ろを3バックに変更。

広島が圧倒的に攻め込み、あとは広島がゴールを奪えるか、神戸が守り切れるかという構図。

 

ラスト20分は広島が一方的に攻め込んだが、逆転にまでは持ち込めず。最後には決定機も何度か訪れただけに、悔しいドローだったかもしれない。前半はプレスを掛け切れない場面も見られ、背後を使われたが、相手が落ちてきた後半に圧倒できたことは好材料。ただ、サントスの起用法の最適解は考える必要があるか。

神戸は前半こそ小田を背後へ走らせる攻撃が機能したが、劣勢に陥ったときにはね返す術がなかった。前線でポイントになっていたリンコンと小田が下がると、押し返すための選手がいなくなり苦しかった。サンペールとイニエスタの個人能力で脱出できるシーンもあったが、その後でのロストが目立った。大迫と武藤がいれば、リンコンと小田を後半から使う選択肢も持てた、というたらればは思いつくが、いない以上はいまある手札でなんとかしなければならない。

 

 

個人的MOM

★佐々木 翔

同点ゴールはもちろんのこと、タイトな守備で相手に起点を作らせず、守備で終盤の勢いをもたらした1人と言える。また、チャンスに直結する縦パスもあった。ゴール後に大きく吠えていたのがとても印象的。

 

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ミヒャエル スキッベ監督 ]
最初の5分、10分まではイメージしていたサッカー、アグレッシブに前からボールを奪いにいくことができていたと思います。その後、神戸にわれわれのプレッシングをはがすシーンやセットプレーから数多くチャンスを作られました。危険なシーンが2、3回ありました。もちろん得点のシーンも含めて。前半の残りの時間に関しては神戸の試合だったと思います。

後半に関して言えば、われわれが主導権を握れたと思います。われわれがボールを長く保持しながら、主導権を握ったゲームができました。最後の方の時間帯はもう少しで勝てるところまでいけたと思います。ただ、1-1の結果には満足しています。神戸が後半の頭にあったCKで追加点を奪っていたなら、大差で負けていた可能性もあったような試合展開だったと思います。ただ、得点を取ったあと、下がることなく、前に得点を奪いにいった。勝ちにいこうとしたわれわれのチームを褒めたいと思います。

 

[ 三浦 淳寛監督 ]
今日の試合の入り方を含めて非常に良かった。プランどおりにゲームを進めることができて、75分くらいまで狙いどおりの展開ではあったのですが、失点、セットプレーは前節もそうだったが、そこで相手に流れがいってしまった。そこまでの展開は良かった。広島は非常に良いチームなのでアウェイで勝点1は前向きにとらえたい。

--3バックの外側のスペースをうまく使っていた。
小田(裕太郎)とリンコンインサイドハーフを含めてそこを徹底して突いていこうと。その意味ではしっかりとボールを保持しながら、そこを突いていく中ではすごく良いチャンスもありましたし、プランどおりできたと思います。

--負傷した武藤 嘉紀選手に加え、大迫 勇也選手もメンバー外だったが?
ちょっとマリノス戦で足を負傷したのがあります。

--後半にセットプレーから失点した。
75分くらいまでは狙いどおりの展開だったが、やっぱりサッカーは不思議で1本の失点、セットプレーから失点したが、そこから広島さんはホームチームですし勢いが出てきたのはある。ただ、前節もそうだがセットプレーから失点して流れが……というのがあるので、そこは徹底して修正しないといけない。