スタメン
チャナティップが出場停止。
流れ
広島はいつもどおりハイプレス。サントスがCBへアタックへ出たあと、橘田監視。
3-4分、小塚からマルシーニョへ開放して最後は右からのクロス。
7分、中盤でルーズボールを拾った浅野がロングシュート。ソンリョンの位置を見て積極的なプレー選択。
8分、満田への浮き球で相手SBを引き出してからその背後で森島が起点に。そこから藤井へ展開し、CK獲得まで。
広島がプレスからボールを回収し、WBの仕掛けを生かしながらペースを握る。
11分、CK守備からマルシーニョがカウンターで出ていくが、広島も時間をかけさせてゴールへは向かわせず、陣地回復だけに収める。
13分、中盤で前を向けた橘田からマルシーニョへ開放して仕掛け。
13-14分、野津田のフリックでプレスを回避し、スピードアップ。
14分、右サイドのコンビネーションで藤井が背後へ抜け出し、クロスに満田がフィニッシュもギリギリゴールラインを割れず。決定機。
18分、広島が巧みにプレス回避。広島はビルドアップで安定して前進、スピードアップできている。
19分、川崎がカウンターで3対2の局面を作り出すが、家長のクロスが精度を欠く。今日の家長はキックの精度がいまいち？
広島はシャドーがアンカー脇をのぞき、ボランチがバックラインのサポートに入りながらIHを引き出す。
22分、塩谷→藤井で背後を取るも合わず。藤井は佐々木との駆け引きを完全に制していた。
25分、カウンタープレスで圧を掛けて蹴らせてダミアンvs荒木で回収する広島。前向きに出られれば、ダミアンにも勝てる荒木。
どちらも一歩も引かないダミアンと荒木の迫力満点のマッチアップ。藤井の仕掛けと佐々木の守備ももごたえがある。
32-33分、塩谷の縦パスから森島の間受け。塩谷がビビらずにさせるので、森島や前で良いポジションを取る選手へ届けられる。
37分、浅野の振り返りボレー。森島から藤井へ展開し、カットインクロスでチャンスメイク。
38分、浅野が右奥を取ってのクロスにサントスが合わせるもソンリョンの正面。
43分、ひさびさに敵陣でプレーできた川崎。序盤からWGへの解放までは何度かたどり着いているが、シュートまで持ち込むだけの質は見せられていない。
広島がプレッシング、ビルドアップの両方で川崎を上回り、攻撃の試行回数を増やせた前半45分。内容的にはリードを奪いたかったが、やりたいことがやれたという点では充実感があったはず。
川崎はマルシーニョや家長へ届けられたシーンもあったが、時間をかけずにゴールへ向かうところまではなかなか行けなかった。また、守備でも相手ボランチ2人を捕まえ切れず、中盤でフリーの場所を見つけて潜り込んでくる森島に起点を作られた。それに伴って、WB（特に藤井）にスペース込みで預けられ、仕掛けられるシーンも多かった。ただ、佐々木の対応がよく、簡単には良質なクロスを上げさせなかったことはポジティブにとられられる。
後半
45分、谷口の縦パスに小塚が間受けでプレス回避。
48分、ダミアンの落としを生かしながらスペース持ちのマルシーニョへ。
53分、脇坂のターンでマークをはがして、浮いた位置で小塚が受けてプレス回避。
55分、中盤からのスルーパスでマルシーニョが抜け出すもオフサイド。川崎はまずはプレス回避を安定させたうえで、マルシーニョのスペース勝負を狙う。
60分、オープンな展開から森島→満田とつないでサントスとの連係から満田のフィニッシュ。
63分、ロングカウンターで広島が攻めるも山村が藤井を止めて阻止。
65分、川崎交代
小塚、ダミアン、マルシーニョ→大島、知念、宮城
67分、サントスを止めた山村に警告。
川崎は広島のプレスに苦しみながらも、中盤でルーズボールを拾えれば背後のスペースを使えている。
72分、川崎先制、0-1。CKから広島の選手がクリアし切れずにオウンゴール？谷口が触った？川崎はうまく行かない中でもセットプレーでゲット。
75分、広島交代
満田、浅野→東、柴﨑
77分、川崎交代
脇坂→遠野
川崎はリードできたこともあってか、一度押されたら自陣で構えて人数をかけて守る。
80分、広島交代
サントス→鮎川
82分、川崎交代
家長→小林
83分、右で持った橘田から点で合わせるラストパスが宮城に入るが、シュートは林の正面。決定機。
83-84分、鮎川が背後を取って起点を作り、右からのクロスまで。鮎川投入で前線に違う動きが出たシーン。
86分、広島交代
野上、森島→住吉、仙波
最終ラインの枚数を減らして住吉を最前線へ入れる。
87分、広島陣内で奪えた川崎が小林のループで決定機も枠内へ飛ばず。
87分、川崎追加点、0-2。広島は後ろの枚数を減らしたことで間に立つ選手に当たりづらくなり、最後はバイタルからのシュート→こぼれ球を山根で詰められた。川崎は前から行くことで自陣で受ける展開を極力減らし、逆にチャンスへ結び付けた流れが得点意つながった。
広島は住吉を入れてパワープレーかと思いきや、割と普通につなぎ、最後のターゲット役に住吉を据えているようなイメージ。ただ、川崎が前からくるため、クロス千本ノックのような展開にならず、住吉の強さ・高さを生かせるシーンはかなり少ない。
試合を長く支配したのは広島のほうだったが、終わってみればスコアで上回ったのは川崎のほう。広島はプレッシングもビルドアップもうまくいった中で「では誰が点を取るのか」というところだけが見えにくかった。藤井の仕掛けを軸にしていたのは伝わったため、中央で待つサントス、ファーから入ってくる満田がスコアラーになり得るのだろうが、その2人が決め切れなかった。ただ、内容には一定の手応えを得たはずで、これをどのように結果につなげていくかが今後のポイントになるだろう。
川崎はビルドアップもプレスもなかなかハマらず、球際や出足で上回ればWGのスペース勝負に持ち込めたが、広島の帰陣を上回るだけのスピード感を見せられないシーンも多く、効果的にゴールへ迫れていたとも言い難い。ただ、その中でもセットプレーでこじ開け、リード後も引かずに攻めの姿勢を見せたことで追加点を奪えたのは好材料。要所の勝負強さとリード後の試合運びには試合巧者を感じさせた。
個人的MOM
★山根 視来
90分を通じて特段目立つ時間はなかったものの、勝負を決める2点目を決めたことは高く評価できる。体力的に厳しい終盤に、シュートのこぼれ球に反応できるのはやはり“嗅覚”と言うべきか。
初先発の小塚は相手のハイプレスに対して浮くポイントを見つけるポジショニングや巧みなボールタッチでプレス回避に貢献。数多く訪れた藤井とのマッチアップで後手に回らなかった佐々木も好印象。
監督コメント
（※Jリーグ公式サイトから引用）
[ ミヒャエル スキッベ監督 ]
最初の５分間は非常に悪い入りだったと思っています。相手のCKが何本かありました。その中で良い対応ができていなかったというふうに思います。ただ、そこから相手がゴールを奪う75分くらいまで、サンフレッチェだけがサッカーをやっていたと思います。われわれにとってすごく良いサッカーができたというふうに思います。ただ、残念ながらわれわれがクオリティーで劣ったというところでしょう。75分のところで残念ながらオウンゴールという形で失点をしてしまいました。失点して以降、われわれは自分たちのサッカーを見失ってしまって、逆に川崎のほうが何度か良いチャンスを作って、０－２になってしまった。ただ、75分間、王者の川崎に対して良いサッカーができたというところは前を向いていきたいと思います。それから、チャンスをモノにするところを改善して、これから点を取っていく形を作っていきたいというふうに思います。－－チャンスをモノにするところだけが欠けていたゲームだったと思います。そこの改善点は非常に難しいと思いますが、どういうトレーニングをしていきたいと思っていますか？
練習を見に来てくださった方は見ていただいていると思うんですが、ビルドアップからゴールに向かうトレーニングをしています。ただ、最後の勢いがないというか。ウチのチームにはペナルティーエリアの外でうまくボールをつなぐ選手が非常に多く、エリア内に入っていくプレーがまだ足りていない。そういった選手たちに、どのポジションに入っていくかっていうところを提示していくことが必要だと思います。そういった中で、ドウグラス ヴィエイラ、エゼキエウという選手たちが戻ってきて、また競争をさせていきたいなと思います。
[ 鬼木 達監督 ]
スタートのところは決して悪くなかったと思いますけど、途中から広島のほうにリズムが行ってしまった。そこの時間帯をもう少し自分たちでコントロールできればなというふうに思いますが、難しい時間も乗り越えて、しっかりとセットプレーだったりとか、２点目を取って試合を決めにいったところはすごく良かったかなと思います。もちろん試合内容的にはまだまだ詰めていきたいところはありますけど、勝ちながら成長したいという意味ではしっかりと失点をゼロに抑えられたところも良かったと思います。また、ちょっと中断するので、良いトレーニングをしてもっともっと向上したいなと思います。－－前半は中盤でうまく相手を捕まえ切れなかった印象を受けましたが、いかがでしょうか？
守備ももちろんそうですし、攻撃の奪われ方のところが少し良くなかったかなというふうに思います。実際に守備のところも、奪われ方が悪いので間のところを突かれることが多かったと思います。多少ゲームの中で修正しましたけど、修正し切れずという部分もあったので、もっと出どころを抑えないといけないと思います。こぼれたとしてもコンパクトにしていれば自分たちの距離で行けるはずですけど、コンパクトさも少しなくなっていた。攻撃のところのミスが多かったかなと思います。
