2021 J1リーグ第37節 湘南ベルマーレvs徳島ヴォルティス メモ
スタメン
湘南
前節から先発の11人は同じ。
サブは高橋に代わって古林が入る。
徳島
ジエゴが出場停止で、代わりに田向が先発。
→田向は15試合ぶりの出場&先発。
小西、鈴木大がメンバー外となり、内田、バケンガ、藤田征がメンバー入り。
→内田は今季初のメンバー入り。
岩尾は古巣対決。
流れ
徳島が持って湘南が受ける構図でスタート。
ショートパスだけでなく、垣田への浮き球を駆使しながら前進を図る徳島。湘南はラインこそ高めに設定しているが、最終ラインまでは圧力を掛けに行かない。
垣田と大岩のマッチアップがカギを握りそうな雰囲気。
3分、相手のゴールキックからのつなぎにはプレッシャーを掛ける湘南。
~5分、ここまでは、より相手ゴールに近いエリアでぷれーできているのは湘南。徳島はビルドアップの方法を探っているような段階。
岩尾は相手2トップの間にいて、湘南2トップは前へ出ていかないときはそこを消す意識。
7分、ようやくビルドアップから敵陣に入れた徳島だが、西谷の仕掛けは舘ががっちり止める。
徳島はカカからのロングボールでの配球が増えており、あまり細かく繋がない。湘南がつながせていないとも言えるかもしれないが、極力リスクを負わないようにしているとも捉えられる。
14分、舘→茨田→岡本で縦縦の突破。徳島は相手3バックに対しては垣田だけが追ってサイドを制限。
15分、岩尾の正確なフィードから岸本の仕掛け。徳島は直前に岩尾→藤田譲→鈴木徳で前進しており、中盤のライン間でポイントを見つけたような印象も。
湘南のIHがSBへのスライドを考えながら中央を閉めるという二重のタスクがあるので、徳島はその基準を生かしての前進を考えているように見える。
20分、谷のフィードをカットした徳島がショートカウンター。西谷まで届けたが、岡本と大岩のカバーがギリギリ間に合った。
21分、畑の仕掛けからCK獲得。突破まで至ってはいないが、積極的な仕掛けが目立つ。
飲水まで
どちらもシュートシーンが少ないここまで。立ち上がりは湘南が良い守備でリズムをつかんでいるような印象だったが、徳島も少しずつ保持局面での安定化を図っている。湘南は無理には前から行かない、徳島は無理な縦パスを入れないなど、それぞれのリスク管理意識を高めているような展開。
29分、カカの運び出し→垣田の反転→PA内に突っ込んだカカという攻撃。カカのところからの運びや配球はよくみられる。
ゴールへ迫れていると言えるところまではきていないが、少しずつ徳島が敵陣深くまで入れるようになっている。
33分、湘南が中盤で縦パスをカットしてショートカウンター。ウェリントンのシュートは上福元がセーブ。谷のフィードミスに続き、徳島も危険なミスからピンチを招いた。
西谷は大外の岡本を意識しつつ、舘にも出ていく守備意識。逆の宮代は基本的に大外監視のみ。
36分、岡本が右サイドを抜け出してクロスも、上福元がキャッチ。可能性を感じた攻撃。
37分、ウェリントンがサイドに流れて深さを取り、最後は畑のシュートまで。湘南にリズムが出てきた。
38分、垣田の強引な突破からクロス→こぼれ球に西谷が詰めるも湘南DFが体を張って対応。両チームにゴール前でのチャンスが生まれてきている。
徳島のSBに対しては、2トップ脇あたりの高さまで運んできた際にふたになる位置まで進出する湘南のIH。
時間の経過とともに両チームともチャンスを作り始めていたが、ハイライトにのせるようなシーンは少ないまま折り返し。おそらく互いに最も惜しかったシーンは相手のミスがきっかけ。となると慎重になるのも理解でき、良くも悪くも波の立たない前半になった。チャンスが少なかったとはいえ、細かい部分の戦術的な駆け引きは多かったように思う。
DAZN集計でシュート数は湘南3:徳島1
後半
46分、タリクの抜け出しからのクロスでチャンス。
徳島は安定して1stラインを超えられるようになった印象。一方、湘南はトランジションからカウンターを狙う。徳島が前へ行けるほど後方にはスペースができる。
後半から岸本がいくらかベースポジションを下げて、配球役に回ることが多くなった気がする。
54分、大岩のフィードをタリクが落としてウェリントンのパワーシュート。徳島はホルダーにプレッシャーが掛からないままラインをずるずる下げ過ぎた。
西谷のクロスにニアで垣田、ファーで宮代という形がよく見られる。
62分
湘南交代 茨田→町野
徳島交代 垣田、鈴木徳→バケンガ、杉森
湘南は町野がトップに入り、タリクが右IHへ、
徳島は岩尾と藤田譲のダブルボランチに、宮代トップ下、杉森右SHという[4-2-3-1]に。
64分、西谷が宮代とのワンツーから左サイドを突破し、CK獲得まで。
→65分、徳島先制、0-1。そのCKからデザインされたプレーで宮代がボレー→岸本のプッシュでゲット。
システム変更がもたらした良い攻撃から獲得したCKが得点に結びついた。湘南は相手の特徴をつかみ切る前にやられてしまった。
ポヤトス監督が大声で指示を出す。ゲームを落ち着かせろみたいなニュアンス?
点を取らないといけない湘南は圧力を強めてボールを取り上げに行く。徳島は受ける時間が続き、カウンターを狙うような展開に。
飲水まで
徳島は保持から、湘南は縦に速い攻撃からでそれぞれ少しずつゴールに近づいている雰囲気はあったが、それでもビッグチャンスは少なかった。その中でシステムを変える決断をした徳島がスコアを動かし、両チームともにゲームプランの修正を施していく流れになり始めている。
得点が動いた直後から湘南がギアを上げたことで徳島はなかなかボールを持てず、我慢の時間が続く。徳島は垣田が下がっていることで個人でポイントを作れる選手がいない。
78分
湘南交代 タリク、平岡→山田、大橋
大橋はそのままIH位置に入る。
81分
徳島交代 田向→藤田征
藤田征が右SBに入り、岸本が左SBへ移る。
83分、サイドに流れた大橋を倒したカカにイエロー。
83分
湘南交代 畑、岡本→石原広、古林
そのままのポジションに入る。
86分、セットプレーのこぼれ球を杉森がシュートも惜しくも枠外。
86分
徳島交代 宮代、西谷→一美、内田
内田がリベロに入り、一美と杉森がシャドーの[5-4-1]の布陣に。
70分台は湘南が押し込む攻撃を見せられていたが、徐々に前進の安定感がなくなってきており、ゴールまでのプレー回数が減ってきている。
徳島はフレッシュな杉森と一美で追って蹴らせる。湘南はウェリントンがターゲットとしているが、思うように収まってはいない。徳島が地道に時間を消費する。
最後は湘南が放り込んでなりふりかまわず得点を奪いに行ったが、徳島がしっかりとはね返し続けて完封。負ければ降格の確率が跳ね上がる大一番を制して残留に望みをつないだ。どの時間帯でも相手の出方をうかがいながら微調整を施してリズムをつかみ、選手交代で戦い方を変えた直後に得点できたのは大きかった。
湘南は慎重な試合運びから一発を狙ったものの、先手を取られたのが痛く、ウェリントンのパワーも有効に利用できないまま終わった。
個人的MOM
★カカ
出場時間が伸びるとともに徐々に攻守のパフォーマンスを上げる助っ人。この試合でも後方からの運び出しでビルドアップに変化をつけようという意識が感じられ、イエローをもらったとはいえ対人の強さで守備の安定ももたらした。ウェリントンの高さでごり押しされなかったのも彼がいたからと言える。
トータルでの存在感こそそこまでなかったが、得点につながるCK獲得の起点、そしてそのCKで得点に結びつくボレーを放った宮代、90分間落ちない運動量でチャンスメイクから時計の針を進めるプレーで貢献した西谷、ひさびさの出場ながら左で組み立ての起点となった田向もgood。
トピックス
38分、倒れた状態で頭から突っ込んでブロックに入る岡本
この日も際立つ西谷のプレスバックの速さ
試合後のホーム最終戦セレモニー、オリベイラの写真を持つウェリントンとウェリントン・ジュニオールの両ブラジル籍選手
アカデミーの選手、女子部門の選手もセレモニーに参加。
監督コメント
(※Jリーグ公式サイトから引用)
[ 山口 智監督 ]
非常に難しい前半になりました。後半も同じような形になると予想していた中、修正して後半に入りました。失点に関してはセットプレーで、非常にもったいない失点になりました。その取られた流れで、いつもなら行けるところが行けなかったり、いつもの距離感でなかったりしたので、それはすごく残念でした。ただ選手たちは、難しい1週間を過ごしてきた中で最大限やろうとしてくれました。結果、負けてしまったのですが、やろうとしていたことは認めてあげたいですし、間違いないこともある。また次に向けて来週からやっていきたい。そういう試合になりました。
[ ダニエル ポヤトス監督 ]
予想していたとおり、我慢強く戦わなければならない試合になりました。ただ、自分たちは自分たちのプランどおり戦うことを意識しながら、いかに敵陣へ押し込んでいくかを考えていました。最終的にセットプレーを仕留めることができて良かったです。--特に前半は緊迫感のあるきっ抗した展開でしたが、どのように戦況を見ていましたか?また、ひさびさに出場した田向 泰輝選手の評価も聞かせてください。
まず、田向選手について。本当にパフォーマンスに満足しています。しっかり準備してきてくれたことに感謝したいと思います。試合展開については、相手の5バックをどのように動かしていくかがカギだと思っていました。中にパスを出しながら、外でいかにアタックしていくかを考えていました。また、後半は杉森 考起を投入し、よりサイドでスピード感を出していきたいという狙いがありました。相手を押し込みながら追加点を狙いたいという気持ちもありましたが、いずれにせよ素晴らしいプレーを選手たちがしてくれました。--残留の可能性をつなげましたが、おそらく最終節も勝利前提で他会場の結果待ちという脚本しかないと思います。意気込みを聞かせてください。
自分たち次第以外の情報は見る必要がないと思っています。自分たちができることにフォーカスし、その中で勝利を目指してやっていきます。そのあとに、他会場の結果を見るだけです。