がちゃのメモ帳

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2021 J1リーグ第37節 鹿島アントラーズvsサガン鳥栖 メモ

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スタメン

f:id:brgacha:20211130001141p:plain鹿島

三竿が出場停止でレオ・シルバが12試合ぶりの先発。

三竿も含めて前節から先発を3人変更。荒木が5試合ぶりの先発。上田が2試合ぶりの先発。

 

鳥栖

白崎が契約上出場不可。

前節・札幌戦は契約上出場不可だった中野嘉と岩崎(※中野嘉は出場停止でもあった)が先発復帰。

前節で負傷交代した大畑、初先発を飾った松本がメンバー外。

福井がひさびさのメンバー入り。

小泉は夏まで所属していたチームとの古巣対戦。

 

 

流れ

和泉の縦運びから、開始20秒ほどでCKを獲得する鹿島。

 

鳥栖はいつもどおり、左CBにSBロールをさせるビルドアップ。

3分、鳥栖がビルドアップから右奥を取ってCK獲得。ズレを作った上で岩崎が流れることで深い位置で起点を作る。

 

鳥栖が保持し、鹿島がカウンターを狙う構図。鹿島はボランチの両方が推進力を持っているので、馬力とスピード感がある。

 

鳥栖の守備は2トップが中央を消しながら相手CBへアタック、IHはハーフスペースにふた、WBはSBへ縦スライドでプレスを掛ける。鹿島は人についてくる鳥栖の守備の逆手を取って、荒木や上田を左右のCBの背後で受けさせようとする。

鳥栖は10分前後あたりから、小泉を最終ラインに下ろして仙頭をアンカー位置に入れるビルドアップ。

 

13分、鹿島先制、1-0。和泉が左サイドで縦に仕掛けてクロス→ファーで上田が合わせてゲット。鳥栖はゴール前に人数がそろっておらず、GKも触れないとなると対応は厳しかった。

 

15分、仙頭が2トップ裏で受けて前を向いたところからの展開で右サイド突破まで。鹿島は2トップ裏を簡単に使わせたくない。

 

20分、2トップのサイド流れでDFをピン止めしながらサイドでフリーマンを作り出す鳥栖。鹿島はボールを持てなくてもokなのか分からないが、非保持の時間が続く。

22-23分、トランジションからピトゥカ→上田で決定機もループシュートは枠外。鳥栖はIHが広く動くので中央のスペースが空きがちで、鹿島は素早く底を使えれば効果的なカウンターが打てそう。

 

飲水まで

トータルで見ると鳥栖のほうがやりたいことをやれていそうな印象があるが、スコアを動かしたのは鹿島。1点のリードがあるので、ボールを持てなくてもいくらか余裕はありそう。ビルドアップで詰まり気味な部分は修正したいか。

 

鹿島はボランチを下ろして一度バックパスで戻してから逆サイドへ振るやり方で相手2トップを外そうとしている?前進までうまくいってはいないが、あっさりハマってロストというシーンは減った。

 

28分、中盤での競り合いを制した鹿島が荒木→上田で決定機も朴が好セーブ。鹿島は中盤で前向きを作れればチャンスも作れる。

30分、町田の縦パスをひっかけてから自分でシュートまで持ち込む樋口。前節・札幌戦の得点と同じようなシーン。鹿島は鳥栖IHのところでひっかけられるシーンが目立つ。

 

31分、ピトゥカのシュートは鳥栖守備陣がブロック。鳥栖はセットプレスはハマっているものの、中盤での攻防で勝てず、小泉の周りのスペースを自由に使われてしまっている。

 

37分、低い位置に人を集めて鳥栖DFを引き付けてからコンビネーションで背後へ抜け出す和泉。鳥栖のプレスを利用した攻撃。

38分、CKの流れから上田がヘディングで狙うもまたしても朴が好セーブ。上田の天敵・朴一圭。

 

40分、CKのこぼれ球を常本がダイレクトボレーで狙うも枠外。アウェイ広島戦のようなシーン。

 

42分、左を突破してからアラーノのシュートまで。完全に鹿島のペースになってきている。

43分、アラーノのターンから狭いところを細かいパス交換で打開。

 

45分、樋口の外流れをつぶす町田。鹿島はCBがそのまま外まで潰しに来る守り方なので、中央から強い選手がいなくなるが、CBが出ていったところでほとんど潰せているのでそのデメリットを隠せている。鳥栖はつり出した上で球際を作らないようなアプローチができればチャンスになりそうだが、、

 

鳥栖も飲水前まではボール保持や前プレスで思うような形を作れていたように思うが、主導権を握れたかというとそうでもなく、飲水後は一転して一方的な鹿島ペースに。朴の好セーブで失点を1に抑えられていることは前向きにとらえられるが、各所のバトルでもう少し上回れないと厳しい流れは変えられなさそう。鹿島はいくらかボール保持も落ち着くようになると鳥栖にほとんどチャンスを作らせずにシャットアウト。中盤のエネルギーが落ちてきたときが不安ではあるかもしれない。

シュートは鹿島11:鳥栖2で一方的なスタッツに。鳥栖エドゥアルドの直接FKと、町田のパスをカットした樋口が打ったシュートの2本のみだと考えると、自分たちの形からはシュートに持ち込めていない。ビルドアップは悪くない印象だったが、町田と関川の壁は超えられなかったということになるか。

 

 

後半

キックオフ時に[4-4-2]っぽくなっている鳥栖

→小屋松が右SBに入り、3バックがそれぞれ左へスライドし、中野嘉がSHへ。

中盤での競り合いで後手を踏んでいたので中央の枚数をはっきりさせた?

 

48分、小泉のシュート。後方でのつなぎから酒井を使って前進したところからの攻撃。

 

50分、レオシルバからの展開で荒木のシュートまで。立ち上がりは鳥栖が良い攻撃を見せていたが、鹿島もしっかり押し返す。

 

52分、鳥栖のビルドアップを中盤でひっかけてピトゥカのシュートまで。鳥栖は前半と変わらず、トランジション時に中盤が空きやすい。

 

55-56分、岩崎の左サイド流れで起点づくり。ビルドアップがある程度安定してもシュートまではなかなか持ち込めない鳥栖

 

59分

鹿島交代 アラーノ→土居

62分、荒木のシュート。鳥栖はまたしてもビルドアップのロストからショートカウンターを受ける。中野嘉が横ドリブルで個人でのプレス回避を狙ったが後ろから突かれた。

酒井に放り込んでも、真っ向勝負では関川と町田にはなかなかかなわない。

 

64分、小泉をアフターで倒した上田にイエロー。

 

飲水まで

立ち上がりは変化を見せた鳥栖がある程度良い形を見せたが、5分程度経過すると鹿島がペースを引き戻す。鳥栖は持ち前のビルドアップでなかなか安定させてもらえないのが苦しく、鹿島の圧力を受ける流れが続く。ただ、まだ1点差ということを考えると鹿島も油断はできない。

 

69分

鳥栖交代 小屋松、酒井→相良、山下

相良を左SHに入れ、中野嘉を右SBへ。

 

71分、鹿島の中盤でのカットからショートカウンターで上田のシュートまで。またしても朴が好セーブ。鳥栖は中野伸を絞らせて3バック気味に回すなど、工夫しようとする意図は感じられるが、好転はしていない。

→選手交代で再び3バックに戻した?

71分、レオシルバにイエロー。次節出場停止。

 

73分、岩崎がPA内で仕掛けて倒れるもノーホイッスル。むしろシミュレーションを取られてもおかしくないプレーだった。鳥栖は2トップがCBとのバトルを避けながら受けられるとうまく前進できている印象。

 

78分、クロスを上げたあと、足をつったそぶりを見せる常本。

→応急処置で土居が右SBに入ってカバー。

 

79分、鳥栖がCKからエドゥアルドが合わせてあわやのシーン。鹿島は1点差で推移すると、こういうシーンで追いつかれかねないので追加点を取りたい。

80分

鹿島交代 荒木、上田、常本→遠藤、エヴェラウド、永戸

永戸が左SBに入り、安西が右へ。

 

85分

鳥栖交代 中野伸、仙頭→田代、リャン・ヨンギ

田代を真ん中に入れてエドゥアルドを左へ。

86分、相良のドリブルからパス交換でプレス回避。

 

88分

鹿島交代 和泉→犬飼

90分、岩崎が左で仕掛けたこぼれ球を相良が拾ってクロス→山下のヘッドで決定機もスンテの正面。鳥栖が左サイドのドリブラーを生かしながらゴールへ近づきつつある。

 

鳥栖は田代を最前線へ上げてパワープレーの態勢に。

田代を上げてもマッチアップが犬飼なので、思うように競り勝てない。

 

80分前後から鳥栖の攻撃を受けて危ないシーンもあったが、最終盤は犬飼の投入でパワープレーも許さず、シャットアウトに成功。追加点を取れなかったことでヒヤヒヤする展開にはなったが、最後の我慢が効いたのはポジティブ。鳥栖のビルドアップに対しても時間の経過とともに対応し、相手のストロングを多くの時間で消せていたことが勝因の1つに挙げられる。

 

個人的MOM

★関川 郁万&町田 浩樹

FWとの単純な競り合いでも、サイドへ流れての対応でも、球際での圧倒的な強さを発揮。彼らCBコンビが対人でほぼ負けず、前線での起点を潰し続けたからこそ主導権を握れたといっても過言ではない。鳥栖は彼らがいたからこそ酒井へのロングボールを使う選択肢がなくされ、低い位置でつながざるを得ない→鹿島はそれをひっかけてショートカウンター祭りの流れを作れたとも言える。

 

ひさびさの先発ながらさびないテクニックと対人の強さで健在を見せたレオ・シルバ、朴に阻まれて1得点に終わったが3~4点取っていてもおかしくなかった上田、アシストはもちろん、安西との好連係、個人での運び出しなど、地味ながらも貢献度が高かった和泉らの活躍も触れなければならない。

鳥栖は止めまくった朴、前節・札幌戦に引き続き途中出場からドリブルで存在感を見せた相良の活躍も光った。

 

トピックス

上田の枠内シュートをことごとく止める朴一

50分、レオシルバの“チョコン”と前に出すタッチでのプレス回避

74分、カメラに抜かれる内田篤人

セットプレー時、町田のマーカーは小泉?

77分、和泉の個人での陣地回復。前半開始早々にもあったが、1人だけで運び出す能力が高い

試合後、小泉に群がる鹿島の面々。→鹿島ゴール裏へ挨拶へ向かう→なぜか水をかけて出迎える鹿島の選手たち→その後写真撮影まで

レオシルバと話をする鳥栖の片渕コーチ。新潟時代のつながり

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 相馬 直樹監督 ]
たくさんのサポーターの皆さんに集まっていただきました。そういった中で非常に最後苦しいゲームになりましたけど、最後まで粘り強く戦って、一緒に勝点3を取ることができて、喜ぶことができて良かったなと思っています。まずスタジアムに集まって一緒に戦ってくださった皆さんに感謝したいなというふうに思います。

ゲームの方なんですけれども、前半のところでピッチに立った選手たちが狙っていた部分もそうですし、一つひとつの球際であったり、反応の部分でしっかりと自分たちのゲームにしてくれた。そして、ボールを動かす部分でも勇気を持ってしっかりと顔を出して、ボールを動かすということができた時間が長くて、早い時間に点が取れたことも良かったですけど、本来であれば前半のうちにチャンスはありましたので、もう少し取れたらラクなゲームになったのかなと思います。

非常に運動量がある鳥栖さんが相手なので、後半苦しい時間が来るとは思っていたんですけど、そういった中で相手の攻撃の部分を限定的にしながら、さらに自分たちが敵陣でボールを奪ってまたチャンスを作るということもできた。最後のところで少し危ないシーンも何度かありましたけど、なんとか勝点3、最後われわれにとってまだ可能性のある4位に向けて勝点3を取れたのかなと思います。次のところまで、天皇杯の結果次第になりますけれど、自分たちで4位を確保することができる状況を作れました。アウェイになりますけど、最後までACLに望みをつなげるようにしたいと思います。

 

[ 金 明輝監督 ]
遠い鹿嶋までたくさんのサポーターがいらっしゃっていて、最高のプレーを見せようという思いでゲームに臨みました。結果、勝てなくて残念という部分と準備してきたことが後半になって少し出たかなというところと、鹿島さんの個の強さというところに対して遅れを取るような、仕方ない部分もありましたが、ボールをもっと受けて、たくさん関わるというところで表現したかったなと思いましたが、なかなかできなかった。決定機を作るところでも、その前まで行く回数は何度かありましたが、最後の質というところで、ここに関しては年間通して課題だったなと思います。

--川崎F戦、札幌戦は「自分たちがどういう守備をするか」が側面として強い試合だったと思います。鹿島の特長を考えると、今日はいかに保持して攻めるかが大事だったと思いますが、その出来については。
さっき話したように準備してきたものはあったんですが、表現をし切れなかったなという印象です。(鹿島は)単純明快で分かりやすいチームだったので、われわれとしてもそこをストロングにしっかりと出していきたいなと思っていたんですが、彼らの圧力に屈したのか、それをなかなか表現できなかった。自分たちの良さが出なかったという印象です。

--ボールを動かしてスライドさせ続けることで、後半のほうが優位性が出やすい相手だったと思います。実際に後半のほうが優位性は出せたと思いますが。
相手を揺さぶってクロスを上げるシーンで手前で引っかかったり、可能性のあるところに上げ切れなかったり、ボックス内に進入しても相手の守る技術というんですかね。体を張った守備に対して、われわれはなかなか最後のところに入っていけなかったということに尽きますかね。あとはセカンドボールとか二重三重で攻めるような作業がやり切れなかったところも含めて、消化不良のようなゲームになりました。