がちゃのメモ帳

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2021 J1リーグ第37節 北海道コンサドーレ札幌vs柏レイソル メモ

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スタメン

f:id:brgacha:20211130001104p:plain札幌

宮澤が6試合ぶり、菅が2試合ぶりに復帰。

トゥチッチが6試合ぶりの先発。

先発を3人変更。

 

上島が8試合ぶりの先発。

細谷が2試合ぶりのメンバー復帰。前節は体調不良があったとのこと。

「4バックをベースにしていく」というニュアンスの発言があったが、札幌は対策として特別なのか3バックを採用。

 

流れ

柏は[5-4-1]でセットして深追いしない。札幌に持たれるのはokで陣形を崩さないことを優先する。相手が1トップなので、可変で2CB気味になる高嶺と宮澤が比較的自由に持ち運べる状況。

 

札幌の前からのけん制に対して、ゴールキックでつながずにラインを上げて蹴っ飛ばす柏。同フォーメーションでかみ合うので、札幌のプレスはそのまま人に当てに行くだけ。

札幌はフリーで持てる最後方から小柏や菅を背後に走らせる。

4-5分、高嶺からの対角フィードからの攻撃。田中駿と金子で相手WBに2対1を突き付けるようなイメージ。

5-6分、田中駿のシュート。ボールを自由に持てる札幌がペースをつかむ。

 

8分、中盤で奪った柏が三原→クリスティアーノでカウンター。札幌は縦に速い攻撃からチャンスになりそうだったが、時間がかかってロストするとバランスが崩れたところを突かれた。重心が低い柏はこういうクリスティアーノを走らせるカウンター局面を多く作りたい。

 

10分、柏がビルドアップから古賀→仲間でラインを突破すると、最後はサヴィオが詰めるも菅野が好セーブ。受けることを許容しながらも良いチャンスを作れているのは柏のほう。

 

12分、札幌先制、1-0。柏が中盤で奪ってカウンターかと思われたところで札幌がひっくり返し、チャナティップ→トゥチッチでゲット。フィニッシュの精度が高かった。柏は良いリズムができ始めており、このシーンも「またカウンターからチャンスか」と思われただけに厳しい失点。「いけるぞ」という感覚が結果的に裏目に出てしまったかもしれない。

 

15分、柏のボランチが出てきた背後を使って前進する札幌。ライン間で躍動するチャナティップがいるので、柏は出たぶんだけリスクが高まる。

15-16分、柏の前から行く意識が強まったように見える。

 

柏のビルドアップは仲間とサヴィオがやや下りたところでポイントを作ろうとするパターンが多いか。札幌が人についてくるぶん、ボランチの背後は空きやすい。

 

20分、高嶺→田中駿で深さを取ってから最後はトゥチッチ。序盤にも合ったように、三丸が金子についていくことで田中駿は浮きがちになる。

 

22分、田中駿に突っ込んでしまった仲間にイエロー。

 

飲水まで

スペースを消して札幌対策を施し、カウンターからチャンスを作れていた柏だが、トランジションでバランスが崩れたところを一発で刺されて失点。悪くない流れに持ち込めていた中での失点は痛い。これで前に出ていく意識も必要になった。

札幌は田中駿を押し上げることで右サイドで優位性を作れており、そこをメインに良い攻撃を繰り出せている。

 

27分、札幌追加点、2-0。スローインからチャナティップの1本のパスで背後を取って決め切った小柏。柏には一瞬の隙が生まれ、そして小柏のスピードを抑えきれず。

 

柏は判定に少しナーバスになっていることも含めてか、かなり前から強くいくようになっている。

 

29分、柏得点、1-2。札幌は相手の後方からのつなぎに対して寄せが遅れると1本の縦パスでオープンを作られて失点。柏が少しむきになっていたところをうまく外したかったが、逆にその勢いを受ける結果に。

札幌は人に当てて出ていってはいるが、プレッシャーになり切っていないようなシーンが目立ち、後方の空いたスペースを使われがち。

 

32分、ここはセットする柏。後方からの配球から福森→トゥチッチで決定機。受けに回ったほうがピンチを招くような展開になりつつある。

 

34分、仲間のインスイングクロスにサヴィオが合わせるも枠外。互いにシュートシーンが激増中。

 

41分、金子の運びから小柏→金子でチャンスも枠外。相手DFにあたっていた模様。直近5分くらいは札幌のほうが勢いで上回っている。

 

44分、クリスティアーノを背後に走らせるカウンター。札幌は最後方が1対1になるようなリスク管理になっていることが多く、一発でゴール前までという攻撃を許しやすい。

 

46分、三原の顔に事故的にトゥチッチの足が入る。直前にも競り合いでダメージを受けており、泣きっ面に蜂状態に。

 

両チームともにそれぞれがペースを握った時間帯があり、一進一退ではあったが、よりチャンスを作って仕留めきったのは札幌。相手が引いてきた中での攻め方を持ち合わせており、柏がそこに対応できないシーンが見られた。ただ、リスク管理の面ではスキが多く、カウンターで背後が晒されすぎているのと、2点目直後の失点のように、プレスが弱まった際のスペース管理にはかなり不安があった。

 

後半

柏交代 サヴィオ、仲間→武藤、神谷

両シャドーを入れ替え。神谷が左、武藤が右。

 

46分、札幌追加点、3-1。サイド起点から最後は中央を細かいパス交換で崩して最後はトゥチッチが押し込むだけ。柏は選手交代で仕切り直しを測った中で出はなをくじかれる。

 

51分、三丸の展開から大南⇔高橋祐でチャンスメイク。高橋祐はおそらく初めての攻撃参加。

後半は大南がかなりウイングっぽい高さ取りをしている印象。

→高橋祐も保持時にはSBっぽい立ち位置取りで、おそらくハーフタイムで修正を施した部分と考えられる。

 

52分、柏がビルドアップから武藤→クリスティアーノで決定機も菅野ファインセーブ。札幌の圧がやや弱まっているように見え、柏はライン間でのプレーに長けた武藤と神谷が強みを出しやすくなっているか。

 

54分、左サイドを突破して最後はクリスティアーノのシュートもDFがブロック。両チームのスタイルもあってオープンな展開になりがち。

 

56分、福森への展開から菅のシュート。柏は、前半の田中駿への対応もそうだったが、SBロールになる両選手(田中駿と福森)が上がってくると対応に困る印象。

 

58分、下りてくる三丸にマークがつかず、柏がプレス回避。札幌はマンツーでついてはいるものの、プレッシャーが掛かり切らないので1回抜け出されると危ない。

 

60分、上島にイエロー。次節出場停止。

 

63分

柏交代 ドッジ→椎橋

 

65分、後方からのビルドアップで柏のプレスをかいくぐり、高嶺のスルーパス→菅の抜け出しで打開。トゥチッチが打ち切れなかったが、良い攻撃。

 

70分、ゴールキックのはね返しを起点にクリスティアーノのシュートまで。札幌はリスク管理が怪しい。

 

飲水まで

相手のプレスに対して的確な攻撃を繰り出せているのは札幌だが、守備では圧力が明らかに落ちた上、マンツーでつくことによって後方のスペース管理が不安定なので、柏もそこを突いてゴールまで迫れている。札幌が追加点を取って決着を突けるか、柏が決め切って追いすがるか。

 

73分

柏交代 三原、クリスティアーノ→戸嶋、細谷

75分

札幌交代 宮澤、駒井、チャナティップ→深井、荒野、青木

深井がボランチに入り、高嶺が最終ラインへ入る。

 

札幌は選手交代で少し前の圧力が増し、柏のビルドアップが再び窮屈気味になってきた。ただ、背後へのスペースはあるので、そこを起点にできれば前進できる。

 

82分

札幌交代 トゥチッチ→ジェイ

 

柏は細谷のスペースへの抜け出し、札幌は青木のチェイシングでそれぞれ活性化。

 

87分、椎橋を倒した荒野にイエロー。

終盤は柏が勢いを強めてゴールへ迫り、札幌が受ける展開。

 

90分、相手GKの位置を見てハーフウェイライン当たりからシュートを狙った福森。おそらく枠をとらえていたがスンギュがギリギリでかき出した。

 

90分

札幌交代 福森→西野

 

柏も細谷を先鋒としてゴールへ迫ったものの、ゴールは割れずに終了。札幌はリード時のゲームコントロールに課題を抱えたままではあったが、それ以上に狙いどおりの攻撃で3得点奪えたことが大きかった。トゥチッチの初ゴールを含む2得点、西野のデビュー、ジェイのホーム最終戦での出場など、トピックも盛りだくさんだった。

柏は縦に速い攻撃からチャンスを多く作れたが、菅野に阻まれた場面も含めて最後の決め切る部分であと一歩札幌の守備を上回れなかった。

 

個人的MOM

★高嶺 朋樹

可変で保持時には最終ラインに入ることが多かった彼からのフィード、低い位置でのつなぎでも巧みに抜け出すテクニックが攻撃で効いた。終盤は交代の流れから最終ラインに入ってゴール前で体を張るなど、攻守においての貢献が光った。

 

中継役として多くのチャンスを演出したチャナティップ、作りの部分で安定感をもたらしながら攻撃参加でも存在感を示した田中駿、決定機を好セーブで救い、相手を勢いづかせなかった菅野もgood。

 

トピックス

入場時に赤黒のコレオグラフィー

髪を赤く染めた菅。直前に染めた模様

開始前にペトロヴィッチ監督に挨拶に行くクリスティアーノと武藤。武藤にはおそらく駒井も声をかけに行った。

5分、安易に跳ね返さずにキープしてから縦パスまででつなぐスタイルを体現する高嶺

35分、田中駿の巧みなポジショニングで、狭いエリアでのプレス回避に成功

ハーフタイムに森保日本代表監督がカメラに抜かれる。視察中

65分、高嶺のほぼ後ろ向きからの背後へのスルーパスでチャンスメイク

82-83分、ジェイ投入時、ゴール裏?に現れるイングランド国旗のコレオと「Thank You Jay」の横断幕。そしてジェイはキャプテンマークを巻く

高2でトップチーム登録された西野がJリーグデビュー

試合後、宮澤のクラブ最多出場記録更新の表彰で、登場した子どもたち2人が宮澤に抱き着くほほえましいシーン

全員と挨拶を交わすジェイ。チャナティップのときだけ持ち上げる

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ペトロヴィッチ監督 ]
われわれが立ち上がりから主導権を握って得点を重ね、勝利に値した。相手のネルシーニョ監督はわれわれとの対戦でシステムを合わせてくることが過去に何度かあったが、予想どおりそうした戦いをしてきた。そうしてわれわれの選手も良い戦いをして、相手の守備からのカウンターを少ない回数にしてくれた。得点は1、2点目も素晴らしかったし、3点目も美しかった。攻守で良い戦いができた。失点は自分たちのミスから与えてしまったもので反省が必要だが、それ以上に気持ちのこもった、狙いのある戦いを選手たちは見せてくれたと思う。

--守備的にきた相手から早いうちに得点できた要因は?
ビルドアップの安定が1つ、それに当てはまる。落ち着いてボールを動かせていた。また、前線の選手のオフ・ザ・ボールの動き、連動性が良かった。前を向く、背後を突くという駆け引きのところで先手をとれたのが良かったと思う。ボールとゴールが視野に入る動き出しが効いていたと思う。

--ミラン トゥチッチの得点は来季につながると思うが。
今日の彼は得点をし、良いプレーを見せてくれた。なぜ、もっと早くスタートから使わなかったのか?と思う人もいるだろうが、チームに慣れるまでに時間がかかったというのがある。ただし、そうした中で学んだことが今日のプレーにつながったのだろう。毎試合の経験、トレーニングが今日の得点につながったと思う。残り試合はまだあるが、来季に向けてより役割を果たせるようになっていくのではないかと思う。

--ジェイの札幌でのラストゲームだった。ペトロヴィッチ監督にとってどういう選手だったか。
これまでのキャリアが示すように本当に素晴らしい、得点能力の高い選手。技術力などすべてを兼ね備えている。今季でチームを離れることになったが、特に2017年に加わって多くの得点を重ねる中で、残留に導くなど貢献してくれた。私が来てからも何度もチームを救ってくれた。札幌にとって重要な得点を重ねてくれた選手である。

 

[ ネルシーニョ監督 ]
今日のゲームというのは両者にとって非常にきっ抗した、オープンな展開が続いたゲーム内容だったんじゃないかなと。非常にテクニカルで、両者とも勝利を懸けてファイトしたゲームだったと思います。前半から相当数チャンスを作れていましたが、今日のゲームで決定的に違ったのは、作った決定機を仕留められたか、仕留められなかったか。札幌さんは作った決定機をほぼほぼ仕留めていたと思うんですけども、それに対してウチはなかなか決定機をモノにすることができず、最後までズルズルいって、それが尾を引いてしまった。そういった内容の試合だったと見ています。

--3バックで臨んだ狙いは?
相手の形に合わせるような形をとって、ミラーゲームでいこうと。そういう戦術的な狙いを持って、今日のゲームに臨んだわけです。4バックでいくと、相手とのフォーメーションのかみ合わせが非常に悪い。相手のアタッカー陣は相当推進力があって、技術力の高い選手がそろっているので、守備のところを5バックにして、ウチの選手の役割をより明確にした上で、相手の攻撃をニュートラルにする。それを1つ狙いとして、今日のような形でゲームに臨みました。