がちゃのメモ帳

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2021 J1リーグ第36節 鹿島アントラーズvs大分トリニータ メモ

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スタメン

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鹿島

永戸が6試合ぶり、遠藤が3試合ぶりのメンバー入り。

広瀬とカイキがメンバー外。

和泉が4試合ぶり、エヴェラウドが11試合ぶりの先発。

 

大分

直近の試合から先発を4人変更。

刀根、井上がメンバー外に。

野嶽は加入後初先発。ペレイラは約5カ月ぶり、二度目の先発。

増山が5試合ぶりの復帰、即先発。

小林裕が9試合ぶりの先発。

 

流れ

勝点3だけが必要な両チームとあって、入りからどちらも積極的。

 

メンバーをいじってきた大分だが、システムはいつもと同じ。

5分を過ぎたあたりから鹿島が保持して大分が受ける構図になってきた。大分はセットした守備でそこまで奪いに行かず、逆に鹿島は高い位置からでも球際に強くいって奪いにいく。

 

大分はシャドーを低い位置まで下げて[5-4-1]で構える。WBやCBを最終ラインから外さないように中盤がハードワークする。

 

一発で刺せる呉屋が最前線で残っているとはいえ、やや受けすぎている印象がある大分。得点も必要な状況で、どのタイミングで攻撃に出ていくプランなのか。まずは0-0の時間を長くして後半勝負?

 

15分、大分がWBを押し上げた守備をしてきたときは、中央からサイドに流れて深さを取りにいく鹿島。

序盤よりは危険なシーンが減ってはいるが、自陣ゴール前にはりつけのような形になっている大分。

 

鹿島は土居の起点が効いており、前進と押し上げに困っていない。また、エヴェラウドがいるのもあってか、多少アバウト気味でも積極的にクロスを上げていく。

 

19分、大分は小林裕を下ろした可変ビルドで変化を加えようとするが、なかなか前進の手段が見つからない。

20分前後から大分が持てるようになったが、鹿島のタイトなマークに対してなかなか前でのポイントが作れない。リスク管理も含めてか、後方からのロングボールに呉屋を走らせるケースが多い。

 

飲水まで

序盤は完全に鹿島ペースで進んだが、徐々に大分も落ち着ける時間を作り始めてきた。大分としては受けに回った時間帯で我慢できたのは大きい。ただ、以前鹿島ペースには変わりない。大分としては不用意な形で攻撃を受けないようにリスク管理をしながら、一瞬の隙からゴールを奪えるか、鹿島は相手の撤退をどう攻略するか。

 

再び鹿島がボールを持つフェーズに移ったが、ブロックの中へ入り込めず、シュートまで持っていけない。

 

大分は高木からのロブパスがプレス回避のポイントになるが、ここまでは精度が伴わず、被カウンターの引き金になりつつある。

→35分はナイスフィードで前進成功。

35分、渡邉→呉屋でシュートまで。呉屋は多少雑に渡してもシュートまで持ち込めるスキルがあるので速いパスを打ち込みやすい。

 

40分、大分が1枚ずつずらされて中央へスルーパスを通されかける。呉屋や渡邉がファウルなどの判定を巡ってナーバスになっていそうで、若干無理目にプレスを掛けたところからズレた。

 

42分、呉屋にイエロー。冷静さを欠きつつあった呉屋に、おそらく繰り返しのファウルによる警告。

43分、エヴェラウドの落としから土居の決定機。高木が好セーブ&結果的にオフサイド。エヴェラウドが中央で受けられればゴールへ近づける雰囲気がある。

 

プレスが掛かってもビルドアップが安定してきた大分。高木が仮左CBのような位置に入り、仮4バックを形成。

 

ラスト3分くらいは鹿島が決定的なシーンを作ったが、大分もぎりぎりで我慢し切った。鹿島のほうがチャンスシーンを作ってはいたが、大分も数回のチャンスで惜しいシーンは作っており、プラン的にはうまく運べていたのではないかと思う。

鹿島はエヴェラウドをどれだけ生かせるか。大分は保持をより安定させてボールを持つ時間を長くし、対人で強い相手CBとの競り合いを外せるかがポイントになりそう。

 

後半

45分、リスタートを邪魔する呉屋。イエローをもらっているので要注意。

 

渡邉と町田のサイドが入れ替わっている。

→前半途中から?

 

49-50分、大分のチャンスからエヴェラウド単騎のカウンターと両ゴール前であわただしい展開。

51分、大分の良いビルドアップからのスピードアップ。渡邉を倒して止めた三竿にイエロー。次節出場停止。

52分、運ぶピトゥカを倒す呉屋。おそらく2枚目のイエローに限りなく近いリーチ状態に。

 

53分

鹿島交代 和泉、土居→荒木、永戸

永戸を左SBに入れ、安西を1つ前のSHに押し出す。

 

~56分、側頭部当たりから出血?があった様子の町田浩。一度ピッチから出て、三竿がCB位置に入って応急処置。

59分、町田がピッチに戻る。

 

60分、セットプレーのこぼれ球から渡邉のミドル。惜しくも枠外。スンテも枠内へきていたら止められていそうではあった。

 

中に入ってくる傾向があった和泉に対して安西は外。外から中に持ち運んで、その背後から永戸が追い越していくような連係に。かなり左寄りの攻撃が増えている印象。

プレスのスイッチを入れ始める鹿島。大分は段々ビルドアップが息苦しくなっている印象。ここも高木のフィードがカギを握るが、あまり効果的につなげていない。

 

65分、エヴェラウド→上田

鹿島ペースになりつつある中、FWを入れ替え。

 

飲水まで

大分も良い時間を作れていたが、徐々に鹿島ペースに。大分はプレスをくぐれない状況に戻り、自分たちの時間が作れない。鹿島が早めの選手交代でギアを上げているのに対し、大分が1枚も替えていないのも対照的。

 

71分

鹿島交代 町田→犬飼

脳震盪の疑いがあった町田を交代。脳震盪による交代のため、交代回数に含まれない。

 

押せ押せの鹿島、我慢の大分。

75分、荒木のカットインミドルを高木がファインセーブ。

その後もぎりぎりの対応が続く大分。鹿島はあと一押しのところまでは来ている。

大分は前半から中盤にハードワークを課していたこともあり、かなり疲労の色が濃くなってきている。

 

80分

大分交代 町田、増山→伊佐、トレヴィザン

いつもの攻撃的[4-4-2]ではなく、布陣はそのまま[5-4-1]。トレヴィザンを真ん中に入れてペレイラと小出をそれぞれ右にスライド。

 

81分、安西のクロスから上田でシュートチャンスも枠外。

 

大分はシャドーが少し前へ出てプレスを掛けるので、鹿島は斜めのパスが有効的。

 

86分

大分交代 野嶽、小林裕→香川、野村

 

鹿島ペースの中で大分もカウンター一刺しを狙いたい意志は感じるが、精度が伴わない。

89分、ピトゥカの強烈ミドルはギリギリ枠外。

最後の防波堤として粘りを見せるトレヴィザン。

 

91分

大分交代 渡邉→長沢

鹿島交代 アラーノ→遠藤

 

93分、遠藤のシュートは高木の正面へ。鹿島は本当にあともう一押し。

 

70分過ぎあたりから一方的な展開に持ち込めた鹿島だが、最後までゴールは割れず。最後の迫力を出せるのは鹿島の強みだが、大分の我慢が一歩だけ上回った。逆に大分はこの試合だけで見れば価値ある勝点1。ただ、残留のために勝点3だけが求められた一戦で、終盤にまったく反撃に出られなかったのは痛恨だった。1人である程度収められる長沢を早めに入れても良かったようにも思えるが、大分ベンチは別の判断で交代カードを切った。

他会場の結果を受けて大分の降格が決定した。

 

個人的MOM

★高木 駿

リーグ後半戦は出色の出来で、このゲームでも勝点を手繰り寄せるセーブを何度も見せた。勝ちにつなげられなかったものの、劣勢の中で最後まで勝点3獲得の可能性を残せたのは彼の活躍があったからこそ。

 

大分側では最終ラインにパワーを加えたペレイラ、途中からの出場で防波堤として機能したトレヴィザンの貢献も見逃せない。

鹿島は組み立てからゴール前での迫力を作り出したピトゥカ、左サイドで攻守に躍動感を与えた安西が良かった。

 

トピックス

52分、ピトゥカのグングンドリブル

極限までリーチ状態になった呉屋を下げない片野坂監督

飲水後、メディカルの再チェックを経て、交代の指示が出される町田浩。本人は「できる」というようなリアクションを見せたが、メディカルが制止

試合後、誰よりも涙する下田

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 相馬 直樹監督 ]
残り3つとなったところで、ACLに向けてなんとか最後一緒に戦おうということで集まってくださった、たくさんの方々にまず感謝したいと思います。ただ、今日勝点3が必要だった中でつかみ取ることができませんでした。本当に選手たちは用意していた部分を意識しながらやってくれたと思いますし、相手も今日のゲームにかかっているものがある中でも、われわれの時間が長いゲームになりました。

最後のところで「あと少し」というゲームをしてくれたと思います。ただ、その「あと少し」を超えていかなければいけないなとあらためて思いました。(ACLに)ストレートインの3位以内がなくなってしまったんですけど、そういうふうに感じています。

残り2つあります。まだ4位の可能性もありますので、そこに向けてホームとアウェイで1つずつになりますけど、そこに向けて、また少し頭が下がってしまう状況ではありますが、ファイティングポーズをとって次に向けて準備できるようにしたいと思います。

--昨季の最終節もACLがかかった中で1点を取ることができなかった。あと一歩、あと1点が最後まで遠かった要因はどう感じていますか?
何かしなければいけないとなると非常に難しいです。それが分かって簡単に解決できるのだったらサッカーは簡単なものになりますけど、そういうわけではないので、この世界にいる以上、言われたとおり昨年のデジャブとは言わないですけど、スタジアムの雰囲気も含めてですね、そういうところはあったと思います。

ただ、こういうものを乗り越えないといけないと思いますし、力をつけていかなければいけない。またそれが何かを探す部分を含めて、これという1つのことではないと思いますし、いろいろなことを含めてというふうに思います。

 

[ 片野坂 知宏監督 ]
今日もカシマスタジアムに大分のサポーターにたくさん来ていただき、最後まで応援していただいた。本当にありがとうございます。勝点3をプレゼントできなかったこと、今日のゲームは勝点1になったが、残念ながらJ2降格が決まったこと。本当に悔しい思い、残念な思いをさせてしまったこと。そして、スタジアムに来れない方々、大分トリニータに関わるすべての方々に対して、このような結果になったことはわたし自身の責任でもあり、本当に申し訳なく思っている。申し訳ありませんでした。

選手は今日のゲームもそうだが、これまでもしっかりと準備をして、最後まであきらめず戦ってくれた。そういう中で、わたしが選手に対してのプレーを引き出せなかったこと、勝ちにつながるゲームができなかったこと、本当にこれがすべてわたしのまだまだ力が足りないところだと思っている。

なんとかここまでJ1で積み上げてきたことを、来季もJ1でさらにレベルアップできるよう、試行錯誤しながら選手とともにやってきたのだが、このような結果になってしまったことが本当に残念でしかない。

J1での試合も残り2試合。次はホームで最終戦横浜FC戦、そしてアウェイの最終戦の柏戦。とにかくこれまで応援していただいた方々に対して喜んでもらえるゲーム、勝てるゲーム、勝つゲームをしっかりと準備していきたい。