2021 J1リーグ第35節 鹿島アントラーズvs浦和レッズ メモ
スタメン
鹿島
中3日の試合だが、前節とまったく同じ11人をチョイス。
浦和
前節で負傷交代した柴戸と、負傷の疑いがあった酒井がメンバー外。それにともなって西と伊藤が久々の先発。スライドするような形で金子も久々のメンバー入り。
前節メンバー外だったユンカーが2試合ぶりの先発。
流れ
開始15秒ほどでいきなり鹿島に決定機も西川がセーブ。浦和もスペースへ出ていったり、あわただしい立ち上がり。
浦和は2トップをスイッチ役にしてしっかりとプレスを掛けに行く。一方で鹿島はラインを高く保ちながらも、前はそこまで追いに行かない。
鹿島はスタイル的に、浦和は相手のラインが高いから、というそれぞれの理由で互いに縦に速い攻撃が目立つ。
鹿島の2トップに対して浦和は平野を下ろして[3-1]ビルド。いつものやつ。
非保持時はユンカーを最前線に残してカウンター要員に。西川からの一発もある。
鹿島がポジトラでかなり前へ急ぐので、バランスが崩れたまま行ったり来たりのような展開が増える。
鹿島は守備時にSHが前に出ず、2トップで横幅を見ようとするが、相手CB→SBだけでSHが切られるので、後ろのマークのずれが生まれやすい。
14分~、鹿島が左サイドを中心に立て続けにシュートシーンを作る。
20分、安西の仕掛けてクロス→アラーノで決定機。鹿島がハードワークと強度のあるプレスバックでセカンドを回収し、うまく攻撃につなげられている。浦和は得意のボール保持の局面がやや少なくなっているため、あまりリズムをつかめていないように感じる。
飲水まで
浦和が持てれば、鹿島SHの半端になっている守備を突っつけていた印象があるが、鹿島がボールを回収してテンポを上げると、安西の仕掛けを中心にしてゴールへ迫った。シュート数も(DAZN集計で)鹿島6:浦和0とはっきりした数字が出る。浦和は安西を抑えるというよりも、そこまでの出所になっているピトゥカを抑えたい。
鹿島は徐々にプレスの開始位置と強度を高めて、浦和のビルドアップ妨害に成功している。浦和もショルツの運び、岩波のロングフィード、関根の列下りサポートなど、様々なことを試すが、鹿島のプレッシャーを上回る手はまだ出てこない。
32分、中盤で奪った鹿島がショートカウンターで上田のシュートまで。陣形が整っていない状況で不用意に失うと上田に刺される怖さがある。
35分、鹿島先制、1-0。押し込んで得たCKの流れから土居がプッシュしてゲット。浦和は我慢の時間で耐え切れなかった。
38分、浦和は前から強めに追って蹴らせるが、常本×汰木のところで取り切れず。浦和からは試行錯誤を感じるが、なかなかどれもうまくいかない。
39分、バックパスが短くなりPA内でロストした西がカイキを倒したようにも見えたがノーホイッスル。カイキの倒れ方が少し大げさにも映った。
43分、鹿島にかなり長い時間パスを回されたあげく、ようやく奪ったと思いきや関根のハンドをとられてFKを与える浦和。関根がボールを蹴りだすアクション(※おとがめなし)からかなり強いストレスを感じる。
立ち上がり10分くらいまでは浦和も決して悪くなかったと思うが、それ以降は鹿島が完全に支配。シュートも鹿島13:浦和0とかなり対照的。鹿島は切り替えのスピードと強度で上回り、セカンドボールの回収で圧倒。また、カイキ×安西の左サイドで脅威を示すことができた。浦和はセカンドを回収がほとんどできなかったことと、保持で落ちつけなかったのが苦しかった。伊藤も決して弱くないが、柴戸と酒井の不在も響いているかもしれない。また、明本のように1人でも勢いをもたらせるタイプがいれば、というたらればも思いつく。
後半
浦和交代 ユンカー汰木→小泉、大久保
ユンカー残しが機能する展開に持ち込めなかったので、よりポゼッションに安定をもたらせる&プレスでバランスを整えられる小泉を投入。
後半も立ち上がり早々に鹿島がシュート。
46分、敵陣で奪った鹿島がショートカウンターでアラーノに決定機も西川好セーブ。浦和は小泉の投入で少しの変化は感じるが、それでも鹿島のトランジションは上回ってこない。
48-49分、PAに向かって運ぶピトゥカを倒した平野にイエロー。ちょっとしたボディフェイクに誘われて思わず手が出た。
後半も鹿島ペースは変わらず。浦和は敵陣へすらもほとんど入れない。
50分、小泉を止めたカイキにイエロー。やや厳し目にも感じるが、後ろから手がかかったところの印象が悪かったか。
53分~、ようやく浦和が持てる時間。鹿島は両SHの守備ポジショニング修正にムラがあるように見えるので、浦和はそこを入り口としてうまくずらせるかどうか。決してサボるわけではないので、時間がかかると戻られる。
55分
鹿島交代 カイキ→和泉
イエローをもらっている上、浦和の保持でつっつかれていたカイキを早めに交代。監督の交代意図は不明だが、浦和の保持を見て判断したのであればかなり手を打つのが早い。
→数分後?から和泉を右に入れて、アラーノを左へ。左サイドの守備のテコ入れじゃなかった?
→65分あたりにまた元に戻した。
58分、FKから関川が合わせるもGKの正面。決定機。
徐々に浦和も自分たちの時間を作り始める。右で作ってから左へ展開して山中からクロスという攻撃が何度か。
64分、山中の配球から江坂が抜け出してシュートまで。シュートはサイドネット&オフサイドだったが、直線的にゴールへ迫れたシーン。
68分、関川のインターセプトから上田へのラストパスでカウンター。シュートはDFにあたってゴールへ向かったが、西川が好セーブ。
飲水まで
少しずつ浦和もボールを持てるようにはなっているが、シュートで終われる場面は少ない。逆に鹿島は引っかけてのカウンターを見せられているので、保持・非保持が逆転してもペースを握っているのは鹿島。
71分
浦和交代 関根、平野→宇賀神、興梠
鹿島交代 上田、土居→エヴェラウド、荒木
浦和は宇賀神を右SBに入れて西を1つ前へ。興梠をトップに入れて小泉をボランチに。
75分、岩波→興梠でタッチダウン狙い。関川にカットされたが、興梠が入った効果は感じられるプレー。
エヴェラウドの無理目なチャージが続いている。
→プレーが切れたあとにイエロー
86分
浦和交代 西→槙野
槙野を最前線に入れて、江坂を右SHへ。浦和は完全にパワープレーの狙い。
87分
鹿島交代 アラーノ→犬飼
槙野へのパワープレー対策として、鹿島もすぐに空中戦を強化。
94分、ラストプレーで山中→興梠でシュートチャンスを作ったがスンテが好キャッチ。槙野が詰めていたので、はじかずにキャッチしたのも大きい。
トータルはほとんど鹿島のゲームだったが、浦和も失点を1で抑えたことにより、最後までワンチャンスを信じて戦うことができた。ただ、終盤も鹿島のしたたかさのほうが際立ち、浦和の「うまさ」よりも鹿島の「力強さ」が勝った試合だったと言える。
浦和は前節・川崎戦に続き、トランジションでの速さ・強さに屈した感じがあり、充実の中にも明確な課題が見えつつある2試合にもなった。
個人的MOM
★関川 郁万
勝負所での奪取が目立ち、GKの前の砦として浦和のチャンスの芽を摘んでいたのが印象的だった。インターセプトからのラストパスで上田のシュートを演出したプレーは必見。
素早いスライドと安定した空中戦で山中への供給を立ち続けた常本や、終盤まで運動量を落とさず広範囲に顔を出し続けた安西の両SBも好評価。
トピックス
得点後に喜び合おうとした相馬監督と奥野コーチがハイタッチなのか抱き合うのかどっちなのかよくわからないままどっちつかずの抱擁に
51-52分、西川の超冷静な交わし
53分あたり?で肩を痛めた関根がその後も同カ所を気にしている様子
→66分、やはりプレー続行が難しく交代の意志を示す
接触プレーに寛容な基準の飯田主審
コメント抜き出し
(※Jリーグ公式サイトから引用)
[ 相馬 直樹監督 ]
まずは本当にたくさんのサポーターの皆さんに集まっていただきました。本当に選手たちを後押ししてくれたゲームだったと思います。一緒に勝利を喜べたことをうれしく思います。ありがとうございました。ゲームの方はしっかりと良い立ち上がりをしようという中で、本当に良い立ち上がりで入っていけたと思っています。本来であればその時間帯にもっと点を取らなければいけなかったというのもあったかと思いますが、本当に良い流れのときに取れないで、このまま前半を終わったらイヤだなと思っている中でセットプレーからでしたけれども、前半で1つ取れた。これが最終的に決勝点になりましたし、選手たちが最後粘り切るためのエネルギーになったというふうに思います。
後半、相手が多少立ち位置を変えてきたり、そういうことは想像もしていました。われわれが前半でだいぶ足を使ったぶん、押し込まれる展開になることは想定していた部分はあったんですけど、それこそ後半の最初の20分くらいですね、自分たちが前にしっかり運ぶチャンス自体は作れていたと思うのですが、守備のところでは少しうまく相手にボールを運ばれるようなシーンが増えてしまった。その辺のところは最後粘り強く持ち堪えられたかなと思います。
プラス、後ろに人を増やしていくか、前のチェイスの部分を含めて起点になること、攻撃の起点になることを含めて手を入れていこうという中で、前を代えていったときに少し押し返すことも、相手の時間を減らすこともできたかなと思っています。そういった中で最後1-0。本来であれば3-0くらいのスコアにしなければいけなかったかなと思いますけど、最後の局面に入ってきて、大事な勝点3を取れたことを非常にうれしく思います。残り3つということになりますけれども、まだ可能性はACLに向けてあると思っていますので、しっかりとまた準備したいなと思います。
[ リカルド ロドリゲス監督 ]
前半はわれわれが望んでいたプレーができませんでした。つないでいく中でどうしても、あまり意味のないロングボールなどの攻撃になってしまいました。後半はそういった部分が修正されて、望んでいたプレーが表現できたと思います。ただ、前節と同様にセットプレーのセカンドボールを拾われて失点してしまい、そこから勝点を落としてしまう同じような展開になってしまいました。ただ、チームは選手たちは最後まであきらめることなく戦ってくれましたし、こういったことは今後大事だと思っています。--関根 貴大選手がケガで途中交代し、柴戸 海選手、酒井 宏樹選手がベンチ外だったが。
あまり良い状態ではなく、少し違和感を抱えているので今日は外れました。終盤に差しかかって不運なケガ人もいますが、できるだけ早く回復して戻ってきてくれることを願っています。--神戸戦のように、ボールを受けるところで強く来られたときにナイーブなところが見られたと思う。試合のテンションやインテンシティーはどう感じたか。
彼らがフィジカル的な強さがあることはもちろん分かっていました。一方、われわれは高さはないですが、技術的なところなど違った特徴の選手たちを抱えているので、そういった違いが出たと思います。われわれはつないでいける選手たちや若さのある選手があり、彼らは彼らのやり方があります。そういった違いはメリットデメリットの両方に出るのかなと思います。