がちゃのメモ帳

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2021 J1リーグ第35節 湘南ベルマーレvsサンフレッチェ広島 メモ

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スタメン

f:id:brgacha:20211117011618p:plain湘南

石原直が9試合ぶりのメンバー入り。

畑が7試合ぶりに先発を外れ、代わりに高橋が7試合ぶりの先発。

 

広島

佐々木が出場停止。

→それにともなって塩谷が復帰後初先発。

連戦もあって前節から5人先発を変更。松本や柏は久々の先発。

ヴィエイラのメンバー外はトラブル?

 

 

流れ

湘南はターゲットになるウェリントンと、ロングスロー持ちの町野がいるので、とにかく敵陣でのプレータイムを伸ばすことを考えていそう。良い意味で半端なボールを送り込んでクロス狙い。クロスを上げられなくてもスローインやCKの数を増やせればいいという戦略に見える。

 

前から奪いに行くよりもしっかりセットする意識が強い広島と、どんどん前への意識が強い湘南という構図で、湘南が押し込む時間がやや長め。

湘南は特に工夫することなく、ビルドアップで敵陣へ入れる。最終ラインがハーフウェイラインくらいで回すような高さ。

 

湘南は相手WBを引き出してから2トップをサイドに流して起点を作ろうとしているように見えるが、それはあまりうまくいっていない。3バックからの配球がポイントになりそう。

 

16分頃の山本に対する柴﨑のファウルがOFRの結果、退場相当と判断されレッドカード。結果として足裏で突っ込んでしまったリスクが最大になって跳ね返ってきた。

広島はエゼキエウを中盤へはっきり下ろす[5-3-1]で応急処置。もともと低かったラインがさらに下がる。

 

飲水まで

立ち上がりから勢いを持って入った湘南が、落ち着いて入った広島を押し込む展開が続いていたが、予期せぬ流れで柴﨑が退場し、かなり速い時間帯で11対10に。早すぎるがゆえに湘南はプランニングが逆に難しそうだが、どのようなバランスで試合を進めるか。

 

広島はサントスとエゼキエウの個を生かしながら陣地を回復してワンチャンスを作るしかない。

湘南は3バックの1枚がほぼSBのような振る舞いで前の人数を増やしていく。

 

1人少なくなったことで広島の守備意識がかなり高くなり、それによって湘南はボールはずっと持てるがシュートやクロスまでなかなかいけなくなった。ラクしてボールを持てる余裕からなのか逆に雑なパスミスが目立ち、攻撃の停滞感がある。

 

35-36分、右を崩してからウェリントンのシュートまで。数的優位となってから初めて可能性を感じるシュート。

 

サントスとエゼキエウでのカウンターおよび陣地回復を狙う広島に対して、湘南はDFで遅らせてからプレスバックで囲い込んで奪う守備が完璧に機能している。

 

追加タイム、数的不利でもチャンスがあるセットプレーをようやく取れた広島。カウンターがほぼ完ぺきに封じられているため、なんとかしてセットプレーの機会を増やすしかない。

 

もともと受けに回っていた広島が数的不利になればもっと苦しくなるのは当然で、湘南の一方的な展開に。ただ、湘南もこれといったチャンスはあまり作ることができず、まだ広島の我慢が効いている。サントスとエゼキエウをほぼ完ぺきに抑え込んでいるリスク管理と切り替えのスピード感はさすが。すでにウェリントンを使っているだけに、選手交代でのパワーアップが難しいが、どのような手でこじ開けに来るか。

 

後半

立ち上がりは髙橋のほうを中心に攻める湘南。広島は前半よりも中盤のスペースを空けてくれるような印象があるので、より近い位置には入れそう。ただ、ゴール前の人数はかなり多い。

 

47分、サントスにイエロー。

49-50分、カウンターから外→中→外で前進して最後は髙橋のシュートまで。広島は欲が出すぎるとカウンターでピンチになるので、バランスの取り方が難しい。

 

湘南は簡単にクロスを上げることもできるが、広島は中央のはね返しが強いので、もう1つ中に入って、という崩しを狙っている。

 

54分

広島交代 サントス、エゼキエウ→浅野、ハイネル

サントスはイエローをもらっていた上、潰され続けていたので、「1人でいける」タイプだが、特徴が少し異なる浅野と入れ替え、エゼキエウのところはより中央適正がある選手かつ、推進力があるということで緊急のシステムに合わせたという感じか。

 

湘南は外に流れる選手を見せておいて、マーカーが外へ流れたら中央へ刺す、という攻撃が徹底されている。

61分、競り合いからのこぼれ球をウェリントンがシュートも枠外。徐々にアバウトなボールも入れ始め、こぼれ球のプッシュを狙っている感じも。

 

62分

湘南交代 茨田→山田

 

飲水まで

前半と変わらず湘南のワンサイドゲーム。数回惜しいシーンはあったが、「あとはシュートを枠内へ収めるだけ」「GKと1対1」のような決定機はなく、広島の壁を壊しきれていない。

 

70分

湘南交代 町野、高橋→大橋、畑

 

73分

広島交代 塩谷→今津

まだフルコンディションではないと考えられるので、状態を考慮した交代?

 

85分、中央での細かいパス交換から田中のシュートも林がセーブ。惜しいシーンではあったが、林であれば十分に対応可能だったとも言える。まだ決定打は打てない湘南。

 

86分

広島交代 柏→藤井

89分

湘南交代 平岡→石原直

湘南は明確にターゲットタイプを増やす。

 

90分、波状攻撃でゴールに迫り続けるも、あと一歩が足りない湘南。最初のシュートはセーブされ、こぼれ球のプッシュはクロスバーの上へ。

 

93分、リスタートを邪魔したハイネルにイエロー。次節出場停止。

94分、セットプレーからヘディング→ポスト、跳ね返りをプッシュ→シュートブロックでギリギリ耐える広島。

 

湘南は本当に“あと一歩”が足りず、引き分け。約70分間で数的優位ながら勝点3を取れなかったのは痛い。逆に広島は圧倒的劣勢ながらゴール前は完璧に死守し、決定的なシーンをほぼ作らせなかった。沢田監督の選手交代も妥当かつ最善の手を打っていた印象で、無失点につなげた采配だったと言える。

 

個人的MOM

★荒木 隼人

前節・鹿島戦では個人のミスで2失点に絡み、無念の途中交代という悔しい思いをした荒木。今節は持ち前の強さを生かしてウェリントンらとの競り合いで自由にさせず、無失点に大きく貢献。前節のメンタルからすぐに立ち直って存在感を示したのは非常に感慨深いものがあった。

 

トピックス

18分に柴﨑が一発退場

51分、ウェリントンも戻ってくる湘南のプレスバック意識の高さ

ハイネルが警告を受け、次節出場停止

シュート26:2という見慣れないスタッツ。湘南の支配率70%もなかなか見ない数字

 

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 山口 智監督 ]
早い時間帯に相手が1人少なくなって、前半のうちに圧倒したかったのですが、日頃あまりウチのチームには経験がない状況になって、ボールを持つ時間が長くなった。選手たちもボールは持てるんですけど、どういう動かし方をしたらいいかの共有ができなかったというところに反省点のあるゲームでした。ただ後半はその辺も修正して、本来目指すべきところの意識が高くなったぶん、チャンスも増えましたし、最後決め切るだけの試合だったと思いますが、そこは日頃の練習の成果が出ていると思います。勝点1は前向きに捉えますし、無失点で終えられたことも良かった反面、そういう課題が残ったなという試合になりました。

--いつもの湘南より一人ひとりがボールを持つ時間が長かったように見えたが。
そのとおりだと思います。前半に関してはボールホルダーのタッチが多過ぎて、パスを出しても“各駅停車”というのが多かった。もちろんそれは外からも伝えていましたけど、そういう状況に慣れていないというのがあったと思います。実際、そういう前半になったなと。

後半に関してはテンポも良かったですし。「つけて動くというのを繰り返すことで相手が動くんだな」というのは経験として残ったと思いますが、それを前半のうちにやれていれば広島さんは疲れてきますし、後半にはもっと決定機を取れたんじゃないかという話を選手たちにしました。

 

[ 沢田 謙太郎監督 ]
90分間ずっと攻められているような試合でした。その中で一人ひとりがハードワークしてくれて、勝点1を取れた試合だったと思います。

--前半の数的同数だったときの戦いの評価は?
ベルマーレの形をコーチと一緒に見て「こういう形でやっていこう」と話し合って、その形をやりたいなと思っていました。ただ、最初の入りは前回の試合を課題として持って入ったので、シンプルに押し返してというところから入りました。

その中で守備のところで、少し守備が苦手な選手がいる。守備のことばかり言ってしまうと、彼らの良いところが出ない部分があるので、1つ、2つやり方は伝えていますが、できなかったらしょうがないと割り切りました。なので押し込まれる場面があったのかなと。もう1つ、風下だったことも影響していますが、あきらめというのではありません。

一つひとつできるようにしたいなと思っています。いきなりはできなくて、それができないからそこをずっと求めるという形は僕は好きではないので、できたら良い部分も出せるようにと思っています。