がちゃのメモ帳

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2022 J1リーグ第1節 サンフレッチェ広島vsサガン鳥栖 メモ

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スタメン

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流れ

いくらか雪が残るピッチコンディション。バウンドがけっこう伸びているように見える。

イレギュラーなピッチ状況であることから、互いにロングボールでリスクを配乗していく戦い方が目立つ。

広島は敵陣でロストしたらすぐに切り替えて囲い込み、即時奪回を狙う。

互いにフィジカルコンタクトで飛ばされるシーンがあり、足元で踏ん張りが利きにくい状況なのかもしれない。

広島は青山を最終ラインに下ろして野上を押し上げるビルドアップ。

両チームとも局所でテンポを上げてから一気に縦に速く攻める攻撃を見せる。

16分、下りてきた堀米から背後へ抜ける岩崎へ配球。シャドーにMFタイプを置いている分、彼らが下りて組み立てに関わり、WBを高く上げて攻撃に関わらせる。

18分、セットプレー崩れの流れから堀米クロス→垣田でチャンス。

鳥栖は岩崎が大外からゴールへ向かっていくシーンを多く作っている。広島は前から行きたい意志は感じるが、ここまでは意図的に奪えている感じはしない。

29分、右サイドを崩した鳥栖がチャンス。ジエゴのミドルや飯野がシュートを狙うが、ゴールは割れない。

25分あたりから鳥栖のペース。ビルドアップでていねいにつないで敵陣へ入り。3人程度のコンビネーションから背後を取る。

31分、パクイルギュが右CB位置にはいってビルドアップ。広島のプレスを利用し、ジエゴのはがしからフリーの岩崎に届けてプレス回避からチャンスメイク。

鳥栖はプレスにこられても蹴らずにつなぐ。パクイルギュを入れれば数的優位になるため、慌てずに回しながらフリーマンを探す。

38分、パクイルギュから背後に抜けるジエゴへスルーパス。常に空いているスペースとフリーマンの状況把握が冷静にこなせている。

小泉が最終ラインに入ってから前へ上がっていくビルドアップで誰がどう捕まえるかがまだ整理し切れていない。

44分、浅野のCKに野上が合わせるも惜しくも枠外。

 

10分過ぎあたりからは鳥栖がボールを持って主導権を握る。広島も積極的に奪いにいくが、それが逆に相手にスペースを与える結果になってしまい、スピーディーな攻撃を許す引き金にもなった。鳥栖ボランチとシャドーが流動的に動きながらボールを循環させ、岩崎と飯野の推進力を生かしたサイド攻撃を仕掛ける。サイドの攻略まではいけていたが、最後に仕留めるところの絵がまだ見えないので、フィニッシュをどうするかがポイントになるか。

 

後半

後半も展開は大きく変わらず、鳥栖が持ってつなぎながら前進していく。ただ、ショートパスだけでなく、垣田へのダイレクトな展開も交える。

50分、広島のビルドアップを奪ってショートカウンター。広島は出した選手が動き直さないので、受け手のパスコースがどんどん減っていく。

52分、広島が高い位置で奪うと浅野→仙波でフィニッシュまで。

少しずつ広島がプレスで奪い切れるシーンが増えてきた。

54分、広島交代

浅野、藤井→柴﨑、中野

55分、ジエゴが個人で陣地回復。ジエゴのところで1人外せるので、プレスがハマっても解決できるのは強い。

57分、広島ビルドアップで佐々木→仙波→鮎川→仙波で敵陣のスペースへ進入。ラストパスがズレたが、相手のプレスをひっくり返す良いつなぎ。

広島は青山が下りて[4-1]ビルド。

60分過ぎあたりから広島はハイプレスをやめて自陣で構えるようになった。

 

66分、鳥栖交代

福田、菊地→藤田、中野嘉

70分、鳥栖ビルドアップロストから塩谷がダイレクトでシュートも枠外。パクイルギュがゴールから離れているので、不用意なロストは即失点につながる。

広島は再びハイプレスに出始めた。

72分、広島交代

青山、鮎川→川村、サントス

74分、鳥栖のバックパスをさらったサントスがパクイルギュがいないゴールへシュートするが枠外。広島は二度目のチャンスを生かせず。鳥栖は二度目の命拾い。

80分、荒木からスペースのサントスへ。パクイルギュがカバーできたが、鳥栖はプレス時に後ろも前がかり気味になるので、サイドのスペースが空きがち。広島はショートパスでの前進はあまりうまくいっていないが、スペース狙いのビルドアップは悪くない。

82分、再び左流れのサントス。オフサイドになったが、広島はここを徹底的に狙う。マッチアップが島川なので身体能力勝負になれば分がいい。

 

83分、鳥栖交代

飯野、堀米→原田、佐藤

島川と小泉を1列あげて、原田が右CBに。サントスに走られていたので、それの対応か。

85分、広島交代

仙波→エゼキエウ

90分、鳥栖交代

島川→藤原

小泉を再びボランチへ下ろして、藤原がシャドーに入る。

92分、柴﨑が右でポイントを作ると攻撃参加してきた野上がシュート。惜しくも枠にはじかれる。

93分、広島が攻勢に出てきたところをひっくり返して鳥栖がチャンス。中央を割って垣田がシュートもブロックされる。

 

終盤は互いにチャンスが訪れたが、ゴールネットは揺らせずに終了。90分通じては鳥栖のほうが主導権を握れた時間が長かったが、無人のゴールへのシュートが2本あったことを踏まえると広島のほうが決定機は多かった印象。

やりたいことをやれた鳥栖だが、パクイルギュを高い位置でビルドアップに関与させる超攻撃的な戦い方は長所も短所も如実に出る内容に。一度のロストが失点につながるような戦術を敷いているため、ビルドアップの精度はより高める必要がある。

 

 

個人的MOM

★堀米 勇輝

シャドーポジションながら低い位置での組み立てにも積極的に参加する役回りでチャンスを演出。高い位置を取るWBの岩崎との補完性も高く、セットプレーキッカーとしての存在感もあった。

 

 

監督コメント

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 迫井 深也ヘッドコーチ ]
最初の序盤に関しては、われわれが目指しているプレッシングのところでうまく相手にプレッシャーを掛けていけたんですけど、少し時間が経つにつれて、掛けにいったところで相手にセンターFWのところに長いボールを入れられて、少しずつボールへのプレッシャーに行けなくなったように思います。ただ、よくゲームをコントロールしながら勝点1を取れたと思います。

--今日の天候でかなりピッチにも影響があったと思います。天候についてなんらかの影響はありましたか?
本来なら鳥栖さんも下から丁寧につないでくるチームだと思いますし、われわれもより相手に対してプレッシャーを掛けられる展開に持っていけるかと思ったんですけど、天候もあって相手も長いボールが多くなってきたかなと感じていますけど、これも踏まえてサッカーなので。相手がもうちょっと下から丁寧につないできたら、もうちょっと目指しているところの回数は増えたのかなと思っています。

--前半の途中からプレッシャーに行けなくなったという表現を先ほど使っていました。ピッチの中で、そのような話が行われたのか。それともベンチから指示があったのか。いかがでしょうか?
ピッチ内のコントロールは間違いなくあったと思います。なかなか行ったときに長いボールを垣田(裕暉)選手に収められる回数、セカンドボールの回数が多くなって、どうしても前と後ろが広がってきた部分があって、ちょっと思ったようなプレッシャーが掛からないことがあったので、選手内でコントロールしようと声をかけていたと思います。

 

[ 川井 健太監督 ]
まずはこの悪天候の中、広島まで来ていただいたことに、ファン・サポーターの皆さんに感謝申し上げますし、雪かきをしっかりしてくれた広島の運営スタッフにも本当に感謝したいなと思います。

われわれは勝点3を手にしたかったんですけど、それは達成することができずに非常に残念に思います。ただ、選手のパフォーマンスは非常に良いものを見せてくれましたし、もっともっと良くなるとも感じましたので、この勝点1というものを次につなげられるように、また鳥栖に帰ってトレーニングしたいなと思います。

--特に前半は長い時間ボールを保持して多彩な攻撃を仕掛ける場面もあったと思いますが、試合を通しての攻撃の部分の評価をお聞かせください。
そうですね。われわれが共有しているスペースだったり、テンポ、取るべきエリア、ゾーンのところをしっかりと意識して取りにいく姿勢は良かったと思います。もちろん後半も良かったんですが、ただ、そこからもう1つ先の部分で、あと一歩のパスが通らなかった。それはゴールへのパスも含めてですけど、そこの確率をやはり上げていきたいなと思います。ただ全体的に言えば、攻撃のテンポだったり、パフォーマンスというのは良かったんじゃないかなと思います。

--キャンプから通して準備してきたものが何%くらい出せたと感じていますか?
そうですね。意識としては100%だと思います。ただ、成功率で言うとまだ30%にも届かないんじゃないかなと思います。ただ、そこは楽しみな部分でもありますので、ネガティブに捉えるのではなくて、もっともっとわれわれが成長できる部分としてポジティブに捉えています。