スタメン
品田が第20節・大分戦以来の先発。前節で出場停止が明けたレアンドロが先発に復帰。
流れ
開始直後から永井の全力スプリント。前から行く意志を見せる。
1-2分、前田が背後へ抜け出してチャンス。CBは間に合わず、GKも出られないくらいの絶妙な位置に走られた。
東京はレアンドロとディエゴのフィジカルの強さを存分に生かしてポイントを作る。
5分過ぎあたりからマリノスがボールを持つ時間が増えてくる。
9分、マリノス先制、1-0。前、そして同サイドにかなり密集を作っていた東京をマリノスが1本のパスで置き去りにして、ごちゃついたところを前田がかっさらった。波多野がうまく間合いを詰めたが、こぼれ球が前田にわたってしまった。ただ、改善すべきはリスク管理のところだったと思われる。
13分、ビルドアップからプレスをかわし、品田の展開からオープンを作り出す東京。マリノスはあっさり抜け出させてしまった。
20分、少し前の森重のプレーがオンフィールドレビューでファウルを取られ、PK献上。マルコスが決めてマリノス追加点、2-0。さらに森重にはイエロー。
2点目のあとからか、ディエゴが前、東が右SH、永井が左SHに変わった。
23分、マリノス追加点、3-0。左からのクロスに波多野が出てくるも目測を誤り、触れなかったところを小池に流し込まれた。
飲水まで
立ち上がりは良かった東京だが、1失点をきっかけにバタバタし始め、ミスも含めて3失点。前節・清水戦と真逆のスコアになってしまっている。
東京は[4-4-2]でブロックを組んでいるが、危険なエリアに入らせない守りができているわけでもなく、プレスが掛かっているわけでもなく、あっさりゴール前まで運ばれてシュートを許す。トランジションでも良い形で2トップには渡らず、レアンドロはかなりストレスがたまっていそうな様子。
27分
東京交代 中村拓、品田→渡邊凌、青木
かなり早い段階で手を打った長谷川監督。アクシデントによる交代ではない。
37分、CKからPA内で森重がチアゴを倒し、PK。さらには森重に2枚目のイエローで退場。PKを前田が決めて4-0。
41分
東京交代 ディエゴ→大森
東京は負傷によるアクシデントなしで前半のうちに3枚の交代カードを消費。
立ち上がりこそ積極的なプレスで良い入りをした東京だが、前半のうちに4点ビハインドと数的不利を背負い、完全にゲームが壊れた。右SBは本職ではない渡邊凌、CBはJ1デビューの大森と不安材料は多いが、これ以上傷口を広げないような45分にしなければいけない。
後半
東京は[5-3-1]気味にシステムを変更。東がリベロポジションに入る。
→試合後の長谷川監督のインタビューによると、1人少ない状況でのリーグ戦初出場になった大森のメンタル的なカバーの意味を含めて東を大森の隣に置いたということだった模様。
47分、マリノス追加点、5-0。前田ハットトリック。東が真ん中にいたが、誰も競り合えずフリーでヘッドを許した。
52分
この時間で交代カードをすべて消費。
少しずつ東京もある程度は守れるようになった。マリノスのテンションが落ちているのかもしれない。アダイウトンの個人技のみでゴールまで迫ることも数回。
アダイウトンが最前線で体を張れる、三田が球際の強度で負けないあたりは、かなりプラスに働いている。
61分
マリノス交代 喜田、仲川、エウベル→天野、レオ・セアラ、水沼
セアラを中央に入れて前田が左へ。また、[4-1-4-1]気味にシステムを変更。
67分
マリノス交代 岩田→角田
68分、マリノス追加点、6-0。
どこかで渡邊凌と長友のサイドを入れ替えた。
77分
マリノス交代 扇原→渡辺
84分、86分、マリノスが得点を重ね、8-0。
東京は1失点目を引き金に、戦える土台が崩れ、大量失点。そこに森重の退場が重なり、もうどうにもできなくなった。途中交代から強い気持ちを持って入ったアダイウトンと三田がいくらか押し返すパワーをもたらし、最後までゴールを狙い続けたが無得点に終わった。
点差が広がって余裕ができたマリノスは[4-1-4-1]を試したり、渡辺皓太をアンカーに入れたり、今季初出場となる角田をCBで試運転したりと、様々なオプションを試す機会にもなった。
トピックス
7分、前田を止める渡辺剛。好対応
コメント抜き出し
(※Jリーグ公式サイトから引用)
[ ケヴィン マスカット監督 ]
最高の試合をすることができました。ゴール数も勝ったこともそうなのですが、戦う姿勢やピッチ上の表現が素晴らしかったです。多くのサポーターが足を運んでくださり、このサッカーをお見せすることができてうれしいです。--前田 大然選手を3トップ中央に起用した狙いを教えてください。
自分はいつもベストなコンビネーションを求めています。中央の素早い突破だけでなく、周りをサポートする姿勢も素晴らしかった。プレー以上にメンタルや戦う姿勢を、彼だけではなく、チーム全体で表現してくれました。--前節で敗れて優勝を逃しましたが、素晴らしいリバウンドメンタリティーを発揮した要因は何でしょうか。
ここ数週間、90分間を通して自分たちのサッカーを続けるのが難しい試合が続きました。ただ、その試合で打ったシュート数と変わりません。サッカーは面白いもので、良いサッカーをしていても結果がついてこないこともあります。今日は全員がメンタルを強く持ち、表現してくれました。ボールの動かし方、人の動き方、パス交換のテンポが素晴らしく、たくさんのチャンスを作り、表現したかったサッカーを見せることができて、結果もついてきました。選手たちが素晴らしいサッカーを見せ、サポーターのためにエンターテインメント性の高いワクワクするサッカーをしたことをうれしく思います。
--前田選手のセンターFWの可能性をどう感じていますか。そして、彼のベストポジションはどこだと感じていますか。
最高のプレーを見せてくれました。裏への抜け出し、中央の突破ができるので、FC東京を苦しめると思い配置しました。彼のパフォーマンスは彼だけの力ではありません。他の10人、ベンチメンバーがいるからこそ彼が生きたのです。ベストポジションについては難しい質問ですが、前線でマルチなポジションができる選手の1人です。1トップでも右でも左でもできる柔軟性を持った選手です。最後に言いたいのは、彼の素晴らしいパフォーマンスがヨーロッパで放送されないことを祈ります(笑)。
[ 長谷川 健太監督 ]
今日は本当にやられました。自分が監督になってこれだけコテンパにやられたのは初めて。悔しさを通り越して情けないというしかないと思います。選手は精一杯やってくれましたし、サポーターも最後まで応援し続けてくれて感謝しています。これも自分の力のなさ。悔しいです。この悔しさをまた返せるように自分自身力を蓄えてやっていきたいと思います。--選手にはどんな言葉を伝えた?
同じような話をしました。サポーターの応援が途中で止まってしまうかと思っていましたが、最後まで応援をし続けてくれた。このサポーターの思いを汲んで残り3試合戦わないといけないと話しました。--2年前の最終節で優勝争った横浜FMとここまで差が開いてしまったことへの思いは?
今季はデティールの部分で組織として戦えなかったと反省しています。今日も人はいたし、クリアできそうではあったけど、相手にこぼれてしまって失点を重ねてしまうことにつながっていると思います。8点ほどの差はないと思いますが、確かに優勝を争ったマリノスはいまの上位にいるわけでウチは中位に沈んでいる。デティールの差が積もり積もってこの順位や勝点の差につながっていると思います。そういう部分をしっかりやっていかないと上位と差は離されてしまうと思います。
--後半は東 慶悟を3バックの中央に入れたがどんな狙いだった?
トレーニングではまったくやっていないです。大森 理生が10人でJリーグ初出場ということで心臓がバクバクだったと思います。その中で後半、少しでも落ち着いてプレーさせるにはキャプテンをそばに置いて落ち着いてプレーさせたいという思いと、マリノスが両サイドが張り出してきて、4バックを新しいメンバーの組み合わせでやるにはちょっと辛い状況であった。攻撃でもサイドで高い位置を取れるように、その意味では東を真ん中に置いて、攻撃時には長友(佑都)と渡邊(凌磨)を高い位置に持ってきてワンチャンスどうにかできればという思いでやりました。
トリプルボランチでサイドの補填と1トップに入ったときのフォローを狙いましたが、これはトレーニングでやっていないので選手たちも戸惑ったと思います。その中でも最後の最後まで切れることなくよくやってくれたと思っています。