スタメン
小泉が出場停止。
和田が4試合ぶりのメンバー入り。
川崎
連戦も考慮してか、先発を5人変更。
大島は13試合ぶり、今季二度目の先発。
旗手はSBでの起用。
流れ
両者ともにボールを持ちたい、そしてボールを奪いに行く立ち上がり。
鳥栖は2トップでスイッチを入れて、IHが中央管理、WBがSBへ長い距離出ていく。
2分、鳥栖先制、1-0。飯野が個人でサイドを突破し、クロスに岩崎が合わせた。プレスをハメ切って良い形で奪えていた流れで、個人技を生かして早々に先行できた。
自陣に押し込まれてもホルダーにプレスを掛け続けてボールを下げさせる鳥栖。
FWがサイドに流れればIHがゴール前でフィニッシャー役になる。
11分、島川の逆をとってマルシーニョが背後のスペースへ抜け出してチャンス演出も遠野のシュートは枠外へ。決定機。
川崎はGKからのセットされたビルドアップだとハメられて前進の手段に困る場面が多い。鳥栖2トップの追い方で中央を消してサイドに誘導できるので、川崎はサイドでこの質で上回るか、フリックなどでスペースへ流すしか逃げ道がない。
19分、鳥栖追加点、2-0。大外で時間を得た飯野から高精度クロスが入り、酒井がうまく合わせた。川崎は大外からなら大丈夫、となっていたかもしれないが、その予想を上回る精度のクロスが出てきた。
詰まる川崎に対して鳥栖のビルドアップはスムーズ。相手が前からハメにくればIHらで枚数を調整してフリーを作り出し、近場でつなげなければ、空洞化した中盤にFWが下りて起点を作る。GKの朴からそこへ届けられるのも大きい。
序盤はマルシーニョのところを積極的に使って攻めていた川崎だが、徐々に右からの作りが増える。鳥栖WBの強度が飯野>中野嘉なところも影響している?
飲水まで
ほぼほぼ鳥栖のペースで時間が進み、スコアも動いた。鳥栖のプレスに対して川崎はビルドアップで問題を抱えており、IHを下ろして試行錯誤している様子はうかがえるが、それでもまだ安定感はない。ただ、そのような難しい状況であっても一定数ゴールへ迫っているのはさすがの一言。
30分、右からの緩いクロスから酒井のフィニッシュで、DFのハンドの判定で鳥栖がPK獲得。小屋松が決めて3-0。
すべて右からのクロスによって得点が生まれている。
35分あたりから川崎もある程度落ち着いて持てる時間ができたが、鳥栖のプレスも強く、中盤から前へはなかなか運べない。
38分、岩崎がタッチライン際で粘って決定機を演出したが、酒井へのラストパスは合わず。受ける時間帯になっていた中でカウンターの脅威も示した。
変わらず川崎が持って鳥栖が受ける時間。鳥栖は受けすぎず、しっかりプレスを掛けていくが、それゆえに生まれるスペースがあるので、川崎としては縦に速い攻撃が完結できればという展開。
30分まではほぼ鳥栖ペース、それ以降は川崎ペースで進んだ。ただ、受けに回ったほうもチャンスシーンは作れていたので、決して一方的な展開の時間はなかった。川崎は家長やダミアンといった強引にキープできる選手がいなかったことで落ち着きどころが見つからず、CBがいつものセットではなかったことがクロス攻撃を受けきれなかった要因に挙げられるかもしれない。
後半
川崎交代 脇坂→登里
登里を左SBに入れ、旗手をIHに。
大島をアンカー位置に置き、橘田を1つ前へ。さらにWGも左右を入れ替える。
→変則[3-5-2]?のような形かもしれない。山根が3バックの右、登里とマルシーニョのWB。
後半立ち上がりは川崎が保持して鳥栖が受ける構図。鳥栖はカウンターもちらつかせるが、ボールは持てなくなった。
51分、ひさびさに落ち着いてボールを持つ鳥栖。一度セットされた状態にできればある程度は落ち着くので、どうやってトランジションを潜り抜けるかがカギ。
54分
川崎交代 マルシーニョ、遠野→ダミアン、家長
旗手が右WB、家長がIH。
川崎のシステム変更に対応できてきたのか、鳥栖が非保持からリズムをつかみ始める。プレスがハマり始め、受けるにしても高い位置での守備の時間が増えた。
62分
川崎交代 大島→ジェジエウ
65分、酒井との競り合い時に倒れ込んでかなり痛がるジェジエウ。深刻そうな雰囲気。
飲水まで
立ち上がりこそ川崎が勢いを持ってハーフコートゲームに近い状態に持ち込んだが、鳥栖も徐々に慣れてくると守備が安定。ゴール前で守る場面が減り、盛り返しつつある。川崎は攻撃的な選手を多く投入し、前がかりになっていくが、まだ穴を見つけられていない印象がある。
70分
川崎交代 ジェジエウ→宮城
ジェジエウの負傷により、意図しないタイミングで交代枠をすべて消費。
川崎はダミアンが入ったことで中央最前線でのポイントができるようにはなっている。ただ、マッチアップがエドゥアルドなので、確実に収まるわけではない。
再び自陣はりつけ気味になってきた鳥栖。酒井が最前線で体を張っているが、1人だけではなかなかキープが難しい状況。
FWがサイドに流れたところでポイントを作り、サイドの選手が中に入ってくるコンビネーションでの打開を図る川崎。
78分、右サイドを攻略して中野嘉がフリーでシュートを放つも山根のシュートブロックに遭う。決定機。
80分
鳥栖交代 小屋松、酒井→相良、山下
82分、旗手を倒した中野嘉にイエロー。次節出場停止。
86分、鳥栖のIHを動かしたところをスイッチに、CBを引き出し、その背後へ出てシュートまで持ち込む旗手。鳥栖のプレス意識を利用した崩し。川崎は少しずつゴールに近づくが、鳥栖も最後のところは崩れていない。
87分
中野伸を左CBに入れて、大畑をWBへ。
90分、川崎得点、3-1。かなり細かいパスワークで左サイドを崩して旗手シュート→跳ね返りをダミアンで押し込んだ。
91分
エドゥアルドは足をつったため交代。
92分、橘田を倒した相良にイエロー。
96分、旗手が自身の直接FKの跳ね返りから再びシュートを放つとポスト直撃。その跳ね返りをダミアンが押し込むが、ギリギリ枠外。
最終盤は川崎がかなりゴールへ迫ったが、反撃は1点で終了。鳥栖は後半立ち上がりの押し込まれた時間で耐え切れたのが大きく、そこからは少しずつ落ち着きを取り戻せた。川崎はメンバーを入れ替えてもこれだけやれるのはさすがだが、ダミアン&家長で前線に個人でポイントを作れていたら、谷口とジェジエウで我慢できたら、というたらればが思いつく試合展開ではあった。
個人的MOM
★飯野 七聖
文句なし。2アシストに加え、PKにつながるクロスも送っており、全得点を演出したと言っていい。それぞれのフィニッシュもうまかったが、彼のクロススピードや精度がなければ、前半での大量得点もなかったはず。
トピックス
入場時に、前節で優勝を決めた川崎をガードオブオナーで迎える鳥栖。
VAR担当紹介でカメラに手を振る家本さん
7分、マルシーニョの2人ぶち抜き
川崎は今季初の3失点。
47分、登里のファーストタッチでプレスを外す駆け引きとうまさ
×ジェジエウが負傷交代
74分、ダミアンのオーバーヘッド。いつものやつ
93分、くるくる回りながら囲い込みから抜け出す相良
コメント抜き出し
(※Jリーグ公式サイトから引用)
[ 金 明輝監督 ]
90分を通して、選手たちが相手に対してリスペクトし過ぎず、いまのわれわれができることを精一杯トライしてくれました。戦術的にもそうですし、肉体的にもそうですが、選手たちが相手を上回ることができたので勝てたと思っています。当然、川崎Fさん相手で難しい試合になると思っていましたので、つけ入るスキがあるのかどうかと思っていました。そこが思いどおりになって良かったです。--後半、川崎Fが立ち位置を変えてきました。あの変化は想定できていなかったと思いますが、ピッチ上での選手の反応はどう見えましたか?
むしろ3バックをやっていたときは、相手も(普段とは)違う感があったので、逆にラッキーだなと。最後、(相手が)[4-3-3]に戻してきたときに、やっぱり連係が良くなってきたところもあった。ウチが体力的にも最後はキツかった中で、もう一刺しできたらなと思うシーンもありましたが、勝っている状況でなかなか出づらい状況でもあった。あれ以上を求めることはできないと思いますし、うまく試合を運べたかなと思っています。--岩崎 悠人選手が今季初得点。ご自身も「なんとかしてあげたい」と話していたが、彼の良さを引き出すためにどんな指導をしてきたのか。また、得点後に岩崎選手が駆け寄ってきて抱擁をかわしていたが、その感想をお願いします。
うれしかったですよ。なかなかみんな来てくれないので(笑)。冗談ですけど。彼ももがきながら、苦しみながらいろいろなチームを渡り歩いて、今年も千葉からシーズン途中にここに来ました。点を取れそうなシーンは前節もありましたが、今日の試合にとっておいてくれて良かったなと思うところもあります(笑)。ただ、能力はあるので、あとはそのきっかけ。信じて使ってあげられるかどうか。足りないことについては、足りないぶんだけしっかりと伝えて、気づきを与えてあげられるかどうか。使わないと判断するのは簡単ですが、当然、正当な競争の中でパフォーマンスも良かった。われわれのチームの中では良いピースになってくれている。結果で報いてくれて良かったなと思いますし、これで満足せずにプレーを整理して、また点を取ってくれたら良いなと思います。--岩崎選手のどういった部分を評価していますか?
見ているとおりですよ。エネルギッシュに90分間走り続けることができますし、スピードもある。あとはディテール。味方と合わせるとか、細かい技術的なところもそうですが、怖がらずに相手ディフェンスとイヤな駆け引きができるかどうか。そういったところだと思います。当然、味方のパスの出し方やアクションを理解しないと、それもなかなか難しい。われわれはやることを整理して、そういったものを伝えている。われわれの選手はみんなそうですよ。どこかで何かを勝ち得て鳥栖に来たというよりは、何かを探しに鳥栖に来たという表現のほうが合っていると思います。そういう選手にきっかけ、気づきを与えて、もう1つ上のレベルでプレーさせてあげられるように(したい)。そういう評価で他チームからオファーが来るとか、このチームで価値を高めるとか、そういったものがわれわれはできるクラブだと思っているので、そういった部分で岩崎も結果を残してくれた。あとはノリ(酒井 宣福)もそうですし、小屋松(知哉)も簡単なPKではなかったですし、三者三様、みんな頑張ってくれたと思います。
[ 鬼木 達監督 ]
勝負にこだわったゲームだった。優勝したあとも、(結果に)こだわろうと送り出しただけに、結果に関してはすごく残念。気持ちが入っていなかったわけではないが、サッカーの質、戦術眼を突き詰めていかないといけない。自分のマネジメントのところもいろいろ考え直さないといけない。1点を返すなど、疲労はあったが選手は最後まで頑張ったと思います。--後半からのシステム変更について。
短い期間であったが、少しずついろいろな人を生かす上でもプラスにしないといけないと思って準備はしていました。--前半の入りのところでの印象は?
相手の勢いはありましたが、それは想定できる範囲でしたし、それをひっくり返す作業、攻撃の優先順位をつけなかった。自分たちも前から行くときは、いろいろな形で空いているところがあっても行くわけだが、そこを見つける作業のところ、全体像をもっと理解しながらサッカーをやらないといけない。--ジェジエウ選手の状態について。
まだチェックの段階ですが、決して軽いケガではないという認識はしています。