がちゃのメモ帳

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2021 J1リーグ第35節 ヴィッセル神戸vs徳島ヴォルティス メモ

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スタメン

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神戸

山口が第24節以来の先発復帰。

直近3試合で2得点を挙げていたドウグラスがベンチ外。前節で負傷交代していたが、中2日では間に合わなかった。

 

徳島

岩尾がメンバー外。前節・C大阪戦で違和感により前半のみで交代していた。

小西が久々の先発。

バケンガが久々のサブスタート。

松澤、西野が久々のメンバー入り、一美と藤田征が3試合ぶりの復帰。

 

 

流れ

徳島はいつもと[4-4-2]ベースではなく、[4-1-2-3]でスタート。

立ち上がりは大迫へのファウルが続く徳島。やや後手を踏んでいる。

 

徳島は両WGが外切りでCBへ寄せていくが、SBも見なければならず、プレスのコース取りや強度が少しでも足りないと、鳥かごのようになってしまう。神戸はそこを外しさえすればサイドでフリーが作れるので、困っていない。

徳島WGはいったり来たりを強いられるので、このまま続けると長い時間は持たなさそうな雰囲気。

 

また、徳島は前に人を当ててけん制してロングボールを蹴らせても、神戸は武藤と大迫の競り合いで上回ってくるので、徳島守備は落としどころが難しい。

 

飲水まで

神戸は個人のテクニックとキープ力によって、2対2の局面であればほぼほぼ前進できる。徳島はWGのハードワークでなんとか保っており、「一気に決定機」というシーンまでは作られていないが、狙いどおりの守備ができているようには見えず、ストレスはありそう。

 

~24分、シュートシーンでカカと足同士の接触があった郷家が負傷。一度ピッチの外へ出る。

→その後復帰。

 

徳島は構え方を[4-5-1]気味に変えた?

→一時的なものでその後元に戻った。

 

37分~、プレスのタイミングが1つずつ遅れてボールへ寄せ切れない神戸。徳島は低い位置から丁寧につなぐ姿勢は崩さず、ビルドアップからの局面打破を狙う。

 

神戸は敵陣で持つ展開に持ち込めれば、イニエスタを軸にした打開と、武藤×大迫の迫力でゴールの雰囲気を出せる。

 

徳島も徐々にボール保持からリズムを作って敵陣へ入り込むが、基本的には神戸のペース。[4-3-3]で、これまでの流れからすると意外性のある形で臨んだ徳島だが、特に守備面ではそのデメリットのほうが目立った印象。宮代と西谷のスプリント回数が多いデータに、WGの負荷が示されている。一方で保持はIHの流動的なポジショニングで相手のマークをぼやけさせる旨味は出ている。

走る距離が増えている徳島に対して、神戸は45分を通して、最終ラインがビルドアップでストレスを抱えるシーンは少なかった。徳島はボールを持てればいい形に持ち込めるため、どうやってボールを奪うかがカギ。強度がキープできそうな後半立ち上がりでペースを握れるかがポイントになりそう。

 

後半

49分、徳島がCKから決定機を迎えるもクロスバーに阻まれ、跳ね返りは初瀬がギリギリでカバー。

 

徳島がボールを持てれば良い形でチャンスを作れている立ち上がり。神戸もビルドアップで困っている様子はないが、ゴールまでは迫れず、徳島に持たれると守備はやや危うさがある。

 

55-56分、神戸先制、1-0。右で完全に浮いた酒井から高精度で上がってきたクロスを武藤のすらし→大迫でゲット。徳島は中の枚数はそろっていたが、クロスの精度のほうが上回った。

 

どちらかというとメンタル的に優位に立っていそうなのは徳島だったが、スコアを動かしたのは神戸。隙はちょっとしたものだったが、相手の質を出させてしまったのが痛恨だった。

 

57分

神戸交代 郷家→リンコン

武藤をIHに入れた。

 

60-61分、追い詰められながらも上福元の浮き球でプレスを回避してシュートまで。

 

徳島が神戸のプレスを安定していなせるようになっており、疑似カウンターでゴールへ迫れる回数が増えた。神戸はリードがあるので無理していかなくてもよさそうではあるが、撤退向きの11人ではないので、ある程度前から行かざるを得ないという判断か。

 

62分

徳島交代 垣田→バケンガ

 

神戸は前3枚(+1)でプレスを掛けるが、枚数調整をする徳島に対して1人で複数人を消す守備ができないので、比較的あっさり外される。

 

飲水まで

リードを奪ったのは神戸だが、試合をうまく運べているのは徳島。ビルドアップがかなり安定し、神戸がそこまでボール保持にこだわっていなさそう&ビルドアップで前半ほど安定を作り出せていないことからボール保持の時間が伸び、ペースを握れている。

 

70分

神戸交代 初瀬、サンペール→小林、大﨑

神戸はリードはしているが、プレスがほとんどかからない状態なので、撤退でも受け切れるような選手を投入。そのままのポジションに入る。

 

大﨑と小林を入れてなお、「1点を守り切る」より「2点目を取って決着をつける」のほうが強そうな神戸。深い位置からでも武藤とリンコンの推進力でゴールへ向かうことはできる。

 

78分

神戸交代 大迫、イニエスタ→佐々木、中坂

徳島交代 ジエゴ、小西→藤田征、杉森

神戸は二度目の交代も守備強度と運動量が上がる選手を選択。再び武藤がトップに戻り、佐々木がIHへ。ここまではどっちつかずな戦い方になっている印象もあるので、はっきりさせたいところ。

徳島は藤田征が右SBに入り、岸本が左SBへ移る。杉森が右SHで宮代トップ下気味の[4-2-1-3]っぽい布陣に。

 

88分

徳島交代 鈴木徳→一美

中盤の枚数を減らしてでもゴールを奪える選手を増やす。

 

藤田征のクロスに対して5~6枚くらいがゴール前でターゲットになる徳島。

神戸は個人でサイドの深い位置を取りにいって時間を使う。

 

後半は徳島はかなりの時間で支配したが、勝点3を手にしたのは神戸。第3Qは“らしい”形でゴールへ迫り、最終盤は丁寧なつなぎとパワープレーのミックスのような戦い方でゴール前の圧力を高めたが、ゴールを割ることはできなかった。徳島の前線は前半は守備で走らされた印象も強かったが、終盤になっても運動量が落ちなかったことで、ボールを取り上げ、保持する時間を長くできたと言える。

神戸は個人の質でキープすることはできたが、非保持の局面が続くと、弱みを晒される展開に。選手交代を駆使して“スタイルチェンジ”も図ったが、そこまでハマらず、二度目の選手交代で運動量と強度を保ったことでなんとか逃げ切れたという印象。ただ、苦しい内容でも「The・質」で奪った1点で勝ち切れるのは評価できる。

 

個人的MOM

★酒井 高徳

決勝点の実質アシスト(※シュート直前で武藤が触ったので直接的なアシストではない?)と言える高精度クロスが最も目立つシーンに挙げられるが、それ以外にも攻守で絶大な存在感を発揮。ある程度整った状態での1対1はほとんど止め切り、保持の局面でもボールを奪われずに、的確につなぐ。そしてイニエスタとの“息ぴったり”の連係も目を引いた。

 

敗れてしまった徳島側は、西谷が圧巻のパフォーマンス。前半は守備で走らされる時間が増えた中で、後半も運動量がまったく落ちず、前線でチャンスメーカーとして機能しながらも何度もプレスバックでボールホルダーにチャレンジする姿が印象的だった。

 

トピックス

7分、小西のサイドチェンジ

22分、イニエスタの意味不明キープ

32分、イニエスタと山口だけで翻弄する崩し

34分、福岡の好縦パス

35-36分、倒れているジエゴを見てプレーを止めるイニエスタ。なぜかボールは外へ出さずに待って、プレーは切らずに再開された

37分、プレスを受けた上福元の落ち着いたつなぎでのプレス回避

47分、垣田と菊池のゴリゴリフィジカルマッチアップ

61分、小西のボディーフェイクでのプレス回避

65分、イニエスタ→酒井の完璧な2対2の攻略

67分、自分でボールを浮かしてボレーでのパスをするイニエスタ

 

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 三浦 淳寛監督 ]
徳島さんは残留争いをしている中でとにかくハードワークしてくると思い、前半は体力もあるので厳しい展開も想定していた。しっかりゲームコントロールしながらチャンスをうかがうところはうまくいったと思う。ハーフタイムに背後を突くところと、相手がワンサイドに寄りやすい傾向があったので、引きつけて逆サイドを使いたいと意識しました。実際にそういう展開で、いつもトレーニングしているクロスからの得点が生まれたのは良かった。最後は徳島さんも点を取りにくる中でしっかりと抑えることができた。選手がすごく頑張ったし、良いプレーをしたと思う。

--大迫 勇也選手が先発復帰。80分近くプレーしたが予定していた?
それは彼とコンタクトを試合中にとりながら。最後は疲れが見えてきたので、そこでの交代になりました。

--大迫選手は代表戦を控えるが?
自分の役割をしっかりとこなしてくれる選手なので、間違いなく、代表の力になれる選手だと思っています。

 

[ ダニエル ポヤトス監督 ]
一言で言うと、残念という気持ちです。多くの面で神戸さんを上回ることができていたと感じています。ただ、チャンスを決め切るという点では神戸さんが上回り、この結果になったと思います。今日の試合でできたようにボールを握ってゲームを支配し、チャンスを作り続けるということを継続してやっていきたいと思います。

--今節は[4-3-3]にシステムを変更しながら、サイドに展開する攻撃も効果的だったと思います。その中で大きな展開が得意な小西 雄大選手を起用した意図が感じられました。振り返っていかがでしょうか?
神戸さんのシステムは中央に人が多いということを理解しており、サイドから攻撃しようとすることはチームとして共通認識を持てていたのではないかと思います。小西選手をうまく生かせる場面は多く作り出せませんでしたが、素晴らしい自分の力は発揮してくれました。ただ、足を痛めた様子を見せていた場面もあり、負傷で選手を失いたくない状況でもあるので交代させました。