がちゃのメモ帳

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2021 J1リーグ第34節 北海道コンサドーレ札幌vs湘南ベルマーレ メモ

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スタメン

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流れ

荒野が右CB位置に下りるミシャ式。湘南は高い位置で待ち構え、ライン間やサイドに入ったときに圧力を強める。

 

3分、福森→小柏のホットライン。湘南は小柏の抜け出しとスピードに手を焼いている立ち上がり。

札幌はいつもどおり人につく守備でつなぎをけん制。谷からロングボールが出る流れが続くが、ウェリントンがいないので競り合いではほぼ勝てない。一方でスピード感がある2トップではあるので、良い守備からショートカウンターを打てればチャンスを作れそう。

 

7分、カウンタリングカウンターから札幌にチャンスも、菅の右足シュートは枠外。オープンな局面に持ち込めたときの札幌は強い。

 

19分、青木のゴールで札幌先制、1-0。湘南の高いラインの背後をしきりに狙い、金子が起点を作ってから外に流れたところを菅→青木でゲット。中央を固める湘南に対して札幌も前進の仕方をうかがう状況だったが、背後一発から打開した。

 

22分、ビルドアップから駒井のところでプレスを外してスピードアップ。札幌がペースを握り始めたか。

 

湘南は何度か中盤で奪うことに成功しているが直線的にゴールへ迫れない。サイドを経由してしまうとターゲットタイプが少ないので、分が悪くなる。

 

飲水まで

いつもどおり札幌が勢いを持って入り、ペースを握る。湘南も受けつつ下げ過ぎない対応で対抗できていたが、最終ラインから背後への配球で打開されてしまった。中盤で奪う現象は起こせていてもそれがそのままゴールと結びつきそうな雰囲気はまだない。

 

30分~、小柏の左流れに配球したところからの仕掛け。札幌がスピード感を持って敵陣へ入り込む回数が増えている。

プレスが掛かって一度目は前へ蹴っ飛ばす湘南だが、セカンドボールのところでのファイトで上回って回収し、ボール保持の時間を作れている。

 

札幌は福森→小柏の1本のパスだけで深さを取ることができるのは強い。逆に湘南はそれが通ると戻らなければならないので、守り方的にストレスがかかる。

 

 

前節の福岡戦こそ波の少ないゲームに持ち込まれたが、札幌が前半に強いのはいつもどおり。ただ、1点は取られたとはいえ、湘南も押されっぱなしというわけではなかったので、そこまでネガティブではないだろう。札幌は福森→小柏ラインを軸に深さを取れたり、一発で背後を狙えたり、というところはうまくいっていたが、後半で落ちることを考えると「1点リード」での折り返しが十分だったかどうか。

 

 

後半

GKを使いながらプレスをかわしてボールをしっかり保持する湘南。

高い位置からプレスに行っているものの、すでに前半の強度は保てていない札幌。意図的に落ちしているのか、いけていないのか。逆に湘南は前半にもまして高いラインを敷いているようにも見える。

→そのぶん、札幌前線の小兵アタッカーたちが生きやすくもなる。

 

実況席によるハーフタイムの監督コメント紹介を聞くと、湘南の山口監督は「やることができていない」と言ったらしく、前半は思うようにいっていなかった評価だった模様。

 

前半と同様に背後へ抜け出す小柏らへ、最終ラインの荒野や福森が一発で流し込む。

ラインを高く保つ湘南×ラインブレイカー小柏になるので、湘南の最終ラインは上げ下げの疲れと精神的なすり減りがありそう。

 

57分

湘南交代 山田、タリク→平岡、町野

58分~、入ったばかりの町野が連続でシュートに絡み、惜しいシーンを演出。選手交代直後から明らかに湘南のペースになった。

 

60分、小柏→青木で一気にゴールまで迫るが、タッチが決まらず。湘南も勢いを持って前へ向かっているぶん、トランジションで上回ればロングカウンターは効く。

 

63分、湘南追い付き、1-1。最後方でリスク管理を任される大岩の対応から前線へつなぎ、素晴らしいコンビネーションから中央を崩した。平岡はリーグ戦初ゴール。湘南は選手交代で流れを変え、良い時間帯でしっかりと得点をゲットした。

 

66分

札幌交代 荒野、青木→深井、柳

柳が右WB、金子がシャドーへ。

 

77分

札幌交代 金子→ジェイ

ジェイが最前線、小柏が1つ下りる。

78分

湘南交代 茨田、畑→舘、高橋

舘はそのままIHに入った模様。

80分、岡本を倒したチャナティップにイエロー。

飲水明けからは一進一退といった攻撃の打ち合い。

 

83分

湘南交代 大橋→ウェリントン

84分、あらためて前からのプレスをしっかりと掛け始める湘南。

 

86分

札幌交代 駒井→岡村

岡村が中央のCBに入り、高嶺がボランチへ。

 

湘南はセットプレーを含め、ウェリントンの高さと強さを生かす攻撃にややシフト。

札幌は球際で体を当てるプレーでのファウルにかなりナーバスになっている。

 

最後はそれぞれがジェイとウェリントンを中心にした攻撃でゴールへ迫ろうとしたが、決定機という決定機は生まれないまま終了。勝点1でも悪くない湘南だったが、最後まで3を目指す姿勢が見えた。

平岡と町野の投入で一気に流れが湘南に傾き、そこで追いつけたのは湘南にとってはポジティブ。札幌はボールを持てる時間は長いが、時間の経過とともに勢いの減退と攻め手が失われていく感じは否めない。

 

個人的MOM

★町野 修斗

途中出場ながら両チーム最多となる4本のシュートを記録(※DAZNの集計)。得点こそ奪えなかったが、平岡とともにチームに勢いをもたらし、同点弾をアシスト。そしてそこまでの流れを作ったと言える。

 

トピックス

4~5分、大橋の絶妙なターン

10分、高嶺の美しいサイドへのロングフィード

21分、岡本のナイス1stタッチから好クロス

28分、田中の巧みな交わしでのボールキープ

33分、福森の逆サイドへのパーフェクトフィード

34~35分、左の畑に預けてから斜めのランニングをすることでカットインのコースを空ける山田

70分、田中駿と平岡の履正社高同士の競り合い

88分、深井がコンタクトレンズのつけ直し(?)一度ピッチを出る

試合終了直後、主審に対して詰め寄っていく湘南の面々と札幌の一部選手。ウェリントンと福森にイエロー

 

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ ペトロヴィッチ監督 ]
前半はわれわれが試合を支配し、狙いも出せていた。そうした中で1-0とリードができた。この試合、相手はJ1残留を争う中で強い気持ちで挑んできたため、後半はよりギアを上げてきた。それに対してこちらは若干運動量が落ちた中で、同点ゴールを許してしまった。その後も相手がさらにギアを上げてきたが、選手がよく走り、戦ってくれたと思う。非常に厳しいゲームだったが、チーム状況を考えれば前向きに捉えていいと思っている。

--J1残留が確定したが、来季を見据えて一言。
今季は非常に厳しい戦いだった。4チームが降格するレギュレーションの中で戦った。加えて、われわれはケガ人がいない試合が1つもなく、そこもまた厳しかった。今日も主力を欠いての戦いとなった。そしてシーズン途中に得点源の選手が移籍したことも戦いを難しくしたが、選手たちはファンタスティックなシーズンを戦ってくれたと思う。

なぜならば、もう1つ上をうかがえる戦いができていて、残留争いに巻き込まれることもなかったからだ。常にケガ人がいたり、得点源を失った中でそうした戦いができたのは前向きに捉えられる。今日も比較的若いメンバーだったが、まだまだチームとしての伸びシロがあるということ。そしてアカデミーからも選手が加わっている。そうした選手も起用しながら未来に向けて模索していきたい。

これで札幌は5シーズン連続で残留した。クラブ規模を考えれば成功と言っていいだろう。厳しい戦いが続いてきた中で、J1で安定した戦いができるようになり、自分たちのスタイルも持てるようになった。一定の評価を得ているはずだろう。札幌のサッカーはこういうものだというものを知ってもらえたことも、われわれが勝ち取ったものの1つだろう。

 

[ 山口 智監督 ]
前半、難しい戦いになってしまいました。ハーフタイムで「自分たちのやるべきことに立ち返ろう」という話をして後半に入って、選手交代も含めて全員で勝ち取った勝点1になりました。こういうことが大事なのでそれを最後まで続けたいなと。勝てはしなかったですけど、勝点1もぎ取ったという形にも見えると思うので、今後それを生かしていきたいなというゲームでした。

--試合後のフラッシュインタビューで、同点弾を決めた平岡 大陽選手は「押し込んだだけ」と話していましたが、あの場所にいることが大切なのではと思います。監督からの彼の評価は?
それぞれの役割がある中で、チームの共通意識の中でゴールへ向かうというところは誰とは言わず全員に求めていることです。自然とそこへ行けたのかもしれないですし、意識があったから行けたのかもしれないですけど、ボールの動かしから始まって、そこに向かう崩しのところもチームとして評価できるところ。

大陽の言葉を借りれば「押し込むだけ」ですが、すごく貴重なファーストゴールでしたし、チームにとっても大きなゴールだったので、やってきたことを出してくれたなと思います。