がちゃのメモ帳

Jリーグをメインに、いろいろな感想を残していきます

2021 J1リーグ第33節 川崎フロンターレvs清水エスパルス メモ

www.jleague.jp

youtu.be

 

 

スタメン

f:id:brgacha:20211028001547p:plain

大島は前回のリーグ清水戦以来のメンバー入り

 

川崎

ボールを保持し、奪われたら素早いプレスで奪い返す。中央を固める相手に対して単純にクロスを入れるというよりは、外を見せながらも中央を使って攻めたい意志が見える。相手がバランスを崩してきたタイミングでは、カウンターでの一刺しを狙う。

保持

4バック+アンカーで組み立て、IHや家長が流動的にサポートに入る。密集を作られても細かいパスワークから逆サイドへ展開できるので、人を合わせに行かないと簡単には奪えない。

 

非保持

[4-3-3]セットから家長が外から中央へ寄せてくる。変則[4-4-2]という言い方もできるかもしれない。そもそも非保持の局面が少なかったが、IHがフラフラと出ていってスピードアップを許すシーンもあったので、隙が無かったわけではない。

 

清水

前半飲水後からは割り切って重心を下げ、ボールが持てずにじり貧になっても、失点しないことを優先したような割り切った戦い方に。2トップを前残りさせるわけでもないのでカウンターも期待できなかったが、終盤にチャンスを残すゲームプランだったか。

保持

保持の局面がかなり少なかったが、2CBと2CHでの組み立てがメインで、相手が深くまでプレスに出てきたときには藤本が下りてきて起点になる動きが目立った。

  

非保持

[4-4-2]で選手の距離を縦横ともに狭めたかなりコンパクトなブロック。ボランチが前に出てきたスペースを使われがちだった気もするが、狭いスペースでも活動できる川崎の選手を褒めるべきなのかもしれない。2トップも自陣深くまで戻ってブロックに加わった時間帯は、奪ったあとにマイボールにできないデメリットも出ていた。

 

 

流れ

 

2分、アンカーの消し方がやや定まり切っていないように見える清水。橘田を藤本が見たり、ボランチが出てきたりする。ただ、前の4枚はそのまま4バックにあてて、プレスを掛けていく姿勢を見せる。

→立ち上がりだったからかもしれない

 

川崎は家長がCBへアタックに出ていく左右非対称プレス。マルシーニョは少し下がり目のベースポジションに見える。

清水は自陣へ入られたら割り切ってラインを下げる。ライン間へのパスが入ったときに圧縮を強める意識が見える。縦も横も選手間の距離がかなり近いので、川崎はライン間で受けるのが難しくなる一方、逆サイドまで逃がせればチャンスが作れそう。

 

6分、川崎が前から来たタイミングで中盤の背後へもぐりこみ、ポイントを作る藤本。藤本が逃げ場所になってくれるおかげで清水はボール保持の時間を作れている。

 

8分、カルリーニョス接触で(?)足を痛めた様子。

→その後復帰

12分、トランジションから旗手→マルシーニョで一気にゴールへ迫るも、ヴァウドがギリギリの対応でしのぐ。

思いのほか清水がボールを持つ時間もそれなりに多くなっている。ただ、カウンターから最速でゴールを陥れられる攻撃を見せられる川崎もさすが。

 

19分、清水2トップは1人がチェイシング、もう一人がアンカーチェックでプレスを掛けるが、相手のCBが1枚浮く形になり、ずれが生じて簡単に外された。

 

飲水まで

川崎が保持・カウンターからゴールへ迫っているが、清水も最後のところはやらせていない。また、予想よりも清水がボールを持つ時間もあり、一方的と言えるほどまでにはなっていない。ただ、清水の守備がハマり切っているかと言えばそうではないので、ロティーナ監督からヴァウドに対して「ラインを上げろ」という声が掛かっているというレポートが入っているように、微調整は必要かもしれない。

 

24分、ビルドアップからライン間で浮いたカルリーニョスがシュートまで。清水はここまでで一番良いチャンス。

 

清水は2トップの一角がアンカーを消す意識がかなり高まったようにも見えるがたまたまか?どちらにせよ、ジェジエウか谷口が空いてしまう現象が多発している。

 

旗手と脇坂は清水ボランチの背後を常に意識したポジション取りに見える。特にホナウドの背後にいることが多い気がする。

 

30分過ぎくらいからボールを持てなくなり、受ける時間が増える清水。飲水前までと比べて、やや一方的な展開になりつつある。ただ、川崎もシュート数はそこまで増えていない。

 

39分、右での作りからバイタルで受けた脇坂が左足でシュートも、ギリギリ枠外。

 

清水は2トップも下がって自陣での守備に参加しているため、奪ったあとの預けどころがなく、捨てるだけになってしまう。ただ、2トップが戻らなければ、失点の可能性が高まりそうな雰囲気もあるのでバランスが難しそう。

 

44分、旗手にイエロー。プレースタイルもあって激しい寄せが多かったり、ヴァウドと揉めたりもしていたので、もろもろ含めての警告かもしれない。

 

飲水後は川崎のハーフコートゲームと言っていいような展開になったが、清水も陣形をコンパクトにすることで中央のスペースを消し、我慢した。川崎が攻めている印象が強いが、DAZNの集計では川崎のシュートは5本しかない。ただ、飲水後のような展開が続くようであれば清水はセットプレーでの一発くらいでしか勝機が見えないため、それを許容するのか、それとも選手交代などを含めてバランスを調整していくのか、清水の修正は要注目。

 

後半

後半立ち上がりも前半の終わり間際と同じような展開で入る。

 

46分、ダミアンが決めて川崎先制、1-0。脇坂がライン間(前半からずっと狙っていたホナウドの背後)で受けて逆へ展開。マルシーニョの折り返しをダミアンがヒール気味に合わせて完結。清水は早い時間に少なくとも1点が必要な状況になってしまった。

 

清水は失点後も戦い方を大きくは変えない。時間帯的に無理に得点を狙いに行くよりも、2失点目を避けるほうが優先と考えているか。

意図的か、間に合わないのか、マルシーニョへパスが出たときにコロリではなく原が出ていくシーンが多い。もしかすると前半からその傾向があったかもしれない。

 

54分、登里のロストのケツを拭く形でコロリを止めた橘田にイエロー。

セットプレーでのコロリのキックには可能性を感じる。清水は回数を増やしたい。

 

58分頃、カルリーニョスとコロリのサイドを入れ替える。

→62分頃、元のサイドに戻る

 

66分

清水交代 藤本→西澤

西澤が右SHに入り、コロリが2トップへ。

 

68分、久々にボールを持てた清水が良いビルドアップから右で抜け出してクロスまで。川崎のIHがじわじわと前に出てきた背後に縦パスを刺してからの良い展開だった。

 

飲水まで

ほとんど川崎のワンサイドゲームで、清水はボールを持つことさえ許されない状況。ボールを持てたタイミングで飲水に入ってしまったのは少し不運かもしれない。1点差で我慢できたので、ここからの手の打ち方に期待。

川崎交代 ダミアン、旗手→小林、大島

 

71分、右で抜け出した脇坂のクロスから小林でチャンス演出もオフサイドの判定。早速見せ場を作る小林。

 

ライン設定はそこまで高くないが、清水のプレス意識が高まったように見える。清水がバランスを崩すことをいとわなくなってきたことから、スペースが目に見えて広がり、川崎は縦に速くゴールへ迫りやすくなった。

 

清水の時間とまでは言えないが、清水が持って川崎が受ける構図が徐々に強まってきている。川崎もカウンターへ転じられれば一気にゴールへ迫れるよというナイフを突きつけることはできている。

 

83分

川崎交代 マルシーニョ、登里→宮城、車屋

 

87分

清水交代 片山→ディサロ

ディサロが右SH気味の位置に入り、西澤が左へ。西澤はベースポジションは左SBかもしれないが、ほぼWBに近い変則的なポジション取り。

 

88分

川崎交代 脇坂→山村

山村と橘田のダブルボランチで大島がトップ下気味[4-2-3-1]にシステムを変更

イーブンな状況で競れば谷口と良い勝負をするサンタナとコロリ。

 

最後の15分くらいはカウンターからの失点もある程度許容しながら攻めに転じた清水。可能性のある攻撃も数回は見せたが、決定機を作るまでには至らず。トータルで見れば川崎のゲームだったが、清水も“我慢して終盤勝負”というゲームプランは遂行することができた。あとは点が取れるか取れないかまではいけたが、その1点の壁が分厚かったとも言える。

 

 

トピックス

12分、旗手のボール奪取からマルシーニョへのラストパス

14分、旗手の無回転FK

33分、山根のクリアにも近いボールがクロスバーをたたく

48分、ダミアンのラボーナルーパス(つながらず)

52分、ジェジエウからマルシーニョへ一発で届けるフィード

65分、家長と片山の鬼フィジカル同士のぶつかり合い

72分、谷口を背負ってキープするコロリ

75分、主審にボールが当たって清水ボールになるが、当たらなければ明らかに川崎側に転がっていたので川崎側は抗議。それに対してホナウドがボールを返す

79分、独特の緩急で対面の選手を抜き去る家長

81分、背後へ出されたパスに対して、ソンリョンが落ち着いて好カバー

85分、対ヴァウドでの小林の完璧な収め

94分、被カウンターのピンチの火消しをする車屋のカバー

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 鬼木 達監督 ]
3週間ぶりと、間(試合間隔)が空いたことで難しい立ち上がりになったが、ゲームの時間とともに自分たちのペース、守備でもやるべきことをできるようになっていったと思う。攻撃のところで、相手はブロックを組むチームであり難しかったが、そこを丁寧にやりながら、もっとチャンスの回数を増やせれば良かった。本当にこの時期は結果が大事。1点を取って、そのあとに守り切るところで、選手はよく頑張ってくれたと思う。

--大島 僚太の復帰について。
まだもう少しやっていかなければいけないという感じですかね。久しぶりのゲームで、そこは様子をうかがっているシーンもあったかなと思うが、ゲームになったら球際なんかもバンバンいかなくてはいけない。これから状態も上がっていくと思うし、相手を見てのプレーなどちょっとしたところで違いを出せる。そうした、攻撃に絡む回数を増やしていければいい。

--リーグ戦33試合目で昨季記録した勝点を超えたが?
そこまで気にしていないですね。この時期は勝点の数字よりも、優勝するためにそれを取りにいくということだと思う。それを実現するまでは、一つひとつ積み上げる意識しかないですね。

 

[ ロティーナ監督 ]
良いスタートを切れた試合だったと思います。きっ抗した展開に持っていくことができたスタートでした。守備面でかなり多くのことを要求してくるチームですが、チーム全体でハードワークをして、ほとんどチャンスを作らせませんでした。また攻撃面でも用意してきたビルドアップをしてチャンス、またその手前まで作ることができていました。決定機というのはなかったかもしれませんが、ボールを持って準備をしてきた動かし方をして、チャンスを作れるという感触を持ってできた前半だったと思います。

後半のスタートに、われわれがまだボールを触っていないところで彼らのプレーが続き、そのまま素晴らしいプレーからゴールが生まれました。ゴールのあとダメージを受けたのか、簡単にボールを失ってしまうシーンが目立ちました。そこから徐々に試合に入り直し、引き分けを目指してリスクを冒してやることができました。決定機は少なかったかもれしれませんが、エリアの近くまでたどり着くことはできたと思います。

川崎Fは特にわれわれの守備のところで多くの要求をしてくるチーム。彼らがボールを持ったときは、それを実行していくことが重要で、そのあと疲れている中で自分たちの攻撃でやるべきことをやっていくというのは、選手にとっては簡単ではない試合だったと思います。ただ、全体的に相手の力を考えると、われわれにとっては良い試合ができたと思います。

--0-1という結果はどのように受け止めているか?
難しい試合になるということは戦前から予想していました。多くの試合でローテーションをして、Bチームのようなメンバーで戦ってくることも多い川崎Fですが、今日はベストメンバーだったと思います。その相手に、とても要求度の高い試合を選手たちは戦い、プランを実行してくれました。

先制ができれば良かったのですが、ゴールを許して難しい展開になってしまいました。そのあとリアクションが落ちて、引き分けを目指しましたが、彼らは経験豊富な選手たちがそろっていて、なかなかチャンスを作ることができずに終わりました。そういう試合だったと思います。

--2試合で無得点だが、これから改善していく部分は?
エリアの近くに入っていくことができましたが、決定機を作ることができませんでした。先ほど言ったように、守備の要求度が高い試合で、選手にとって簡単な内容ではなかったと思います。難しい中でも狙っていた、トレーニングしてきたボールの動かし方で、相手のエリアの近くまで前半も後半も入っていくことができていました。サッカーでは、そこから両方のエリアでのプレーが重要ですが、そこからチャンスを作り、決めるということがとても重要になります。われわれのアタッキングサードのプレーの質を強く要求して、集中力を上げていく必要があると思います。

--残り5試合で、選手に一番求めることは?
残り5試合ということで難しいシチュエーションですが、こういう状況に立ち向かうためにわれわれはこの世界に入ったし、選手たちはプロになったのだと思います。こういうときこそ、強いパーソナリティーだったり、強い性格を打ち出して、より成長していくこと。毎日のトレーニングで成長して、毎週の試合を戦うということを続けることだと思います。またサポーターの皆さんにも、近くでのサポートをお願いしたいと思います。