がちゃのメモ帳

Jリーグをメインに、いろいろな感想を残していきます

2021 J1リーグ第33節 湘南ベルマーレvs横浜FC メモ

www.jleague.jp

youtu.be

 

 

スタメン

f:id:brgacha:20211027224235p:plain

 

 

流れ

 

湘南は石原広を右SB位置に押し上げる右肩上がり可変でビルドアップ。

 

横浜FCは2CB気味になる湘南にプレスは掛けず、高い位置で前進をけん制するような立ち位置。ただ、ミネイロが熱心に追いかけるわけでもないので、供給元を消せてはいない。

 

11分、3バックのままに近い形でパスを回した湘南が前からあわされてロスト。横浜FCは人数を合わせてハメ切れれば、前線3枚が速いのでカウンターに脅威が出る。

 

13分、サイドに起点を作ってから中央での崩しを見せるもパスが田中に合わず。つながっていれば面白かった。

 

基本的には湘南が持って横浜FCがカウンターを狙う構図。

横浜FCの前3枚の守備基準が人なので、石原広に合わせて松尾が低い位置にポジションをとる。そうなると2バック化で右CB位置に入る大岩にミネイロのプレスが掛かりにくくなり、そこからズレを作り出せる。特にIHがボールサイドのサポートに入ると捕まえにくい。

 

22分、前残りしていたミネイロへアバウトに送り、スペース勝負に持ち込んだところで大岩のファウルを誘発。

 

飲水まで

湘南は保持から、横浜FCは非保持からそれぞれ意図をもってゴールへ迫るが、どちらのペースとも言い切れない。湘南はミネイロに対してのリスク管理横浜FCは最前線から生まれるズレのコントロールが重要になるか。

 

29分、石原広の追い越しからのクロス。岡本が右利きなだけに、上がるタイミングは難しそうだが、この試合初のオーバーラップでチャンスを演出。

飲水明けからは湘南ペースが続き、横浜FCにカウンターのチャンスを与えない展開になっている。

 

35分、安永の安易な横パスのミスでピンチを招きかけるが、高橋のカバーで危機一髪。湘南の時間を耐えて流れを引き戻し始めているだけに、安いミスは要注意。

 

41分、前プレからハメ切ってミネイロへうまく届けたが、シュートは谷の正面。横浜FCはひさびさのチャンス。湘南はハマるときはあっさりハマるので、ビルドアップのリスク管理も調整したい。ウェリントンという分かりやすいターゲットがいるのでなおさら。

 

45分、またしても岡本を石原広が追い越してチャンスメイク。今度は石原広がランニングで空けたスペースで岡本がクロス。

 

飲水明けからは湘南の時間が長くなり、ゴールへ迫ったものの、スコアレスで折り返し。大岩がミネイロとの距離感をかなり意識しており、完璧まではいかないとはいえ嫌がらせることはできていそう。ただ、ミネイロと松尾がいる間は一瞬の隙で1点を取れるパワーがあるので、湘南も警戒が必要。あとは、ビルドアップでハメられたときの修正と、ウェリントンを生かせる攻撃の構築を見せたい。

 

後半

47分、松尾の仕掛けを石原広が対応するも前に入られて倒してしまう。接触自体はあったものの、ノーファウル判定。ギリギリのプレーだったので、湘南は今後松尾に仕掛けさせないようにしたい。

 

後半に入ってから横浜FCもボールを持つ意志を見せ始める。

 

58分、ミネイロから奪ったところを起点に湘南がカウンター。ウェリントンがシュートを放つもブローダーセンがキャッチ。タリクのターンがうまかった。

 

60分

横浜FC交代 武田、マギーニョ→高木、前嶋

両ワイドを交代。より勝たなければいけないのは横浜FCのほうなので、早めにフレッシュにしておこうという意図だろうか。

 

62分、松尾のゴールで横浜FC先制、0-1。石原広が持ちすぎて引っかけたところから松尾が1人でフィニッシュまで。前半のビルドアップでのロストもしかり、湘南は保持時のリスク管理が少し甘かった。

 

66分

湘南交代 茨田→大橋

大橋がトップに入り、タリクがIHに。

 

飲水まで

前半の飲水明けから比較すると、横浜FCが少し持ち直して保持の時間も増やしながら、一方的にならないようにコントロール。湘南も決して悪くなかったが、一瞬の隙から松尾にゴールを奪われたのは痛恨。ただ、追加点を許さなければまだ十分にチャンスはある。

 

70分

横浜FC交代 ガブリエウ→ハン・ホガン

軽症だと思われるが、ガブリエウにアクシデントで交代。

 

73分、山本?の処理ミスからジャーメインに抜け出されたが、畑がカバーリング。湘南も軽いミスが少し目立つか。

 

74分

湘南交代 タリク、畑→山田、高橋

 

77分、大橋のゴールで湘南が追いつき、1-1。ビルドアップから山田が浮いたポジションを取りながら前進させ、ウェリントンの体を張った落としから大橋の落ち着いた小ループで勝負あり。

 

互いに1つの判定を巡って熱くなる激しい展開。追い付いた湘南のほうが勢いを増して強度が上がってきている。

 

82分

湘南交代 ウェリントン、石原広→町野、舘

 

85分、大橋が抜け出して決定機も、ブローダーセンが落ち着いてセーブ。湘南がかなりイケイケな流れに。

 

86分

横浜FC交代 ジャーメイン→アルトゥール・シルバ

 

88分、山田のゴールで湘南が逆転、2-1。CKから町野が合わせたボールを山田がゴール手前ですらして、ブローダーセンに対応の術を与えなかった。

 

横浜FCはハン・ホガンを前線に上げてパワープレーに以降。

91分、ハン・ホガンの競り合いからミネイロが1人でシュートまで持ち込んでシュートも、DFがブロック。

CKにはGKのブローダーセンも上がってくる。

 

最後の5分は湘南が危なげなく時間を使い切って逃げ切り成功。安易なミスから先制を許してしまったが、敗戦だけは許されない残留争い直接対決で逆転に持ち込む勝負強さを見せた。横浜FCの目線で見ると、同点で最後までミネイロの脅威を与え続けられればチャンスがあったと考えられるだけに、湘南がイケイケになった時間帯で我慢が利かず、立て続けにゴールを割られたのが痛恨だった。

 

個人的MVP

★山田 直輝

自身の逆転ゴールは当然ながら、大橋の同点ゴールの起点にもなっており、途中出場から逆転勝利を呼び込んだ立役者と言える。本人としても特別な気持ちで臨んだ試合で“10番”にふさわしい活躍を見せた。

 

裏MVP

大岩 一貴

ミネイロとのマッチアップを託された中で、完璧とは言わないまでも起点にさせないつぶしができたシーンは多数あった。画面外で見えなかったため詳しいことは分からないが、おそらくリスク管理の段階でミネイロとかなりの駆け引きをしていたことが想像できる。カウンターを一番警戒しなければならない中で、相手のキーマンにストレスを与え続けた。

 

トピックス

あまり目立たないが、大岩とミネイロの駆け引きを含めたマッチアップは必見

47分、石原広を一瞬の加速でちぎる松尾の仕掛け

53分、ガブリエウの巧みな体当て

 

試合終了直後、ベンチでうずくまり号泣する石原広。自身のミスが失点につながってしまった責任感と、そこから勝利に持ち込めた安堵感があっただろうか。

 

サポーターへの挨拶を終えたあと、田中と畑に頭をなでられていじられる山田

山口監督は就任後初勝利

コメント抜き出し

 (※Jリーグ公式サイトから引用)

[ 山口 智監督 ]
不運な形で(先制点を)取られましたけど、交代した選手含め、試合を落ち着いて進めてくれて、点を取るところまでこだわってやってくれた結果だと思います。

--今日はディフェンスラインの選手を前節から2人代えて、その中でも大岩 一貴選手がサウロ ミネイロ選手をよく抑えることができたのは、事前に研究した成果が出たからでしょうか。
それもありますけど、大岩自身が試合に出ているときも出ていないときも常に安定したパフォーマンスをしていましたし、どこかで使いたいなという気持ちがずっとありました。相手のFWの選手を抑えなければいけないポイントだと思っていたので、そういう形でああいう人選になりました。

--監督就任後リーグ戦6試合目で初勝利を挙げることができましたが。
6試合とかそういうのは過去の話なので、今日勝てた事実がすごくうれしいです。

--今季も残り5試合になりました。あらためて意気込みをお願いします。
チーム内の競争はしっかりできていて、(平岡)大陽だったり、今日点を決めた山田(直輝)だったり、大橋(祐紀)だったり、試合に出られなかったり、メンバーに入れなかった選手も含め、非常に良い競争ができていて、チーム内で良い相乗効果が生まれています。それをマストで続けること。そして試合に対してチーム全員がモチベーションを持って迎える状況を作る。それに尽きると思いますし、それを試合で出し切れるかが大きなポイントだと思います。

 

[ 早川 知伸監督 ]
まず、アウェイの地にもたくさんのサポーターの皆さんが応援に来てくださる中で勝利できなかったことは残念ですし、申し訳なく思います。 非常に難しいゲームになりました。一番の要因は、ゲームを90分間コントロールできなかったことです。ゲーム運び、相手のプランも含めて、われわれがやるべき良い守備から良い攻撃の、守備のところに少し問題があって、特に前半はそこがなかなかハマらなかった。

ハーフタイムにある程度修正できて、後半の得点までは良かった。ただ最終的に、そこからのゲームコントロールが、交代を含めたマネジメントに問題がありました。自分自身、ゲームを運ぶ中で、いろいろな問題があってコントロールできなかった。自分も熱くなってしまったところがあって、選手も笛が鳴っていないにもかかわらずプレーを止めてしまったり、そういうところを含めてわれわれがコントロールできなかったことは非常に反省する材料です。

現実問題、われわれは残り5試合、目の前の相手に勝利していくしかありません。「まだ終わりじゃない。ここから続けてやっていくしかない」と選手たちにも伝えました。

--前半、CBまでプレスを掛けていく場面があまり見られなかったが、後半は前から圧力を掛けていった。前半は引き気味に戦って、後半勝負のゲームプランだった?
まったく違います。前からプレッシャーを掛けていくことは狙っていました。ただ、いろんな問題があって、プレッシャーを掛けにいけない状況になっていました。いろんな問題があり、1つのことでは言えないし、まだ試合が残っているのでコメントは控えさせていただきたいと思います。