2021 J1リーグ第32節 鹿島アントラーズvs川崎フロンターレ メモ
スタメン
流れ
ホームの鹿島が勢いを持ってはいる立ち上がり。ピトゥカのラストパスや安西の仕掛けなどで相手PA内に迫る。
5分、仕掛けた安西がPA付近で倒されるがおとがめなし。高い位置に出てくる安西と山根のマッチアップが頻発している。
中3日でまったく同じメンバーを先発させてきた鹿島だが、開始からボールへのプレッシャーはかなり強く、特に中盤での囲い込みの速さ、球際への強さは際立つ。
10分あたりになると、川崎が少し落ち着いてボールを持ち始める。
川崎はピトゥカへの寄せがかなり速いように見える。ボランチはもちろん、2トップも後ろから潰しに来る。
飲水まで
立ち上がりは鹿島が勢いを持って入ったが、徐々に川崎もペースをつかみ始めて、一進一退の攻防になってきた。まだ決定機と言えるようなチャンスはなく、締まった展開。鹿島は安西の仕掛け、川崎はマルシーニョを軸とした左サイドのコンビネーションがいまのところ一番可能性を感じる。鹿島はピトゥカが抑えられ始めている印象もある。
27分、上田の動き出しに広瀬が論部パスで合わせにいったがオフサイド。スペースがあればいつでも準備はできているという感じの上田。ガンバ戦も動き出しで攻撃に深みをもたらしていたので、時間がたつにつれて効いてくるかもしれない。
29分、カウンターから川崎にチャンス。マルシーニョとダミアンの連係から左を抜け出したが、マルシーニョのタッチが大きくなったところでカットされた。
32分、鹿島がカウンターから荒木→上田でスルーパスを狙ったが、パスの長さが合わず。ソンリョンも良い位置でスペースをカバーした。ただ、鹿島のカウンターはかなり縦に速いので、今後もこの形は武器になりそう。
両チームともにチャンスはカウンターから生まれていることが多い。どちらもかなり縦の速さがあり、強烈。
大外で持った広瀬から、背後へ抜け出すアタッカーへ送るボールが何度かある。一方で川崎は主にカウンターから広瀬の背後にマルシーニョが出ていく攻撃も多く、ここの攻防は1つのポイントになりそう。
41分、安西の仕掛けから意外性のあるタイミングでシュートも、ソンリョンがセーブ。鹿島は右で作ってからスペースで待つ安西までうまく届けられた。
40分あたりからは鹿島がペースを取り戻して攻勢を強めたが、スコアは動かず終了。ゴール前までいくシーンは合っても、シュートまで持ち込めるシーンは多くなく、非常にしまったゲーム。鹿島のほうがテンションを高めていた印象があるので、得点が取れなかったことを考えると、鹿島のほうが時間がたつにつれて苦しくなってくるかもしれない。選手交代のタイミングも含めて注目したい。
後半
立ち上がりから鹿島がボールを持って隙をうかがう。川崎は省エネモードなのか、あまり出てこないで構える。カウンター狙い?
川崎もマルシーニョを運び役としてカウンターに出ていくが、逆に奪われてひっくり返されるなど、なかなかリズムをつかめない。鹿島的にはいまの良い流れで先制したい。
53分、中央のぽっかり空いたところにマルシーニョが飛び出してきてシュートまで持ち込むが、沖が距離を詰めてセーブ。こぼれ球を旗手が押し込んだが、ディレイでオフサイドの判定。鹿島は肝を冷やした。
60分、鹿島先制。左からのクロスにアラーノが合わせた。ソンリョンはタイミングを外される形になって、触れなかった。
64分、和泉→土居
65分、登里、シミッチ、マルシーニョ→小林、脇坂、宮城
[4-1-2-3]に変更。旗手が左SB、橘田アンカー、脇坂・家長IH、小林右WG。
飲水まで
鹿島が良い流れからの先制に成功。川崎はカウンターからチャンスを狙っていたが、マルシーニョが打開し切れず、詰まって押し込まれる時間が続いた。3枚替えで人とシステムを変えたことでどのような変化が生まれるか。
鹿島は交代を1枚にとどめており、70分まで「継続」を優先。これがどちらに転ぶか。
73分、鹿島がカウンターからピトゥカのシュートまで。シュートは惜しくもファーポストの外へ。ピトゥカが運んで前線の選手が動きながらスペースを作り出す連係が秀逸。
鹿島の圧力が少し弱まったことで川崎もボールを持つ時間は増えているが、鹿島のほうがゴールへ向かう迫力はある。
アラーノのシュート、荒木のミドルと鹿島がシュートチャンスを連続で作る。
77分、ダミアン→知念
知念と小林の2トップ。家長が右へ。
78分、ゴール前で3対3を作り出した鹿島が上田のシュートまで。ボール1個分外すところまではうまくいったが、シュートがヒットし切らなかった。
81分、橘田→山村
82分、川崎が同点に追いつく。セットプレーの直前に入れた山村が飛び出したGKの前で触り、ゴールへ流し込んだ。結果的に“ピンチターゲット”のような入れ方になった。
追いついたこともあってか、余裕が出てきたように見える川崎。敵陣へ入って“らしい”パス回しが出てきた。
83分、安西→永戸
85分、上田、アラーノ→エヴェラウド、カイキ
カイキが左に入り、土居が右へ。
川崎がPA内のポケットあたりに入り込んで、グラウンダーのクロスを送りこむシーンが頻発し始めた。
87分、小林がDFを交わしてシュートも沖がセーブ。こぼれ球もプッシュし切れず。決定機。
1-1になってからは完全に川崎のペースになった。鹿島はなかなか攻めに転じることもできない。
92分、カウンターから久々に鹿島にチャンス。エヴェラウドが左から抜け出そうとしたがオフサイド。エヴェラウドが前残りして、ピトゥカがトランジションで運び出す設計で1発は狙い続ける。
93分、川崎勝ち越し。宮城が右から無回転気味の強烈なミドルが突き刺さった。鹿島の寄せもやや甘くなったが、沖を無力化するようなスーパーゴールだった。
コメント抜き出し
(※Jリーグ公式サイトから引用)
[ 相馬 直樹監督 ]
お疲れさまです。まずは、たくさんのサポーターの皆さんが、われわれに最後まで力を与えてくださいました。非常に悔しい負け方を一緒にさせてしまい、申し訳ないと思います。ただ、最後まで一緒に戦ってくれたことに感謝したいと思います。今日は、前回の対戦と同じように1-2で負けたゲーム。「そこからこの試合に(向けて)」という思いはもちろん私もそうですし、選手たちも思いを持って臨んでくれた。そういうゲームだったと思います。本当に、「前へ」という意識を持って力のある相手にも怖がらず、自分たちから攻守ともに仕掛けていく姿勢は出してくれた。本当に選手たちに感謝したい。そう思っています。これを勝ちに変えてあげられなかった僕の力不足、というふうに思っています。いろんな意味で、また一つ、この悔しさをわれわれが成長する力になるように、変えていきたいなと思います。
--何が逆転負けにつながってしまったのか。
いろんな部分での見極めが僕に足りなかったと思っています。--選手交代も含めて、ということでしょうか?
“たられば”ですから、こうしていたら良いほうに転がっていたかもしれないですし、それは分からないです。結果として、私にやれることはあったと思っていますし、そこも含めて、というふうに思っています。ただ、悔いはないです。--勝てる可能性もあった試合だったと思います。チームとして、どこに差が出てしまったのでしょうか?
私は、私の責任という話をしていますので、そこの話をする必要はないと思います。
[ 鬼木 達監督 ]
連戦の中で、選手は気持ちのこもったゲームをしてくれた。それに尽きるかと思います。立ち上がりから鹿島の狙いのあるサッカーで難しい展開になったが、我慢強く戦ってくれた。先行されてもあきらめずに戦った結果が出た。この勝利が次につながると思う。--決勝ゴールを挙げた宮城 天選手について。
強度のあるゲームで、なかなかゲームのほうに入るのが難しそうだった。“一発”のある選手。そこを研ぎ澄ませてくれたかなと。もっとやっていけるように育てていければいい。こういうビッグゲームで結果を残したことを自信にして、力にしてほしい。良かったと思います。--途中出場の選手が活躍したが?
途中から出た選手たちは、(直近の第29節・)徳島戦もかなり良いパフォーマンスをしてくれていた。連戦でも良かったが、最後のところで、こういう展開になったときに力を注げるように、好調なものをあとから出てプラスαで出してほしいと。そういう意味ではよくやってくれたと思う。--ボランチ2枚で試合を始めた意図と手ごたえについて。
2枚を並べたのが良かったのかどうかは検証しないといけないが、前回と同様に、プレッシャーの掛け方とか意図をもって積み上げていければ、もっと良くなるかなという感覚はもっている。相手も狙いがあるが、そこがハマらなかったかなと思う。時間とともに修正はできた。いろいろなことをいろいろ進めていければと思う。最後は違う形になったが、そのバリエーションは増やしていければと思う。